AWS認定資格12種類の難易度は?取得のメリットや勉強方法も解説
近年クラウドエンジニアの需要の高まりに比例して、AWS資格保有者の評価も高まっています。「転職するにあたりAWS資格取得を考えているので、種類別の特徴や難易度、勉強方法を知りたい」という方も多いのではないでしょうか。そこで、AWS資格の種類別の特徴や難易度、勉強方法などについて解説します。
AWS認定資格とは?
AWSは代表的なクラウドサービスプラットフォームの一つで、2006年のAWS S3のリリースを皮切りに数多くのクラウドサービスを提供しています。
一方で、これらのサービスを使いこなすには体系的な知識やスキルが不可欠です。これらの知識・スキルをAWSエンジニアが効率よく習得するために設けられたのが、AWS認定資格です。この認定資格の取得数が多くなれば、それだけAWSエンジニアとしての評価が高まり高単価なAWS案件も受けやすくなります。
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AWS認定資格12種類の難易度や試験内容
AWS認定資格には以下の12種類があり、それぞれ試験範囲や難易度などが異なります。
- 【難易度:低】
- AWS認定クラウドプラクティショナー
- 【難易度:中】
- AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト
- AWS認定SysOps アドミニストレーターアソシエイト
- AWS認定デベロッパーアソシエイト
- 【難易度:高】
- AWS認定ソリューションアーキテクトプロフェッショナル
- AWS認定DevOpsエンジニアプロフェッショナル
- AWS認定 高度なネットワーキング
- AWS認定データベース
- AWS認定 機械学習
- AWS認定セキュリティ
- AWS認定SAP
- AWS認定データアナリティクス
いずれも受検の前提条件はなく、必要な資格を選んで受検できます。しかし、なかには高度な知識やスキルが求められる資格もあるので、各資格の特徴を把握しておくことが大切です。
ここでは、全12種類の資格の詳細を解説しますので、自分に必要な資格を確認してください。
なお、AWS資格には、サーティファイド データ エンジニアという資格も存在します。こちらの資格については、現在(2024年1月時点)ベータ版が公開されている段階であり、試験の実施期間も限定されているため解説を省略しています。
AWS認定クラウドプラクティショナー|難易度:低
AWSの基本的な知識や、クラウドサービスの理解を深めたい人を対象とした認定試験です。クラウドコンセプト・サービスの機能・セキュリティに焦点を当てた、実践的な知識を問われます。
技術的な内容に関する問題は少なく、あまり難易度が高くないので、クラウドサービスに関する知識や技術が乏しい初心者におすすめです。
また、クラウドサービスに触れたり説明したりする機会が多い、顧客サポートや営業担当者などが受けるのにも向いています。
レベル | 基礎 |
対象者 | AWSクラウドの設計やオペレーションの実務経験者(6カ月以内) |
試験時間 | 90 分 |
料金 | 100 USD |
問題数 | 65 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト|難易度:中
システムアーキテクチャの基本原則や高可用性、セキュリティ、コスト最適化に焦点を当てた認定試験です。1年以上の実務経験があり、AWSサービスの設計・実装に関する知識やスキルをもつ中級者を対象としています。
とはいえ、難易度は中程度であり、あまり経験のないエンジニア初級者でもきちんと勉強すれば取得可能です。
レベル | アソシエイト |
対象者 | AWSサービスを用いたクラウド設計の実務経験者(1年以上) |
試験時間 | 130 分 |
料金 | 150 USD |
問題数 | 65 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
特にインフラエンジニアでAWSスキルを向上させたいとお考えの方にはおすすめの資格です。 この資格の取得過程で、AWS上の設計・開発やITインフラ構築におけるプロジェクトリーダーとしての実践的なスキルを磨くことができるでしょう。
AWS認定SysOps アドミニストレーターアソシエイト|難易度:中
システムの運用・データの管理・モニタリングに焦点を当てた認定試験です。AWSサービスの設定やトラブルシューティング能力が必要で、出題範囲も広いため、実務経験のある中級者に向いています。
あまり知識や経験がない方でも合格は不可能ではありません。ただし、出題内容に関する情報収集を行い、しっかり勉強する必要があります。
レベル | アソシエイト |
対象者 | AWSでの管理・ネットワークなどに関する実務経験者(1年以上) |
試験時間 | 130 分 |
料金 | 150 USD |
問題数 | 65 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS認定デベロッパーアソシエイト|難易度:中
