システムエンジニアの給料が低い理由|他業種との平均年収の比較も実施

システムエンジニアのなかには「給料が安い」と不満を抱いている人もいるでしょう。本当に給料が安いのか、年齢別や業界別、職種別で比較します。比較をした上で、システムエンジニアの給料が安いといわれる理由や、収入を増やすための方法についても解説します。

本記事を読めば、システムエンジニアの平均年収が理解でき今後のキャリア選択の一助になるでしょう。一人で取り組むには不安な向けに、おすすめのフリーランスエージェントも紹介しています。

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目次

本当にシステムエンジニアの給料は安い?平均年収を比較

システムエンジニアの給料が安いと耳にしますが、実際はどれくらい安いのでしょうか。ここでは公的な情報をもとに以下の3つの視点で平均年収を比較します。

  • 年齢別
  • 業界別
  • 職種別

上記の比較結果からシステムエンジニアの給料が安いか確認しましょう。

年齢別|情報通信業の全体平均は649万円で年次が上がるにつれ上昇傾向がある

2024年9月に公表された国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、年齢階層別の平均給与は以下のとおりでした。

年齢(歳) 男性 女性 合計 情報通信業
19以下 133 93 112 338
20~24 279 253 267 378
25~29 429 353 394 470
30~34 492 345 431 535
35~39 556 336 466 625
40~44 612 343 501 704
45~49 453 343 521 749
50~54 689 343 540 792
55~59 712 330 545 838
60~64 573 278 445 626
65~69 456 222 354 591
70以上 368 197 293 872
全体平均 569 316 460 649

表1:年齢階層別の平均給与と情報通信業の比較(単位:万円)※国税庁の資料を基に編集

上記表を見る限り、どの世代でも情報通信業の給与は高水準でした。

また、年次が上がるにつれて平均年収が高まる傾向にあり、20代から40代にかけての伸び幅が大きいことがわかりました。

システムエンジニアが属する業界は比較的高水準であり、年次が上がるにつれて平均年収も上がりやすいことから、職業全体で見るとそこまで年収が低い職種とはいいにくいでしょう。

システムエンジニアの年収を年代・職種・雇用形態別に詳しく見る

業界別|全体平均と比べてシステムエンジニア職が属する情報通信業の年収は高水準

同じく国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」の「第12表 業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額」から業界別の平均年収を比較します。

業界 平均給与
建設業 548
製造業 533
卸売業・小売業 387
宿泊業・飲食サービス業 264
金融業・保険業 652
情報通信業 649
全体平均 460

表2 業界別の平均給与(単位:万円)※国税庁の資料から抜粋して作成

情報通信業の平均給与を上回る業界は確かに存在するものの、全体平均と比べると大きく上回っており、業界として給料が安いとはいえません。

年齢別、業界別で年収を比較しても、システムエンジニアの給料が安いという根拠は見当たりませんでした。

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職種別|一部の上流工程を担当する職種よりは低水準だが全体の年収を見れば平均的

最後に2024年3月に厚生労働省が公表した「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書から、職種別の平均年収を比較します。

IT・デジタル人材の職種別・役職別の賃金相場

引用元:厚生労働省 「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書

システムエンジニアが属する「設計・構築」グループの賃金相場は「企画立案・プロジェクト管理」グループに属する職種と比べると低くなっています。一方で「運用・保守系」グループよりは高い賃金相場です。

以上のデータから考えると、システムエンジニアの給料が安いといわれる理由は、上流工程の職種と比べて賃金相場が低いからだと考えられます。

職種別・スキル別のエンジニアの平均年収を調べる

企業に属する(会社員の)システムエンジニアの給料が低い理由

フリーランスや独立して働くシステムエンジニアに比べて、企業に属するシステムエンジニアの給料が低いという声も見られます。

会社員のシステムエンジニアの給料が安いのは、以下の4つの理由があるからです。

  • 給料のわりに労働時間が長く(残業が多く)なりやすいから
  • 多重請負が常態化しており下請けの給料が上げにくい状況だから
  • 社員契約を打ち切る・給与を下げることが難しい雇用形態だから
  • 年功序列の給与形態がとられる会社も一部残っているから

給料のわりに労働時間が長く(残業が多く)なりやすいから

システムエンジニアの仕事はプロジェクトの規模や複雑さにより、労働時間が大きく変わります。膨大なタスクや予期せぬトラブルに直面することもあり、納期に追われる状況下では残業が避けられません。

クライアントの要望変更や急なバグ修正が必要となれば、業務の手を止めてでも対応する必要があります。その上で通常業務も行うため、長時間労働を余儀なくされることが多いです。

数十時間のみなし残業を含む契約を採用している企業では、契約時間内であれば残業時間にかかわらず給料が変わりません。結果として、時給換算すると給料が見かけ上は低くなる傾向があります。

システムエンジニアの残業時間と辛い場合の対処法を確認する

多重請負が常態化しており下請けの給料が上げにくい状況だから

IT業界では多重請負構造が常態化しており、元請け企業から順に二次請け、三次請け、さらには四次、五次請けと、案件が複数の企業を経由して最終的な作業者に届きます。

各段階で企業が中間マージンを取るため、実際に作業をするエンジニアに支払われる金額は大幅に減少します。クライアントが支払う金額の半分以下しか実際の作業者に渡らないケースも珍しくありません。

