【職種別・スキル別】エンジニアの平均年収と年収アップのコツ

エンジニアの平均年収 年収アップのコツも解説

ITエンジニアのキャリアは、そのスキルと経験によって大きく左右されます。この記事では、ITエンジニアの平均年収から年代別の平均年収、さらに年収をアップさせるためのフリーランスエージェントやおすすめの資格まで、ITエンジニアとして成功するための重要な情報を紹介します。

ITエンジニアの平均年収

ITエンジニアと呼ばれる職種には、代表的なものとしてプログラマやSE(システムエンジニア)があります。厚生労働省による職業情報提供サイト「jobtag」によると、主にプログラミングやデバッグ作業を行うプログラマの年収は約550万円です。

顧客の情報を管理するためのソフトウェア開発を請け負う業務システムのエンジニアも、年収は同じく約550万円となっています。ネットワーク、サーバー、ストレージ、データセンターなどのITインフラのプラットフォームを管理し、運用する役割を担うインフラエンジニアの年収は約660万円です。

なお、この数字は2022年度のデータを基にしており、ITエンジニアの経験やスキル、企業の規模、地域など、複数の要素が影響しています。

出典:厚生労働省「jobtag」 プログラマー,
厚生労働省「jobtag」 システムエンジニア(業務用システム),
厚生労働省「jobtag」 システムエンジニア(基盤システム)

一方で、国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、2021年度の日本全体の平均年収は443万円です。ITエンジニアに属する職業と日本の平均年収の数字を比較すると、ITエンジニアの平均年収は日本全体の平均年収よりも100万円以上高いことがわかります。

出典:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」P.6

ただし、これらの数字は全体的な傾向を示しており、個々の状況や企業によって実際の数字は異なる可能性があります。ITエンジニアの年収は経験や専門知識、スキル、そして求人市場の需要に応じて大きく変動するので注意してください。

ITエンジニアの職種別平均年収

ITエンジニアと一口に言ってもさまざまな職種が存在し、業務内容や給与も大きく異なります。ここでは、6つの職種をピックアップして、それぞれの年収や特長を紹介していますので参考にしてください。

データサイエンティスト

データサイエンティストの平均年収は、約557万円です。この職種は、データ解析や予測モデルの構築に携わる必要があり、高いスキルが求められるため、年収や平均年齢が比較的高めとなっています。

データサイエンティストは、統計学や機械学習の知識を駆使し、大量のデータから課題解決の方策を得ることを期待されています。データサイエンティストの需要は、ビッグデータ時代における意思決定の基盤としてますます拡大しており、企業の戦略策定や製品開発における重要な意思決定を支える存在です。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」 データサイエンティスト

データベースエンジニア

データベースエンジニアの平均年収は約534万円です。データの管理や設計、最適化が主な業務であり、近年ではビッグデータの処理と分析を担うことも少なくありません。

データベースエンジニアは、企業や組織におけるデータの基盤を構築し、維持管理する重要な役割を果たしています。データの取り込みから保管、アクセス、セキュリティの確保までを担当し、効率的なデータフローを確保します。企業が多くの情報を蓄積・利活用する中で、データベースエンジニアのスキルと専門知識への需要は高まっていくでしょう。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」 データエンジニア

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアの平均年収は、約550万円で平均年齢は38歳です。ユーザーインターフェースの開発や改善に従事し、ウェブサイトやアプリケーションのデザインや使いやすさに大きな影響を与えます。ユーザーが直接触れる部分を担当するため、より洗練された視覚的な体験を提供しなければなりません。

素早く変化するテクノロジーや新たなデザイン手法に迅速に適応し、優れたユーザーエクスペリエンスを提供することが求められます。また、デザインや機能性を融合させ、使いやすく魅力的なインターフェースを構築するためにはコーディングスキルやデザインの知識を継続的に向上させる必要があります。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」 システムエンジニア(Webサイト開発)

インフラエンジニア

前述したように、インフラエンジニアの平均年収は660万円です。平均年齢は約40歳で、企業や組織におけるインフラストラクチャの設計・構築・保守、ネットワークやサーバーの管理・構築を担当し、システムの安定性を確保します。

