データサイエンティストにおすすめの資格13選! 難易度と勉強方法も解説

データサイエンティストの資格13選 難易度や勉強方法を紹介

データサイエンティストは、膨大なデータから規則性や分類などを読み取り、ビジネス上の課題解決方法を提案する職業です。ビッグデータの利用機会が増した現在、データサイエンティストへの注目度は大きく高まっています。本記事ではデータサイエンティストを目指す人に向けておすすめの資格を紹介し、その難易度や勉強方法を解説します。

データサイエンティストとは?仕事内容を解説

データサイエンティストとは、多様で膨大な数のデータを分析することによって、ビジネス上の課題や社会的問題の解決案を提示する仕事です。
データサイエンティストの就職先やクライアントは多岐にわたりますが、ビッグデータを扱うIT系企業や各種メーカー、商社やシンクタンク、研究所やリサーチ会社などがあります。

具体的には、データサイエンティストは以下のような業務を担当します。

  • 分析企画を立てるために業務上の課題や分析すべきデータを明確にする
  • 必要なデータの種類や収集方法を検討しデータ収集を実施する
  • データの可視化や規則性の発見などデータを目的に沿って分析する
  • 分析結果をクライアントの問題解決に活かすために提案や報告を行う

データサイエンスという言葉自体は、実は2000年代以前から多くの場所で使われていました。しかし、現在のようにデータサイエンティストという職種として注目されるようになったのは、2010年頃からです。この時期には社会に広くインターネット環境が浸透したことでデータ量が増え、その過程でビッグデータという言葉も使われるようになりました。収集できるデータが増えれば、それを適切に扱うためのデータベースや、データを分析して業務に活かすスキルが求められます。また、分析によって獲得した情報を、業務上の課題に結び付けて改善していく提案ができるスキルも重宝されます。そのようにしてデータサイエンティストという職種の需要が高まってきました。

データサイエンティストとして働く際に必要なスキル・知識

この項目では、データサイエンティストとして活躍するために必要なスキルや持っていると役立つ知識を解説します。

分析・統計の知識

データサイエンティストは常に膨大なデータを扱い、何らかの法則やパターンを見つけ出したり、問題点を抽出したりすることを求められます。そのために欠かせないのが、統計学的な手法をはじめとするさまざまな分析方法です。

例えば既知の事実から未知のものを予想する方法や、データの差を比較する方法、データが変化する要因を探る方法など、できるだけ多くの引き出しを持っていることでデータサイエンティストとしての価値が高まります。

また、上記のような分析を行うためには、論理的思考や数学的知識、情報処理や統計学などの基礎知識の習得も必須です。

プログラミングスキル

データサイエンティストは、データの解析を行うためのツールを開発する力も求められます。そこで重要となるのが、R言語やPythonなどのプログラミング言語を扱うスキルの保持です。

R言語はJavaやPHPに比べると汎用性は低いですが、データをグラフにしやすいことやベクトル処理しやすいことなどから、統計解析に適しています。ただし、言語としての構造が複雑なため、習得のハードルは高めです。

一方PythonはR言語よりも扱いやすく、汎用性が高いという点にメリットがあります。AIや機械学習の分野でも多く用いられるため、PythonとR言語のどちらかを学ぶのであれば、まずはPythonがおすすめです。

コミュニケーション能力

データサイエンティストは「長時間パソコンに向かっている孤独な職業」というイメージがあるかもしれません。しかし実際は、多くの人に接する仕事なので、コミュニケーションスキルも欠かせません。

例えば、クライアントの課題や要求を聞き取るために人と対話するシーンがしばしばあります。また、分析結果をわかりやすく伝える工夫も求められますし、成果の重要な部分をアピールするプレゼンテーションの力もあるに越したことはありません。

データサイエンティストが資格を取得するメリット

データサイエンティストになるために必要とされる資格は存在しません。とはいえ、資格を取るために学習することはデータサイエンティストの業務に役立ちますし、データサイエンティストとして就職・転職する上でのアピールポイントにもなるでしょう。また就職してからは、資格を有していることでクライアントに与える説得力や信頼感が増し、営業的にも役立ちます。

