AIエンジニアの平均年収・単価相場は?年収アップに必要なスキル・資格も紹介

AIエンジニア 年収・単価相場

AIの台頭によりAIエンジニアの需要が高まっています。しかし、比較的新しい分野のエンジニアのため、キャリアを積む方法や将来的な需要に悩む方もいるかと思います。 そこで、現在から未来までの需要や年収、キャリアアップはどのようにすればいいのかを解説していきます。

AIエンジニアの年収・単価相場

AIエンジニアの年収・単価相場について、厚生労働省の『jobtag』による情報に基づくと、AIエンジニアの全国平均年収は534.6万円とされています。ただし、これはあくまで平均値であり、経験やスキルによって大きく変動するので注意が必要です。特に深層学習や自然言語処理などの専門知識をもつエンジニアは、高い需要により高い単価での雇用が期待されています。また、地域によっても年収の差があり、首都圏や主要都市での求人がより高収入のチャンスを提供している傾向もあります。

出典:jobtag「AIエンジニア」

ベンチャー企業のAIエンジニアの年収・単価相場

ベンチャー企業のAIエンジニアの給与相場は広範で、300万円から1,000万円の幅があります。企業のポテンシャルによって待遇が変わり、給与も大きく変動する傾向にあります。
特に小規模なベンチャー企業のAIエンジニアは、大手企業に比べてやや低い年収傾向が見られます。ただしこれは一般的な傾向であり、企業や個人のスキル、貢献度によって異なります。一方で、画期的な技術や独自のAI技術をもつベンチャー企業では、大手企業を上回る高収入を得ることも可能です。

出典:求人ボックス給料ナビ「AIエンジニアの仕事の年収・時給・給料」,スタンバイ「AIエンジニア ベンチャー検索結果」

大手企業のAIエンジニアの年収・単価相場

大手メーカーや大学・研究機関に所属するAIエンジニアの給与水準は比較的高く、企業によっては600万円~1,000万円といった高額に達するケースもあります。これらの組織では、高度な技術や専門知識を活かすための報酬が提供されます。 一方で、AI開発に積極的な大手企業では、市場でのリーダーシップや競争力を保持し、トップクラスのエンジニアに対して高額な報酬を用意しています。
大手企業のAIエンジニアは、高度なプロジェクトやリソースを活用する環境で働き、その対価として競争力のある年収を実現できます。実際エンジニアのスキルや経験は、企業の成長と革新に貢献する重要な要素です。

海外企業のAIエンジニアの年収・単価相場

海外のAIエンジニアの平均年収は、10万米ドルから20万米ドル程度であり、実務経験によっては25万米ドル以上の収入が期待されます。特に、日本よりも高い収入が見込まれる理由は、海外でのAIエンジニアの需要が高まっているからです。 AIは業務の効率化やサービス向上に貢献でき、さらには企業の競争力向上にもつながると期待されています。市場のニーズも高いだけに、技術の進化が非常に速いのも特徴です。海外企業は、そんなAI技術の進化に追いつくために優秀なエンジニアを確保しようとする意欲が高く、エンジニアの専門知識やスキルに対して高額の報酬を提供しています。 これにより、海外のAIエンジニアは日本に比べて高い年収を得る機会が増えており、グローバルな視野で活躍することで、報酬面でも大きなメリットを享受しています。

出典:glassdoor「AIエンジニアの収入」

フリーランスAIエンジニアの年収・単価相場

フリーランスAIエンジニアの場合、プロジェクトごとに単価が設定されており、受注には相応の専門的な知識と実績が必要です。年収・単価は幅広く、一般的には月単価が50万円~120万円の案件を受注可能です。しかし、スキルや実績によって収入の幅は大きく異なります。高度な知識やマネジメント能力をもつエンジニアは、より高単価を狙うことができます。特に需要が高まるAI分野では、高品質なソリューションを提供することで収入を増やすチャンスがあります。ただし、市場の競争も激しく、常にスキル向上と顧客のニーズへの適応が求められるのでより専門性が高くなります。

出典:BIG DATA「AIエンジニアの案件一覧」

AIエンジニアの年収・単価アップに必要なスキル

AIエンジニアの年収・単価アップに欠かせないスキルには、さまざまなものがあります。ここではその中でも重要なスキルを3つご紹介します。

プログラミングに関するスキル

AIエンジニアとしての成功には、幅広いプログラミングスキルが欠かせません。Python、C言語、C++、Java、JavaScriptなどのプログラミング言語を熟知することが必須です。これらの言語を活用して、AIアルゴリズムやデータ処理を実装する能力が求められます。

