サーバーエンジニアの平均年収・単価相場は? 仕事内容も解説

サーバーエンジニアの平均年収・単価相場は? 仕事内容も解説

近年はデジタル技術の発展に伴ってサーバーエンジニアの需要が増大しており、フリーランスエンジニアとして独立を目指す方も少なくありません。そこで本記事では、サーバーエンジニアの平均年収や単価相場について解説します。サーバーエンジニアに求められるスキルや案件を獲得する方法なども紹介します。

サーバーエンジニアの平均年収

転職エージェントサービス「マイナビAGENT」の調査によると、2023年8月時点におけるサーバーエンジニアの平均年収は465万円です。また、大手転職情報サイト「doda」が2022年12月に発表した調査では、サーバーエンジニアの平均年収は453万円です。また、国税庁が公表している「令和3年分民間給与実態統計調査」のデータによると、国内における給与所得者の平均年収は443万円です。したがって、サーバーエンジニアは一般的な給与所得者よりも平均年収が高い職種といえます。

出典:職種別平均年収ランキング サーバーエンジニア|マイナビAGENT

次に気になるのはサーバーエンジニアという職種の需要と将来性です。詳しくは後述しますが、サーバーエンジニアはITシステムの基盤となるサーバーの設計・実装・構築・保守・運用といった業務領域を担当します。近年はクラウドファーストの潮流が加速しており、ITシステムのインフラストラクチャをオンプレミス型からクラウド型に切り替える企業が増加傾向にあります。そのため、オンプレミス環境のサーバーを管理するサーバーエンジニアの需要は減少していくと考える技術者も少なくありません。

しかし、クラウド型のITインフラはパブリック環境でリソースを共有するという性質上、オンプレミス型と比較して情報セキュリティの脆弱性が懸念されます。特に金融業界や医療分野、防衛産業などは厳格なセキュリティ要件が求められるため、クラウド環境からオンプレミス回帰を推進するケースも少なくありません。クラウドファーストがトレンドとなっても物理的なサーバー機器が完全に不要になる恐れは極めて低く、ITインフラの安定的な稼働を担うサーバーエンジニアの需要は、今後も継続・拡大していくと予想されます。

出典:令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁

フリーランスサーバーエンジニアの単価相場

サーバーエンジニアとして独立する、あるいは副業で案件の獲得を目指す場合、気になるのは案件の単価相場ではないでしょうか。インフラエンジニアのなかでサーバー領域を専門とするのがサーバーエンジニアであり、案件の単価相場はスキルや人脈、プロジェクト規模などによって異なります。また、請け負う業務が上流工程か下流工程かによっても単価に大きな差が生じます。たとえばサーバーの要件定義や詳細設計などの上流工程は単価が高い傾向にあるものの、コーディングやメンテナンスといった下流工程の単価は低くなりがちです。

これらを踏まえた上での一般的な単価相場としては40〜100万円の案件が多い傾向にあります。たとえば、フリーランス向けの案件を一括検索できる「フリーランススタート」の調査によると、サーバーエンジニアの月額単価相場の平均値は72.8万円です。また、月額単価相場の中央値は70万円で、最高単価は200万円、最低単価は5万です。そのため、月単価相場の平均値である72.8万円に12をかけた874万円がフリーランスのサーバーエンジニアの平均年収となります。

出典:サーバーエンジニアのフリーランス求人・案件一覧|フリーランススタート

ハイスキル人材向けの案件紹介サービス「FLEXY」では、プライベートクラウド上で動作するOS移行支援「〜80万円/月」、自社データセンターでの構築開発・運用保守業務「〜80万円/月」、新卒ダイレクトリクルーティングサービス企業のリプレイス支援(フルリモート)「~120万円/月」といった案件が掲載されています。ITインフラの構築やサーバーの仮想化、ネットワーク設計など、インフラエンジニアとしての知見も備えていれば、100万円以上の案件を受注することも不可能ではありません。

