SQLエンジニアの仕事内容は?年収や役立つ資格・スキル、将来性、案件例を紹介

IT職種の働き方 SQLエンジニア編

SQLエンジニアへの転職を検討している人の中には、「SQLエンジニアの仕事に興味があるものの、収入面や将来性が不安」と思っている人がいるかもしれません。SQLエンジニアの需要は高く、将来性も十分に見込める職業です。本記事では、SQLエンジニアの概要や仕事内容、年収、必要なスキル、役立つ資格などについて解説します。

SQLとは

「SQL」とは、データベースの操作に必要なデータベース言語の一種です。コンピューターに処理を要求するためのプログラミング言語とは異なり、データベースの書き換えやデータの抽出・保管などの処理に用いられます。データを保管・整理する箱の役割を持つデータベースは、大容量のデータを保管するだけではなく、編集も容易である上、必要に応じて目的のデータを抽出が可能です。SQLは数あるデータベース言語の中で、最も多くのシェアを占めており、ISO(国際標準化機構)により国際標準化されているため、多様なデータベースで用いられます。

なお、SQLを用いてデータベースを操作する際には、管理システムであるDBMSとの組み合わせが欠かせません。DBMSは、データベースの読み書きに必要なプログラムです。

SQLの構成言語

SQLは、データベースの構造を定義する「データ定義言語」と、データの抽出・更新などに用いる「データ操作言語」、データへのアクセス制御を実行する「データ制御言語」の3つで構成されています。

データ定義言語

データ定義言語は、「DDL(Data Definition Language)」とも呼ばれ、データベースやテーブルの定義に用いられます。データブルの作成や削除、オブジェクト特性の変更、テーブルへのコメント付与などが可能です。

代表的な命令文のひとつが、データベースオブジェクトやテーブルの削除に用いられる「DROP」です。他に、オブジェクト特性を変更する「ALTER」、データベースやテーブルを作成する「CREATE」、ユーザーIDを削除し権限を取り消す「REVOKE」などがあります。

データ操作言語

データ操作言語は、データベースやテーブルで整理されているデータの操作に用いる言語です。「DML(Data Manipulation Language)」とも呼ばれ、データの更新や取得などに欠かせません。

代表的な命令文のひとつが、データベースに保管されているデータを抽出する「SELECT」です。他に、データを更新する「UPDATE」やデータを削除する「DELETE」、データを追加する「INSERT」などがあります。

データ制御言語

データ制御言語は、「DCL(Data Control Language)」とも呼ばれ、データベース内で整理されているデータのコントロールに用いられます。データベース利用者への権限付与、アクセス制御、トランザクションの確定や破棄などが可能です。

代表的な命令文のひとつが、データベースの利用者に対し、データの変更や削除など行える権限を付与する「GRANT」です。他に、ユーザーの権限を剥奪する「REVOKE」やトランザクションを確定させる「COMMIT」、トランザクションを破棄する「ROLLBACK」などがあります。

SQLエンジニアの年収例

SQLエンジニアの年収がいくらなのかは、一概には説明できません。なぜなら、勤務先や本人のスキル、経験、雇用形態、年齢などのさまざまな要素によって大きく変化するためです。

一例として、データをもとにSQLエンジニアの年収例を紹介します。IT・テクノロジー人材を対象としたコミュニティである「TECH Street」が公表した、「プログラミング言語別年収ランキング」によると、PL/SQLは20代が391万円、30代が493万円、40代が606万円、50代が588万円という結果が出ています。

出典:TECH Street「2020年プログラミング言語別年収ランキング」

また、「求人ボックス 給料ナビ」が公開しているデータによると、正社員として働くデータベースエンジニアの平均年収は588万円、派遣社員の平均時給は2,449円とのことです。

出典:求人ボックス 給料ナビ「データベースエンジニア関連の仕事の年収・時給・給料」

これらのデータを見ると、SQLエンジニアの年収は約400~600万円であることがわかります。フリーランスとして活動できるスキルがある場合、高額な案件を中心にこなすことで、さらに高い年収を目指せるでしょう。

また国税庁が発表している「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、令和4年の給与所得者の平均給与は458万円と報告されています。こちらと比較すると、SQLエンジニアは他職種と比べると高水準の給与を得ていることがうかがえます。

