ERPエンジニアの将来性とキャリアパス|希望の年収・キャリア実現に必要なスキルも解説

ERPエンジニアは、企業の基幹業務を支えるシステムの専門家です。高い専門性から将来性が高く、多様なキャリアパスを描ける魅力的な職種ですが、「具体的にどのようなスキルが必要か」「どうすればキャリアアップできるのか」といった疑問を持つ方も少なくありません。
本記事では、ERPエンジニアの市場価値や将来性、キャリアパス、希望のキャリアを実現するためのスキルを解説します。この記事を読めば、ERPエンジニアとして活躍するための具体的な道筋が見え、あなたの理想のキャリアを実現するための第一歩を踏み出せるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
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ERPエンジニアの将来性は明るい?市場トレンドから今後の需給を予測
結論、ERPエンジニアの将来性は非常に明るいと考えられます。
企業の経営資源を統合的に管理するERPシステムは、今や企業経営に不可欠な存在です。特に、DX推進やレガシーシステムからの脱却が急務とされる現代において、その専門知識を持つERPエンジニアの需要はますます高まっています。その理由を3つ解説します。
- クラウドERP市場規模の拡大とともにERPエンジニアの需要増が見込まれる
- DX推進におけるERPエンジニアの役割は今後も重要性を増すと思われる
- 「2025年の崖/2027年問題」の影響でレガシーシステムからの脱却が急がれる
クラウドERP市場規模の拡大とともにERPエンジニアの需要増が見込まれる
世界のクラウドERP市場は、著しい成長を続けています。米国の市場調査会社Fortune Business Insightsによると、世界のクラウドERP市場規模は2022年の436億米ドルから、2032年には1401億4000万米ドルにまで拡大すると予測されています。
この背景には、従来のオンプレミス型から、柔軟性や拡張性に優れたクラウド型へ移行する企業が増加していることがあります。この市場拡大に比例して、クラウドERPの導入、設計、運用を担うエンジニアの需要も増加の一途をたどるでしょう。
出典:クラウドERP市場動向
DX推進におけるERPエンジニアの役割は今後も重要性を増すと思われる
ERPエンジニアの役割は今後も重要性が増すと予想できます。
多くの企業が取り組むDX推進において、ERPシステムはデータ活用や業務プロセス改革の基盤となる中心的な役割を担います。ERPエンジニアは、単にシステムを導入するだけでなく、企業の経営課題を深く理解し、ERPを用いてどのように業務を効率化・高度化できるかを提案・実行する重要なポジションです。
散在するデータを統合し、経営の意思決定を迅速化するERPの導入は、DX成功の鍵を握るため、ERPエンジニアの存在価値は今後さらに高まっていくと考えられます。
「2025年の崖/2027年問題」の影響でレガシーシステムからの脱却が急がれる
経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」は、多くの企業が抱えるレガシーシステムの刷新が急務であることを示しています。特に、大手ERPパッケージであるSAP社の旧製品(SAP ERP 6.0)の標準サポートが2027年に終了する「2027年問題」は、多くの企業にとって喫緊の課題です。
最新のERPシステムへの移行プロジェクトが各地で急増しており、移行を主導できるERPエンジニアの需要が逼迫しています。この特需は、今後数年間にわたり続くと予測されます。
将来性の高さゆえにERPエンジニアの年収も比較的高い水準
ERPエンジニアは、その専門性と需要の高さから、ITエンジニアの中でも比較的高い年収水準を期待できる職種です。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、ERPを導入する企業のコンサルティングや設計・開発を行うソフトウェア開発技術者の平均年収は574.1万円〜752.5万円となっています。
職種 | 平均年収 |
---|---|
ITコンサルタント | 752.6万円 |
DXプロデューサー | 752.6万円 |
システムエンジニア(Webサービス開発) | 574.1万円 |
ソフトウェア開発(パッケージソフト) | 574.1万円 |
ただし、これはあくまで平均値であり、扱う製品や上流工程の経験、マネジメントスキルなどを有するハイレベルなエンジニアであれば、年収1,000万円を超えることも珍しくありません。特にフリーランスとして高単価案件を獲得することで、さらなる収入アップを目指せます。
市場価値が高いERPエンジニアになるために必要なスキル(知識)
市場価値の高いERPエンジニアになるために不可欠な5つのスキルセットを解説します。
- ITの基礎とそれに付随したクラウド・データベース・OSに関する知見
- 特定のERP製品に関する技術的な知識や操作スキル
- 企業活動における業務プロセス・顧客の業界特有の慣習や課題に関する知識
- ヒューマンスキル・コンサルティング能力
- 最新技術(AI/IoTなど)への対応力と学習意欲
ITの基礎とそれに付随したクラウド・データベース・Oに関する知見
ERPエンジニアの土台となるのが、IT全般に関する広い知識です。具体的には、以下のようなスキルが求められます。
