ITエンジニアの年収は? 高年収の職種や将来性、必要なスキルを解説

itエンジニア 年収

ITエンジニアと言ってもいろいろな職種があるので、どのくらいの年収があるのかイメージしにくいのではないでしょうか。ITエンジニアの年収と将来性、収入アップに必要なスキルや収入アップの方法を紹介します。また、ITエンジニアの中でも高収入が期待できる職種についても取り上げているので、キャリアアップを考えている方はぜひ役立ててください。

ITエンジニアの年収は?

ITエンジニアとして年収アップを目指す方に向けて、平均の年収や世代別の年収などを紹介します。ご自身の今の状況を照らし合わせながら、以下の内容を参考にしてみてください。

平均年収

ITエンジニアの平均年収は「政府統計の総合窓口e-Stat」によれば、約520万円です。また、国税庁の報告「民間給与実態統計調査」では、日本人の平均年収は約430万円です。この数値から見るとITエンジニアの年収水準は高いと言えます。

出典:e-Stat,民間給与実態統計調査P17

年収分布

転職サイトdodaの調べによると、ITエンジニアの年収帯のボリュームゾーンは300~400万円未満で、全体の31.3%を占めています(2021年9月~2022年8月調査)。次いで400~500万円未満23.2%、300万円未満15.4%と続きます。500万円未満の年収帯が69.9%と、全体の約7割を占める結果となりました。

ITエンジニア 年収分布表

出典:doda| ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説

ITエンジニアと言っても職種が幅広く、年収にも開きがあります。たとえば、ITエンジニアの中でも最も年収が高いプロジェクトマネージャーは平均年収が686万円なのに対して、ヘルプデスクは平均年収が342万円と、その差は344万円です。経験や知識、組織をまとめる力などが求められるポジションで、年収が高くなる傾向にあります。

年代別平均年収

転職サイトdodaの調べによると、ITエンジニアの年代別平均年収は、20代367万円/30代495万円/40代621万円/50代694万円です(2021年9月~2022年8月調査)。調査会社によって差はあるものの、40~50代にかけて年収が大きくアップする傾向にあります。40代以上ではマネジメント業務を担うことが増えるのが年収アップの大きな理由と言えます。

ITエンジニア 年代別平均年収表

出典:doda| ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説

雇用形態別平均年収

厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、ITエンジニアの会社員の平均年収は385.6万円でした。福利厚生面や給与に安定性はあるものの、年収だけの要素で見るならば派遣社員やフリーランスより低い傾向があります。

厚生労働省の「令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、ITエンジニアの派遣社員の平均賃金は、1日あたり19,886円でした。仮に年間休日が120日間あるとした場合、平均年収は約487万円です。ITエンジニアの派遣社員の年収は、他業種の派遣社員と比べると高い傾向にあります。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が公開した「フリーランス白書2019」によると、ITフリーランスエンジニアの平均年収は、200万円未満が14.6%/200万円以上400万円未満が21.2%/400万円以上600万円未満が22.2%/600万円以上800万円未満が18.7%/800万円以上1,000万円未満が11.6%/1,000万円以上が9.1%でした(無回答など除く)。200万円~600万円未満のゾーンが多く、1,000万円以上の高収入を得ているフリーランスもいることがわかります。

出典:厚生労働省 P2,厚生労働省|労働者派遣事業報告書の集計結果 P9,フリーランス白書2019 P10

高年収ITエンジニアの職種TOP3と必要なスキル

ITエンジニアと一口に言ってもさまざまな職種があり、未経験から始められるものもあれば、熟練者でなければ務まらないものまで幅広く存在します。ここでは年収を上げたい方に向けて高収入が得られる職種の上位3位を紹介します。数値は、転職サイトdodaが公表しているITエンジニアの職種別平均年収ランキングによるものです。

1位:プロジェクトマネージャー(PM)

PMは、システム開発などのプロジェクトの管理を行い、成果物の質を保ちます。プロジェクトの発足から関わり、クライアントへのヒアリング、開発システムの規模や予算の決定、チーム編成や進捗管理をしたうえで、クライアントへの納品まで担当し、プロジェクトを成功へと導きます。