AWS上でのアプリケーション開発やデプロイに関する知識を証明する認定試験です。プログラミングスキルやデータベースの活用に加え、基本的なセキュリティ知識が求められます。
AWSのサービスによる開発やセキュリティなど全4分野で、ほかの資格よりも出題範囲が狭いのが特徴です。開発やクラウドサービスに関する実務経験があると合格しやすくなります。
レベル | アソシエイト |
対象者 | アプリケーション開発・保守の実務経験者(1年以上) |
試験時間 | 130 分 |
料金 | 150 USD |
問題数 | 65 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS認定ソリューションアーキテクトプロフェッショナル|難易度:高
大規模なシステムの設計・実装の知識やスキルを証明するための認定試験です。上級者向けの資格であり、クラウドシステムの高度なアーキテクチャコンセプト・セキュリティ・パフォーマンス最適化のスキルが求められます。
複数のプロジェクトをまたいだアーキテクチャ設計において、指導役となれるスキルも必要となるため、ただ参考書を覚えるだけでは合格するのが難しい認定試験です。
レベル | プロフェッショナル |
対象者 | AWSサービスを用いたクラウド設計・実装の実務経験者(2年以上) |
試験時間 | 180 分 |
料金 | 300 USD |
問題数 | 75 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS認定DevOpsエンジニアプロフェッショナル|難易度:高
開発と運用のプロセスの融合に焦点を当てた認定試験です。自動化・監視・セキュリティの実践的スキルのほか、高度なDevOpsプラクティスの理解が必要で、上級者に向いています。
ソリューションアーキテクトプロフェッショナルよりは難易度が低めですが、基礎レベルやアソシエイトレベルほど易しいわけではないので、しっかり勉強する必要があります。
レベル | プロフェッショナル |
対象者 | AWS環境でのプロビジョンや運用・管理の実装の実務経験者(2年以上) |
試験時間 | 180 分 |
料金 | 300 USD |
問題数 | 75 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS認定 高度なネットワーキング|難易度:高
AWSのネットワークの構築・運用やセキュリティに関する深い知識があることを証明する認定試験です。上級者向けで、複雑なネットワーク構成やトラフィック管理に対する高度なスキルが要求されます。
通常のネットワークではなく、AWSネットワーク中心に出題されるため、ネットワーク関連の知識や実務経験が豊富であっても勉強は欠かせません。
レベル | スペシャリティ |
対象者 | ネットワーク関連の実務経験(5年以上)+クラウドやハイブリッドネットワークに関する実務経験者(2年以上) |
試験時間 | 170 分 |
料金 | 300 USD |
問題数 | 65 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS認定データベース|難易度:高
AWSデータベースサービスの設計・運用・最適化に関する高度なスキルが問われる認定試験です。データベースエンジンの理解やデータのセキュリティ対策が必要で、上級者に向いています。
通常のデータベース関連の実務経験だけでなく、AWSに関する実務経験や知識も求められるのが特徴です。
レベル | スペシャリティ |
対象者 | データベーステクノロジー関連の実務経験(5年以上)+AWSに関する実務経験者(2年以上) |
試験時間 | 180 分 |
料金 | 300 USD |
問題数 | 65 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS認定 機械学習|難易度:高
機械学習モデルの設計、トレーニング、デプロイメントに関する高度なスキルがあることを示す認定試験です。こちらも上級者向けで、データサイエンスや機械学習のアルゴリズムに対する理解と経験が求められます。
ビジネスにおける何らかの課題に対応する、機械学習の選択・解説ができる能力なども必要とされるため、参考書での勉強だけでは合格は難しい認定試験です。
レベル | スペシャリティ |
対象者 | AWS クラウドを用いた機械学習やアーキテクチャの設計・実行に関する実務経験者(2年以上) |
試験時間 | 180 分 |
料金 | 300 USD |
問題数 | 65 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS認定セキュリティ|難易度:高
AWS環境のセキュリティ設計・監査・脅威モデリングに関する高度なスキルがあることを証明する認定試験です。セキュリティベストプラクティスやインシデント対応の知識が求められるため、上級者に向いています。
こちらもほかのスペシャリティの資格同様、AWSに関する一定の実務経験を有していることが推奨されます。
レベル | スペシャリティ |
対象者 | セキュリティの設計・実装に関する実務経験(3~5年)+AWS ワークロードセキュリティに関する実務経験(2年) |
試験時間 | 170 分 |
