イラストレーターの年収は? フリーランスが収入を上げる方法も解説

イラストレーターとしての活動を考えている方や、収入を増やすにはどうすればいいか悩んでいる方も多いかと思います。
年収を上げるためには、同業者の報酬相場や、最高でどのくらい稼げる業種であるかを知らなければいけません。そこで、ここでは収入の相場とキャリア向上の方法について解説します。
目次
イラストレーターの平均年収は?
イラストレーターとひとくちにいってもさまざまな業種があり、それぞれ年収も異なります。株式会社カカクコムが運営する「求人ボックス 給料ナビ」のデータによると、正社員のイラストレーターの平均年収は371万円です。(2023年8月現在)
ここでは業種別や地域別、年代別の平均年収の違いについて解説していきます。
出典:イラストレーターの仕事の平均年収は371万円(求人統計データ)
業種別の平均年収
イラストレーターの平均年収は、業態によって異なります。以下は主要な業種別の傾向です。
- デザイン事務所:
イラストレーターがデザイン事務所で働く場合は、他の業種に比べてやや高い傾向があります。特にデザイン事務所でWeb関連の仕事に携わると、年収アップが期待できます。 - 広告代理店:
広告代理店はさまざまな業種との関わりの中で大きなプロジェクトに参加する可能性もあり、キャリアアップによって年収の上昇が期待できます。 - コンテンツ制作会社:
コンテンツ制作会社でのイラストレーター業は、クリエイティブなプロジェクトに参加する機会が豊富です。 - 大手印刷会社:
印刷業界は安定性がありますが、他の業種に比べて年収はやや低めです。
地域別の平均年収
イラストレーターの地域別の平均年収は以下のようになっています。
関東 | 約353万円 |
東海 | 約350万円 |
甲信越・北陸 | 約307万円 |
九州・沖縄 | 約299万円 |
関東地方はクリエイティブ産業が盛んであり、高い需要が存在します。そのためイラストレーターの平均年収が最も高い約353万円となっています。
次いで、東海地方が平均年収が約350万円です。多くの企業やクリエイティブ関連の仕事が集まってきていることが伺えます。
甲信越・北陸地方では、イラストレーターの平均年収が約307万円となっていて、関東地方と比べると40万円程の差があります。
最後に九州・沖縄地方では、平均年収が約299万円と関東地方に比べ約50万円の差があり、全国の中でもイラストレーターの需要は高くない地域と言えるでしょう。
出典:イラストレーターの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス給料ナビ 2023年9月
年代別の平均年収
以下は、イラストレーターの年代別の平均年収です。
20代 | 296~333万円 |
30代 | 443~446万円 |
40代 | 476〜567万円 |
50代 | 630〜637万円 |
20代のイラストレーターの平均年収は、約296万円から333万円の範囲内にあります。若い段階では経験が浅く、クライアントからの信頼を築くためにスキルの向上が必要です。
30代では、平均年収が約400万円台に増加します。この時期には経験が蓄積され、クライアントとの長期的な関係を築くチャンスが増えます。スキルアップが重要です。
40代に入ると、平均年収は500万円近くにまで上昇します。経験と専門知識の蓄積により、請負単価の高いプロジェクトに参加することもできるようになるでしょう。しかし、競争も激化するため、スキルの向上と新しいトレンドに追随する必要性があります。
50代になると、平均年収は約630万円から637万円となり、最も高い水準に達します。長年の実績と信頼により、高額プロジェクトへの参加が期待されますが、変化に適応し続けることが重要であり、スキルの向上は絶えず必要です。
フリーランスイラストレーターの単価相場
フリーランスイラストレーターの単価は、さまざまな要因によって変動します。たとえば、クラウドソーシングプラットフォームにおいては、イラストの大きさや種類に応じて価格帯が異なります。