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サーバーエンジニアの仕事内容

サーバーエンジニアの仕事としてはサーバーに関連した構築や保守運用など仕事があります。今回はサーバーエンジニアの仕事内容として「運用と保守」「構築」「各種設定」の3つを解説します。

サーバーの運用と保守

サーバーエンジニアの代表的な仕事内容は物理的なサーバー機器の運用と保守です。「運用」は構築したITシステムの安定稼働を目的とする業務で、サーバー機器の監視やログのチェックなどの定型化されたオペレーションを指します。「保守」はシステムダウンやネットワーク障害などに対する突発的な業務を指し、バックアップの復旧作業や不具合の原因究明、システムのアップデートや修正などが該当します。システム障害はサービスの停止につながるため、サーバーの運用・保守はサーバーエンジニアにとって非常に重要な仕事です。

サーバー機器の構築

ITシステムの運用基盤となるサーバー機器の構築もサーバーエンジニアの重要な業務です。たとえば、ERPシステムの導入プロジェクトを進める場合、システム要件と業務要件を定義し、基本設計と詳細設計に基づいて必要なハードウェアやソフトウェアのスペックを見積もる必要があります。その際にクライアントの要求をヒアリングするとともに、定義された要件に基づいてサーバー機器を選定・実装するのがサーバーエンジニアに与えられる仕事のひとつです。サーバーのOSやミドルウェアの選定、アプリケーションのインストールなども環境構築の一環としてサーバーエンジニアが担当する場合もあります。

サーバーの各種設定

サーバーエンジニアの重要な業務のひとつは、構築したサーバー機器の各種設定を最適化することです。たとえばIPアドレスやゲートウェイ、ホスト名やドメイン名といったOS領域の各種設定を行います。その他にもファイアウォールやポートの設定、セキュリティパッチの適用、アクセス制御の設計、タイムゾーンやログの設定、バックアップ環境や冗長化の設計など、サーバー側のさまざまな設定を担当しなくてはなりません。そのため、サーバーエンジニアは物理的なサーバー機器の構造を理解するのはもちろん、OSやソフトウェア、セキュリティ、ネットワークなどに関する幅広い知見が求められます。

サーバーエンジニアの他にネットワークエンジニアやセキュリティエンジニアなどのインフラエンジニアの種類と仕事内容についてもご興味がある方はこちらの記事もあわせてご覧ください。

サーバーエンジニアが「きつい・やめとけ」と言われる理由

IT系の企業に対して華やかなイメージを抱く方は少なくありませんが、ITエンジニアの仕事は体力的にも精神的にも決して楽ではありません。特にサーバーエンジニアはITシステムの基盤となるサーバー機器を管理する仕事であり、事業規模によっては交代制で24時間365日の管理体制を整えている企業もあります。障害対応の際はPCやサーバーの前から離れられず、食事休憩さえままならないケースも少なくありません。また、サーバー領域に関する実務経験と高度な知識が求められる一方、応用的なスキルを獲得しにくく、さらに技術や経験値が低いエンジニアは労働量に見合った年収を得るのは難しいというデメリットもあります。

サーバーエンジニアに必要なスキル

サーバーエンジニアとして仕事を行う上で必要となるスキルとはどのようなものがあるでしょうか?サーバーに関する基本的なスキルも含め、他者とのコミュニケーション力など4つのスキルをご紹介します。

サーバーに関する基本的なスキル

サーバーエンジニアはLinuxやWindows Server、UNIXといったOSの知識を求められるだけでなく、サーバーサイドの作業環境を構築するLAMPやデータベース言語のSQLなどに関する最低限の知見も必要です。もちろんLANケーブルの配線やラックへのマウント、周辺機器への接続などの物理的な作業スキルも求められます。また、サーバーサイドの開発で用いられるPHPやPython、Rubyなどのプログラミング言語に熟知している必要があり、それらの開発フレームワークに関する知識も必要です。

