ITエンジニアがフリーランスになる方法|メリットや独立までの流れを解説

ITエンジニアがフリーランスになる方法|メリットや独立するまでの流れ、おすすめのエージェントを解説

ITエンジニアがフリーランスとして独立するための方法や働き方を紹介します。フリーランスとして活動する際のハードルとなる点や、リスクを低減させる方法についても解説していきます。収入を上げていきたいと考えている方はフリーランスとして独立することも視野に入れてみませんか。

フリーランスITエンジニアの働き方

フリーランスのITエンジニアとして働くなら、リモートワーク・客先常駐・売り込み型の3つのスタイルがあります。すでにITエンジニアとして活躍していて独立を考えている方は、どのような働き方が自分に合っているのかを判断する材料にしてみてください。

リモートワーク

リモートワークは、働く場所を問わずに働けるスタイルです。在宅で作業ができるので、客先に向かう必要がなく、交通費や移動時間がかかりません。プライベートに時間を割けるため、仕事を両立させやすくなります。また、始業時間・終業時間を自分で調節できるほか、休日をどのくらい取得するかも自分の裁量で決められます。家族の介護や育児を続けながら働けるスタイルのため、無理なく働き続けることが可能です。

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客先常駐

客先常駐とはクライアントの開発現場に常駐して支援する働き方です。業務の時間と場所が決められており、正社員と同じように働くにもかかわらず、正社員に比べて報酬が割高であるというメリットがあります。また、売り上げも比較的安定的に得られます。

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売り込み型

売り込み型とは自分でシステムを開発して売り込む働き方のことです。サブスクリプションサービスとして定額・継続で自動課金したり、スポンサーから広告収入を得たりして高収入を狙います。ただし、必ず売れるとは限らず、初期投資がかかりすぎて利益が出ない恐れもあります。企画や開発の知識はもちろん、マーケティングやデザインといった幅広いスキルも必要です。

ITエンジニアがフリーランスになる方法と流れ

ITエンジニアがフリーランスを目指すなら、以下の6つのステップで挑戦してみてください。収入が安定しにくいフリーランスは、闇雲に始めると失敗するリスクがあります。安定的に高収入を得られるように、独立後の計画をしっかりと練って、リスクを低減させることが大切です。

STEP1:実務経験を積む

フリーランスになるなら、実績を積んでスキルや経験があることを証明しなければなりません。プログラミングスクールで学ぶだけでは即戦力としての評価を得られにくいため、まずは未経験可の求人に応募して就職するのが第一歩です。少なくとも1年以上の実務経験を積むと良いです。

STEP2:副業からスモールスタートする

いきなりフリーランスとして活動するには収入面でのリスクが大きいため、副業からスモールスタートするのがおすすめです。本業とは違う種類のプロジェクトに参加して経験値を積むのがおすすめです。また、フリーランスへ転向後は安定的に案件を受注できる保証はありません。収入が一時的になくなるリスクも想定して、この時期にある程度まとまった資金を貯蓄しておくことも大切です。

STEP3:フリーランスとしての独立手続きをする

フリーランスへの転向を決めたら、税務署に開業届(正式名は「個人事業の開業・廃業等届出書」)を提出します。個人事業の開業・廃業等届出書の提出期限は、事業を始めてから1カ月以内です。これによって確定申告で所得税の特別控除を受ける「青色申告」が申請できるようになります。

出典:国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続

STEP4:国民年金・国民健康保険に加入する

会社を退職すると、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。住んでいる地域の市町村役場の年金課などで手続きを行います。退職の翌日に厚生年金保険料の資格を喪失すると同時に、国民年金第1号の資格が手に入ります。同じく社会保険の健康保険も、国民健康保険へ切り替える必要がありますが、こちらは退職後から最大2年間は任意で継続できます。

STEP5:スキルシート・ポートフォリオを作成する

職務経歴書(スキルシート)の用意をして、今まで経験してきた業務概要をまとめましょう。また、自分で開発したシステムやサービスなどをまとめたポートフォリオを作成すると、よりスキルをアピールできて案件を獲得しやすくなり、報酬単価の交渉時にも役立ちます。上述したように、いきなりフリーランスとして活動するにはリスクが大きすぎるので、副業などで実務経験を積んで評価材料にすると良いでしょう。

STEP6:案件の受注方法・経路を計画する

フリーランスが案件を獲得するには、会社員時代に築いた人脈を利用するのもひとつの手ですが、一般的なのはエージェントの利用です。安定的に案件を受注できる方法、経路を模索しておかなければ収入がない期間が発生してしまうので気を付けてください。ほかにも、クラウドソーシングやSNSなどでも案件を獲得できます。