出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

SQLエンジニアの仕事内容

SQLエンジニアの仕事例として、「データベースエンジニア」や「データアナリスト」、「データサイエンティスト」などが挙げられます。

データベースエンジニア

データベースエンジニアとは、データベースを扱う技術者です。主な仕事内容は、データベースの開発や設計、管理、運用などが挙げられます。

開発・設計では、クライアントの要望を漏れなくキャッチし、ニーズに沿ったデータベースを構築します。また、データベースが問題なく正常に稼働するために、効率化や最適化を図って管理することも仕事のひとつです。

データベースの運用では、データのバックアップやアクセス権限の管理などがメインです。他にも、サイバー攻撃に備えたセキュリティ対策や情報漏えい対策なども担います。

データアナリスト

データアナリストとは、収集したデータを分析し、クライアントの抱える課題解決をサポートする職業です。近年、ビッグデータの重要性が認知されるようになり、あらゆる企業が利活用を始めました。それに伴い、データ分析のスペシャリストであるデータアナリストの需要も高まってきています。

データアナリストの働き方には、「エンジニア型」と「コンサル型」の2種類があります。エンジニア型は、勤めている企業で収集したデータを分析し、傾向や規則性などを見出して事業に貢献することです。一方、コンサル型はコンサルティング企業などで活躍するケースが多く、クライアントの課題を解決へ導くために、データ分析を行います。

データ分析は主観に捉われず、客観的な視点で行わなければなりません。したがって、データアナリストには論理的思考力が必要です。また、幅広い知識も求められるため、トレンドをキャッチする能力が高く、知的好奇心が旺盛な人にも適しています。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、データ分析のスペシャリストです。仕事のメインがデータ分析である点はデータアナリストと同じですが、データサイエンティストはより大規模なデータを扱うケースが多く、機械学習や統計に関わる点が特徴です。主な仕事内容として、データ利活用の戦略立案が挙げられ、収集・分析したデータをどのように事業へ活かし、利益につなげていくのかを戦略的に考えます。

またデータの収集と分析も重要な仕事であり、さまざまな方法を用いてデータ分析を行った後は分析結果をレポートにまとめて提出します。データサイエンティストとして活躍するには、高度な分析スキルが欠かせません。統計解析の知識やデータ処理のスキル、機械学習への知見も必要です。

データサイエンティストは資格取得することによって年収アップできる可能性があります。データサイエンティストとして働かれている方は、ぜひデータサイエンティストの資格について調べてみてください。

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SQLエンジニアに必要なスキル

SQLエンジニアには、SQLに関するスキルをはじめ、MySQLやPostgreSQLなどのデータベースのスキル、BIツールやクラウド関連の知識が求められます。

SQLのスキル

前述した、データ定義言語・データ操作言語・データ制御言語の3つからなるSQLの構文知識はもちろん、実務に活用できるクエリ作成のスキルを要します。

また、「アクセスしたデータベースの反応が遅い」「処理に時間がかかりすぎる」などの事態を回避すべく、データベースのチューニングなど、効率化や最適化を図るスキルも欠かせません。

データベースのスキル

データベースの製品知識は前提として、特にリレーショナルデータベース管理システム「RDBMS」の「MySQL」や「PostgreSQL」などはよく用いられているため、それらを扱えるスキルの習得が望ましいです。

MySQL

1995年に誕生した、リレーショナルデータベース管理システムのひとつであるMySQLは、Oracle社がリリース・サポートしています。オープンソースでありながら機能性に優れており、実用性の高さから、世界中でWeb開発やアプリ開発に用いられています。

WebアプリでDBMSを扱わないケースは少なく、MySQLを学ぶことによって、Webアプリ開発への理解を深められる点が魅力です。大規模なアプリケーションにも問題なく対応できる上、検索スピードも速いことから、さまざまな大企業のシステムやサービスで採用されています。オープンソースゆえに低コストで運用できるため、大幅なコストダウンが可能です。

PostgreSQL

オープンソースのデータベース管理システムであるPostgreSQLは、1986年に誕生したシステムをベースに開発されており、無償でありながら充実した機能を備えています。

これまで幾度となくバージョンアップを繰り返しており、2023年9月には最新版がリリースされました。最新版はクエリの最適化が行われ、並列処理の性能が大きく向上したばかりか、外部システムと連携してリアルタイムにデータ転送を行える仕組みになっています。日本語版がリリースされている他、公式サイトからダウンロードするだけで、簡単に利用開始できる点もうれしいポイントです。

