SREエンジニアの年収相場|年収を決めるポイントや今すぐ伸ばすべきスキルを解説

SREエンジニア(Site Reliability Engineering Engineer)とは、Googleが提唱したシステムの信頼性向上を専門とするエンジニアです。システムの安定性を維持しながら、開発スピードと両立させるための高度なスキルが求められます。

IT化やDXが進み複雑化した時代において、SREエンジニアの需要は高まり、年収は上昇傾向にあります。本記事では、SREエンジニアの年収相場や年収アップに必要なスキル、キャリアパスについて詳しく解説します。

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目次

SREエンジニアの年収相場|他のエンジニアよりも高いのか比較

厚生労働省の「職業情報提供サイト jobtag」にて、職種ごとの平均年収が公開されています。ただ、2025年時点でSREエンジニアの年収は掲載されていません。

SREエンジニアに類似するインフラエンジニアの平均年収が約685万円であることから、同程度かそれ以上の年収が見込まれます。

以下に、ほかのエンジニアの年収と比較した表を示します。

職種 年収
SREエンジニア 685万円
IT業界平均 462万円
システムエンジニア(Webサービス) 558万円
データエンジニア 558万円
AIエンジニア 558万円

SREエンジニアの年収がほかと比べて高いのは、DX推進とクラウドの普及により、信頼性の高いサービス運用のニーズが高まっているからです。

SREエンジニアの年収を左右する3つのポイントとは?

SREエンジニアの年収は、スキルや経験によって大きく左右されます。具体的に、どのようなポイントがSREエンジニアとしての市場価値と年収に影響を及ぼすのか、以下の3つの視点で解説します。

  • インフラからSaaSまで広範囲をカバーできるか
  • トラブル予防スキルと改善提案力があるか
  • 自動化・クラウド運用経験をどれだけ積んでいるか

インフラからSaaSまで広範囲をカバーできるか

SREエンジニアに求められるのは、インフラストラクチャーからSaaSまでの広範な技術領域をカバーできる知識と経験です。従来のインフラエンジニアと異なり、SREエンジニアはネットワークやサーバーだけでなく、クラウドサービス、コンテナ技術など、幅広いスタック全体を理解している必要があります。

システム全体を俯瞰して問題を特定し効率的に解決できれば、高い年収につながります。さらに、開発言語やデータベース、セキュリティに関する知識も必要とされ、多岐にわたるスキルセットを持つエンジニアほど市場での評価が高くなるのです。

トラブル予防スキルと改善提案力があるか

SREエンジニアに求められる役割は、システムの信頼性を維持・向上させる点にあります。単に発生したトラブル対応だけでなく、問題を予測し予防する能力が非常に重要です。監視システムの設計と実装、アラートの適切な設定、障害発生時のインシデント管理フローの確立などが求められます。

システムの信頼性と開発速度のバランスを取りながら、コスト効率の良い解決策を提案できるSREエンジニアほど年収も高くなる傾向にあります。障害対応の経験が豊富で、トラブルシューティング能力に長けたエンジニアは、組織にとって貴重な存在です。

自動化・クラウド運用経験をどれだけ積んでいるか

自動化とクラウド運用の経験も、SREエンジニアの価値を大きく左右する要素です。GoogleのSREの理念に基づけば、手作業や繰り返し行われる作業の自動化によって、エンジニアが創造的な仕事に集中できる環境を作る必要があります。

クラウド環境では、インフラのコード化(IaC)やCI/CDパイプラインの構築、自動スケーリングの設定など、さまざまな自動化技術が必須です。

また、大規模なサービスの運用経験も評価されます。クラウド環境での分散システムの運用や、マイクロサービスアーキテクチャの管理経験は価値の高いスキルセットです。

SREエンジニアとして年収を上げるために今すぐ伸ばすべき5つのスキル

SREエンジニアとして年収を上げるためには、現在の業務で必要とされるスキルに加え、将来的な市場価値を高めるための幅広い技術の習得が重要です。特に以下の5つのスキルは、SREエンジニアとしての市場価値と年収を向上させるでしょう。

