「Ｃ#」は20年以上の歴史をもつプログラミング言語で、現在も多くの場所で使用されています。この記事では、Ｃ#の特徴やJavaとの違い、C#エンジニアの仕事内容などを解説した上で、年収相場や高年収を稼ぐポイント、将来のキャリアパスなどにも言及します。C#エンジニアに役立つ情報を多数記載しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

C#とは

C#は、マイクロソフト社のアンダース ヘルスバーグ氏によって開発されたプログラミング言語です。2002年に初めてリリースされていますが、その後もバージョンアップを繰り返しながら、20年以上が経過した2024年現在でも幅広い分野で使用され続けています。

Ｃ#はオブジェクト指向の言語であることから拡張性や独立性、再利用性が高いです。また、マイクロソフト社が開発しているので、Windowsアプリとの相性がよいこともＣ#の豊富な需要を支えています。さらに、開発環境の整備が進んでいるので初心者でも比較的取り組みやすいことや、20年以上も活用されているのでライブラリが充実していることなどもC#が広く活用され続けてきた大きな理由です。ほかにも、汎用性が高いプログラミング言語であるJavaと似ていることも、しばしば特徴として取り上げられます。 Ｃ#が多く利用されている分野としては、Webアプリ開発やゲーム開発、GUIアプリ開発やクロスプラットフォーム開発などが代表的です。さらに近年はAIやロボット産業、VRやARなどの先端技術にも使用されているため、将来的な需要も十分に見込まれるプログラミング言語です。

C#とJavaの違い

C#とJavaはどちらもオブジェクト指向のプログラミング言語であり、使用できる場面が多いこと、どちらもC言語系をベースに開発されたことなどから、しばしば共通点の多さがクローズアップされます。

しかしその一方で、C#とJavaには明確な違いもあります。まずマイクロソフト社で開発されたC#とは異なり、Javaはサン・マイクロシステムズという会社で作られていることです。また、歴史としてJavaは1990年代前半にOakという名称で誕生しているので、C#より10年程度前から利用されています。後発であるC#はJavaにたまたま似ているのではなく、先に存在したJavaの影響を受けているからこそ似ている部分が多いと考える方が自然です。

C#の難易度

プログラミング言語を学ぶ際の難易度は、学習する人の知識や経験値によって大きく異なります。そのため、Ｃ#を習得する際の難易度が高いのか低いのかを決めるのは困難です。C#は比較的コードの記述量が多くなりがちなので、プログラミング言語を全く扱ったことがない人にとっては難しく感じやすい面があります。とはいえ、CやC++に比べると理解するべき概念が少ないことから、同じC言語系の中では習得のハードルが低い言語とする人もいます。

また、先にJavaを学んだ人にとっては、文法の共通点が多いことから馴染みやすいと感じる人が多いようです。

C#エンジニアの仕事内容

この項目では、C#を専門に扱うエンジニアの代表的な業務内容を紹介します。

Webサービスの開発

C#は自由度の高さや開発しやすさなどから、ビジネスで使用する大規模なWebサービスの開発に適したプログラミング言語です。最近の代表的な使用例として、ネットショッピング用のECサイトの開発にC#が多く利用されています。ネットショッピングの需要は年々増加していることから、需要の継続はしばらく期待できるでしょう。C#の生産性はフレームワークの充実に支えられているため、C#エンジニアとしてはフレームワークについての知識やスキルを高めておくことがおすすめです。

ゲームの開発

スマートフォン向けのアプリを含めたゲーム開発において、C#は重要な役割を担っています。まずC#は処理速度や実行速度が速いので、ゲーム開発のプログラミング言語として非常に適しています。オンライン対戦ゲームなどではユーザーの操作と画面上の動作にタイムラグがあると勝敗に大きく左右するため、プログラミング言語による速度の差は非常に重要な要素です。

また近年のゲームは、iOSやAndroid、WindowsやMacOSなど複数のプラットフォームに対応することが求められています。Ｃ#を使うと異なるプラットフォームに対応しやすいので、ゲームの開発コスト低減にも役立つでしょう。さらに、ゲーム開発エンジンで世界最大のシェアをもつUnityにはC#が使われていることも、ゲーム開発とＣ#が切り離せない要因のひとつです。Unityを使用することである程度のレベルのゲーム開発を行えますが、専門的な部分にC#を使えば、さらにゲームのクオリティをアップできます。