多重請負構造の中でエンジニアの給料は、能力や実績に関係なく所属する企業の階層で決まります。高いスキルを持つエンジニアでも、下請け企業に所属していれば安い給料しか得られないのです。

社員契約を打ち切る・給与を下げることが難しい雇用形態だから

厚生労働省の「事業主の方へ ~従業員を雇う場合のルールと支援策~」では、労働契約の終了に関するルールが示されています。企業はこのルールに従い、社員契約を簡単に打ち切ったり、給与を下げたりすることは難しいです。

一度上げた給与を下げるのが難しいため、企業は従業員の給料をアップさせるのに慎重になります。解雇も簡単ではないので、能力に衰えの見える従業員でも雇い続けないといけません。

このように雇用の安定性と引き換えに、給与の柔軟な変更が難しいという構造的な問題があるのです。

一方でフリーランスは案件の有無で採用を決められます。技術やスキルが直接報酬に直結するため、市場価値に応じた報酬を得やすく高めになりやすいです。

年功序列の給与形態がとられる会社も一部残っているから

一部の企業では依然として年功序列型の給与体系が採用されています。年功序列の環境ではシステムエンジニアがいくらスキルを磨いても、大幅な給与アップにはつながりません。個人のスキルや実績よりも、年齢や勤続年数が給与に大きく影響するからです。

年齢や勤続年数が重視される環境では、若手の優秀なエンジニアは適切な評価を受けられず、モチベーションの低下や人材流出につながります。正社員として留まるには、安い給料を受け入れることを迫られます。

結果、企業で働くシステムエンジニア全体の給与水準は抑えられるのです。

SEを辞めた方がいい人に該当するか確認する

給料が低さに不満を感じるシステムエンジニアが現状を打破する方法

システムエンジニアの給料が安いと不満を抱いているのであれば、現状を打破する方法を考えましょう。

ただやみくもに行動しては後悔につながります。以下の方法を参考にして取るべき行動を決めてください。

  • 専門性の向上・スキルアップを図って現場で生かせる強みに磨きをかける
  • 社内でマネージャー職・リーダー職に昇進して昇給を図る
  • 待遇の良い他社へ転職(キャリアチェンジ)して給料を上げる
  • 勤務時間外で副業を始めて別の収入口を作る
  • フリーランスエンジニアとして独立する

専門性の向上・スキルアップを図って現場で生かせる強みに磨きをかける

給料の安さに不満があれば、システムエンジニアとしての市場価値を高めなければなりません。特定の分野で抜きん出た専門性を身につけて、現場で生かせる強みに磨きをかけましょう。

クラウドインフラやAI、ブロックチェーンといった先端技術に特化するのも一つです。流行りの技術を追いかけるだけでなく、実際のビジネス課題解決にどう活用できるかの視点も必要です。

専門性やスキルを身につければクライアントや組織の真のニーズを理解し、最適なソリューションを提案できるようになり、高い報酬につながりやすくなります。

フルスタックエンジニアの仕事内容やフリーランスの案件概要を詳しく見る

社内でマネージャー職・リーダー職に昇進して昇給を図る

安い給料を克服したいシステムエンジニアにとって、マネジメント職への移行は給与アップの王道です。年功序列での昇進を待たず、積極的にリーダーシップを発揮してプロジェクト全体を見通す力を身につけましょう。

小規模なプロジェクトのリーダーを任される機会があれば、技術面だけでなくスケジュール管理やチームメンバーのモチベーション維持など、マネジメントスキルを磨きます。社内の勉強会や改善提案などを通じて、組織全体に貢献する姿勢を示すことも大切です。

上流工程に携わる機会を積極的に求め努力が認められれば、自然とマネージャー職への道が開けるでしょう。

待遇の良い他社へ転職(キャリアチェンジ)して給料を上げる

待遇の良い他社への転職は給与アップへの近道です。最初に給与水準の高い企業の特徴を理解しましょう。一般的に元請けの大手SIerや外資系IT企業は、高給を提示する傾向にあります。

元請け企業ではクライアントと直接やり取りする機会が多く、コミュニケーション能力や提案力が求められます。また、外資系企業では英語力が求められる場合もあるものの、グローバルで最先端の技術に触れられる環境です。

単に給与だけでなく、自身のキャリアプランとの整合性も大切です。特定の業界や技術に特化した企業を選べば、より専門性を高められる可能性もあります。

IT系職種のキャリアパスを確認する

勤務時間外で副業を始めて別の収入口を作る

勤務時間外を活用した副業も安い給料を克服する有効な手段です。

業務委託向けの案件が掲載されたサイトやクラウドソーシングを利用して、小規模な開発案件やコンサルティング業務を請け負うのが一般的です。副業を始める前には会社の規定を確認し、必要に応じて許可を得ることを忘れてはいけません。

副業に取り組む際は選び方も重要です。本業のスキルを活用できるものを選びましょう。例えば、Webアプリケーション開発が得意なら、個人事業主向けのWebサイト制作を請け負うなどです。