セキュリティに関する基礎知識

ITシステムの運用基盤となるサーバーには機密度の高い情報も保管されているため、サーバーエンジニアはセキュリティに関する基礎知識が不可欠です。たとえばファイアウォールの設定と管理、データ保護法やコンプライアンスに関する知識、セキュリティポリシーの策定、アカウント管理やセキュリティパッチの適用といった領域の知見が求められます。また、最小権限の原則に基づいて、特定の部門や役職のみにアクセス権を付与するといった仕組み化もサーバーエンジニアに求められるスキルのひとつです。

他者とのコミュニケーション力

サーバーエンジニアはITインフラの構築やサーバー機器の運用・保守などだけでなく、クライアントへの提案や交渉を担当する機会も少なくありません。顧客との信頼関係を構築するためには、技術力だけでなく相応のコミュニケーション能力が求められます。また、組織規模の大きな企業ほど共同作業が多くなるため、プロジェクトを円滑に進めるためには協調性や共感力といったスキルが必要です。特にフリーランスエンジニアが案件を獲得するためには人脈作りが不可欠であり、他者との意思疎通を図る能力が収入に直結するといっても過言ではありません。

自己管理・タスク管理能力

サーバーエンジニアは組織内のプロジェクトやグループから独立して作業を進めるケースが少なくありません。そのため、スケジュールの適切な管理やタスクの優先順位を策定する工程が極めて重要です。特にフリーランスエンジニアの場合は、社内規定や就業規則などにしばられることなく自由な働き方が可能となる一方、自分自身を律する自己管理能力が求められます。すべてが自己責任となるため、スケジュールやタスクを管理する能力はもちろん、モチベーション管理や健康管理などの能力も必要です。

未経験のサーバーエンジニアとして案件獲得するための流れ

サーバーエンジニアと経験が浅い場合、案件を獲得するためにはどのような手順が必要なのか、不明瞭な場合も考えられます。そこで、サーバーエンジニアとして案件を獲得するための方法を3つに分けて解説します。これから案件を獲得しようとされている方は参考にしてください。

1. サーバーエンジニアに関する知識とスキルを身に付ける

未経験者がフリーランスエンジニアとして高単価の案件を獲得するのは決して容易ではなく、ほぼ不可能といっても過言ではありません。それどころか、インフラ周りのエンジニアとして企業に就職すること自体も困難といえるでしょう。そのため、まずは書籍や学習サイトを利用し、サーバーやネットワークなどの領域に関する最低限の知識を独学で身につける必要があります。その際は学習に充てられる時間や予算に応じて、自分の環境に適した勉強方法を選ぶことが重要です。また、時間的・金銭的な事情が許すのであれば、ITエンジニアを育成する専門学校に通うのも有効な方法です。

2. エンジニアとして実務経験を積む

フリーランスのサーバーエンジニアに求められるのは経験値に裏打ちされたスキルです。先述したFLEXYの案件では、OSの移行支援やデータセンターでの運用・保守業務などが高単価で募集されているものの、多くの場合は「プロジェクトマネージャーとして3年以上の実務経験」や「上流から下流まで1年以上の実務経験」といった必須要件が定められています。未経験者がインフラ周りの案件を獲得するのは非常に困難なため、まずはエンジニアとしての実務経験を積まなくてはなりません。未経験者が正社員のサーバーエンジニアとして採用される可能性は高くありませんが、派遣社員やアルバイトとして実務経験を積むことは十分に可能です。

3. 人材サービスやクラウドソーシングサイトで案件を探す

サーバーエンジニアは高い専門性が求められるものの、クラウドソーシングでは「未経験可」の案件が皆無というわけではありません。たとえばインフラエンジニアやサーバーエンジニアの補佐役となる人材を募集しているケースが挙げられます。もちろん高い単価は期待できませんが、アシスタントとして実務経験を積める可能性があるというのは非常に大きなメリットです。先述したように未経験者が正社員として登用される可能性は低いため、クラウドソーシングを活用して副業で実務経験を積むというのは非常に有効な方法です。人材紹介サービスに登録しておけば、自分のスキルや経験値に見合った案件を見つけやすい傾向にあります。

