スキルシートの書き方! エンジニア案件を受注しやすくするには?

本記事ではフリーランスエンジニアの方向けに、案件が受注しやすくなるためのスキルシートの書き方について解説しています。
スキルシートに書く項目や、書く際に注意することなど、アピールに失敗しないために大切なことを網羅しています。
エンジニアとして自身が保有する技術や経験をわかりやすく説明するために、抜け漏れのない魅力的なスキルシートを作成して、案件獲得につなげていきましょう。
目次
スキルシートとは
スキルシートとは、履歴書や職務経歴書などと同様に、自己PRに使う書類です。個人情報や、これまで経験してきたプロジェクトの規模、習得した技術について記載します。フォーマットは特に決まっておらず、企業や個人のサイトでさまざまなテンプレートが公開されています。
またスキルシートはフリーランスエンジニアや技術顧問、デザイナーなど、IT技術者が活用するケースが多い傾向にあります。
スキルシートはたいていの場合、A4で1枚から4枚程度の書類となります。IT技術者の成果は人によってはわかりにくいものですが、限られた枚数でも読む人が内容を判断しやすいように工夫することが必要です。
職務経歴書や履歴書との違い
一般的に職務経歴書や履歴書は就職活動の際に使われます。対してスキルシートは、よりフリーランスや副業として活動する方に利用されます。またIT技術のアピールに特化したフォーマットになっている傾向にあります。
職務経歴書は、就職活動の際に履歴書と一緒に提出するのが一般的であるため、職務経歴書には学歴や生年月日などの個人情報は記載しません。
対してスキルシートは、フリーランスや副業として案件に参画する際に見せるものであるため、履歴書の提出は行いません。よってスキルシートには保有スキルや経験業務だけではなく、個人情報や自己PRも含まれることがあります。
ただし決まったルールはなく記載情報は各フォーマットによるため、スキルシートでも個人情報や自己PRを記載しないケースもあります。
以下でも履歴書や職務経歴書について解説しておりますので、是非ご覧ください。
レジュメとは?フリーランスエンジニアが案件獲得しやすい自己PR書類の作り方を解説
スキルシートを書く重要性
スキルシートは、あなたのこれまでの経験やスキルを企業にアピールするための営業資料です。企業の担当者は、応募してきたエンジニア全員と面談するわけにはいかないため、その前段階としてスキルシートを通して、あなたの経験・スキル・人柄などを判断します。よってスキルシートは、あなたを案件に参画させるかどうかの可否に関わる大切な資料です。
スキルシートはあなたの年収に大きく影響し、案件のミスマッチを減らすことにも繋がるため、作成の際には正確かつ必要な情報を網羅しましょう。
またスキルシートを作成することにより、自身のキャリアを客観視することにも繋がります。案件獲得のためだけではなく、今後のキャリアの判断のためにもスキルシートの作成は有効です。
案件受注の際の面談についてのノウハウはこちらにまとめておりますので、是非ご覧ください。
<初めての業務委託契約>面談の当日はどんなことを話すのか?面談の当日フローとその後
何故か面談が通らない!面談時にフリーランスエンジニア、業務委託エンジニアが意識しておいて欲しいこと
エンジニアがスキルシートを書くための準備
スキルシートを書く前に、これまでのキャリアの棚卸しを行います。
- プロジェクトの規模
- 参画期間
- 担当業務
- スキル
- 実績
こういった、これまでの経歴を5W1Hで洗い出しましょう。
また言語やフレームワーク、データベース、OS、ツールなど開発環境に関する名称は正式名称を使うので、公式サイトで確認しておくことも大切です。
スキルシートに記入する内容
エンジニア向けのスキルシートを例に、各項目を解説します。
1.生年月日などの基本的な個人情報
- 名前
- 生年月日
- 年齢
- 住所
- 最終学歴
- 電話番号
- メールアドレス
個人情報にはこういった項目を記述します。名前や住所にある振り仮名は、「ふりがな」なら平仮名、「フリガナ」ならカタカナで記載するようにします。
2.資格などのスキル
- 資格
- 保有技術
- 得意業務
- 実績
資格などスキルの欄には、こういった項目を記載します。資格の名称は正しく書くのが基本です。保持している資格が多く枠が長くなってしまう場合は、応募企業に関係している資格を優先して記載するのが良いでしょう。また実績は、後述の職務経歴を要約して書きます。
3.これまで経験した言語などの技術
多岐にわたる保有技術は表を用いて記載すればわかりやすくなります。OS、DB、プログラミング言語、ツール、デザインについて、経験があれば「●」を付けましょう。経験年数や「対応可能」などを書いてもOKです。
未経験の技術でも、自分で十分に学習していて対応できるのであれば、「対応可能」と記載しておくのがおすすめです。
4.職務経歴・プロジェクト詳細
参画したプロジェクトごとに、プロジェクト規模や具体的な実績などを記載します。フリーランスの立場で受けた案件も実績ですので、同じように記入しましょう。
担当工程は、表に「●」を書く形式だとわかりやすくなります。
5.自己PR