さらに、資格を持っていることは目標に向かって一定の努力をできる人という証明にもなりますから、対峙する相手から好印象を得やすいというメリットもあります。

資格取得していると年収アップする可能性があります。年収アップを目標に資格取得を目指す方は、まずはデータサイエンティストの年収について調べてみてください。

データサイエンティストにおすすめの資格13選!難易度も紹介

以下に、データサイエンティストにおすすめしたい資格一覧を示します。

  • データサイエンティスト検定
  • データサイエンス数学ストラテジスト
  • 画像処理エンジニア検定
  • OSS-DB技術者認定試験
  • オラクルマスター
  • 統計検定
  • 統計士・データ解析士
  • データベーススペシャリスト試験
  • G検定・E検定資格
  • Certified Analytics Professional(CAP)
  • Open Certified Data Scientist
  • 基本情報処理技術者試験・応用情報技術者試験
  • Python3エンジニア認定基礎試験

以下の項目では、各資格試験の概要や難易度を紹介します。

データサイエンティスト検定

【難易度】中程度~やや難

一般社団法人データサイエンティスト協会が運用する試験で、正式名称はデータサイエンティスト検定™リテラシーレベルです(DS検定®★と省略表記されることもあります)。

試験はビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力の3つの領域から出題されます。

一般社団法人データサイエンティスト協会のサイトを見ると、データサイエンティストのスキルレベルが見習いレベルの★から業界を代表するレベル★★★★まで記載されています。そのため、DS検定®★は「受験すれば得られる簡単な検定」と勘違いされるかもしれません。しかし、一般社団法人データサイエンティスト協会が公表している第4回試験(2023年6月実施)の結果では、合格率44%と報告されています。

上記を踏まえれば、必ずしも低難易度の資格とは言い難いので、しっかり準備することをおすすめします。

出典:一般社団法人データサイエンティスト協会「DS検定®★過去の実施結果」

データサイエンス数学ストラテジスト

【難易度】中程度~やや難

公益財団法人 日本数学検定協会が運営する資格試験です。

数学的理論や計算能力、数学リテラシーや数学技能を活用する能力などが求められる試験で、深層学習や機械学習、プログラミングやAI・データサイエンスなどに関わるビジネスの展開に役立ちます。

中級と上級の2段階があり、どちらも受験資格はありません。中級、上級ともに合格率は公開されていませんが、中級は高校1年生程度の数学学習範囲で、数検準2級程度の力が必要です。上級は大学初学年程度、数検2級または準1級に合格できる程度の数学力が要求されます。

画像処理エンジニア検定

【難易度】やや易~やや難

画像処理エンジニア検定は、公益財団法人 画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が運営する検定試験です。画像処理の基礎や画像信号処理、メディア処理・符号化やパターン認識のほか、知的財産権など出題範囲が幅広い特徴を持っています。

画像に関する知識はデータサイエンティストの仕事とは無関係に感じるかもしれませんが、データサイエンティスト業務の多くはしばしば画像処理を必要とするので、この検定取得は実務に役立ちます。

試験はベーシックとエキスパートの2段階です。ベーシックは画像処理の基礎知識、エキスパートは専門知識や応用能力を問われます。過去数年の合格率を見るとベーシックは60%台で、しっかり学習していけば合格可能なレベルです。一方エキスパートの合格率は20%台から40%台になっており、振れ幅はありますが高難易度な試験と認識して挑むべきレベルと言えるでしょう。

出典:公益財団法人画像情報教育振興協会「検定試験応募者数と合格率」

OSS-DB技術者認定試験

【難易度】やや易~中程度

オープンテクノロジー技術者認定機関を名乗る特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが運営する資格試験です。OSS-DBとはオープンソースデータベースの略で、OSS-DBを扱う需要は近年高まりを見せています。

この資格試験に向けて学習するとデータベースを扱うための知識が習得できますし、取得すれば就職や転職にも役立つでしょう。 OSS-DB SilverとOSS-DB Goldの2段階が用意されており、Silverは、OSS-DBやPostgreSQLの基礎知識や運用管理、開発などができることを証明します。OSS-DB Goldは、OSS-DBやPostgreSQLの深い知識や運用技術の高さを証明してくれます。

合格率は公表されていませんが、合格率70%程度といわれており、難易度は高くないです。とはいえ30%程度の人は不合格となるレベルですから、しっかり学習することが必要です。

SQLの知識やスキルが証明される試験はSQLエンジニアの仕事にも活かせます。SQLに関連する試験を受ける方はSQLエンジニアについても調べてみましょう。

オラクルマスター

【難易度】中程度~やや難

オラクルマスターとは、日本オラクル株式会社が運用する資格試験です。データベースやSQLを扱う上で必要な知識やスキルを証明するもので、Bronze、Silver、Gold、Platinumの4段階が用意されています。

Bronzeには受験資格がありません。しかし、それ以降はSilver、Gold、Platinumと1段階ずつ順にステップアップしていく必要があります。合格率は公開されていませんが、段階が上がるほど難易度も上昇するので、事前に過去問などしっかり学習しておくことをおすすめします。