実務経験が短い・未経験の場合はクラウドソーシング

実務経験は短い方や未経験から始める方は、クラウドソーシングの利用がおすすめです。クラウドソーシングは未経験者向けの案件を数多く取り扱っているのが特徴です。挑戦するハードルが低い分、報酬単価は低い傾向にあり、初心者にも向いています。

実務経験が豊富であればフリーランスエージェント

会社に勤務したり、副業をしたりして実務経験を積んできた現役のITエンジニアであれば、フリーランスエージェントの活用がおすすめです。フリーランス向けの案件を紹介するサービスで、一定水準以上のスキルや経験を求められます。有名企業が募集している大規模なプロジェクトなどに参加でき、単価が高めで収入面でも大きなメリットがあります。

おすすめのフリーランスエージェント5選

フリーランス向けの案件を紹介するフリーランスエージェントのうち、5つのサービスを紹介します。自分に合ったサービスを検討してみてください。

FLEXY(フレキシ―)

FLEXY(フレキシ―)は、高単価案件を扱うハイスキル人材向けのフリーランスエージェントです。大企業やベンチャー企業などのプロジェクトに参画でき、週2日からの稼働にも対応しています。リスクの少ない副業から始めたいITエンジニアや、ワンランク上の案件獲得で収入を増やしたいITエンジニアに最適な案件を紹介します。働き方の希望にあわせて熟練のコーディネーターが案件の紹介をしてくれるので、フレキシブルな働き方が可能です。

FLEXYサービスを見る

レバテックフリーランス

レバテックフリーランスは、実績のあるフリーランスエージェントです。2020年12月には登録者数1位、2022年8月には利用者の平均年収1位を獲得しています。75%以上がフルリモート対応の案件で、遠方からの案件獲得も可能です。現場のプロジェクトマネージャーとアドバイザーが、マッチング精度の高い案件を紹介してくれます。さらに、プロジェクトに参画中もサポートを行っています。

Midworks(ミッドワークス)

Midworks(ミッドワークス)は、最短1日で参画先を決められるフリーランスエージェントです。福利厚生が充実しており、パッケージプランに加入し一定の条件を満たす方は案件が途切れても報酬の60%を保障しています。さらに、交通費は現場最寄り駅まで年間36万円、書籍や勉強会費用を月1万円、経理支援クラウドシステムの利用料などを支給してもらえます。フリーランスの労災保険に加入でき、業務中のけがや病気に対する保障が受けられます。正社員に近い保障が得られる点がメリットです。

ITプロパートナーズ

ITプロパートナーズは、週2〜3日から稼働できる副業に向いた案件を多く扱っているフリーランスエージェントです。仲介会社を挟まない分、高単価の案件を数多く用意しています。利用している企業は2,000社以上で、専属のエージェントが希望条件に沿った案件を紹介してくれます。業務が始まってからも継続的にフォローしてくれるので、新たにプロジェクトに参加する場合でも心配ありません。

テックビズフリーランス

テックビズフリーランスはミドル層のエンジニア向けのフリーランスエージェントです。月末締めの翌月20日払いとなっていますが、相談により即日払いにも対応しています。リモート案件も扱っているので、在宅での作業を希望することも可能です。専門のコンサルタントがキャリアプランから独立の相談、案件探しや税務相談まで幅広くサポートしてくれます。税理士が記帳代行や確定申告のサポートを実質無料で行っているので、税務面で心配がある方にもおすすめです。

フリーランスITエンジニアの平均年収

フリーランス向けの案件を扱うRelance(リランス)の調べでは、専業フリーランスで働くITエンジニアの平均年収は500万円以上800万円未満が29.10%と最も多い結果となりました。次に300万円以上500万円未満を稼ぐエンジニアが28.02%、200万円以上300万円未満を稼ぐエンジニアが13.94%でした。年収は他の業種や会社員として働くエンジニアと比べて高水準であり、自分のスキル次第で年収を上げることが可能です。

出典:【2023年版】フリーランスエンジニア白書 1000人に聞いた!フリーランスエンジニアの実態調査-2023年1月-

フリーランス案件を取り扱うレバテックの調査では、会社員として働くITエンジニアの平均年収は300~500万円が40.1%と、最も多くの割合を占めています。会社員のボリュームゾーンと比較しても、フリーランスの方が200~300万円近く年収が高いです。

出典:ITエンジニアの平均年収と給料事情|年収1000万円を目指すには?