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業務システムの開発

C#は、POSシステムや工場の管理システム、医療機関や教育機関用のシステム構築など、多くの業務システムの開発に使用されています。

また、近年IDE（統合開発環境）を使って業務用アプリケーション開発を行うシーンが増えており、マイクロソフト社のIDEであるVisual StudioはWindowsとの相性もよいことから、Ｃ#とあわせて広く利用されています。Visual Studioは多数の言語に対応できるように作られていますが、同じ会社で開発されたこともあってC#との相性は非常に良好です。

業務システムの開発はフリーランスのエンジニアに発注されることも多いので、C#エンジニアであれば、フリーランスで活躍している人にも業務システム関連の需要があります。

C#エンジニアは稼げる? 年収例

この項目では、C#エンジニアの年収について解説します。C#エンジニアの年収は、雇用されている人やフリーランス、経験が浅い人や高いスキルをもつスペシャリストなど状況によって年収は大きく変わるので、年収を一概に固定することは困難です。

また、厚生労働省が毎年出している「賃金構造基本統計調査」には、ソフトウェア作成者という職種はあっても、C#エンジニアという細分化された職種の統計はなく、公的発表からC#エンジニアの平均年収を知ることはできません。

求人サイトのindeedを用いて「C#　正社員」のキーワードで検索すると、「Webシステム・アプリ開発におけるシステムエンジニア」という求人に月給283,333～500,000円と記載されています。（2024年1月29日調べ）

出典：厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査業種別主な職種早見表」,
indeed「C#　正社員」

この方法で複数の求人を見ていくと、正社員として雇用されるC#エンジニアの年収は、おおむね300〜700万円程度であると予想できます。なお、国税庁が発表している「令和4年分 民間給与実態統計調査」によれば、令和4年の給与所得者の平均給与は458万円と報告されています。

出典：国税庁「令和4年分　民間給与実態統計調査」

このため、未経験者や経験が浅い人はC#エンジニアになっても最初は年収300万円程度である可能性が高く、平均より低い収入でスタートします。しかし、意識的にスキルアップやキャリアアップをしていけば、700万円程度の年収を目指せるので、平均よりもかなり高い収入を得られます。これを踏まえれば、C#エンジニアの待遇は悪くありません。

一方、エンジニアやデザイナー、マーケターなどで活躍するハイスキルフリーランス人材向けの求人を数多く扱っているサイトのFLEXYでは、月の報酬上限が80万円や100万円の案件が多数見つかります。ハイスキルなC#エンジニアであれば、FLEXYを利用することで年収1,000万円超えの実現も不可能ではありません。C#の案件を探している方は、FLEXYサービスへの登録をご検討ください。

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C#エンジニアとして年収を上げるには

C#エンジニアとして年収を上げるにはどうしたらよいか、具体的に解説します。

C#の学習・経験を続ける

あらゆる職業に共通することですが、知識やスキル、経験値が少ない場合は低収入のまま年収が上がらない場合が多いです。そのため、C#エンジニアとして常に学習を続けること、積極的に資格取得に挑むなど、年収アップに向けた取り組みを行うことがおすすめです。また、現在得意としていることをさらに掘り下げて、その分野のスペシャリストになることも収入アップに役立ちます。ほかにも、不得意な部分を減らすために今まで接してこなかった分野にも手を広げることなども、年収を上げるための取り組みとして有効です。

関連するスキルを身につける

Ｃ#に関連するスキルの習得も、業務の幅や量を広げるため、収入を上げることにつながります。例えばJavaやJavaScript、pythonやC++などを習得して、複数のプログラミング言語を用途によって使い分けできれば、多くのプロジェクトにアサインされやすくなるでしょう。

また、フレームワークを用いたシステム開発や、データベース関連のスキルを身につけるなど、プログラミング言語を増やす以外にも選択肢は多数あります。雇用されている人であれば、自社の動向や周囲の人の得意・不得意を踏まえて何を学習するかを考えると、職場に貢献しやすくなるので収入アップが期待できます。一方フリーランスであれば、主要なクライアントのニーズを確認すること、または市場で需要が多いスキルや、高単価に結びつくスキルに着目して、意識的にスキルアップしていくことが重要です。

上流工程の仕事を経験する

末端の仕事や言われたことを消化するだけの仕事をしていると、収入アップはなかなか実現できません。純粋にエンジニアとして収入アップを目指すなら、要件分析や要件定義など初期段階の業務に携われるようにスキルアップを目指すことがおすすめです。また、エンジニアの業務だけにこだわらないのであれば、マネジメントスキルをアップしてエンジニアの仕事をしながら管理職やチームのリーダー的なポジションを目指す手もあります。