料金 | 300 USD |
問題数 | 65 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS認定SAP|難易度:高
AWS上でSAPソリューションを展開するための高度なスキルがあることを証明する認定試験です。大規模で複雑なSAP環境に対処し、パフォーマンスと可用性を最適化する能力が求められることから、上級者に向いています。
通常のSAPだけでなく、SAP on AWS に関する知識・スキルも必要です。
レベル | スペシャリティ |
対象者 | SAPに関する実務経験(5年以上)+SAP on AWS に関する実務経験者(1年以上) |
試験時間 | 170 分 |
料金 | 300 USD |
問題数 | 65 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS認定データアナリティクス|難易度:高
データの収集・分析・視覚化に関する高度なスキルを保有していると示す認定試験です。こちらも上級者向けで、異なるデータソースの統合や高度な分析手法の理解が求められます。
また、通常のデータ分析だけでなく、AWSのサービスを用いたデータ分析に関する知識やスキルも必要とされるのが特徴です。なお、AWS認定データアナリティクスは2024年4月に廃止することが決定されています。
レベル | スペシャリティ |
対象者 | 通常のデータ分析に関する実務経験(5年以上)+AWSのサービスを用いたデータ分析ソリューションの設計・運用などに関する実務経験者(2年以上) |
試験時間 | 180 分 |
料金 | 300 USD |
問題数 | 65 問 |
形式 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン |
AWS資格を取得するメリット
初心者向けの基礎的な資格から、専門的な上級者向けの資格まで幅広い種類があるAWS資格ですが、これらの資格を取ることに、どのようなメリットがあるのでしょうか。
エンジニアとしてスキルアップできる
AWS資格を取得する大きなメリットは、AWSエンジニアとしてスキルアップできることです。AWS資格の取得に向けた学習を通じてクラウドコンピューティングの専門知識を獲得し、最新のクラウドテクノロジーをマスターすることは、スキル向上につながります。
日常の業務でも、AWSのサービスを効果的に活用できるようになるため、社内ITの最新化にも役立ちます。
最新の情報をキャッチアップできる
AWS資格を保有し続けるには、3年以内に再認定を受ける必要があります。再認定を受けるには、常にAWSの情報を更新しなくてはならないので、資格を通じてAWSの最新情報を手に入れられます。
転職・独立に有利になる
先述のとおり、AWS資格は近年評価が高まっている資格です。AWS資格を取得することで求人市場での競争力が向上するため、転職で有利になります。また、企業やクライアントに対して信頼性を示す要因のひとつになるため、独立後に案件が獲得しやすくなる可能性があります。
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AWS資格の勉強方法
メリットの多いAWS資格の取得を考えてはいるものの、種類によって出題内容が大きく異なるため、どのように学習するべきか悩む方もいるでしょう。そこで、AWS資格の勉強方法についてもご紹介します。
AWS公式の模擬試験を活用する
AWS資格の勉強を効率的に進めたいなら、AWS公式の模擬試験を活用するのがおすすめです。実際の認定試験の形式や難易度を体験できるため、内容が掴みやすくなります。
実際に問題を解いてみることで、現時点での自分の評価や弱点も把握でき、対策を考え理解を深めるのにも役立ちます。
オンライン講座を受講する
学習の効率化にあたっては、オンライン講座の受講もおすすめです。専門講師の指導を受けられるため、参考書などを使って独学するよりもスムーズに学べます。また、定期的に進捗チェックや実践的な演習が行われ、理論を実践に結びつけやすくなります。
AWS資格の勉強時間の目安
AWS資格は種類によって難易度が大きく異なります。また、実務経験やIT関連の資格の取得経験なども人によって違うので、勉強時間は一概には言えません。一般的には30〜50時間以上の勉強時間が必要とされていますが、必ずしもその時間内に完了するとは限らないため、ある程度余裕をもって学習計画を立てましょう。
AWS資格を取得する際の注意点
先述のとおり、AWS資格は3年ごとに更新が必要で、有効期限内に再認定試験を受けなくてはなりません。
しかし、AWSは常に進化し続けており、再認定を受けるには知識やスキルを最新のものにアップデートしていく必要があります。継続的な学習ができない場合は、資格を保有し続けるのが難しくなります。
まとめ
AWS認定資格はベータ版を除いて全12種類あり、それぞれ内容や難易度が異なります。自分に合った資格を取得するためにも、資格ごとの出題範囲や難易度を把握しておくことが大切です。
資格の勉強時間は30~50時間程度とされていますが、資格の種類や受検者の知識・経験によって大きく変わるため、余裕をもった学習計画を立てましょう。