年代別

転職向けの求人を扱うdodaの調べでは、ITエンジニアの平均年収は以下の通りです。

年代別 平均年収

スキルや経験を養うほど年収が高まる傾向にあり、50代では約700万円の年収を目指せます。高収入を得るには、マネジメント能力を高める必要があります。若手のうちは未経験者でも務められるポジションにつくケースが多いですが、ベテランになるとチームをまとめる管理職としてのポジションを求められることが多いです。マネジメント能力を高めることで、高単価案件も獲得しやすくなります。

出典:ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説

業種別

ITエンジニアは未経験から挑戦できる職種ほど年収が低く、高度なスキルを求められる職種ほど年収が上がります。転職者向けの求人を扱うdodaの調査によれば、高収入のITエンジニアの職種としてPM(プロジェクトマネージャー)やプリセールスエンジニア、ITコンサルタントが上位3位にランクインしています。

PM 686万円
プリセールスエンジニア 594万円
ITコンサルタント 590万円

出典:ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説

たとえば、PMは、チームを統括するマネジメント能力・コミュニケーション能力・交渉力が求められる職種です。プリセールスエンジニアはクライアントの商談に対応できるだけのIT関連の知識・コミュニケーション能力が求められます。最後に、ITコンサルタントは、クライアントにIT戦略を提案するための知識・コミュニケーション能力が必要です。いずれも高度なスキルを求められるので、他の職種と比べても年収が高い傾向にあります。

フリーランスITエンジニアの平均単価

フリーランス向けの案件を扱うレバテックが公開している、ITエンジニアの全職種の平均月額単価は68.85万円でした。以下に職種ごとの平均単価を掲載するので、気になる職種がある方は目安にしてみてください。

ITアーキテクト 85万円
SAPコンサルタント 84万円
ITコンサルタント 82万円
ブリッジSE 78万円
アプリケーションエンジニア 77万円
データサイエンティスト 75万円
フロントエンドエンジニア 72万円
システムエンジニア(SE) 71万円
セキュリティエンジニア 71万円
データベースエンジニア 69万円
インフラエンジニア 68万円
プログラマー 67万円
サーバーエンジニア 67万円
ネットワークエンジニア 66万円
組込・制御エンジニア 66万円
QAエンジニア 62万円
社内SE 60万円
テストエンジニア 59万円

出典:レバテック|単価相場を比較

以下の記事ではさまざまなエンジニア職種の仕事内容や、正社員vsフリーランスの年収比較などを紹介していますので、職種別の働き方や年収に興味がある方はあわせてご覧ください。

ITエンジニアがフリーランスになるメリット・デメリット

メリット

フリーランスのITエンジニアとして活躍するメリットとしては、働き方や仕事内容、仕事量、収入、スキルアップなどを、自分の裁量である程度決められる点が挙げられます。詳細を以下に解説するので、今後フリーランスとして独立を考えている方は目安にしてみてください。

1. 自由な働き方を実現できる

会社員として勤務する場合、フレックスタイム制を採用している企業なら、総労働時間の範囲内で始業時間・就業時間・労働時間をある程度自由に決められます。さらに、フルリモートを採用している企業であれば、働く場所も選びません。

とはいえ、同調圧力で上司よりも早く出社し遅く退社しなければならない、週に数日は出社しなければならないといった職場も多くあります。実際に勤務してみると、制約なく自由に働く時間や場所を決められるケースは稀でにす。その点、フリーランスなら納期までに仕事を終わらせられるのであれば仕事の進め方に制約はなく、自由に働く時間と場所を選べるため、プライベートの充実にもつながります。

2. 仕事を選べる

会社員は自分で仕事を選ぶことはできません。就職時に職種やポジションを選べるものの、勤務するなかで配属先やポジションを変えられるケースが多々あります。たとえ自分の希望に沿わない仕事でも引き受けるしかなく、人によってはストレスを溜める原因にもなり得ます。

フリーランスとして独立すると、自分で案件を獲得しなければならないので、求人情報・案件情報から仕事をある程度ふるいにかけることが可能です。自分の希望条件に合致する仕事だけを受注できます。特定のスキルや経験を身に付けたい方は、その分野のスキルアップにつながる案件だけを受注していくこともできます。

3. 仕事量を決められる

フリーランスとして独立すると、仕事量を自由に決められます。参加したプロジェクトの納期を厳守するのが前提ですが、自分でスケジュールを管理でき、始業時間や終業時間も自分の裁量で決められます。また、報酬単価の高い案件を中心に獲得すれば、少ない仕事量でも高収入が期待でき、プライベートを優先させたり、ゆとりのある生活を送ったりできます。

育児や介護中の方は仕事量を減らして、労働時間を短くする働き方も可能です。反対に、貯蓄を頑張りたい方は仕事量を増やすなど、仕事量を自分の都合にあわせて臨機応変に変えられます。