基本情報・スキル・経験・職務経歴詳細などの他にも、自己PR欄を作り、300文字程度でアピールするのも良いでしょう。自己PR欄があれば、より熱意や人柄が見えるようになります。
スキルシートの書き方のポイント
企業やプロジェクトに応募する際は、エンジニアやデザイナーなど現場の担当者が採用に関わってスキルシートを確認することもあります。同業の担当者から見て、対応可能な業務範囲やスキルの深さを判定できるよう、正しく書くようにしましょう。
ここは特に重要な部分なので、記入時のポイントをさらに詳しく見てみます。
最新のプロジェクトから記載する
案件は最新のプロジェクトから記載します。応募者のスキルセットは、直近(半年~1年程度、長くても2~3年程度)の担当業務から判断されることが多いためです。 経験したプロジェクトが多い場合はプロジェクトを厳選し、受注したい業務は特に情報量を多く書いたり、応募先の企業と関係の薄いプロジェクトを簡易な記述に留めたりするなど、伝えたい成果を強調するのもひとつの手です。
定量的に記載する
もしあなたが参画した案件において、そのシステムやサイトから発生した売り上げなどの実績がわかれば、できるだけ数値で表現しましょう。
また経験スキルについても年数や言語のバージョンなども記述することにより、採用担当者はより具体的にあなたの技量を判断できるようになります。
小規模な業務でも記載する
「不具合対応」「改修案件」といったような小規模・短期間の業務も、大事な経験です。プロジェクト経験が少ない場合は、小規模な業務も余さず書くようにしましょう。
本人が書かなくて良いだろうと判断していても、企業からすればあなたの経験やスキルが魅力的に映ることがあります。あなたの何がアピールに繋がるかは読み手の企業によるため、主観的な判断で情報を省かないようにしましょう。
ただし冗長になっても逆効果であるため、大きなプロジェクトではないものは箇条書きを使って担当領域・成果を具体的かつコンパクトに書き、読まれやすさを目指しましょう。
広く公開されているシステムは積極的に記載する
ECサイトやニュース配信サイトなど、自分が担当したプロジェクトの成果が一般に公開されている場合、アピールポイントにできる可能性があります。スキルシートにサイトのURLを記載しておけば、採用担当者が参考にできます。
ただし、後述しますが、秘密保持契約を締結している場合はその内容によって記載できないケースもあるのでご注意ください。
マネジメント経験を記載する
企業が上流工程の人材を求めている場合は、マネジメント経験も欠かさず書きたいところです。経験や役割に加え、マネジメントで心がけていることも記載しましょう。
社内の関係部署との調整といった一見エンジニアとは関係がなさそうな業務にも、採用担当者は注目しているものです。
コミュニケーション能力について記載する
採用担当者はコミュニケーション能力も重視します。コミュニケーションの仕方は、その人の人柄が見えるところでもあります。 例えば開発チームのリーダーであれば、メンバーの教育や交流においてどのような役割を担ってきたか、チーム運営のためにどのようなことを心がけてきたかも書くとよいでしょう。
他にも、クライアントとの交渉や営業経験など、IT技術系以外の経験があれば書いておきましょう。
スキルシートを書く上でフリーランスが特に気を付けること
フリーランスとしてスキルシートを作成する場合に特に気を付けるべきことがあるので、ぜひ押さえておきましょう。
直近のプロジェクト経験を詳しく書く
スキルシートの職務経歴詳細で直近のプロジェクトを詳細に書くと、企業と応募者がスキル面でマッチングしやすくなります。
特に最新のIT技術を扱うスタートアップやベンチャー企業は、限られた予算で即戦力となる人材を獲得したいものです。保有スキルや経験した開発方式、プロジェクトの規模は漏れがないようしっかりと記載しましょう。特に固有名詞や数値は人の目に留まりやすい部分なので、可能な限り記載します。
スキルシートをきちんと更新する
スキルシートは一度書いて終わりではなく、プロジェクトごとに更新することが大事です。経験が増えてスキルシートが充実すれば自己PRがしやすくなり、受注案件増につながるためです。
一つのプロジェクトが終わるごとに、新しく経験したプロジェクトはもちろんのこと、既存のプロジェクトの経験にも新しい発見がないか見直し、随時加筆していきましょう。
客観的に見てもらう機会を作る
スキルシートを第三者に客観的に見てもらえると、主観的でわかりにくい表現はないか、誤字脱字はないか、強化するべき部分はないかなど、改善点が見えてくるはずです。
一度作成してみて良い内容になっているか迷ったら、フリーランス向けの案件を紹介しているエージェントもスキルシート作成をサポートしているので、エージェントに登録して見てもらうのも方法のひとつです。
エージェントのキャリアコンサルタント、面接官経験のある友人やフリーランスをしている友人など、第3者に見てもらうことを考えてみてはいかがでしょうか。
フリーランスエンジニア向けエージェントのFLEXYなら、あなたが案件を受注しやすくするため、スキルシート添削のサポートをいたします。専門のコーディネーターが丁寧にご対応いたしますので、是非こちらのサービス詳細ページをご覧ください。