統計検定

【難易度】中程度~難

一般財団法人 統計質保証推進協会が運営する検定試験です。取得に向けて学習することで、データを客観視して論理的に問題解決へ向かうスキルや、国際的に利用できるレベルの統計活用能力が身に付けられるでしょう。

4級、3級、2級、準1級、1級という数値段階の種別のほかに、データサイエンスの分野があり、基礎、発展、エキスパートという3つの種別も用意されています。統計検定の合格率は全種別で公開されているわけではありませんが、2023年の1級合格率は「統計数理」が22.5%、「統計応用」が23.3%と公表されていることから、上位はかなり高難易度であることが窺えます。

出典:統計検定「受験データ」

統計士・データ解析士

【難易度】中程度

統計士とデータ解析士は一般社団法人 実務教育研究所が取り扱っている資格です。

統計士は現代統計実務講座を受講して統計の基礎を学び、報告課題と終末試験で基準点以上を取ると取得できます。一方データ解析士は、まず多変量解析実務講座でデータ解析技術を学び、報告課題や終了報告課題への合格が必要です。その上で、データ解析士認定試験に合格すれば、資格取得できます。両資格とも合格率は公表されていませんが、指定講座の受講が前提なので、修了課程までしっかり学習することで資格取得に近づけることは間違いありません。

データベーススペシャリスト試験

【難易度】難

独立行政法人 情報処理推進機構が運営する国家資格試験です。データベースを構築して膨大なデータを管理したり、データ分析を行ったりする人に適しています。合格に要求される内容として挙げられるのは、データベース技術やデータ資源管理、データモデリング技法のほか、データベース管理システムの特性に関する理解と実践です。

データベーススペシャリスト試験の合格率は、2023年の実施時には18.5%だったと公表されています。この試験は高難易度ですが、それだけに取得すれば希少価値のアピールが可能です。

出典:独立行政法人情報処理推進機構「令和5年度秋期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)及び情報処理安全確保支援士試験の合格発表について」

G検定・E資格

【難易度】やや易~中程度

どちらも一般社団法人 日本ディープラーニング協会が運営する資格試験です。

G検定(ジェネラリスト検定)は、取得によってディープラーニングやAIの基礎および活用方法を理解していることの証明になります。2か月に1回程度実施されているので受験しやすいです。2023年第5回の合格率は68.71%と公表されており、毎回60~70%前後で推移していることもわかっています。そのため、しっかり準備・学習していれば十分合格できる試験です。

E資格(エンジニア資格)は、ディープラーニングやAIに関する基礎知識やそれを扱う技術の証明になる資格です。試験は2019年以降、年に2回開催されており、2021年以降の合格率は毎回70%を超えています。この数値から高難易度の試験とはいえませんが、毎回30%程度の人が不合格となっていることを踏まえて準備することをおすすめします。

出典:一般社団法人日本ディープラーニング協会「「2023年 第5回 G検定」開催結果を発表(5,330名が受験し、3,662名が合格)」,
一般社団法人日本ディープラーニング協会「E資格(エンジニア資格)2023#1」結果発表(1,112名が受験し、807名が合格)

Certified Analytics Professional(CAP)

【難易度】難

データ分析のプロフェッショナルであることを認定する、海外の資格試験です。試験の内容は、統計分野を中心として展開されます。受験するために、修士号取得から3年以上、学士号習得から5年以上の実務経験を備えなければなりません。日本で試験を受けられますが、エントリーや試験を全て英語で対応しなければならず、ハードルが高いことで知られています。しかしその特性から、日本では希少価値が認められ、国際的に活躍できるデータサイエンティストとしてアピールする際に役立ちます。

Open Certified Data Scientist

【難易度】やや難

Open Certified Data Scientist (Open CDS)は、The Open Groupが運営する海外の認定資格です。取得すると、データサイエンティストとしての問題解決能力や、ビジネス上必要なスキルが備わっていると証明できます。

試験に合格して資格を得る形ではなく、経験値の提出やプロフェッショナルとしての面談など5つの過程を経て、ボードレビューに評価されれば資格取得です。 また、3つのレベルが用意されているので、経験や知識に応じてレベルを選択することもできます。

基本情報技術者試験・応用情報技術者試験

【難易度】難

どちらも、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が運営する試験です。基本情報技術者試験は、情報処理技術の基礎知識や情報技術者として必要なスキルの保持を認定してくれます。