スキル/知識 | 説明 |
---|---|
プログラミングスキル(ABAP, Java, C#, Pythonなど) | ERPパッケージのカスタマイズやアドオン開発で、Java、C#、Pythonなどが用いられることがあります。特にSAP環境では独自言語のABAPが必須です。 |
データベーススキル(SQLなど) | ERPは大量のデータを扱うため、SQLを駆使したデータ操作や管理のスキルは不可欠です。 |
OS/ネットワークスキル | ERPシステムが稼働するサーバーOS(Linux, Windows)や、通信の基盤となるネットワークの知識は、システムの安定稼働に直結します。性能問題や接続障害が発生した際に、原因を切り分けて迅速に解決する能力が求められます。 |
セキュリティスキル | ERPは会計や人事などの極めて機密性の高い情報を扱います。そのため、不正アクセスや情報漏洩を防ぐためのセキュリティ設計や、脆弱性に対する知識は必須であり、エンジニアの重要な責務の一つです。 |
クラウドに関する知識 | 近年、クラウド型ERPが主流になりつつあり、AWSやAzureといったクラウドプラットフォーム上での環境構築・運用スキルが強く求められます。 |
特定のERP製品に関する技術的な知識や操作スキル
ERPには世界中で利用されている様々な製品が存在し、中でも市場シェアが高いのは以下の2つです。
- SAP S/4HANA
- Oracle ERP Cloud
製品固有のアーキテクチャや設定方法、標準機能に関する理解はもちろんのこと、SAPのABAPのような独自開発言語に習熟していることは、他のエンジニアとの大きな差別化要因となります。専門性を高めることで、より高単価で重要なプロジェクトに参画できる可能性が広がります。
企業活動における業務プロセス・顧客の業界特有の慣習や課題に関する知識
ERPエンジニアは、システムを開発するだけでなく、顧客企業の経営課題を解決するパートナーでもあります。そのためには、以下のような企業活動の根幹をなす業務プロセスへの深い理解が必要です。
- 会計
- 生産
- 販売
- 人事
- サプライチェーンマネジメント(SCM)など
顧客の課題を正確にヒアリングし、どの業務をどのようにシステムで効率化できるかを提案するためには、業務知識が不可欠です。特定の業界(製造業、小売業など)に特有の慣習や課題まで把握していれば、さらに価値の高い提案が可能になります。
ヒューマンスキル・コンサルティング能力
ERP導入は、企業の根幹システムを変革する大規模なプロジェクトになることがほとんどです。そのため、技術力だけでなく、プロジェクトを円滑に進めるためのヒューマンスキルやコンサルティング能力が極めて重要になります。
特に上流工程に携わるためには、以下のスキルや能力が求められます。
- クライアントの要望を正確に引き出す「ヒアリングスキル」
- 課題の本質を見抜く「課題解決能力」
- 最適な解決策を示す「提案力」
- 多様な関係者との認識を合わせ、協力を促す「コミュニケーションスキル」
- 品質・コスト・納期を管理し、案件を成功に導く「プロジェクトマネジントスキル」
最新技術(AI/IoTなど)への対応力と学習意欲
IT業界の技術革新は非常に速く、ERPの世界も例外ではありません。
近年では、ERPシステムに蓄積された膨大なデータを活用するために、AIによる需要予測や、IoTデバイスからのデータを活用した生産管理など、最新テクノロジーとの連携が進んでいます。新しい技術トレンドを常に追いかけ、自身のスキルセットに取り入れていく探究心と学習意欲は、将来にわたって活躍し続けるERPエンジニアにとって不可欠な資質です。
変化に対応し続ける姿勢が、長期的なキャリア形成を支えるでしょう。
ERPエンジニアとして希望のキャリアを実現するための方法
ERPエンジニアとして理想のキャリアを築くために必要な具体的な5つのアクションプランを解説します。
- ERPエンジニアのキャリアを実現する目的・目標を明確化する
- 技術の進化が速いIT業界の知識を常にアップデートし続ける
- 実務に直結する資格を取って知見が証明できる状態をつくる
- エンジニア向けエージェントへ相談してキャリアの方向性を壁打ちする
- ERPエンジニアや関連業務を副業として受けて実践の場を増やす
ERPエンジニアのキャリアを実現する目的・目標を明確化する
まずは、「なぜERPエンジニアとしてキャリアを築きたいのか」「最終的にどのようなポジションや働き方を実現したいのか」といった目的・目標を具体的に言語化することが第一歩です。
例えば、以下のような明確な指標を持つことで、日々の学習や業務へのモチベーションが向上し、進むべき方向がぶれにくくなります。
- 3年後には年収1,000万円のフリーランスERPコンサルタントになる
- 製造業に特化した専門家として、大手企業のDXを支援するなど
技術の進化が速いIT業界の知識を常にアップデートし続ける
ERPを取り巻く技術は、クラウド、AI、IoTなどの進化とともに日々変化しています。市場価値の高いエンジニアであり続けるためには、こうした最新技術の動向を常にキャッチアップし、知識をアップデートし続ける姿勢が不可欠です。
技術系のニュースサイトやセミナー、勉強会などを活用して新しい情報をインプットし、それを実務や個人開発でアウトプットできる状態にしておくことが重要になります。この継続的な学習が、長期的なキャリアの安定につながります。