サーバーエンジニアが年収を上げるには?高単価案件を獲得する方法

サーバーエンジニアとして年収を上げるためには、いくつかのポイントがあります。高単価な案件を獲得するためのポイントを4つご説明します。

インフラ全般のスキルを身に付ける

フリーランスのサーバーエンジニアが収入を上げるためには、サーバー機器の構築や実装、運用・保守だけでなくインフラ周りのスキルが必要です。たとえばネットワークやデータベース、クラウドコンピューティング、サーバーレスなど、インフラ全般に関する知識と技術を身につけることで対応できる案件の幅が広がります。それによって顧客の多様なニーズに対応できるため、他のフリーランスエンジニアとの差別化につながるとともに、高額な案件を受注できる可能性が高まる点がメリットです。特にインフラエンジニアとしてのスキルを獲得し、要件定義や設計といった上流工程を担当できれば大幅な年収アップが見込めます。

資格を取得して自分の価値を高める

ITエンジニアは士業のような資格を必要とせず、実務経験やスキルが重視される職種です。しかし資格の取得によって一定以上のスキルを保有する証となり、実務経験が少ないITエンジニアでも案件を獲得できる可能性が高まります。そのため、フリーランスのサーバーエンジニアとして独立を目指しているものの、十分な実務経験がないのであれば資格を取得して、ITエンジニアとしての価値を高めるのも有効な方法です。サーバーエンジニアにおすすめの資格としては、ITエンジニアの登竜門といわれる「基本情報技術者試験」やLinux技術者認定試験の「LPIC」や「LinuC」、ネットワークに特化した「CCNA (シスコ技術者認定)」やデータベース領域の「ORACLE MASTER」などが挙げられます。

年収の高い大手企業に転職する

サーバーエンジニアが年収を上げるためには、大手企業への転職も検討しなくてはなりません。もちろん大手企業でデータベースエンジニアとして採用されるためには、相応の実績が必要であり決して簡単ではありません。しかし20代であれば将来性と成長性を考慮してポテンシャル採用に至る可能性があります。また、30代以降でも取得している資格や実務経験によっては、転職できる可能性は十分にあります。大規模なITインフラを運用している企業でサーバーエンジニアとしての経験と実績を蓄積できれば、自身のスキルアップに寄与するのはもちろん、後にフリーランスとして活動する上で非常に大きな武器となるはずです。

エンジニア案件に強い人材サービスを利用する

デジタル化が加速する現代市場では、WebサイトやSNSといったオンラインチャネルの戦略的活用が重要課題となっており、それは個人で業務を請け負うフリーランスエンジニアも例外ではありません。そしてフリーランスのITエンジニアが高単価の案件を獲得するために欠かせないのが、FLEXYのような人材サービスの活用です。IT分野に特化した人材サービスなら、サーバー機器やインフラ周りに関する案件が多く掲載されており、単価も比較的高額な傾向にあります。現代のフリーランスエンジニアはデジタルチャネルを活用した集客が重要課題となるため、自身をアピールする機会を最大化するためにも、まずは人材サービスに登録してみるのがおすすめです。

副業やフリーランスで働きたい方に向けて

副業やフリーランスのサーバーエンジニアとして働き始める場合には、FLEXYへの登録がおすすめです。
FLEXYではサーバーエンジニアが活躍できる案件を多数取り扱っていますので是非FLEXYへご登録の上、興味のある案件にご応募ください。

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まとめ

サーバーエンジニアの平均年収は約465万円で、一般的な給与所得者の平均年収よりも若干高い傾向にあります。近年はクラウドファーストが一般化しつつあるものの、物理的なサーバーが不要になる可能性は極めて低く、デジタル化の進展とともにサーバーエンジニアの需要は増大していくと予測されます。フリーランスのサーバーエンジニアとして活躍するためには、サーバー機器やセキュリティなどに関する知見はもちろん、コミュニケーション能力や自己管理能力なども必要です。そして実務経験を積むとともに必要に応じて資格を取得し、エンジニア案件に強い人材サービスを利用することで高額な案件を獲得できる可能性が高まります。

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