大規模なネットワークの構築やクラウドサービスの導入など、システムの可用性や効率性を向上させるために常に変化するテクノロジーに適応し、インフラストラクチャの改善やセキュリティの向上に努めなければなりません。セキュリティや災害復旧の対策など、安定性を保つための戦略的な取り組みも行います。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」 システムエンジニア(基盤システム)

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアの平均年収は約534万円です。通信ネットワークの設計・構築やセキュリティ管理などが主な担当で、特にセキュリティ分野では、データの保護やネットワークの安全性確保が重要視されており、高い需要があります。

ネットワークエンジニアは、通信インフラの構築や運用において、セキュリティプロトコルや最新のテクノロジーを導入し、情報の安全性を高めることが仕事です。これによって、ビジネスや個人ユーザーがインターネットやネットワークを効果的かつ安全に利用できるようになります。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」 電気通信技術者

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーの平均年収は約660万円です。平均年齢は40歳で、プロジェクトの計画・実行を管理し、チームをリードする役割を担います。

プロジェクトの成功にはリスク管理やコミュニケーションの能力・スキルも欠かせません。また、プロジェクト全体を見渡し、目標の達成に向けた計画立案やリソースの管理、タイムラインの調整などを円滑に行えるリーダーシップや問題解決能力、交渉力も必要です。チームの指導や意思決定のサポートを行い、プロジェクトが効率的かつ効果的に進行するように導きます。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」 プロジェクトマネージャ(IT)

また、プロジェクトマネージャーがフリーランスになるとさらに年収が高くなります。プロジェクトマネージャーとして年収アップを目指している方は、フリーランスのプロジェクトマネージャーについて調べてみてください。

ITエンジニアのスキル別平均年収

レベル別のエンジニアの平均年収

出典:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」P.8

ITエンジニアの年収は、スキルのレベルによって大きな差が見られます。経済産業省の調査によると、スキルのレベルが上がるにつれて年収も増加する傾向があります。以下に各レベルの定義と平均年収を示していますので参考にしてください。

なお、これらの数字はあくまで目安であり、実際の年収は経験や地域、企業規模などさまざまな要因によって異なります。

出典:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」P.7

レベル1(新人・初級者)

レベル1の平均年収は約437万円です。基本的なプログラミングやシステム構築のスキルをもっていますが、経験が浅いため、基本的な業務を担当します。

レベル2(若手人材)

レベル2の平均年収は約499万円です。レベル1よりも経験が豊富で、複雑なシステムの開発や保守など、より高度な業務を行えます。情報処理推進機構(IPA)の基準では、基本情報技術者試験や情報セキュリティマネジメント試験の合格者がレベル2に相当します。

レベル3(中堅人材)

レベル3の平均年収は約576万円です。試験の合格に加えて、スキルの習熟度や専門領域にかかわるプロジェクトの経験などで評価を行います。リーダーや上司の手を借りず、独立して作業を完結でき、応用技術や知識を習得した段階がレベル3に相当します。

レベル4(チームリーダー)

このレベルから急激に年収が上昇します。レベル4の平均年収は約726万円で、技術的なリーダーシップや戦略的な意思決定が求められる役割です。より高度な専門知識や技能を習得した段階であり、評価は職種別の経歴書や面談によって行われます。

レベル5(指導者・幹部)

レベル5の平均年収は約937万です。より複雑なシステムの設計や開発を主導し、高度な問題解決能力をもっています。個人として非常に高い能力をもちながら、社内では幹部クラスの役職を与えられることも多く、チーム全体のマネジメントを行える段階です。

レベル6/7(国内/国際的に著名)

レベル6と7は最高のスキルレベルであり、ITエンジニアのエキスパートとして広く認知されている存在です。平均年収は約1,129万円で、1,000万円を超えるケースが多く見られます。レベル6は国内で知られるようなレベル、レベル7は世界的に有名な人材とされており、企業において重要な意思決定に関与し、技術的な専門知識を提供します。

ITエンジニアの年代別の平均年収

ITエンジニアの年収は年齢とともに増加する傾向にあり、経験とスキルが大きく評価される職種です。以下では年代別の平均年収を解説します。

なお、これらの平均年収はあくまで目安であり、実際の給与は企業やプロジェクトの性質、地域などによって異なります。

出典:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」P.11

20代の平均年収

20代のITエンジニアの平均年収は約400万円です。この年齢層のエンジニアは、スキルの洗練や経験の積み重ねが重要であり、将来のキャリアにも影響を与えます。新たな技術や知識の獲得、ツールの導入といった取り組みが積極的に求められる時期でもあります。