副業は単なる収入源としてだけでなく、新しい技術や業界知識を得る機会にもなり、本業でのキャリアにも好影響を与えます。

システムエンジニアの副業を始める方法とコツを詳しく見る

フリーランスエンジニアとして独立する

技術や経験に自信があるのであれば、フリーランスエンジニアとして独立するのもいいでしょう。安定した収入を得るには、技術力はもちろん営業力や自己管理能力も求められます。

独立の形態には個人事業主と法人の2つの選択肢があります。個人事業主であれば手続きが簡単で開業コストも低いものの、大型案件の受注や信用度の面では不利になりやすいです。法人化すれば社会的信用度は上がる一方で、税務や労務など管理面での負担も増えます。

いずれの形態を選んでも、フリーランスとして成功するには、常に市場のニーズを把握し自身のスキルをアップデートし続けることが不可欠です。

フリーランスエンジニアの働き方を確認する

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低い給料に悩むシステムエンジニアが独立後も稼ぎ続けるためのコツ

システムエンジニアが独立した後も稼ぎ続けるのは簡単ではありません。継続して案件を獲得するには、技術や経験を磨くだけでなく戦略的な営業アプローチが不可欠です。

具体的には以下の方法があります。

  • スキル・経験を棚卸ししポートフォリオ・職務経歴書を更新する
  • 新しいスキル・専門外の領域の情報は積極的にインプットしスキルセットを増やす
  • 常に自分をアピールできる状態にし案件が紹介してもらえる環境を作る
  • アサイン後に期待値以上の成果を出して契約延長・再登用してもらえる関係を築く

スキル・経験を棚卸ししポートフォリオ・職務経歴書を更新する

独立後も継続的に稼ぐためにはポートフォリオや職務経歴書が重要です。FLEXYの採用データによると、職務経歴書が充実している応募者ほど採用率が高い傾向にあります。

職務経歴書には「大規模ECサイトのリニューアルプロジェクトでリードエンジニアとして従事し、サイトのパフォーマンスを30%向上させた」など具体的な成果を明記しましょう。習得した新しい言語やフレームワークを随時追加することも重要です。

ポートフォリオは実際のコードや技術記事を通じて自身のスキルを可視化できれば、クライアントからの信頼獲得につながります。

レジュメ・職務経歴書の書き方を確認する

新しいスキル・専門外の領域の情報は積極的にインプットしスキルセットを増やす

IT業界は急速に進化しているため、既存の技術や専門にこだわると陳腐化してしまう恐れがあります。常に新しい技術やトレンドにも目を向けて、情報をキャッチアップしましょう。

専門分野以外の領域にも目を向け幅広い知識を身につければ、さまざまな案件に対応できます。AI・機械学習やブロックチェーンなど、今後需要が高まる分野のスキルがおすすめです。先取りして習得すれば高単価案件の獲得につながります。

オンライン学習プラットフォームやテックカンファレンスへの参加、技術書の購読などの方法でスキルアップを図りましょう。

常に自分をアピールできる状態にし案件が紹介してもらえる環境を作る

プロシェアリング白書2024によると、フリーランスになってから困ったことの3位が「クライアント・案件・プロジェクト探し」です。解決するためには、常に自分をアピールできる状態を維持し、案件が自然と紹介される環境づくりが重要です。

LinkedInやWantedly、FacebookなどのSNSを活用し、定期的に自身のスキルや実績を更新・発信しましょう。技術ブログの執筆やオープンソースプロジェクトへの貢献といった専門性を示す活動も重要です。エージェントと定期的に連絡を取り合い信頼関係を深めれば、案件紹介の機会も増えやすいです。

アサイン後に期待値以上の成果を出して契約延長・再登用してもらえる関係を築く

案件にアサインされた後は、クライアントの期待を上回る成果を目指しましょう。高い評価が得られれば、契約延長や再契約につながります。

与えられた業務をこなすだけでなく、付加価値を提供することが大切です。納期前倒しでの納品や予想以上のパフォーマンス改善、セキュリティの強化提案などのビジネス目標達成に直結する成果が求められます。

チーム内でのコミュニケーションを大切にし、問題解決能力や柔軟な対応力も示しましょう。

また、契約期間中も自己研鑽を怠らず、プロジェクトに関連する新技術の導入提案なども積極的に行えば「なくてはならない存在」として認識されます。

システムエンジニアの給料が低いと不満なら状況打開のために行動しよう

システムエンジニアの給料が安いと不満を感じているなら、積極的な行動が必要です。スキルアップや専門性の向上、マネジメント職への昇進、転職、副業の開始、フリーランスとしての独立など選択肢はさまざまです。

より高い収入を求めてフリーランスエンジニアに転身するのであれば、FLEXY(フレキシー)のエージェントサービスをご利用ください。

特にフリーランスへの転身は戦略的な行動が不可欠です。あなたにあった案件の紹介から、キャリア相談までFLEXYのコーディネーターがサポートいたします。FLEXYを活用して新たなキャリアステージへ踏み出してみましょう。

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