実務に直結する資格を取って知見が証明できる状態をつくる
自身のスキルや知識を客観的に証明するために、資格の取得は非常に有効な手段です。特に以下2つのERP製品のベンダー資格は専門性を直接的にアピールできるため、案件獲得や転職の際に有利にはたらきます。
- SAP認定コンサルタント
- ORACLE MASTER
また、簿記や中小企業診断士など、業務知識を証明する資格も、コンサルティング能力を示す上で役立ちます。実務に直結する資格を選択し、計画的に取得を目指しましょう。
エンジニア向けエージェントへ相談してキャリアの方向性を壁打ちする
自身のキャリアプランに迷ったり、市場での客観的な評価を知りたかったりする場合には、専門のエージェントに相談するのも一つの手です。
IT業界やERP市場に精通したエージェントは、あなたのスキルや経験を客観的に評価し、最適なキャリアパスや案件を提案してくれます。第三者の視点からアドバイスを受けることで、自分だけでは気づかなかった新たな可能性を発見できるかもしれません。キャリアの方向性を「壁打ち」する相手として、有効に活用することをおすすめします。
ERPエンジニアや関連業務を副業として受けて実践の場を増やす
スキルアップや実績作りのためには、副業で実践の場を増やすことも効果的です。
本業とは異なる業界のプロジェクトに参加したり、少し挑戦的な役割を担ったりすることで、短期間で経験値を高めやすくなります。また、副業はフリーランスとして独立するための準備運動になるといえるでしょう。まずは小規模な案件からでも挑戦し、着実に実績を積み重ねていくことで、本業にも良い影響を与え、キャリアの選択肢を広げられます。
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今すぐ無料キャリア相談を申し込む未経験からでもERPエンジニアは目指せる?ロードマップを紹介
IT業界未経験からERPエンジニアを目指すのは、専門性が高い分、決して簡単な道ではありません。しかし、正しいステップを踏んで努力を重ねれば、実現は十分に可能です。以下の流れでスキルアップをしていくのがおすすめです。
- ERPエンジニアで自身の希望のキャリアが実現できるのか確認する
- ITの基礎知識に加えてSAPなど製品に特化したスキルを身に付ける
- 未経験でも入れるプロジェクトから挑戦して場数を積む
ERPエンジニアで自身の希望のキャリアが実現できるのか確認する
記事で解説したような仕事内容や求められるスキルを理解し、本当に自身が目指したいキャリアなのかを再確認しましょう。
ITの基礎知識に加えてSAPなど製品に特化したスキルを身に付ける
プログラミング(JavaやPythonなど)、データベース(SQL)、ネットワークといったITの基礎を徹底的に学習します。その後、SAPやOracleといった需要の高いERP製品に特化した学習に進みましょう。
未経験でも入れるプロジェクトから挑戦して場数を積む
運用・保守やテストといった下流工程の案件や、未経験者歓迎の求人を探して実務経験を積むことが最優先です。最初は補助的な業務からでも、現場でしか学べない知識や経験は何物にも代えがたい財産になります。
ERPエンジニアとして活躍した先で目指せるキャリアパス
ERPエンジニアとしての経験は、多様なキャリアパスへの扉を開きます。専門性を深めるだけでなく、マネジメントやコンサルティング、あるいは独立といった道も選択可能です。自身の志向性やライフプランに合わせて、柔軟にキャリアを設計できるのがERPエンジニアの魅力の一つです。
- プロジェクトマネージャー(PM)
- ERP導入コンサルタント
- 情報システム部門(情シス)への転身
- フリーランス(独立)
プロジェクトマネージャー(PM)
開発経験を活かし、ERP導入プロジェクト全体を統括するPMへの道です。予算、品質、納期の管理やチームマネジメントを行い、プロジェクトを成功に導きます。
ERP導入コンサルタント
技術的な知見と業務知識を活かし、企業の経営課題解決を上流から支援する専門家です。クライアントの課題分析、要件定義、ERP選定などを主導します。
情報システム部門(情シス)への転身
事業会社の情報システム部門に所属し、自社のERPシステムの企画、運用、改善を担当します。ユーザーに近い立場で、事業の成長に直接貢献できるやりがいがあります。
フリーランス(独立)
特定のERP製品や業務領域で高い専門性を築き、フリーランスとして独立する道もあります。実力次第で会社員時代を大きく上回る収入を得ることも可能で、自由な働き方を実現できます。
将来性が明るいERPエンジニアになって理想のキャリアを実現しよう
本記事では、ERPエンジニアの仕事内容から、将来性、目指す上での魅力と課題、必要なスキル、そしてキャリアアップの方法までを詳しく解説しました。
ERPエンジニアは、DX推進やクラウド化の流れを背景に需要が非常に高く、将来性が極めて明るい職種です。高年収を目指せる一方で、求められるスキルレベルも高いため、計画的な学習と実践が成功の鍵となります。
紹介したキャリア実現の方法を参考に、まずは自身の目標を明確にすることから始め、必要なスキルを着実に身につけていきましょう。そして、エンジニアになった後も、常に学び続ける姿勢を持つことが重要です。
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