チームを統括するプロジェクトリーダーと異なるのは、プロジェクト全体を統括する点です。全てに責任を持つため、より責任が重く、マネジメント力と俯瞰的な視野を持つ必要があります。また、プロジェクトを円滑に進めるために、高いコミュニケーション能力や交渉力が求められます。ITエンジニアの中でも収入が最も高い職種とされており、平均年収は約690万円です。

出典:日本のビジネスパーソンの平均年収は?平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)

また、PMはフリーランスになることで年収を上げることが可能です。PMとしてさらに年収を上げたいとお考えの場合にはPMフリーランスの年収や案件例をご覧ください。

2位:プリセールスエンジニア

プリセールスエンジニアは、自社商品を販売する際に営業担当者と一緒にクライアントのもとを訪れ、技術の説明をしたり、質問に回答したりする役割を担います。ヒアリングでクライアントが抱える課題を見つけ、技術的な面から自社商品を活用した解決策を提示したりもします。自社商品の特長や活用メリットについてクライアントに興味を持ってもらい、理解を促すことで、購入へと結びつけるのが大きな役割です。そのため、知識・スキルに加え、自社商品の仕様や扱いに精通している必要があります。

よく比較される職種としてセールスエンジニアがありますが、セールスエンジニアは契約後もサポートを継続する点が異なります。プリセールスエンジニアはあくまでクライアントへの提案に特化した役割です。クライアントとの商談に同席してサポートするため、技術力以外に高いコミュニケーション能力も必要です。平均年収は約600万円で、ITエンジニアの中でも収入が高い職種のひとつです。

出典:日本のビジネスパーソンの平均年収は?平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)

3位:ITコンサルタント

ITコンサルタントは、クライアントのIT戦略の策定や、システムの課題の洗い出しとその解決へ向けての提案、さらに採用されたプロジェクトの統括などが主な仕事です。クライアントの現状をヒアリングして分析を行い、課題解決を図ります。
課題解決へ向けて提案し、その提案の有効性をきちんと伝えられるプレゼンテーション能力が必須です。企業の経営戦略をサポートする役割を担うため、経営層とやり取りができるコミュニケーション力も求められます。さらにシステムの選定・導入・スケジュール管理まで行うため、IT関連の幅広い知識も必要です。平均年収は約590万円です。

出典:日本のビジネスパーソンの平均年収は?平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)

また、ITコンサルタントはフリーランスになることで年収2,000万以上も目指せます。フリーランスは仕事の難易度は高いですが、その分報酬も高額となっています。フリーランスとして挑戦したい場合には、フリーランスのITコンサルタントの高単価案件を確認し、高年収を得るにはどのようなスキルが必須なのか把握してみてください。

ITエンジニアの年収が低いと言われる4つの理由

ITエンジニアは職種によって高収入を期待できると述べましたが、誰もが納得のいく収入を得ているわけではありません。なかには年収の低さに不満を抱いているITエンジニアも少なくないため、以下に年収が低いと言われる4つの理由について解説します。

1. 労働時間に見合った年収を得られない

ITエンジニアの年収が低いと言われる理由のひとつに、労働時間の割には年収が十分でないと感じやすい点が挙げられます。経験を積んで知見のあるITエンジニアほど、より広範囲にわたる業務を任せられるため、残業が増える傾向にあります。また、突然のシステムトラブルに対応する場合は、どれだけ時間を要するか予め推測しにくいです。

そのため、増えた仕事量とかかった時間に対して賃金が見合っていないと不満を抱えるITエンジニアも少なくありません。企業によってはサービス残業が多くて残業代が稼げず、想定よりも年収が上がらないケースもあります。