フリーランスエージェントのFLEXYでは、C#エンジニアの高単価案件を多数取り扱っています。フルリモートや週1〜5日などさまざまな案件から希望に沿った案件を紹介することが可能ですので、まずはFLEXYサービスの内容をご確認ください。

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C#エンジニアの強みと将来性

ここからは、Ｃ#エンジニアならではの強みや、職業としての将来性について記述します。

C#には一定の需要がある

Ｃ#は将来的にも需要が見込めます。それは、マイクロソフト社が開発していることからWindowsやVisual Studioとの相性がよいこと、オープンソース化されているのでiOSやAndroidなど多数のプラットフォーム向けのアプリ開発に有利なためです。また、ゲーム開発に使用されるケースが多いことも一定の需要がある理由と考えられます。

Windowsは世界中で広く利用されています。ゲーム開発も世界の各国で盛んに行われているため、突然衰退することは考えにくい状況です。ほかにもロボット産業やAIの分野、VRやARなどの先端技術にもＣ#は用いられているため、多くの産業で今後もＣ#は使われ続けていくことが予想できます。

将来性は期待できるが慎重な見方もできる

前述したように、Ｃ#はWindowsとの相性がよいことやゲーム開発に多く利用されていることなどで、今後も一定の需要が期待できるでしょう。

しかしその一方、JavaやPythonなどより汎用性が高いプログラミング言語の需要が伸びることで、Ｃ#の利用頻度が減っていくのではないか、という見方もあります。Ｃ#は構造上記述が長くなりがちで、Windowsに依存していることがむしろマイナスに作用すると指摘する人もいます。これらを踏まえると、現状C#エンジニアとして活躍している人でも、JavaやPythonなどのほかのプログラミング言語を習得しておくなど、危機管理を怠らないことがおすすめです。

C#エンジニアに関連する資格

ここからは、C#エンジニアとしてスキルアップ、年収アップするために役立つ資格を紹介します。

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験（FE）は、独立行政法人 情報処理推進機構（IPA）が管理運営している試験です。情報処理技術の基礎知識や必要なスキルの保持を証明するので、C#エンジニアとして活躍したい人に役立ちます。 また、情報技術者試験のワンランク上に位置している、応用情報技術者試験もおすすめです。この資格は、IT関連でシステム開発やIT基盤構築などを行う人の知識やスキルを証明してくれます。

ORACLE MASTER

ORACLE MASTERは、日本オラクル株式会社が管理運用しているベンダー資格試験です。Bronze、Silver、Gold、Platinumの4段階があり、誰でも受験できるBronzeから、Silver、Gold、Platinumの順に取得を目指す方式です。システム開発に必要なデータベースやSQLの知識を証明するので、C#エンジニアとして幅広く活動したい人におすすめです。ORACLE MASTERの試験は、オンラインを利用して随時申し込みと受験ができるので、試験日を待たなくてよいメリットがあります。

C#エンジニアの求人例

エンジニアやデザイナー、マーケターとして働くハイスキルなプロ人材向けのエージェントであるFLEXYに掲載されたC#エンジニアの求人例を紹介します。 なお、紹介しているのはあくまでも過去にFLEXYに掲載された求人例であり、常に募集している案件ではありません。

【〜60万円／月】ソーシャルゲーム開発のテックリードエンジニア支援

■案件概要

• 稼働日数：週2〜3日
• 報酬：〜60万円／月
• 勤務地：恵比寿
• リモート：可

■業務内容

• 社内ゲーム開発におけるテックリード

■必須要件

• 月間AU10万以上のゲームタイトルの開発経験
• Unityでの開発経験
• C#での開発経験

【〜80万円／月】VRゲームを複数開発・提供している企業で家庭用VRゲームのシニアゲームプログラマ支援

■案件概要

• 稼働日数：週3〜5日
• 報酬：〜80万円／月
• 勤務地：小川町
• リモート：可

■業務内容

• 開発環境やワークフローの構築・改善
• システムの要件定義〜実装
• ゲームエンジンのカスタマイズ
• グラフィック仕様の検証 等

■必須要件

• アクションゲームのインゲーム（コア部分）の実装経験
• Unreal Engine/Unity などのゲームエンジンを使用した開発経験
• C++/C#/Java などのプログラム言語を使用した開発経験
• PC・家庭用ゲーム機などのハイエンド機向けアクションゲームの開発経験

