経費計上の基本!フリーランスが押さえておきたい「必要経費」を解説

フリーランスになると会計処理で悩みのひとつとなるのが、経費(必要経費)についてです。たとえ会計の知識があっても、何にかかった費用が必要経費になるのかは迷うものではないでしょうか。必要経費を計上しすぎて「脱税」と思われ、税務署から指摘を受けてしまうのでは……と思うと少し怖く感じるかもしれません。しかし必要経費の計上は堂々と行ってよいものであり、基本と注意事項をしっかり覚えておけば徐々に慣れていくはずです。

フリーランスが知っておきたい、必要経費についての基本をご紹介します。

必要経費とは

必要経費とは、事業を行う上で発生した諸費用のことです。具体的に何が必要経費になるかは誰しも疑問に思うところですが、経費であるもの・ないものが法律で厳密に決められているわけではありません。基本的には、「事業に関係した経費であること」を説明できれば、何でも必要経費として計上できます。逆に、事業に関係していない個人的な支出は、必要経費にできません。

 

▼参考:No.2210 やさしい必要経費の知識 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

必要経費を計上する理由は?

会計処理で必要経費を計上する理由は主に、所得税の節税のためです。 例年2月半ば~3月半ばに行われる確定申告では、所得税及び復興特別所得税の納付額を確定させることになります。それらの納付額を計算する基準となるのは、1年間(1月1日~12月31日)に生じた全ての所得から、必要経費やその他所得控除が引かれた額です。したがって必要経費が大きければ、所得税額が減ることになります。

ただし、経費を無計画にどんどん使えばよいというものではありません。正確な会計と節税のために、法律で認められている必要経費の計上を漏れなく行うことが肝要と考えておきたいところです。

 

▼確定申告についてより詳しい情報はこちら https://flxy.jp/article/20174

▼節税についてより詳しい情報はこちら https://flxy.jp/article/20158

フリーランスのエンジニア・デザイナーが必要経費にできるもの

具体的に、フリーランスのエンジニアやデザイナーはどんなものを必要経費として計上しているのでしょうか。必要経費となり得るものの例をご紹介します。

PC、スマートフォン、ソフトウェア代、プリンターやイヤホンなどの周辺機器

開発やデザインのためのPCやプリンターなどの機器に加え、ソフトウェア代やスマートフォン代も必要経費として計上できます。ソフトウェアは開発ツールやデザインソフトからチャットツール、オンライン会議ツールと幅広く対象となります。スマートフォン代は、実機確認やクライアントとのやり取りに使うなど仕事用として利用していれば請求可能です。

机や椅子、照明など

仕事場で使う机や椅子、照明なども必要経費となります。また電気代やガス代、水道代も同様です。

書籍や資料

開発やデザインのスキル向上のために必要な書籍も必要経費で計上可能です。書籍だけでなく、例えばデザイナーなら映画や動画も資料となり得るので、これらの費用も計上できます。

勉強会・技術フォーラムへの参加費

スキル向上のために勉強会や技術フォーラムへ参加する場合、その参加費も必要経費とすることが可能です。

文房具や切手代

ペンや封筒、請求書や挨拶状を送付する切手など、事務用品はエンジニアやデザイナーに限らず必要経費になります。

交通費

クライアント先に常駐や出張する際の電車代やバス代は、自己負担であれば必要経費にできます。

必要経費の計上には領収書・レシートもしくは出金伝票が必要

必要経費であることを証明するには、領収書やレシートが必要となります。必要経費として計上するならWeb明細も含め、領収書やレシートを必ず保管するようにしましょう。領収書やレシートに決まった形式はありませんが、基本的には下記が記載されています。

・日付
・支払った人の名前
・金額
・但し書き(例:「〇〇代として」)
・支払いを受けた人の名前、会社、住所

領収書やレシートがない場合は、自分で出金伝票を作成する方法もあります。その際は出金伝票を補足する目的で、振込証明書や納品書など、内容や日付がわかる他の資料も添付しておけるとベターです。

領収書やレシート、出金伝票は確定申告時に提出する必要はありません。ただしそれらの保管は必要で、保管期間は原則7年となります。

 

▼参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間及び保存方法 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm

フリーランスがよく使う勘定科目の例

会計処理において必要経費の計上によく使う勘定科目の例をご紹介します。

・消耗品費: 文房具、ソフトウェア代などの消耗品(10万円未満、もしくは法定耐用年数が1年未満のもの)に使う勘定科目です。
・通信費: インターネット代や切手代などに対して使用する勘定科目です。
・旅費交通費: 電車・バス代、出張旅費などの計上に使います。
・広告宣伝費: 広告に使った印刷物の費用や広告用サイトのサーバー代などが含まれます。
・接待交際費: お土産代、飲食代、香典など、クライアントとの付き合い全般に関わる勘定科目です。
・修繕費: 固定資産の修復に使った代金です。
・水道光熱費: 水道代、電気代、ガス代。プライベートでも使うものであるため、確定申告の際は「家事按分」として、プライベートと仕事で使った分 を明確に分ける必要があります。
・地代家賃: 作業場所の代金です。水道光熱費と同じく家事按分を行うことになります。
・損害保険料: オフィスの火災保険料や自動車の自動車保険料など。事業に関わる分を家事按分して計上できます。
・減価償却費: 車など高額で長期にわたって使用できるものは、「減価償却」として数年にわたって計上します。

必要経費にできないものは?

一方で必要経費にできないものもあります。例えば「生計を一にする配偶者その他の親族」、すなわち一緒に暮らしている家族に対して発生した地代家賃や給与(青色事業専従者以外)については、必要経費にできません。ただし給与については、青色申告で確定申告を行う場合に青色事業専従者として事前に税務署に届けているのであれば、必要経費として計上できます。

その他、事業主自身への税金や罰金など、事業と無関係の費用は必要経費として計上できません。

必要経費を計上する際の注意

必要経費の計上に関して、注意したいこともあります。

経費の金額が高くなりすぎないようにする

収入に対して経費の金額があまりに高くなりすぎないように注意が必要です。接待交際費が高すぎるなどの場合は不自然な会計と見なされ、税務署からチェックが入る可能性があります。具体的にどのくらいであれば危険かという金額の目安はありませんし、事業に関係する出費であれば当然問題はないのですが、経費の計上は常識の範囲内で行いたいところです。

会計処理をため込まないようにする

必要経費は確定申告で金額が確定するため、遅くても確定申告期間内に計上すれば間に合います。ただ未処理の必要経費をため込むと、いつの何の費用だったのかわかりにくくなり、後で会計処理を行うのが大変です。また発生の都度計上するのが会計の基本でもあります。売掛金など他の会計の処理と同じようにこまめに計上するようにしましょう。

虚偽の申告は絶対にNG

他人の請求書を使って自分の必要経費として計上するといったような、虚偽の申告は脱税行為となってしまいます。言うまでもないことですが、虚偽の申告はしないようにしましょう。

まとめ

フリーランスで発生する必要経費についてご紹介しました。ご自分の会計処理に照らし合わせると、必要経費として計上できるものは、予想以上にあったのではないでしょうか。法律で認められているものなので、業務上必要だった費用は漏れなく計上したいところです。ただし万が一、税務署から指摘が入ったとしてもしっかり説明できるよう、必要経費とした根拠を明確にしておきましょう。

企画/編集:FLEXY編集部

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