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クライアントの企業名を書く際に注意する
過去に企業に所属していたときやフリーランスとして案件を受注したときに、秘密保持契約を締結した方もいらっしゃるでしょう。もし秘密保持契約を結んでいた場合、クライアントの企業名の記載は契約に違反する可能性があるため、スキルシートには企業名を書かない方が無難です。その場合「金融機関向け○○システム構築」など、企業名や案件名を特定せず、業種や規模が掴める程度の記述にすれば問題はありません。
ただ、企業名は自身のスキルの権威付けとなる要素であるため、秘密保持契約を結んでいない場合は極力記載したいところです。
業務未経験者の場合の対策
エンジニアとしてのIT知識がない場合はまず書類選考で落ちてしまうため、ここでの未経験者とは、業務未経験者のこととして解説します。
経験者が優先なのは大前提ですが、実務経験がなくても技術が証明できれば案件を受注できる可能性はあります。
実務未経験者が案件を受注するために最も大切なのはポートフォリオです。
ポートフォリオとはあなたが開発や作成をしたものの作品集です。
学習履歴を書くだけでは、実際にあなたがどれくらいのスキルを持っているのか担当者には分かりません。しかし個人的にでも良いので、何らかのサービスを作った経験があればそれをポートフォリオに含めることにより、採用担当者はあなたのアウトプットのスキルを確認できます。言語やサービスの種類など、受注したい案件の種類に合わせてポートフォリオを作成しましょう。
また実務未経験だからこそ、職務経歴書やポートフォリオに対して第三者の意見をもらうことが大切です。もしあなたの知人にエンジニアがいるのであれば、積極的に意見をもらいましょう。またフリーランスエンジニア向けのエージェントに登録して意見をもらったり、添削を依頼するのも有効です。
ちなみに未経験者の場合は実績がないため、スキルシートではなく職務経歴書にこれまでの経験を記述します。そして未経験の場合、職務経歴書に記載するIT系以外のスキルはあまり評価の対象にはならないため、自己PR欄に記述するに止めておきましょう。
こちらの記事では、未経験からフリーランスエンジニアとして案件獲得するまでの過程について解説していますので、是非ご覧ください。
未経験からフリーランスエンジニアになりたい! なれる理由・注意点・なるための流れを解説
スキルシートに関するFAQ
ここからはスキルシートに関して、よくある質問とその回答を紹介します。
Q:スキルシートを書く目的は?
A:スキルシートを書く目的は、フリーランスとして案件に参画する際や、会社員として就職活動する際に、自分の能力や経験をアピールすることです。またスキルシートを書くことで自分自身のスキルや経験を整理し、自己理解を深めることができます。
Q:スキルシートに含めるべき情報は?
A: スキルシートには、自分のスキルや能力、職務経験、資格や語学力などを含めます。職務について記載する際は、具体的な業務内容や実績なども記載することが重要です。実績については出来るだけ定量的に書くことが大切です。
Q:スキルシートはどのようなツールや形式で作成すべき?
A:スキルシートを作る際は、ワードやエクセルなどのソフトウェアで作成するのが一般的です。ビジュアル的な要素を取り入れたオンラインツールを利用することもできます。また枠組みに関しても決まった形式があるわけではありません。自分で一から作るのは時間がかかるのであれば、ネット上で提供されているテンプレートを活用してみるのも良いでしょう。
Q:スキルシート作成にかかる時間は?
A:スキルシートの作成にかかる時間は、スキルシートを書く目的や記載する内容、自身の経験やスキルなどによって異なりますが、平均的には数時間から半日程度の時間がかかることが多いです。
Q:自分で自分のスキルや経験を客観的に評価することが難しい場合は?
A: 自分自身のスキルや経験を評価するのが難しい場合は、第三者からの意見を聞くと良いでしょう。友人や同僚、上司、メンターなどから意見をもらうことで、自身が見逃していたスキルや経験を発見できます。フリーランス向けエージェントなどのサービスにヒアリングや添削を頼むのも良いでしょう。
Q:スキルシートが活用できる職種や業界は?
A:スキルシートはIT系の技術職でよく使われますが、あらゆる職種や業界で活用可能です。求人情報や企業の採用ページで求められることが多いため、案件参画や転職を検討する際は、企業がスキルシートを必要としているか必ず確認しましょう。
まとめ
今回はスキルシートについてのコツをご紹介しました。自分の経歴が上手くまとまらない場合は、ネット上に公開されている好きなスキルシートのテンプレートをダウンロードして、フォーマット通りに記載していくのがおすすめです。
一通り記載してみてから自分で必要な項目を追加していけば、より良いスキルシートに仕上がります。表や箇条書きなど工夫を加えつつ、読み手にわかりやすい形にまとめてみてください。
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