2. スキルアップの機会が少なく年収が上がりづらい

IT業界は日進月歩です。常に新しい技術を取り入れて自己研鑽し、スキルを習得していく必要があります。ただし、下請け企業ではそうした新しいスキルを必要としない業務が多い上、上述したように残業が多くなりがちなこともあり、スキルアップの時間を作りにくいことも。スキルが向上しないまま勤務年数だけが積み重なれば、年収の上昇が制限されてしまいます。転職活動を行っても、年収の高い企業や元請け企業が求めるスキルが身についていなければ、市場価値が低く評価され、年収アップが難しくなります。

3. 年功序列の風土が残っている

優秀なITエンジニアであっても、勤務先が年功序列の評価制度を採用していると、賃金が仕事の量や質に見合わない場合があります。せっかく高いスキルを発揮していても、勤続年数の方が評価されてしまうため、若手のうちは年収が上がりにくい状況です。また、年功序列のせいで下請けの業務も多くなり、ポジションもなかなか上がらないといった負の連鎖も招いてしまいます。

4. 下請けほど不利な業界構造となっている

収入が低いとされる理由のひとつが業界の構造です。IT業界は大手の元請け企業から下請け企業に発注し、さらにその下請けに発注というピラミッド構造です。マージンが取られるため下請けはどうしても単価が安くなり、仕事の量に対して収入が低くなる傾向にあります。元請けの大手企業に在籍するITエンジニアは高収入が期待できて、下請けの中小企業になるほど低収入に悩まされる事態が生じます。また、発注元の企業よりも、下請け企業の方が業務量は多くなり、働く時間も長くなりがちです。

ITエンジニアの将来性

IT業界は新技術の開発が盛んに行われており、慢性的な人手不足に悩まされているため、経済の好不況にかかわらず幅広い企業・業種で今後も多くの人材が求められ、業界としての将来性は高いと言えます。

ただし、上述の通りITエンジニアの賃金水準自体は高いものの、下請け企業が割を食うなど、働き方や業界構造がいびつなため、職種や勤務先は慎重に選ぶことをおすすめします。自分が目指すキャリアを獲得するために必要なスキルは何かを考えて自己研鑽に努め、主体的にスキルアップを図ることで、高い年収を目指せます。

年収が高いITエンジニアの7つの共通点

ここでは年収が高いITエンジニアが持つ、共通する強みを7つ紹介します。キャリアアップして高い年収を得たいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 向上心が強い

IT業界は慢性的な人手不足のため、就職先によらずITエンジニアは忙しい仕事です。自己研鑽に励む余裕がないケースも多く、向上心がなければスキルアップを図ることが難しくなります。高い年収を得ているITエンジニアの多くは現状で満足していません。忙しい中でもスケジュール管理をして、学習意欲を持って自らセミナーに参加したり、資格を取得したりするなど第一線で活躍できるスキルを日々磨いて、自分の市場価値を高めるべく努力しています。

2. 最先端技術やトレンドに詳しい

IT業界は新しい技術の開発が盛んに行われ、進歩が早い業界です。そのため、常に知識・スキルのアップデートが求められます。最先端技術やトレンドに明るく、しかもそれを活用できる人は貴重な人材としてさまざまな現場で重宝されます。こうして評価が高まれば、高単価の案件が回ってきたり、年収の高いポジションに就くことも可能です。

3. 市場価値の高いスキルを持っている

IT関連の最先端技術やトレンドを把握し、活用できるレベルまでスキルアップできれば、自身の価値を高められます。特定の専門性が高い分野のスペシャリストになることで、他者と差別化できる大きなアピールポイントになります。仕事の声がかかりやすくなり、高い年収につなげられます。

4. コミュニケーション能力が高い

高い年収を得ているITエンジニアの職種としては、上述の通りプロジェクトマネージャーやITコンサルタントなど、コミュニケーション能力が求められるものが挙げられます。円滑なコミュニケーションを取ることで周囲からの信頼を得れば評価も高まります。クライアントやチームと適切に対話を重ねるからこそ、プロジェクトの円滑な進行も可能です。