  • TerraformなどIaCツールを自在に操るスキル
  • Python・Go言語でのツール開発ができるスキル
  • Kubernetes・Dockerの運用設計スキル
  • ログ監視・可視化ツール(Prometheus、Grafana)を使いこなすスキル
  • 障害対応フローを設計できるスキル

TerraformなどIaCツールを自在に操るスキル

Infrastructure as Code(IaC)ツールの代表格であるTerraformは、SREエンジニアにとって必須のスキルです。Terraformを使いこなせれば、クラウドインフラの構築や変更を効率的かつ一貫性を持って管理できます。

Terraformの利点は、インフラの状態をコードとして管理できる点にあります。環境の複製や変更履歴の追跡が容易になり、人的ミスによる障害リスクを大幅に削減可能です。

習得難易度は、基本的な使い方は数週間程度で学べますが、大規模なインフラを効率的に設計・管理するレベルになるには数ヶ月の実践が求められます。

Python・Go言語でのツール開発ができるスキル

Python・Go言語などのプログラミング言語でのツール開発スキルもSREエンジニアに不可欠です。業務用の自動化ツールを自作したり、既存のシステムを拡張したりするスキルが身につきます。

Pythonは、シンプルな構文と豊富なライブラリにより、監視スクリプトやデータ分析ツールの開発に最適です。Goは並行処理に強く、パフォーマンスが要求されるシステムツールの開発に適しています。

基本的な構文や機能は1〜2ヶ月程度で学習可能で、プロジェクトの経験の中で実用的なツールを開発していくといいでしょう。

Kubernetes・Dockerの運用設計スキル

オーケストレーションツールであるKubernetesと、コンテナ技術であるDockerの運用設計スキルは高く評価されるSREエンジニアに不可欠です。

Kubernetesを用いれば、マイクロサービスアーキテクチャの効率的な運用や自動スケーリング、ローリングアップデートなど、高度な運用戦略を実現できます。サービスメッシュなどの関連技術と組み合わせれば、強固なシステム基盤を構築可能です。

基本的な概念や操作を短期間で学び、実践的な経験を積んで本番環境での運用設計や障害対応ができるレベルを目指しましょう。

ログ監視・可視化ツール(Prometheus、Grafana)を使いこなすスキル

ログ監視・可視化ツールを用いたシステム監視は、SREエンジニアの腕の見せ所です。クラウドネイティブ環境での監視基盤として広く採用されているPrometheusとGrafanaというツールを使いこなすスキルは、高い市場価値につながります。

Prometheusはメトリクス収集と警告機能を提供し、Grafanaはそのデータを視覚的に表示するダッシュボードを構築します。基本的な設定や使用方法は数週間で学べるため、複雑なクエリや最適なアラート設計ができるレベルを目指して速めに取り組むといいでしょう。

障害対応フローを設計できるスキル

どんなに優れたシステムでも障害は避けられません。そのため、SREエンジニアには効果的な障害対応フローを設計・実装するスキルが求められます。「インシデントコマンダー」としての役割を理解し、緊急時にチームを効果的に導く能力が重要です。障害後の「ポストモーテム」プロセスを設計し、再発防止策の実施も求められます。

技術的な側面だけでなく、コミュニケーションやリーダーシップといった非技術的なスキルも必要であるため、時間をかけてスキルを習得する必要があります。実際の障害対応経験を積み重ねて身につけましょう。最も効果的な学習方法です。

SREエンジニアとして年収アップを目指すためのキャリア戦略

SREエンジニアとして年収アップを実現するには、スキル習得と並行して計画的なキャリア戦略の構築も必要です。以下では、SREエンジニアが年収アップを実現するための3つの主要なキャリア戦略を紹介します。

  • 社内でSREエンジニアとしてスキルが発揮できるポジションへ異動する
  • 現職よりも業務範囲が広くて裁量権のあるポジションへ転職する
  • フリーランス案件・副業向けサイトに登録して個人でできる仕事を受けてみる