4. 収入が増える可能性がある

成果報酬型の給与体系を採用している企業でなければ、会社員はどれだけ仕事量を増やしても年収アップは期待できません。受け持つ仕事量が増えることで評価が上がり、最終的に年収がアップするケースもありますが、直ぐに給与に反映されず時間がかかります。また、昇給額には限界があり、ある程度の年収で頭打ちになる場合もあります。

フリーランスなら交渉次第で報酬単価を引き上げたり、仕事量を増やしたりして年商を上げることも可能です。会社員時代と比べて高収入を得られる可能性があります。働いた分だけ収入に反映するのでやりがいを感じられるほか、経験やスキルを養えるのでキャリアアップにつなげられます。高いスキルを身に付ければ、より報酬の高い大きな案件を狙うことが可能です。

5. 必要なスキルは自分で選べる

「フリーランスITエンジニアの平均単価」の章で紹介したように、ITエンジニアと一口にいってもさまざまな職種があります。職種によって求められるスキル・経験・知識は異なります。高収入を得られる職種にキャリアアップするなら、必要なスキル・経験・知識を習得できる案件を集中的に受注することがおすすめです。

会社員として仕事を引き受ける場合、業界全体の人手が慢性的に不足しているので、仕事に忙殺されて自己研鑽を積む時間が取れない可能性があります。その点、フリーランスとして独立すれば会社の制約を受けず効率良く自分が求めるスキルを習得できます。

6. 経費が使える

会社員として働く際は、業務に関わる交通費・書籍などの購入費・資格の取得費などは企業が清算するケースがほとんどです。ただし、なかには経費として支給されないケースもあり、自己研鑽に励む人ほど支出が増える傾向にあります。一方、フリーランスとして活動する場合は、事業に関わる費用のほとんどを経費として計上できます。

たとえば、打ち合わせの食事代、営業を行うときの交通費、スキルアップのための資格取得費などは、経費に計上できるケースがほとんどです。また、コワーキングスペースのレンタル費を経費計上したり、事業に使っている自宅の賃料・電気代・ガス代・水道代・通信費を家事按分したりと、経済面でのメリットが大きいです。

デメリット

フリーランスのITエンジニアとして活動する際は、収入や福利厚生、社会的信用度の面でデメリットがあります。それぞれどのような点で不利益を被る可能性があるのか、具体的に解説します。

1. 収入が不安定になる

フリーランスは会社員と違って収入が保証されません。自分で仕事量を調整できる反面、スキルや経験が不足していて、想定よりも仕事を受注できない可能性があります。未経験者や経験が浅いITエンジニアでも挑戦できる案件はありますが、報酬単価が低い傾向にあり、収入が不安定になりがちです。

また、通常は案件ごとの契約となるので、受注するタイミングによっては手持ちの案件がなくなる恐れも出てきます。自分でうまくスケジュール管理をしなければ、収入がなくなる時期が出るリスクもあります。

2. 福利厚生がない

フリーランスには、有給休暇や手当といった福利厚生はありません。病気やけがで働けなくなった際は収入源がなくなり、生活に支障が出る恐れがあります。日頃から収入が減る事態に備えて貯蓄をしておくか、フリーランス向けの保険に加入しておくことが大切です。フリーランス向けの保険のなかには、請求書を即現金化できるものや、所得補償やトラブル補償をしてくれるものもあります。有事に備えておくと、入院や天災などで収入がなくなった際に慌てずに済みます。

ただし、案件を受注できなくなった場合や労働時間を確保できなくなった場合などは、保険による補償は受けられないケースがほとんどで、失業保険や育児休業といった制度も利用できません。収入を得るためには案件を獲得して働き続けなければならないので注意が必要です。

3. 社会的信用度が低い

フリーランスは収入が不安定な職業であるため、一時的に高い収入を得ていても、賃貸契約やローンなどの審査が通らない可能性があります。会社員は万が一けがや入院で働けなくなった場合にも傷病手当が支給されますが、フリーランスには保障がありません。こうしたことから社会的信用度が会社員と比べて低く、ある程度のまとまった資金がないと困ることもあります。

これから住宅購入でローンを組む予定がある方や、賃貸契約を結ぶ予定がある方などは、フリーランスになる前に契約を済ませることをおすすめします。

まとめ

ITエンジニアがフリーランスとして活躍するには、リモートワーク・客先常駐・売り込みといった方法があります。いずれにしても実務経験やスキルがなければ高収入を得るのは難しいため、副業などでスモールスタートをするのがおすすめです。実務経験を通してスキルと自信がついた上で独立の手続きを進めて、高収入を得られる経路を確保しましょう。フリーランスエージェントなら、フリーランス向けの案件に特化しており、希望条件に沿った案件を紹介してくれます。

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