Microsoft SQL Server

「Microsoft SQL Server」は、Microsoft社がリリースしたデータベース管理システムです。OracleやMySQLに次ぐシェアを獲得するほど、高い人気を誇っています。

特徴のひとつとして挙げられるのは、Windows OSとの相性のよさです。Microsoft社が開発したプログラミング言語とも同様に相性がよいため、Windows OSやC#を用いる環境に適しています。また、セキュリティの堅牢性は高く、ユーザーごとにアクセス権限を付与できる上、データのバックアップや復元などの機能も備えています。「エンタープライズ」や「スタンダード」、「デベロッパー」、「エキスプレス」など、複数のエディションをラインアップしている点も大きな強みです。

Oracle Database

「Oracle Database」は、世界的なシェアを誇るデータベースであり、名前の通りOracle社によって開発されました。DBMS市場において高いシェアを維持しており、堅牢性の高さやビジネスニーズを満たす豊富な機能、充実したサポート体制などが特徴です。

高度なクラスター機能の実装やセキュリティ診断サービスなど、耐障害性に優れています。ビジネスのニーズや目的に合わせて、機能を拡張できる柔軟性も選ばれている理由です。また、有償ゆえに費用はかかるものの、サポートが充実しているため、トラブルが発生した際の迅速な対応に期待できます。

関連技術のスキル

SQLはあくまでデータベースを扱うための言語なので、単体でのシステム開発は行えません。したがって、SQLエンジニアとして活躍したい場合は、PythonやJavaなどのプログラミング言語の習得が求められます。

近年、開発環境をクラウドへシフトする企業が増加しており、効率的に大容量のデータを扱う際には、「AWS」や「Azure」などのクラウドサービスの活用が必要です。クラウドの知識を備えることで、活躍の幅を広げられます。

さらに、BIツールを扱うスキルも欠かせません。BIツールとは、データの抽出や加工などを行う分析ツールで、ビッグデータを1か所に集めて分析できることから、課題の早期発見と迅速な対策を実現します。

SQLエンジニアに役立つ資格

SQLエンジニアとして活躍するのに、特別な資格や免許は必要ありません。ただ、取得することで自身のスキルや知識を示せるため、転職が有利になったり、報酬の高い案件を取得できたりする可能性があります。

データベーススペシャリスト試験

「データベーススペシャリスト試験」は、「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)」が主催しており、データベースに関する試験のひとつです。同法人が主催する情報処理技術者試験の中でも難易度が高いため、取得すればデータベースに関する高度な知識の保有が証明できます。

IT産業全般に関する知識やデータベースに関する技術的な問題など、幅広い知識を問われる点が特徴です。試験は年に1回しか行われないため、万全の準備を整えて試験に挑みましょう。

「IT関連の企業で働いたことがない」「データベースを扱ったことがない」など、未経験者がいきなり合格することは現実的ではありません。未経験者は、「ITパスポート試験」や「応用情報技術者試験」など、難易度の低い試験から挑戦し、ステップアップしていく方法がおすすめです。

OSS-DB技術者認定試験

「OSS-DB(オープンソースデータベース)技術者認定試験」は、「特定非営利活動法人 エルピーアイジャパン」が主催している認定試験です。オープンソースデータベースの扱いに要する知識やスキルを問われ、「Gold」と「Silver」の2段階のレベルが設けられています。

PostgreSQLを対象とする試験であり、取得するとPostgreSQLに関する高度な知識とスキルの証明が可能です。Silverは、オープンソースデータベースやリレーショナルデータベースに関する一般知識、運用管理、開発などの問題が出題されます。一方、Goldは運用管理や性能監視、パフォーマンスチューニング、障害対応など、より幅広く難しいです。

学習期間の目安として、コンピューターの一般的な知識があることを前提に、別のRDBMSの使用経験がある方で2週間程度、RDBMSの使用経験がない方で1か月程度かかるとされています。

出典:OSS-DB「FAQ」

ORACLE MASTER

Oracle Databaseの管理スキルを評価する資格です。Oracle Databaseに関するスキルや管理能力、運用面の他、SQLの習熟度も評価されます。

4段階のレベルが設けられており、「ブロンズ」→「シルバー」→「ゴールド」→「プラチナ」の順に難易度が高くなっています。はじめから最上レベルのプラチナへ挑戦することはできないため、ブロンズから順番にステップアップしなければなりません。(2019年以降はブロンズのみスキップ可能)