社内でSREエンジニアとしてスキルが発揮できるポジションへ異動する

現在の会社内でSREエンジニアとして活躍できるポジションへの異動は、年収アップへの有効な一歩です。まずは基本的なSREの業務に関わる「Junior SRE」を目指しましょう。

そのためには、SREに関する自己学習を積極的に行い、基本的なスキル習得が重要です。チームの一員としてSREに関わり、いずれは「Senior SRE」としてチームを率いる役割もありえます。

具体的に一歩を踏み出すためには、上司や人事部門との1on1も重要です。キャリアプランを明確に伝え、計画的な異動の実現につなげましょう。

現職よりも業務範囲が広くて裁量権のあるポジションへ転職する

SREエンジニアとしてより高い年収を目指すなら、より幅広い業務範囲と裁量権を持てるポジションへの転職も有効です。SREの役割は企業によって大きく異なるため、自分のスキルと志向に合った環境を選びましょう。

転職先を選ぶ際には、大規模なクラウドサービスを運用している企業や、技術志向の強い企業を狙うのがポイントです。AWSやGCPなどのクラウドプラットフォームを積極的に活用している企業は、SREエンジニアの価値を高く評価する傾向にあります。

急成長中のスタートアップ企業や、技術に投資を惜しまない大手IT企業も高い報酬を提示する場合があるので、選択肢に入れてみると良いでしょう。

フリーランス案件・副業向けサイトに登録して個人でできる仕事を受けてみる

現職を維持しながら年収を増やす方法として、フリーランス案件や副業もおすすめです。SREエンジニアのスキルセットは汎用性が高いため、さまざまな企業やプロジェクトで必要とされています

まずは副業から始めてリスクを最小限に抑え、フリーランスとしての働き方に挑戦しましょう。副業を通じて、異なる環境や技術に触れればスキルの幅も広がります。フリーランス案件サイトに登録する際は、自分のスキルや実績を具体的にアピールすることが重要です。

副業で手ごたえを感じたら、より高い報酬の案件を獲得して独立をめざすのもおすすめです。

SREエンジニアとして独立すれば年収・単価は大幅に上がる可能性あり

フリーランスとしてSREエンジニアの道を選ぶと、年収が大幅にアップする可能性もあります。FLEXYに登録されているSREエンジニアの案件単価は、2025年5月時点で月額80万〜120万円です。年額に換算すると1,000万円を超えるケースも少なくありません。

ただし、フリーランスとして高収入を得るためには、技術力だけでなく案件獲得のためのコミュニケーション能力やセルフブランディング力も重要です。また、税金や社会保険、案件が途切れた際のリスクなども考慮しなければなりません。

独立を目指すのであれば、まずは副業から始めてクラウド環境での運用経験や、自動化ツールの開発経験を積んで、高単価案件獲得につながる武器を手に入れましょう。

独立・副業でSREエンジニアとして年収アップを目指すならFLEXY(フレキシー)

SREエンジニアとしての独立や副業で年収アップを実現したいなら、FLEXY(フレキシー)をご活用ください。FLEXYでは高単価のフリーランス案件から、週1〜2日稼働の副業案件まで多数取り扱っています。

SREエンジニア向けの案件では、クラウド環境の構築・運用、監視基盤の整備、自動化ツールの開発など、スキルを活かせる案件が多数掲載されています。現職を続けながら副業としてスキルアップしたい方にもおすすめです。

また、専任のコーディネーターが、あなたの希望やスキルセットについてヒアリングし、最適な案件を提案してくれます。SREエンジニアとしての市場価値を最大化し、年収アップを実現したい方はぜひFLEXYにご登録ください。

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未経験からでもSREエンジニアは目指せる?現実を紹介

未経験からSREエンジニアを目指すことは可能であるものの、その道のりは決して平坦ではありません。

エンジニア未経験者であれば、まずはプログラミングやサーバー、ネットワークの基礎知識を身につける必要があります。さらに、システムエンジニアやインフラエンジニアなど、関連分野で実務経験を積むことが重要です。