30代の平均年収

30代に入ると、平均年収は20代から100万円ほど増加して約500万円となっています。この段階では、20代よりも高い給与水準が期待でき、キャリアの安定化が可能です。スキルやプロジェクトマネジメント能力がより重要となる時期でもあり、リーダーシップの構築が注目されます。

40代の平均年収

40代のエンジニアの平均年収は約600〜700万円です。この時期のエンジニアは、幅広い経験とさらなるリーダーシップが求められ、プロジェクト全体を俯瞰できるスキルや戦略的な視点がキャリアの発展に寄与します。同時に、若手エンジニアの指導やチームのマネジメントも重要な役割になります。

年収アップを目指すためには

エンジニアはどのように年収アップを目指せばいいのでしょうか。ここでは、エンジニアが年収アップを目指すためにおすすめのエージェントやコツを紹介します。また、スキルアップにつながるおすすめの資格も紹介しますので、ぜひご覧ください。

年収アップを目指せる!おすすめのフリーランスエージェントをご紹介

フリーランスエージェントを活用すれば、収入のアップやキャリアの発展に役立つ案件を見つけられます。以下では、フリーランスエージェントの中でも注目のものを紹介します。

FLEXY(フレキシー)

FLEXY(フレキシー)は、エンジニアやデザイナー、CTO、技術顧問など、フリーランスや副業向けに高単価の仕事を紹介しているサービスです。ハイスキルなプロ人材を対象に、週2〜3日勤務やフルリモートなど、柔軟な働き方ができる案件を豊富に提案しています。

FLEXYでは、プロジェクトの中心的な役割を担う案件が数多くあります。ITコンサルタントや技術顧問、プロジェクトマネージャーといった企業が優秀な人材を求めるポジションでは、月100万円を超える案件を見つけることも可能です。

また、FLEXYでは自社プロダクト・自社サービスがある企業での案件のみを紹介しており、サービス企画や要件定義といった上流工程からプロジェクトに参加できます。製造業やサービス業など、IT企業以外のプロジェクトを通じて、オンラインとオフラインの両方で経験を積むことが可能です。ぜひFLEXYのサービスをご覧ください。

FLEXYサービスを見る

レバテックフリーランス

レバテックフリーランスは、ITエンジニア専門のフリーランスエージェントです。フリーランスエージェント登録者数1位で認知度も高く、常時4,000件ほどの案件を取り扱っているため、エンジニアのスキルや経験に合わせた仕事を紹介してもらえます。

また、職種ごとに専任のキャリアアドバイザーが在籍しており、エンジニアのキャリアを全面的にサポートしてくれます。高単価の案件も多く、年収アップを目指すエンジニアにとって有力な選択肢です。

Midworks(ミッドワークス)

Midworksは、フリーランスITエンジニアの人材紹介に注力するエージェントサービスです。月額7万円まで保険料の負担額が50%になったり、スキルアップのための書籍購入費用・イベント費用を上限1万円まで負担してくれたりと手厚いサポートが魅力です。

案件数は2022年7月時点で3,300件以上あり、サイトでは非公開の求人が80%を占めます。エンドやSler直案件が多く、高単価が期待できるのもメリットです。

ITエンジニアが年収をアップさせるコツ

ITエンジニアの年収をアップさせる方法には、さまざまなアプローチやステップがあります。資格を取得したり、キャリアパスを見直したりして高収入を目指しましょう。

キャリアパスを描く

キャリアパスとは、個人が職業上の目標を達成するために設定する進むべき道筋です。企業内において、あるポジションに到達するまでの昇進・昇給モデルとして示されるプロセスであり、重要な役職や職務への階層的な配置や特定のスキル・知識の習得を伴います。

キャリアパスを明確にする一番のメリットは、「働く意義」が明確になることです。自身の目標や志向に合わせたキャリアパスを描くことで、モチベーションを維持・向上させられます。普段からキャリアアップや年収アップについて考え、情報収集することが大切です。

