ネットワークエンジニアの年収は? 仕事内容や年収を上げる方法
ネットワークエンジニアへ転職を検討している方に向けて、平均年収・仕事内容・将来性について紹介します。ネットワークエンジニアとよく比較されるほかのエンジニアとの仕事内容の違いも取り上げているので、転職時に役立ててください。
目次
ネットワークエンジニアの平均年収
転職サイトのdodaの調査によると、マイナビネットワークエンジニア全体の平均年収は448.3万円です。
出典:doda「ネットワークエンジニアとはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説【doda職種図鑑】
ただし、実際の年収は各人の年齢や業務内容、会社などによって異なります。ここからは、年齢別年収と年収分布の詳細をもとに、ネットワークエンジニアの平均年収について解説します。
また、ネットワークエンジニア以外の平均年収が気になる方は、その他エンジニア職種の平均年収もご確認ください。
年齢別年収
平均年収.JPによると、性別ごとの年代別の平均年収は以下の通りです。
▼年齢別
この表から、男性では20代から高収入を得られる一方で、30代と比較して年収額に大きな差がないことが分かります。理由としては、ネットワークエンジニアにはクラウドなどの最新分野の知識が求められるので、この点においては若手と中堅の間に技術的な差が少ないことが挙げられます。
また、男女ともに40代以降の年収の上がり幅が大きい傾向です。これは、管理職などのポジションに就くことで昇給するためと見られます。この年齢からネットワークエンジニアを目指すのであれば、一定のマネジメントスキルも求められることになるでしょう。
年収分布
転職サイトのdodaの調査によると、ネットワークエンジニアの年収分布は以下の通りです。
出典:doda「ネットワークエンジニアとはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説【doda職種図鑑】」
ボリュームゾーンは300~400万円未満であり、次いで400~500万円未満が多い結果となっています。ネットワークエンジニアとして経験が浅いうちは全体の平均年収である約450万円を割ることは少なくないものの、スキルが高まるにつれてそれ以上の収入も十分に目指せると考えられます。
ネットワークエンジニアとほかのエンジニアとの違い
ネットワークエンジニアとよく比較される職種としてはサーバーエンジニアや、システムエンジニアが挙げられます。ここでは、それぞれの違いについて解説します。
サーバーエンジニアとの違い
ネットワークエンジニアの業務では、ネットワークシステムの設計や構築、運用、保守などを行います。これに対し、サーバーエンジニアはサーバーの設計、構築、管理などを専門とします。両者の違いは、このように担当する範囲が異なる点です。
ネットワークとサーバーは切り離せない存在であるため、いずれの職種でも両方の知識が求められます。しかし、比較的サーバーエンジニアのほうが業務の難度が高く、それを反映して平均年収も460万円程度とネットワークエンジニアをやや上回る傾向です。
出典:doda「サーバーエンジニアとはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説【doda職種図鑑】」
システムエンジニアとの違い
システムエンジニアはコンピュータシステムなどの設計・開発を行う仕事です。業務としては、クライアントにヒアリングして仕様を決定し、実際に開発に携わるプログラマーをまとめるなど、システム開発全体における上流工程を主に担います。
技術力だけでなく、コミュニケーションやマネジメントのスキルが求められるため、平均年収は500万円程度と高い傾向です。
出典:求人ボックス「システムエンジニアの仕事の年収・時給・給料」
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの仕事は、サーバーや端末をつなぐネットワークを構築し、ソフトウェアが行う通信を確立・維持することです。仕事の内容は、おおまかにネットワークシステムの設計、構築、運用・保守に分けられます。
1. ネットワークの設計
ネットワークの設計は、基本的に要件定義・基本設計・詳細設計の3つの工程をもとに進めます。要件定義では、クライアントから要望や課題を拾い上げ、それらを解決できるネットワークシステムを検討します。さらに基本設計で構築方法・機器の種類・回線といった仕様を固めて、詳細設計で設定値・パラメータなどを詰めていくのが一般的です。
適切にヒアリングし、設計に反映するためには、コミュニケーション能力はもちろん、構築や運用・保守に至るまでの先を見通す知見を必要とします。ネットワークエンジニアのなかでも実績や経験のある人材が担当する仕事です。
2. ネットワーク構築
ネットワークシステムの設計書に従って、実際にネットワーク環境を構築します。この仕事では、現場で専用機器・コンピュータ・無線・ケーブルなどの設置や設定を行います。
正常に作動しなければ現場で都度対応して、検証と調整を繰り返すこともあります。要求されたスケジュール内で終えられるよう、現場で即座に対応する必要があるので、設計を理解できることはもちろん、設置する最新機器についての知識も身につけていなければなりません。
3. ネットワークの運用・保守
ネットワークシステムを構築したら、正常な動作を維持できるよう運用や保守を行います。運用では、主にクライアントから機器の増設や構成の変更などの要望があった際に対応します。
保守は、ネットワークに障害が発生しないよう監視するのが主な仕事です。たとえば、ネットワークのトラフィックが増加した際にシステムが停止する事態を防ぐために、保守の担当者が前もって回線を増強するなどの対策を行います。
また、万が一障害が発生した場合には原因を究明し、復旧に向けて対応します。システムの停止をなるべく最小限に抑えるため、迅速に障害を起こした箇所を特定し、部品交換を行うなどの対応が求められます。
ネットワークエンジニアの需要と将来性
経済産業省の調査によると、日本のIT人材の72%がIT関連企業に従事しており、米国の34.6%などと比べて高い結果です。逆に、そのほかのユーザー企業などに従事する割合が低く、地域のデジタル化を推進する人材についても不足している状況とされます。
