AI資格おすすめ10選|取得するメリットや勉強方法を紹介
さまざまな団体がAIに関連する資格試験を実施しているため、「どれが実務に役立つのかわからない」「取得の優先順位がわからない」などと悩む方は多いのではないでしょうか。AI分野でキャリアアップを目指していきたい方に向けて、おすすめのAI資格や取得するメリット、具体的な勉強方法などを解説します。
目次
- AI資格おすすめ10選
- 1. G検定(ジェネラリスト検定)
- 2. E資格(エンジニア資格)
- 3. AI実装検定
- 4. DS検定(データサイエンティスト検定)リテラシーレベル
- 5. 画像処理エンジニア検定
- 6. AWS Certified Machine Learning-Specialty
- 7. AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
- 8. AI-102: Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution
- 9. Google Cloud Professional Data Engineer
- 10. Python3エンジニア認定データ分析試験
- 【職種別】おすすめのAI資格
- AI関連の資格を取得するメリット
- AI資格の勉強方法
- まとめ
AI資格おすすめ10選
AI資格には、基礎知識を問う初学者向けのものから、専門知識を問う上級者向けのものまでさまざまな種類があります。概要と特徴を参考にしながら自分のスキルレベルに合うAI資格を見つけ、ぜひチャレンジしてみてください。
1. G検定(ジェネラリスト検定)
概要
- 実施団体:日本ディープラーニング協会(JDLA)
- 特徴:AI技術に関する基本概念、用途、倫理など幅広い分野をカバー
- 合格率:65~70%
- 勉強時間:30~50時間
- 受験資格:なし
- 詳細:公式サイトを見る
G検定は、AIに関する基礎知識を問う検定試験です。人工知能や機械学習、ディープラーニング、AIに関する法律・契約などが出題範囲になっています。
試験形式は160問程度の多肢選択式で、自宅や職場などからオンラインで受験できます。勉強時間は約30時間、合格率65~70%とチャレンジしやすい水準にあるため、AI分野の初学者におすすめです。
2. E資格(エンジニア資格)
概要
- 実施団体:日本ディープラーニング協会(JDLA)
- 特徴:エンジニア向けの上級資格
- 合格率:65~75%
- 勉強時間:100時間以上
- 受験資格:JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修めていること
- 詳細:公式サイトを見る
E資格もまた、G検定と同じ日本ディープラーニング協会が実施する資格試験です。AIとビジネスの基礎知識を問うG検定に対し、エンジニアに必要な専門知識を問うのがE資格の特徴です。
問題は機械学習や深層学習、開発・運用環境などの実践的な内容から出題されます。出題形式は問題数100問程度の多肢選択式、受験方法はテストセンター方式です。
3. AI実装検定
概要
- 実施団体:AI実装検定実行委員会(AIEO)
- 特徴:3つの級に分かれておりAI初学者から上級者まで対象
- 合格率:いずれの難易度も70%前後
- 勉強時間:B級5時間程度 A級・S級10時間以上
- 受験資格:なし
- 詳細:公式サイトを見る
AI実装検定は、AIや数学、プログラミングなどの知識を問う検定試験です。難易度によって「B級」「A級」「S級」の3種類の試験が用意されており、B級がAI初学者、A級が中級者、S級がAIの実装力を証明したい上級者向けの内容となっています。
いずれの難易度も出題形式は四肢択一式の選択問題、受験方法はテストセンター方式です。
4. DS検定(データサイエンティスト検定)リテラシーレベル
概要
- 実施団体:一般社団法人データサイエンティスト協会
- 特徴:データサイエンティストに関する見習いレベルの知識を証明
- 合格率:50%前後
- 勉強時間:15~150時間
- 受験資格:なし
- 詳細:公式サイトを見る
DS検定は、2021年9月に初めて実施された比較的新しい資格です。データサイエンスの初学者を主な対象者としています。
「データサイエンス力・データエンジニア力・ビジネス力」の3領域から、線形代数やシステム企画、ビジネスマインドなどの幅広い問題が出題されます。試験形式は問題数100問の選択式、受験方法はテストセンター方式です。
5. 画像処理エンジニア検定
概要
- 実施団体:公益財団法人画像情報教育振興協会
- 特徴:画像処理の開発・設計に必要な知識を問う
- 合格率:ベーシック60~70% エキスパート20~40%
- 勉強時間:30~50時間
- 受験資格:なし
- 詳細:公式サイトを見る
画像処理エンジニア検定は、画像映像系製品や医療機器などの開発・設計に必要な知識を測る検定試験です。画像処理の基礎やパターン認識、メディア処理、知的財産権などの分野から出題されます。
難易度は、基礎知識を問う「ベーシック」と、応用力が求められる「エキスパート」の2種類です。いずれの難易度も問題数10問、試験時間はベーシック60分、エキスパート80分のマークシート方式で実施されています。
6. AWS Certified Machine Learning-Specialty
概要
- 実施団体:Amazon
- 特徴:Amazon Web Service環境下での知識を測る
- 合格率:約50~60%(推測)
- 勉強時間:約30時間