大きなサイズのイラストの場合、クラウドソーシングプロジェクトにおいては約15,000円から25,000円前後の単価で依頼されることがあります。一方、小さいサイズのイラストについては、300円から400円程度の価格帯も存在します。こうしたプロジェクトは、簡単なイラストやアイコンなど、比較的迅速に制作できるものが中心です。
似顔絵の制作においては、一般的に2,000円から始まります。その他の種類のイラストについては、2,000円から5,000円前後の価格帯が一般的です。ただし、高評価のイラストレーターは1枚につき60,000円などの高額な単価でプロジェクトを受けることもあります。
イラストレーターで年収1,000万円は可能だが難しい
イラストレーターの仕事はクリエイティブで魅力的ですが、単独で1,000万円近い収入を得るにはいくつかの重要な要素を考慮する必要があります。
第一に、イラストレーターだけでなく、関連するスキルの習得が不可欠です。たとえば、Webデザインやアニメーションなどのプラスアルファスキルをもつことで、収益を多角化するのが重要です。多くの場合、クリエイティブなプロジェクトはイラスト単体でなく、多様なスキルが必要です。
また、イラストの仕事は幅広く、報酬もバラつきがあります。高額なプロジェクトを獲得するためには、クライアントとの信頼関係を構築し、卓越したクオリティとスピードを提供することが重要です。
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イラストレーターとして年収・単価を上げる方法
イラストレーターが年収や単価を上げるためには、自身の実力を他者に知らせなくてはいけません。その手段としてはポートフォリオの作成が効果的です。さらに、より多くの業務を短時間で捌くための能力が必要です。
1.ポートフォリオを作る
ポートフォリオは、クリエイターのスキルやスタイルを示すものであり、クライアントに対して自身の能力を証明する手段です。実務イラストだけでなく、自分の魅力を分かりやすくアピールするための作品も掲載するのがポイントです。
ポートフォリオには、自分の得意分野のクオリティの高い作品を載せることはもちろん、バラエティ豊かなスタイルで幅広い依頼に対応できる可能性を示すことや、これまでのプロジェクトでクライアントの課題にどのように対応したかなど、クライアントが仕事を頼みたいと思うような情報を分かりやすく示すことも重要です。また、最新の作品を常に更新して、自身の成長や進化を反映させることも大切です。
このように同業者と自身を差別化して、クライアントからの信頼を勝ち取ることを目指しましょう。単に作品を並べるだけでなく、自身のストーリーとブランドを伝えるための強力なツールとしてポートフォリオを活用することでイラストレーターとしての成功に近づけます。
2.制作スピードを向上させる
制作スピードを向上させることは、単に1枚のイラストを制作する時間を減らすだけでなく、他の案件を受ける余裕を生み出す助けにもなります。スピーディにプロジェクトをこなすことで、クライアントから信頼を得て、リピートの仕事を獲得しやすくなるのもポイントです。
スピーディに仕事を進めるためには、効率的なワークフローを確立して、リソースを最適に活用するスキルが必要です。また、練習やトレーニングを通じてスキルを向上させ、タスクを迅速にこなせるようにします。このような制作スピードの向上は、イラストレーターとしてのキャリアを発展させて、収入を増やすための鍵となりえます。
3.専門性・オリジナリティを磨く
イラストレーターとして年収や単価を上げるためには、専門性とオリジナリティを磨くこともきわめて重要です。クリエイターとして個性をもつことは、成功のために重要です。
自分にしか描けないオリジナルキャラクターや独自の作風を確立することで、他のイラストレーターと差別化できるアピールポイントになります。個性的で独創的な作品によってクライアントやファンからの注目を引き、ロイヤリティ料や独自の商品販売などで収入を得るという戦略を取ることも可能です。
オリジナル性を追求するには、自分自身の視覚的なアイデンティティを明確にして、それを継続的に発展させることが重要です。他のアーティストやトレンドに触れつつも、自分独自のスタイルやストーリーテリングをもつことが大切です。
4.受注できる仕事の幅を増やす