近年ではデジタル化が加速している背景もあり、将来的にもIT人材の需要は高まっていくことが予想されるため、ネットワークエンジニアは将来性が高い職種だと言えるでしょう。ここからは、ネットワークエンジニアの需要が高まる背景について解説します。
IoTや5G技術の普及
近年、急速に普及するIoT・AI・VRなどの新技術。これらの通信には、従来の4Gに比べ20~100倍速く通信できる5G(第5世代移動通信システム)回線が使用されています。5Gの実現や、それを使用したIoTなどの技術進歩を受け、ネットワークシステムを構築するネットワークエンジニアの需要は高まっていますので、無線接続に関連して、BluetoothやZigbeeなどの知識も習得しておくと重宝されるでしょう。
クラウドサービスの普及
IDCの予測では日本におけるクラウドサービスの市場規模は2021年の1兆5,879万円から2026年までに約2.4倍の3兆7,586万円まで拡大する見込みです。
出典:IDC「国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表」
この予測の根拠として、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響から、クラウドサービスを利用する企業が増えていることが挙げられています。今後も多くの企業がクラウド利用を前提としたネットワークシステムへの移行を進めていくことで、ネットワークエンジニアの需要や市場価値も高まることが予想されます。
出典:総務省|日本のパブリッククラウドサービス市場規模(売上高)の推移及び予測
サイバー攻撃の激化
総務省の公表によると、NICT運用の大規模サイバー攻撃観測網は、2018年の約2,169憶パケットから、2021年には約2.4倍の約5,180憶パケットを観測しています。この結果から分かるように、サイバー攻撃は年々増え続けています。また、件数の増加だけでなく手口の巧妙化も進んでおり、攻撃への対策や対処を専門とするセキュリティエンジニアなどの職種だけでは、対応しきれない状況にあります。
被害を抑えるためには、ネットワーク構築時点でセキュリティ性を確保できる設計・設定を行うなどの対策が求められます。ネットワークの保守・運用においても障害発生時の原因調査などの際に有用なため、セキュリティ関連の知識やスキルのあるネットワークエンジニアには高い需要があります。
ネットワークエンジニアが年収を上げる方法
ネットワークエンジニアとして活躍するなら、以下の4つの方法で年収を上げることが可能です。年収をアップできれば生活にゆとりができるので、今よりも貯蓄を増やしたり、プライベートに費やせたりと、さまざまなメリットを享受できます。
資格を取得する
ネットワークエンジニアは、ポジションによっては未経験から始められる職種です。そこから年収を高めていくには、資格を取得して知識・技術力を養う必要があります。 たとえば、大手機器メーカーであるシスコシステムズ社の認定試験「CCNA」や、上位資格である「CCNP」、2年の実務経験が求められる「CCIE」などの資格があると、転職時に有利に働きます。また、企業によっては資格を取得すると手当がつき、賃金をアップすることが可能です。
転職する
ITエンジニアの確保のために、大手企業ほど給与を上げて優秀な人材を募集する傾向にあります。大手企業に転職することで、よりよい条件で働けるケースは少なくありません。また、経験次第ではより給与が高い上流工程のポジションに就ける可能性があります。年収を上げられると同時にキャリアアップも可能なため、働きに見合うだけの給与を得られないと不満を感じている方は、転職するのもひとつの選択肢です。
フリーランスへ転向する
株式会社groovesが1年間の年収の増減などを調査した結果によると、現役のITエンジニア259名のうち、フリーランス化による年収の平均上昇額は最も高い150万円でした。年収への貢献の大きさでは、次いで副業が平均110万円、転職が平均100万円の上昇です。ただし、年収が向上した人数についてはフリーランス化が4名、副業が30名、転職が68名となっており、フリーランスへの転向によって収入を高めるには相応に高い能力が必要であることが伺えます。
ネットワークエンジニアとして高収入を目指すなら、スキルの習得や経験を積むことが大切です。安定して高単価案件を獲得できるようになれば、正社員で働くよりも高収入を目指すのも夢ではありません。ただし、フリーランスは自分で案件を獲得する必要があることや、繁閑によって収入が不安定になるリスクがあります。
ネットワークエンジニアのフリーランスに挑戦する場合には、フリーランスの案件獲得方法を知っておくと仕事がなくて困ることを防げるでしょう。
出典:Forkwell Press「ITエンジニア259名を調査:年収と幸福度の意外な関係性」
フリーランスへ転向した場合、案件探しにはFLEXYサービスの利用がおすすめです。FLEXYではフルリモートで週3以上の案件も多数取り扱っているので、フリーランスに転向を考えている方は是非一度FLEXYのサービスをご覧ください。
副業する
副業で年収を上げる方法なら、いきなりフリーランスとして独立するよりも少ないリスクで挑戦できます。会社員として安定した収入を得ながら、合間に副業をこなすことで収入を高められます。副業によって自社以外の企業でも経験を積むことができるため、収入だけでなくスキルの獲得にも有効です。
ただし、企業によっては労働時間の管理や機密保持などの観点から副業が禁止されているケースもあるので、副業ができるかどうかは事前に会社へ確認しておきましょう。
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まとめ
ネットワークエンジニアは、ネットワークシステムの構築や運用に欠かせない職種のため、今後も需要が高まることが予想されます。仕事内容は設計などの上流工程と、現場での構築や運用・保守を行う下流工程で分かれており、下流工程であれば未経験からでも挑戦できます。年収を高めるには、転職によるキャリアアップやフリーランス化、副業などの方法があります。 FLEXYは、フリーランスや副業向けの人材サービスです。ネットワークエンジニアとしてキャリアアップやワークライフバランスの実現を目指すのであれば、是非FLEXYにご登録ください。