応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位に位置付けられており、IT系業務内のシステム開発やIT基盤構築などの知識とスキルを認定する試験です。 IPAが公表している「令和5年度 情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 推移表」によれば、過去10年は合格率20%台で推移しているので、高難易度の試験であることがわかります。

IPAが公表している「情報処理技術者試験(基本情報技術者試験) 推移表」によれば、2024年1月18日現在の令和5年度の合格率は48.4%とされています。

出典:独立行政法人情報処理推進機構「情報処理技術者試験 統計資料 」P.3,
独立行政法人情報処理推進機構「情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 統計資料」P.3

Python3エンジニア認定基礎試験

【難易度】やや易~中程度

Python3エンジニア認定基礎試験は、一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会が管理運営している資格試験です。Pythonの文法や基礎から応用までが出題されます。

取得により、データサイエンティストにとって使用頻度が高いプログラミング言語であるPythonの基礎知識と応用力を認定されます。合格率は例年70%台で推移しているので、高難易度の試験ではありません。しかし、油断せず過去問などでしっかり学習することをおすすめします。

資格取得・勉強で得た知識・スキルを活用して実際の案件で腕試しをしてみませんか?FLEXYではデータサイエンティストが活躍できる案件を多数取り扱っています。「フルリモート」「高単価」「週1〜5日」などさまざまな条件で案件紹介が可能ですので、まずはFLEXYサービスの内容をご覧ください。

FLEXYサービスを見る

データサイエンティストの資格取得に向けた勉強方法

この項目では、データサイエンティストに役立つ資格試験の受験へ向けて、有効な勉強方法を示します。

参考書を使用して独学で学習する

データサイエンティストの資格取得に向けて独学するなら、参考書の利用は必須です。多くの参考書は必要な知識を体系的にまとめているので、初心者であれば最初から順に読んでいくことで基礎や理論の背景を理解できます。また、データサイエンティスト関連の資格試験では、暗記で対応できる問題だけでなく、考えて解くタイプの出題もあるので、例題や応用問題などを多く記載している参考書も有効です。

学校・スクールに通う

「自主的にコツコツ学習することが苦手」、「参考書のように文字情報ではなく、説明を聞いて学習したい」という人には、学校やスクールの利用をおすすめします。学校なら重要な部分を強調してくれますし、わからない点を質問できるメリットもあります。また、直接他者とコミュニケーションする場所に行くことで、講師や一緒に学習した人が将来の人脈となる点も魅力です。

学習サイトを活用する

学習サイトやオンライン講座は、データ分析や機械学習といった特定のテーマに関して体系的な学びを与えてくれます。そもそもデータサイエンティストの仕事はパソコンに向かってする作業が多いので実務的ですし、書いたコードを即座に確認できるなどメリットが豊富です。

また、講座によっては直接質問ができる点で、スクールへの通学と同様のメリットがあります。さらに、オンライン環境があれば受講できるので、通学費や通学時間を使わない点で効率的です。

過去問・模擬試験を解く

過去問や模擬試験は出題内容を知るために有利なので、ぜひ活用してください。過去問は1回解いただけで満足せず、何度か周回することをおすすめします。初回には正解することだけで精一杯でも、周回することで出題の意図やポイントを立体的に把握できるようになるからです。また、過去問を解くことにより、実際の試験で時間配分や解く順番に関する失敗をしにくくなるメリットもあります。

副業やフリーランスで働きたい方に向けて

副業やフリーランスのデータサイエンティストとして働き始める場合には、FLEXYへの登録がおすすめです。FLEXYではデータサイエンティストが活躍できる案件を多数取り扱っています。登録を完了させ、FLEXY担当者と面談すると希望に沿った案件を紹介することが可能ですので、まずはFLEXYサービスの内容をご覧ください。

FLEXYサービスを見る

今後フリーランスになることを目指す方は、データサイエンティストのフリーランスに必要なスキルや年収などを調べてみるとよいでしょう。

まとめ

データサイエンティストの主な業務は、分析企画やデータの収集・解析を行い、それらをクライアントへ報告・提案することです。業務にあたっては、統計や情報処理、プログラミングなどの知識とスキルに加え、コミュニケーション能力も求められます。

本記事で紹介した資格を取得することで、データサイエンティストとして就職・転職する上でのアピールになります。資格取得に向けての勉強方法として挙げられるのは、独学のほか、学校やスクール、学習サイトの活用です。過去問や模試も繰り返し解きながら勉強し、効率的な資格の取得を目指しましょう。

FLEXYとはABOUT FLEXY

『FLEXY』はエンジニア・デザイナー・CTO・技術顧問を中心に
週1~5日のさまざまな案件を紹介するサービスです