また、各言語のフレームワーク(PythonならDjango、bottle、Flaskなど)の経験やスキルも重要です。これらのフレームワークを使用してアプリケーションやシステムを開発し、効率的なソリューションを提供することが求められます。 AIエンジニアは、プログラミングスキルを通じてアイディアを具現化し、複雑なアルゴリズムを実装する役割を果たします。さらに、新たなテクノロジーやトレンドに対応するために、継続的な学習とスキルの向上が必要です。プログラミングに関する幅広い知識と経験を備えることで、AIエンジニアは市場での競争力を高め、より魅力的な年収や単価を実現できます。

データ処理・解析に関するスキル

AIエンジニアにとって、データ処理・解析スキルは不可欠です。AIが扱うデータは非構造化データ(画像や自然言語)が多く、従来の構造化データベースでは十分に管理できません。そのため、高度なデータ処理スキルが求められます。 データ処理・解析スキルを習得することで、効果的な方法でデータを整理し、価値ある情報を抽出できます。適切なデータの前処理や特長抽出、次元削減などの手法を駆使することで、AIモデルの学習や予測の精度を向上させることが可能です。 また、データの可能性を最大限に引き出すためには、AIエンジニアが新たなデータ処理技術やアルゴリズムを学び、適切に適用する能力をもつ必要があります。データ処理・解析スキルの向上は、AIエンジニアの専門性を高めて市場での価値を向上させる要素です。その結果、魅力的な年収や単価を実現する道が開けます。

コミュニケーション能力

AIエンジニアの年収・単価アップに向けて、コミュニケーション能力は不可欠です。現場では他のエンジニアとの連携が頻繁に発生し、円滑なコミュニケーションを通じてアイディアや情報を共有することが求められます。プロジェクトの進行や問題解決において、チーム全体の協力が重要であるため、良好なコミュニケーションが欠かせません。

さらに、論理的思考力や説明力も重要です。AIエンジニアは複雑なアルゴリズムや技術を理解して、他のメンバーや非専門家に対してもわかりやすく説明する能力が求められます。自分から提案を行うこともあり、効果的なコミュニケーションスキルをもつことで、プロジェクトの進行や成果に対する影響を大きく向上させることが可能です。
AIエンジニアが高収入や高単価を実現するためには、技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション能力や協調力を高める努力も重要です。自身のアイデンティティをしっかりとアピールし、チーム内外での影響力をもつことで、成功への道が広がります。

AIエンジニアの年収・単価アップにおすすめの資格

AIエンジニアの年収・単価アップを目指すために、取得しておくと便利な資格がいくつかあります。これらを取得して技術力を高め、自身の強みとして証明することが重要です。

E資格

AIエンジニアの年収・単価アップを目指すなら、E資格(エンジニア資格)がおすすめです。この資格は、日本ディープラーニング協会が主催している試験で、AIやディープラーニングに関する専門的な知識とスキルを評価します。 E資格の受験条件は、JDLA(日本ディープラーニング協会)認定プログラムの修了です。このプログラムは、深層学習やAIに関する幅広いトピックにわたる内容を提供しており、基本から応用までの知識を習得できます。 この資格は業界内での信頼性が高く、自身のスキルを向上させるためのひとつの道です。また、AIエンジニアとしての専門性と実務力の証明にも有効でしょう。

出典:E資格とは│一般社団法人 日本ディープラーニング協会

プロジェクトマネージャ試験

AIエンジニアの年収・単価アップを目指すなら、「プロジェクトマネージャ試験(PM)」がおすすめです。情報処理推進機構(IPA)が主催するこの国家資格は、プロジェクトマネジメントの知識やスキルを評価します。 近年、AIエンジニアのキャリアでは、プロジェクトの運営や推進に関わる役割が増えています。AIプロジェクトは複雑なので、多様な要素を調整して成果を最大化する能力が必要だからです。そこでプロジェクトマネジメントの知識をもつことで、プロジェクトの計画、実行、監視、制御といった過程を効果的に行ってチームやリソースを最適に活用できるようになります。
プロジェクトマネージャ試験を取得することで、AIエンジニアがプロジェクトリーダーやマネージャの役割を果たす際に、実務力を示して信頼性を高めることが可能です。

出典:プロジェクトマネージャ試験│IPA

この他にも、応用情報技術者やOracle Certified Java ProgrammerなどAIエンジニアを含むエンジニアの資格は多くあるので、自身に必要な資格は何か考えて取得を目指してみましょう。