【〜80万円／月】地図に関するサービスをメインに事業展開されている企業でルートエンジン開発支援

■案件概要

• 稼働日数：週3〜5日
• 報酬：〜80万円／月
• 勤務地：麹町
• リモート：可

■業務内容

• ルートエンジンおよび地図アプリまたはカーナビの設計、開発業務
• 主にカーナビを用いた業務用アプリの設計、開発業務

■必須要件

• 開発言語C+、C#、JAVA開発経験

【〜80万円／月】地図に関するサービスをメインに事業展開されている企業でSDK開発支援

■案件概要

• 稼働日数：週3〜5日
• 報酬：〜80万円／月
• 勤務地：麹町
• リモート：可

■業務内容

• ルートエンジンおよび地図アプリまたはカーナビの設計、開発業務
• 主にカーナビを用いた業務用アプリの設計、開発業務

■必須要件

• 開発言語C+、C#、JAVA開発経験
• AndroidまたはWindowsアプリの開発経験

紹介した案件以外にもC#エンジニアが活躍できる案件をFLEXYでは多数取り扱っています。登録を完了させ、FLEXY担当者と面談すると希望に沿った案件を紹介することが可能ですので、まずはFLEXYサービスの内容をご覧ください。

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C#エンジニアのキャリアパス

この項目では、C#エンジニアのキャリアパスについて、どのようなルートや職種があるかを解説します。

C#エンジニアを続ける

C#エンジニアとしての知識やスキルを高めることに特化し、スペシャリストになる未来も方向性として考えられます。例えば「C#の仕事を頼むなら〇〇さん」と言われるようになれば、雇用されている人なら社内での評価が高まるでしょう。スキルや貢献度が上がることで、エンジニアリングマネージャーなどの役職を得られれば収入も上がります。また技術や実績が高まることで、より難易度が高い仕事にチャレンジする機会もできるため、勤め先の売上や利益向上にも貢献できます。さらに、スキルや知識に自信がつけば、独立開業したりフリーランスになることも可能です。

ただし、ひとつの技術に固執しすぎると、Ｃ#の需要低下など世の中の情勢が変わったときに身動きが取れなくなるリスクもあります。そのため、リスクを最小化できるようにほかの言語も習得しておくことや、常にプログラミング言語の情勢の変化にアンテナを張っておくことがおすすめです。

複数言語を扱うエンジニアになる

Ｃ#だけに特化するのではなく、JavaやPython、CやC++など複数の言語を自在に使い分けられるようになると、ユーティリティプレイヤーとして活躍できるでしょう。先にＣ#を習得している人なら、比較的共通点が多いJavaを身につけやすいことは広く知られています。プログラミング言語には個々の違いや特徴がありますが、共通する部分も多数あるので、ひとつをしっかり学んでいれば複数の言語を身につける際に手間やストレスが少ないです。

また、多数の言語を習得していると、時代の流れによってプログラミング言語のシェアが変わったときに対応しやすいメリットもあります。失業や収入低下は誰もが避けたい事態ですから、リスク回避の意味でも多数のプログラミング言語を学ぶのがおすすめです。

プロジェクトマネージャーになる

C#エンジニアとしてスキルを向上していくとともにマネジメントのスキルを上げて、プロジェクトマネージャーを目指す方向性もあります。プロジェクトマネージャーは、エンジニアとしての経験を活かしつつ広い開発工程に携わっていきます。技術面だけでなく、プロジェクトメンバーをまとめるリーダーシップや課題発見能力、課題解決能力も重要なスキルとして求められるでしょう。組織の重要なポジションであることから貢献度も高いため、一般エンジニアよりも高い収入が期待できます。

PM（プロジェクトマネージャー）とは？ 必要なスキルや仕事内容を解説！

企業が立ち上げるプロジェクトの内容は多岐にわたりますが、プロジェクトを成功に導くには全体像を俯瞰して眺め、適切に管理・進行する必要があります。そこで注目されているのがPMです。特にIT業界ではPMが重要な役割を果たすため、人材の需要も非常に高くなっています。本記事では、PMの仕事内容や必要なスキルについて解説します。PM（プロジェクトマネージャー）の仕事内容・働き方PM（プロジェクトマネージャー）とは、プロジェクト全体のマネジメントを行う管理者・責任者という役割の職種です。成果に関する責任を負うのがPMで...

まとめ

C#エンジニアについて業務内容や年収を紹介し、収入アップの方法や将来のキャリアパスなどを解説しました。C#エンジニアとして活躍するためには、資格の取得や、ハイスキルプロ人材向けの求人をチェックし、業務のステージを上げていくのがおすすめです。

C#は明確な特徴をもっていることから、将来的にも一定の需要が期待できる職種です。年収を上げるためにはC#に特化してレベルアップする方法や、多言語を習得して活躍の場を広げるなどの方法があります。世の中の情勢や自分に適した方法を検討し、高収入のエンジニアを目指しましょう。