- 受験資格:以下の1と2をともに満たす個人(推奨)
1. 開発またはデータサイエンスを担当している
2. AWSクラウドでの機械学習、深層学習ワークロードの開発、アーキテクチャ設計、実行で1年以上の実践経験を有する - 詳細:公式サイトを見る
AWS認定資格は、Amazonが提供するクラウドサービス「Amazon Web Service」環境下での機械学習とデータサイエンスの知識を測る資格です。難易度と専門性によって3つ+1つの試験があり、なかでも上級者向けに「AWS Certified Machine Learning-Specialty」が用意されています。
受験にあたって、1年以上のAWS実務経験をもつことが推奨されているため、すでに一定の知識と経験がある方におすすめです。
7. AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
概要
- 実施団体:Microsoft
- 資格の特徴:Microsoft Azure環境下でのAIサービスや技術に関する基礎知識を測る資格
- 合格率:非公開
- 勉強時間:約30時間
- 受験資格:なし
- 詳細:公式サイトを見る
AI-900は、Microsoftが提供するクラウドサービス「Microsoft Azure(アジュール)」環境下での基礎知識を測る資格です。
Microsoft Azure認定資格は難易度と対象者に応じて10種類以上の試験があり、そのうちAI-900はAIエンジニアの初級レベルに位置づけられています。試験形式はコンピュータ上で実施する選択式で、自宅や全国の試験会場から受験可能です。
8. AI-102: Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution
概要
- 実施団体:Microsoft
- 資格の特徴:Microsoft Azureの中級者向け資格
- 合格率:非公開
- 勉強時間:1週間から1カ月程度
- 受験資格:なし
- 詳細:公式サイトを見る
AI-102は、同じくMicrosoftが実施するAIエンジニア向けの資格です。AI-900より1段階上のレベルにあたる、中級者向けの内容になっています。
AI-102ではAzureの各サービスに関する基礎知識に加え、より高度な専門知識と課題解決力が問われます。試験の範囲・内容は、Azureの検索サービス「Azure Cognitive Search」や、 AI機能作成サービス「Azure Cognitive Services」などが中心です。
9. Google Cloud Professional Data Engineer
概要
- 実施団体:Google
- 資格の特徴:Google Cloudに関する知識を測る上級者向け資格
- 合格率:非公開
- 勉強時間:1~3カ月程度
- 受験資格:3年以上の業界経験(うちGoogle Cloudを使用したソリューションの設計と管理の経験1年以上を含む)(推奨)
- 詳細:公式サイトを見る
Professional Data Engineerは、Google Cloudを用いた機械学習モデルの構築やデータ分析の知識を測る資格です。各団体が実施するGoogle Cloud認定資格の中でも、特に取得難易度の高いプロフェッショナルレベルに位置づけられています。
受験にあたって必須条件はありませんが、業界経験(3年以上)と、その中でGoogle Cloudを使用した実務経験(1年以上)をもっていることが推奨されています。また、資格には2年間の有効期限がある点にも注意が必要です。
10. Python3エンジニア認定データ分析試験
概要
- 実施団体:一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会
- 資格の特徴:PythonエンジニアやAIエンジニアを目指す中級者向け資格
- 合格率:81.5%
- 勉強時間:約30時間
- 受験資格:なし
- 詳細:公式サイトを見る
Python3エンジニア認定データ分析試験は、AIやデータ分析の分野で広く用いられるプログラミング言語「Python(パイソン)」の知識を証明する資格が得られる試験です。
出題範囲・内容は「データエンジニアの役割」「Pythonの基礎」などの初歩的なものから、NumPyやpandasのような実践的なものまで多岐にわたります。より高度なデータ処理技術と構造の知識を問う試験として、「データ分析実践試験」も同団体が実施しています。
【職種別】おすすめのAI資格
AI資格は、自分が興味をもつ職種に沿ったものを取得することで、実際の業務に知識を生かしやすくなります。どれを優先的に勉強すべきかわからずに悩んでいる方は、職種別のおすすめAI資格を参考にしてみてください。
AIエンジニア
おすすめのAI資格
- G検定
- E資格
- AWS認定資格
- Microsoft Azure認定資格(AI-xx)
- Python3試験(基礎試験、データ分析試験など)
AIエンジニアには、機械学習やプログラミング、数学の知識などが求められます。幅広い分野の知識が必要になるため、まずは基礎的なAI資格である「G検定」の合格を目指すのがおすすめです。
基礎知識を身につけた後は、より実践的な知識が問われる「E資格」や「AWS認定資格」などを目標にすると、AIについて段階的に理解を深められます。
データサイエンティスト・データアナリスト
おすすめのAI資格
- DS検定
- 統計検定
- 画像処理エンジニア検定
- G検定
- E資格