仕事の幅を広げるためには、自身のスキルセットを多岐にわたるジャンルやスタイルに適用できるようにすることが不可欠です。特に自身が苦手と感じるジャンルやスタイルにもチャレンジして、スキルを磨くことも大切です。
クライアントの要望に柔軟に対応できるイラストレーターは、多くの仕事を獲得する可能性が高まります。また、新しいジャンルに挑戦することで、クリエイティブな刺激を受けて、成長する機会にもつながります。
さらに、イラストに関連する幅広いスキルを獲得することも重要です。たとえば、デジタルツールの習得、アニメーション制作、キャラクターデザイン、コンセプトアートなど、多彩なスキルをもつことで、幅広いプロジェクトに対応できる能力を高められます。
5.イラスト以外のスキルも身に付ける
イラストレーターとして年収や単価を向上させるために、イラスト以外のスキルも身に付けることは非常に有益です。関連スキルを習得することで、クライアントからの需要に柔軟に対応できるため収入の拡大が期待できます。
たとえば、画像編集や動画編集、アニメーション作成、デザインなどのスキルを磨くことがおすすめです。これらのスキルは、イラストを含むクリエイティブ業界で求められることが多く、クライアントのプロジェクトに付加価値を提供するのに役立ちます。
イラストレーターがデザインスキルをもつことで、ウェブデザインやロゴデザインなどのプロジェクトにも参加できるため、新しい仕事の機会が増えます。また、アニメーション作成や動画編集のスキルを習得することで、幅広いクライアントから依頼を受けられるようになります。
多彩なスキルをもつことは、イラストレーターとしての市場価値を向上させ、年収と単価の増加に寄与します。クリエイティブな分野で成功するためには、新たなスキルの習得に積極的に取り組み、自身のスキルセットを豊かにすることが肝要です。
未経験からでもイラストレーターは目指せる
未経験者がイラストレーターになるためには、履歴書、職務経歴書、そしてポートフォリオの提出が必要です。特にポートフォリオは、自身のスキルとクリエイティブな能力を示す重要な要素です。
ポートフォリオには幅広い作品を載せることが重要です。たとえば、人物画にとどまらず背景や動物、静物、デザイン画など、さまざまなカテゴリーのイラストを収録します。これにより、幅広いプロジェクトに対応できる柔軟性をアピール可能です。
未経験者は制作実績が限られるため、個人作品でポートフォリオを充実させることが大切です。自分のアイデアやスタイルを表現して、技術を向上させるためのプラットフォームとして、個人作品制作を積極的に行いましょう。
また、オンラインコミュニティや学習プラットフォームを活用して、他のイラストレーターと交流して、フィードバックを受けることもおすすめです。未経験からでも情熱と努力があれば、イラストレーターの道を切り拓ける可能性があります。
イラストレーターの将来性
イラストレーターの将来性については、特にWeb関連のイラスト需要が今後さらに高まると予測されます。ウェブサイト、アプリ、ソーシャルメディアなど、デジタルメディアの増加に伴い、イラストはコンテンツ制作やデザインの不可欠な要素として重要性を増しています。
また、イラストの収入は個人の能力に依存しており、オリジナリティと知名度が高ければ今後も高収入が期待できます。個性的で魅力的な作品を提供することで、クライアントやファンからの支持を受け、プロのイラストレーターとして成功する機会が増えます。
さらに、イラストは多岐にわたる産業において需要があるため、特定の分野に特化することで競争力を高めることも可能です。たとえば、出版、広告、ゲーム、アニメーション、キャラクターデザインなど、幅広い領域でイラストが活用されています。
まとめ
イラストレーターの平均年収は、業種や地域によって異なりますが、Web関連の需要が高まっている点が注目されています。収入を増やすためには、ポートフォリオの充実、専門性とオリジナリティ、幅広いスキルの習得が重要です。
これらを考慮いてことで、幅広いクライアントや案件に関わる可能性を高めることが収入増にはつながります。また、未経験からでも自身のスキルやオリジナリティさえあれば、成功する可能性のある業種です。個性をアピールし独自の道を切り拓いてイラストレーターとしてのキャリアを充実させましょう。