資格取得の過程において、SQLとリレーショナルデータベースの基本的な知識をひと通り習得できる点が魅力です。また、世界中でシェアされているデータベースを扱えるスキルの証明になります。

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SQLエンジニアの案件例

SQLエンジニアの案件には、インフラ開発やバックエンド開発、フロントエンド開発、サイト改善・保守などがあります。ここではFLEXYの持つ案件から、ハイスキル人材向けのSQLエンジニアの案件情報をご紹介します。

【〜80万円/月】IoTデバイスの開発などを行う企業でインフラ開発支援

■案件概要

  • 稼働日数:週2〜5日
  • 報酬:〜80万円/月
  • 勤務地:大手町
  • リモート:可

■業務内容

  • スマホアプリやWebアプリ、検証用アプリのインフラ、DBの設計・構築、維持運用
  • IoTデバイスを組み込んだソリューションのインフラ、DBの設計・構築、維持運用

■必須要件

  • AWS、Linux(CLI)、RDBMS(MySQL)

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【〜100万円/月】リユース事業プロダクトのバックエンド開発支援

■案件概要

  • 稼働日数:週4〜5日
  • 報酬:〜100万円/月
  • 勤務地:四谷4丁目
  • リモート:可

■業務内容

  • プロダクトのバックエンド領域における開発
  • 高品質なプロダクトづくりを目指す取り組み
  • チーム勉強会
  • 開発生産性

■必須要件

  • 1年以上のWebアプリケーションの開発の実務経験(Golang)
  • AWSやGCPといったパブリッククラウドの環境構築及びIaCの開発経験
  • チーム開発経験
  • ステークホルダーとコラボレーションしつつ開発を推進した経験
  • Postgres / MySQLなどのRDMSを利用した実務経験

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【〜80万円/月】BtoB EC・Web受発注システムを提供する企業でフロントエンド開発支援

■案件概要

  • 稼働日数:週4〜5日
  • 報酬:〜80万円/月
  • 勤務地:丸太町
  • リモート:可

■業務内容

  • EC・Web受発注システムの開発・運用をはじめ新サービスの企画・開発・運用等

■必須要件

  • フロントエンドエンジニアとして実務経験が1年以上ある方
  • 言語(PHP、MySQL、HTML/CSS、JavaScript)や環境(Docker、Git、AWS)での開発経験のある方

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【〜70万円/月】医療器具の販売などを行う企業で福祉/介護業者向けECサイトの改善/保守支援

■案件概要

  • 稼働日数:週3〜5日
  • 報酬:〜70万円/月
  • 勤務地:県庁前
  • リモート:可

■業務内容

  • 自社サービスである福祉/介護業者向けECサイトの改善/保守

■必須要件

  • VB.NET
  • SQL Server
  • オンプレ
  • Azure

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SQLエンジニアの将来性

数あるデータベース言語の中でも、SQLは世界で主流となっています。近年は、ビッグデータの重要性を認識する企業が増加しているとともに、クラウドやAIをビジネスに導入するシーンも増加しているため、こうした分野における需要も十分に見込めます。

さまざまな先端IT分野で活用できる点も、SQLエンジニアの将来性が高い理由です。AIやIoTの有用性が広く知られるようになり、今後はさらなる普及が予想されます。AIやIoTの活用にも、データの収集や分析は欠かせないので、SQLの知識は必須です。

SQLエンジニアには、データベースエンジニアやデータアナリスト、データサイエンティストなど、多岐に渡る関連職種があります。働いていく上で関心や状況に応じてキャリアパスを柔軟に変えていける点も大きな魅力と言えるでしょう。

まとめ

SQLエンジニアは、データベースの設計や開発、分析などに携わる仕事です。SQLを扱うことはもちろん、データベース製品を扱えるスキルも求められます。データベーススペシャリスト試験のような資格を取得すると、知識やスキルを客観的にアピールでき、転職や高額案件の取得に有利です。

SQLエンジニアの需要は高く、関連職種も多いことからキャリアパスも多岐に渡ります。AIやIoTの有用性が広く知られるようになり将来性も見込めるため、この機会にキャリアチェンジも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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