データサイエンティストおよびデータアナリストは、データベースの構築やデータ収集・分析を専門とする職種です。データベースやSQLに加え、プログラミングや統計学の知識が求められるため、「DS検定」「統計検定」などと高い親和性があります。
AIの学習用データを作成する過程では、画像処理に携わるケースも少なくありません。そのため、画像処理の開発・設計に必要な知識を問う「画像処理エンジニア検定」も、業務と深い関わりがあります。
関連記事:データサイエンティストにおすすめの資格13選! 難易度と勉強方法も解説
関連記事:データアナリストにおすすめの資格9選! 未経験からの勉強方法も解説
AI関連の資格を取得するメリット
AI資格は医師や弁護士のような業務独占資格とは異なり、業務に携わるのに必須ではありませんが、取得によって多くのメリットを得られます。実際に役立つのか疑問に感じている方は、以下のメリットを判断材料にしてみてください。
資格が、スキル・知識の客観的な証明となる
就職・転職の応募書類や面接で、「AIの専門的な知識があります」と伝えるだけでは説得力に欠けてしまいます。AI資格を取得することで自分のスキル・知識を客観的に証明でき、発言に説得力をもたせられるのがメリットです。
また、資格の取得難易度によって、スキルレベルや知識量を企業に読み取ってもらえるメリットもあります。資格を所持することで明確なアピールポイントができ、就職・転職の際に有利に働きます。
拡大するAI市場で将来的に活躍できるチャンスが増える
専門知識をもつ人材が不足している中でAI資格を所持していれば、活躍のチャンスを増やせる点がメリットです。
人材不足に関しては、例えば株式会社三菱総合研究所の試算によると、労働市場において2035年におよそ190万人の需給ギャップが生まれるとされています。また、経済産業省による、IT人材需要から見た需給ギャップの推計では、将来的にIT人材が40~80万人規模で不足するとの見込みです。
企業によっては、専門資格をもつ人材を積極的に採用したり、手当を支給したりするケースがあります。昇給やキャリアアップの面でも、AI資格の取得は大きなメリットです。
出典:【提言】スキル可視化で開く日本の労働市場|三菱総合研究所
出典:参考資料(IT人材育成の状況等について)|経済産業省(p5)
海外の最新技術情報をキャッチしやすくなる
AWS認定資格やMicrosoft Azure認定資格に代表されるように、AI資格の中には英語での受験が可能なものが存在します。英語での受験は日本語で行う以上に難度が高まりますが、取得によって高度な専門知識と英語力を同時にアピールできるのがメリットです。
AIや機械学習の最新技術情報は、最初に英語で発信され、その後日本語に翻訳される流れが一般的です。資格勉強の過程で英語での情報収集に慣れておけば、最新技術情報をいち早くキャッチしやすくなるメリットもあります。
AI資格の勉強方法
スキルレベルや経験によって個人差はありますが、100時間以上の勉強が必要なAI資格も少なくありません。計画的に勉強していかなければ合格は難しいため、自分に合う方法を見つけて着実に知識を身につけていきましょう。AI資格の勉強におすすめの方法は以下の4つです。
専門書籍で勉強する
初学者向けから上級者向けまで、幅広い専門書籍が市販されています。スキルレベルと照らし合わせながら選択できるため、自分のペースで知識を身につけていきたい方におすすめです。
ただし、書籍によっては情報が古い可能性があります。手軽に勉強できるメリットがある一方、情報の陳腐化が早い点に注意し、最新情報かをきちんと確認することが大切です。
Web教材で勉強する
持ち運びが難しい専門書籍に比べ、移動中でもスマホを使って勉強しやすい点がWeb教材のメリットです。専門書籍とWeb教材をうまく併用すれば隙間時間を有効活用でき、効率的な学習を実現可能です。
Web教材の中には無料のものも多く存在しますが、長らく情報が更新されていないケースや、信頼性に欠けるケースがあります。最新の情報で正しい知識を身につけるためには、無料サイトより、専門のスクールが提供するような有料サイトのほうがおすすめです。
講座・スクールを受講する
さまざまな団体が実施しているAI関連の講座や、スクールを活用するのも1つの方法です。スクールでは専門の教材とカリキュラムが用意されているため、書籍選びから学習計画まで自分でこなす独学に比べ、効率的に勉強しやすい点でメリットがあります。
カリキュラムに沿って効率的に勉強したい方や、最新情報が反映されている教材を使いたい方におすすめの方法です。
実案件で手を動かしながら学ぶ
自分で案件に携わってみると、書籍やWeb教材での勉強とは違った視点に気づく可能性があります。書籍やWeb教材での学びと、実際の自分の感じ方には少なからずギャップがあるため、実案件で試行錯誤しながら学習していくのがおすすめです。
エンジニアやデザイナー向けの人材サービス「FLEXY(フレキシー)」では、AI業務に関わる案件を豊富に扱っています。業務を経験する中で実践的な知識とスキルを身につけていきたい方は、まずはどのような案件があるのか気軽に確認してみてください。
まとめ
AI資格には基礎知識を問うものから、特定のクラウドサービスやプログラミング言語の専門知識を問うものまで、さまざまな種類があります。それぞれ勉強の過程で身につく知識が異なるため、今後のキャリアプランを明確にしたうえで、自分に合うAI資格の取得を目指しましょう。
学習には独学のほか、講座・スクールを受講する方法や、実案件の中で学ぶ方法があります。専門用語を覚えるだけでは高度なAI資格の取得は難しいため、基礎知識と一緒に実践的なスキルを磨くことが大切です。