すでにエンジニアとして働いている場合は、既存のスキルを活用しながらSRE特有の知識(監視設計、自動化、障害対応など)を補強しましょう。職種によっては、比較的スムーズに転向できる可能性もあります。

具体的には、関連する資格の取得を目指し、並行してクラウド環境での実践的な経験を積むといいでしょう。

SREエンジニアとして年収アップを目指す上で取りたい資格

SREエンジニアとして市場価値を高め、年収アップを実現するためには、適切な資格取得が効果的です。採用担当者やクライアントに対する客観的なスキルの証明にもなります。ここでは特に有効な資格を3種類紹介します。

  • AWS認定資格
  • Linux技術者認定
  • システム管理技術者資格

AWS認定資格

AWS認定資格は、クラウド環境でのインフラ構築・運用スキルを証明する資格です。SREエンジニアにとっては、AWSソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)が最初に目指すべき資格として推奨されています。

システムアーキテクチャの基本原則、高可用性設計、セキュリティ、コスト最適化などの知識が問われます。難易度としては中程度で、AWSの基本的な知識があれば、50時間程度の学習で合格可能です。ただし、実務経験がない場合はより多くの学習時間が求められます。

クラウド環境としてAWSを採用している企業が多いため、この資格を持つエンジニアへの需要は常に高い状態です。

AWS認定資格12種類の難易度を確認する

Linux技術者認定

Linux技術者認定試験は、Linux環境での運用管理スキルを証明する資格です。SREエンジニアにとって、Linuxはサーバー環境の基盤として欠かせない知識領域であるため、この資格取得は実務能力の証明となります。

なかでもLPICは国際的に認知された資格であり、レベル1からレベル3まで段階的にスキルを証明できる体系になっています。また、LinuCは日本市場に特化した資格で、日本企業での評価が高いという特徴があります。

レベル1であれば、基礎的な内容で比較的取得しやすく、初心者でも数ヶ月の学習で合格可能です。

Linuxの詳細情報を確認する

システム監査技術者資格

システム監査技術者資格は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家資格の一つで、情報システムのリスク管理や監査に関する高度な知識と実践力を証明するものです。SREエンジニアにとって、監査の視点やリスク評価の知識を習得する上で有効です。

情報システムの設計・運用におけるリスク分析、セキュリティ対策、内部統制、法令遵守(コンプライアンス)など、幅広い分野の知識が問われます。合格率は例年10%台と難易度は非常に高くなっており、計画的な学習と実務経験が不可欠です。取得できれば、「技術力+リスク管理力」を兼ね備えた希少な人材として評価されるでしょう。

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SREエンジニアの将来性|今後も需要や年収は伸びていくのか?

SREエンジニアの将来性は非常に明るいといえるでしょう。クラウドサービスの企業導入率は増加傾向にあるため、安定的で信頼性の高いサービス運用に欠かせないSREエンジニアの需要はますます高まっています。

特にDX推進が企業の競争力に直結する現代では、システムの信頼性向上は経営の重要な課題です。SREの考え方は欠かせないものであるため、SREエンジニアの重要性は今後も高まり続けると予想されます。

SREの役割には幅広い知識と経験が必要であり、すぐに人材が育成できるわけではありません。スキルを持ったSREエンジニアであれば、今後も「希少な人材」として高い評価を受け続けるでしょう。

SREエンジニアのキャリアを真剣に考えて年収アップにつなげましょう

SREエンジニアは、DXが推進される現代の企業において欠かせない存在です。ほかのITエンジニアと比較しても高い年収が期待でき、将来性も明るい職種です。

今後のキャリアについて検討しているエンジニアの方は、SREエンジニアとしてのキャリアを真剣に検討してみましょう。本記事で紹介した必須のスキルや、キャリア戦略を参考にしてできることから取り組んでください。

将来的に独立を考えており年収を大きく上げたい・会社員のうちに個人として実績を作りたい方は、FLEXY(フレキシー)をご利用ください。専任のコーディネーターがあなたをサポートし、SREエンジニアとしてのキャリアを伴走いたします。

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