5. マネジメント能力が高い

高い年収を得たいのならマネジメント能力が必要です。高年収のプロジェクトマネージャーやITコンサルタントにはこの能力も必要不可欠です。プロジェクトの管理ができるようになるということは、指示を受けて実作業を担う下請けとしての関わり方ではなく、クライアントとの交渉や、チームメンバー同士の連携を図れるレベルに達することが、より年収の高い上流の業務に携わるために必要です。

6. 業務の効率化・最適化が上手い

業務の効率化・最適化ができれば、実質的に時間あたりの単価増と同じことです。浮いた時間で他のプロジェクトに参加したり、あるいは副業をしたりといった方法で収入アップも図れます。また、同じ時間で多くの仕事をこなせるようになれば、自動的に年収も上げられます。

7. オリジナルのサービスを作れる

競合他社との差別化を図れるだけのオリジナルのシステムを設計・開発できれば、エンジニアとしての市場価値が高まります。フリーランスであれば高単価の案件も回ってきやすくなります。

ITエンジニアが年収を上げる6つの方法

ITエンジニアが年収を上げるにはさまざまな方法があります。自身の現段階のスキルや仕事の現状など、各人にもさまざまな状況があります。以下の中から自分に合った方法を見つけてみてください。

専門性を高める

ITエンジニアは職種、業務内容により必要なスキルが異なり、それによって年収も異なってきます。だからといって全てのスキルを会得するのは困難なため、需要の高いスキルを集中的に学ぶことが大切です。たとえば、需要が高いプログラミング言語を習得するなどして、現場で特に必要とされる知識を養います。専門性を高めて自身の市場価値を上げることで年収アップにつながります。

資格を取得する

ITエンジニアとしてスキルを習得し、経験を積んだだけでは、実際にどこまで知識や技術が身についているかを証明することはできません。年収アップを図るなら、スキルや経験を積んでいる証明をするためにも、資格を取得するのが有効です。資格にはさまざまな種類がありますが、資格手当がつくものなど社内の規定を調べてみましょう。資格取得のために勉強する中で広範な知識・スキルを得ることで、応用力が自然に身につくというのもメリットです。

上流工程を担当する

ITエンジニアとしてスキルを高め、上流工程を担当できるようになれば年収を上げられます。上流工程とは要件定義・基本設計・詳細設計・レビューなどの部分を指し、プロジェクトマネージャーなどが担当します。このポジションに就くためには、システム開発の流れを把握し、チームのリーダーとして全体を統括するコミュニケーションスキルやマネジメントスキルも求められます。

転職する

現在勤めている企業で年収を上げたくても、昇給額には限界がある場合があります。年収が頭打ちで、今まで自分が培ってきたスキルや経験が十分あるならば、それを活かしてより良い条件で働ける企業へ転職するのもひとつの方法です。スキルや経験を適正に評価してもらえるような元請け企業に転職すれば収入アップが期待できます。あるいは、実力重視の評価制度を採用している企業を探してみるのもおすすめです。

フリーランスへと転身する

フリーランスへ転身すると自分で単価交渉ができるようになり、報酬単価が高い案件を中心に獲得できれば収入アップも夢ではありません。「雇用形態別平均年収」の項で述べた通りフリーランスの年収には幅があり、正社員のような安定した収入を得るのは難しいものの、自分のスキルや経験を活かして高単価案件を獲得できれば、年収1,000万円以上を目指すことも可能です。

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副業をする

安定した収入を得ながら、手っ取り早く収入アップをしたい方は副業を検討しましょう。副業が認められている企業で働いている場合、週末起業などでプラスアルファの収入を得られます。いきなりフリーランスとして活動するよりもリスクが少ないというメリットもあります。

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ITエンジニアの副業をする場合にもフリーランスと同じで、収入がアップする・税金の手続きが発生するなどのメリット・デメリットの把握をしておきましょう。

まとめ

ITエンジニアの年収は他業種と比べて高い傾向にあります。業界の将来性もあるため、若手でも高収入を目指せます。収入が高い職種や職場を目指してスキルや能力を磨きましょう。転職やフリーランスへの転身、副業など、収入アップの方法は複数あるので、自身に合った方法を見つけてみてください。

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