スキルを向上させたり資格を取得したりする

年収をアップさせるには、常にスキルの向上や新しい技術の習得が不可欠です。業界の急速な変化に置いていかれないためには、定期的なトレーニングや研修に積極的に参加し、最新の技術トレンドを把握しなければなりません。また、資格取得は自身の専門性を証明し、昇進や給与面での有利な交渉材料にもなります。

プロジェクトへ積極的に参加する

ITエンジニアとしてさまざまなプロジェクトに積極的に参加・関与することも、年収をアップさせる上で重要です。さまざまな経験を積むことで、スキルや社内での信頼を高められます。多様なプロジェクトでの成功体験は自身の価値を高め、将来的なキャリアアップにつながります。

コミュニケーション能力を身につける

技術力だけでなく、優れたコミュニケーション能力もエンジニアにとって不可欠です。円滑なコミュニケーションやリーダーシップは、プロジェクトやチーム内での評価を高め、昇進や報酬面での機会を増やすことにつながります。また、技術的なアイデアや課題をわかりやすく伝える能力もITエンジニアには求められます。

ITエンジニアにおすすめの資格

ITエンジニアにとって、資格取得はスキルアップにつながる最も重要な要素と言っても過言ではありません。経済産業省の調査では、「人材の保有資格」がIT関連企業が最も重要視しているものとなっています。

出典:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」P.19

ITパスポート試験

ITパスポート試験は、情報処理推進機構(IPA)によって実施される試験・資格です。ITについての基本的な理解をもち、それを各自の職務で利用できると認定することを目的にしています。試験はコンピュータベースのシステム(CBT)を使用して行われます。

新たにITエンジニア業界に参入する場合は、情報技術の基本を理解することが重要です。情報技術の基礎的な知識や用語、システム構築の基本原則を理解し、ITエンジニアとしての基本的な能力を証明したいのであれば、ITパスポートは最適な資格です。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、IT業界の登竜門としても知られており、情報処理技術の基本的な知識と技能を証明するための試験です。ネットワークやデータベース、セキュリティなど、ITの基本的な領域に関する幅広い知識が求められます。

ITパスポート同様に、基本情報技術者試験も情報処理推進機構(IPA)が実施しており、同じようにコンピュータベースのテスト(CBT)方式で随時受験ができます。

システムアーキテクト試験

システムアーキテクト試験は、高度な技術力と設計能力を証明する資格で、システム開発の上流工程を主導する立場にあるエンジニアなどに求められます。たとえば、ビジネスニーズに沿ったシステムの大規模なデザインを設計・完成に導く上級エンジニアを目指す方などに最適です。例年合格率が20%を下回る難易度の高い試験ですが、知識に裏付けされた高い技術力を証明できます。

システムアーキテクト試験も情報処理推進機構(IPA)が実施する試験です。ただし、コンピュータベースのテスト(CBT)ではなく、年に一回のみ筆記による試験が行われています。

本記事で紹介した資格以外にもエンジニアが取得できる資格は多くあります。自分の年収アップに必要な資格がないか、エンジニアの資格について調べてみることをおすすめします。

ITエンジニアの将来性

ITエンジニアの需要は、急速なテクノロジーの進化やDXにより、ますます高まっています。これまで以上にデジタル化が進む現代社会では、ITエンジニアの役割が不可欠であり、将来性は高いと考えられます。

特に人工知能やクラウドコンピューティング、セキュリティの分野では、これからさらなる成長が期待されています。人工知能技術は多岐にわたって活用され、自動化や効率化を促進するなど、革新的な技術です。ITエンジニアとして高額な収入を得たいなら、人工知能に関連するスキルの習得は軽視できません。

IT業界は恒常的な人材不足であるため、企業も採用に力を入れている状態です。IT人材はさまざまな業界から求められているため、在宅などの働き方も多様で、自身にあったキャリアパスを描ける可能性があります。

まとめ

ITエンジニアの将来性は、人工知能やクラウドといった新たな技術の発展により、ますます明るくなっています。ITエンジニアのキャリアは、絶えず進化し続けるこれらのテクノロジーとともに成長しています。

ITエンジニアとして年収をアップさせるためには、スキルの向上や資格の取得、そして適切なキャリアパスの設定が必要不可欠です。フリーランスエージェントを活用することで、自身のスキルや経験に合った仕事を見つけられ、更なるキャリアアップを目指せます。

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