AIエンジニアにおすすめの言語

AIエンジニアにとって欠かせない言語はさまざまです。これらの言語を扱えるようになることで、複雑なAIプロジェクトの実現に役立ちます。

Python

Pythonは、AIエンジニアにとって理想的な言語です。中程度の難易度でありながら、コードの可読性が高くわかりやすい構文構造をもつため、学びやすいスクリプト言語として知られています。 特に機械学習やディープラーニングの分野では、Pythonの優れたライブラリが充実しています。たとえば、TensorFlowやPyTorchなどのツールを利用して、高度なAIモデルの開発やトレーニングが可能です。これらのライブラリは豊富な機能を提供し、効率的なデータ処理やアルゴリズムの実装が可能となっています。
Pythonの優れたエコシステムは、AI開発において時間と労力を節約して高品質なソリューションを迅速に実現するための力強いツールです。そのため、Pythonの学習と活用は、AIエンジニアとしてのスキル向上と、より高い年収や単価を追求するうえで重要なステップです。

C++

C++は、プログラミング言語の元祖であるC言語を拡張したもので、1983年に開発が始まりました。特に速度を求められるAI開発においてよく活用されており、高い需要があります。たとえば、機械学習モデルの最適化や大規模データの処理、ゲーム開発など、さまざまな分野でC++が重要な役割を果たしています。
C++はその高速な実行性能と効率的なメモリ管理の特長から、リアルタイム処理や高度な計算が必要なAIプロジェクトに適用可能です。AIエンジニアがC++を学ぶことで、高速で効率的なソリューションの実装が可能となり、市場での競争力を向上させられます。AI技術の進化と需要増加に対応しつつ、C++のスキルを磨くことで、より高い年収や単価を実現する可能性が広がります。

Julia

JuliaはJITコンパイラによる高速な動作が特長で、スクリプト言語でありながら優れた実行性が魅力的です。新しい言語であるにもかかわらず、急速に発展しており、技術計算に重点を置くプログラミング言語として広く認知されています。 JuliaはAI分野でも活用されており、数値計算やデータ解析、機械学習、ディープラーニングなどの分野で優れたパフォーマンスを発揮させることが可能です。特に大規模データの処理や複雑なアルゴリズムの実装において、Juliaはその高速性と柔軟性を発揮します。
急速な発展と技術計算が注力されているため、JuliaはAIエンジニアにとって将来性のある言語です。AIの進化に追従しつつ、新しいツールとしてJuliaを学び活用することで、AIエンジニアのスキルセットをさらに高め、年収や単価向上への寄与が期待できます。

Java

Javaは、AIエンジニアにとって有力な選択肢です。JVM(仮想マシン)上で高速に動作するため実効速度がC言語に近く、パフォーマンスが要求されるAI開発に適しています。Deeplearning4jやJava-MLなどの機械学習のライブラリも公開されており、JVMを活用したシステムにAI技術を組み込む際に有利です。このようなJavaの堅牢なプログラミングモデルと優れたエコシステムを活かすことで、高品質なAIアプリケーションの開発ができます。
Javaは企業のシステム開発においても幅広く活用されており、AI技術との統合にも向いています。JVM上で動作するため、既存のシステムとの統合がスムーズに行える利点もあります。このような特長を活かして、Javaのスキルを磨くことで、AIエンジニアとしての価値を向上させ、年収や単価の向上が期待できます。

AIエンジニアが「やめとけ」「オワコン」といわれている理由

AIエンジニアの仕事は求められる技術レベルが高いうえ、ハードワークであることが「やめとけ」といわれる大きな原因です。さらにAIの急速な進化に伴い、新たな技術やアルゴリズムを追い続けるプレッシャーもあり、常に高い向上心が求められます。 また、学習指導要領の改定により、小学生からプログラミング学習が導入されており、今の子どもたちの技術力が将来的に高くなる可能性が考えられます。未経験から始めるにはやや険しい道のりであるかもしれません。さらに将来的には、AI自体がエンジニアの職を取って代わる可能性もあり、AIエンジニアの役割自体が変化する可能性も考えられます。

AIエンジニアの将来性

フリーランスAIエンジニアの需要は継続し、拡大傾向にあります。企業でのAI活用が広がっているにもかかわらず、その専門家の不足が課題となっており、フリーランスAIエンジニアの存在が求められているからです。 さらに、AI市場自体が急速に成長しており、自動化やデータ解析などAI技術の導入がますます進んでいます。特に技術の応用範囲は広く、医療から製造、金融まで多岐にわたっています。この市場の成長に伴い、AIエンジニアの需要も拡大傾向です。その専門知識とスキルをもつエンジニアは、今後も高い需要とキャリアの成長が可能です。

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まとめ

AIエンジニアの平均年収・単価相場は幅広く、ベンチャー企業での給与は300万円~1,000万円程度です。一方、大手企業や研究機関では600万円~1,000万円が一般的です。年収には振り幅がありますが、金額をアップするにはPythonやC++などのプログラミングスキルが必要で、E資格やプロジェクトマネージャ試験の取得も有益です。さらに、コミュニケーション能力やデータ処理スキルも磨くことで、自身の価値を上げることができます。エンジニアとしての需要は、AI市場の拡大と技術進化に伴って一層高まる見込みです。

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