コードレビューを業務委託に専任してもらう大きなメリット――イタンジ・福崎元樹さん

「テクノロジーで不動産取引をなめらかにする」をビジョンとして掲げているイタンジ株式会社。
不動産仲介会社向けの営業支援クラウドシステム「ノマドクラウド」や不動産管理会社向けにリーシング業務をワンストップでサポートする「Cloud ChintAI(クラウドチンタイ)」など、数々のプロダクトを提供しています。
創業時からエンジニアが主体となってプロダクト開発を進めてきたという同社。
執行役員で11月からVPoEに就任された福崎さんにエンジニア文化と、その中でどうFLEXYを活用したのか伺いました。
FLEXYからご紹介した方
当初の課題 |
ベテランのエンジニアの不足 |
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状況 | GA technologiesのグループ会社となり、新規事業も立ち上げも行なっていたタイミング |
FLEXYからご紹介した方の 業務内容 |
コードレビュー (Ruby on Rails) |
稼働時間 | 稼働時間は週24時間以内 |
働き方 | フルリモート |
セルフで内見し、スマホだけでお部屋探しが完結するサイトを展開


――2019年9月に「OHEYAGO(オヘヤゴー)」をリリースされていますが、どのようなサービスか聞かせていただけますか?
福崎元樹さん(以下、福崎):「OHEYAGO(オヘヤゴー)」とは、新しいスタイルのお部屋探しができるサイトです。
従来の賃貸物件のお部屋探しは気に入った物件があったら、ポータルサイト等から不動産仲介会社に問い合わせ、不動産仲介会社が不動産管理会社に物件の空室状況などを確認し、物件がまだ空室であれば内見の日程調整を行い、気に入れば申込書をメールやFAXで送り、その後契約という取引の流れになるのですが、OHEYAGOはこれらのプロセスを簡略化しました。
食べログやホットペッパーなどでお店予約をするのと同じように、不動産に関するやりとりを全てサイト上でできるイメージです。
1.サイト上で部屋を探す
2.サイトから内見予約
3.一人で物件を訪れ、内見する
4.気に入ればサイト上から申し込み
内見時はスマートロックを利用して自分のスマホで解錠ができます。
不動産仲介会社の同行が不要なので、日程調整の手間がありません。
書類準備のために仲介会社が管理会社に連絡するといった煩雑なやりとりも一切不要です。お部屋を借りる際の非常にユーザー体験が良くなるサービスですね。
――「OHEYAGO(オヘヤゴー)」の優位性はどこにありますか?
福崎:そうですね。当社の主力サービスの1つであるCloud ChintAIは管理会社様向けの賃貸リーシング業務管理システムなので、元々物件のデータベースが構築されていました。それを管理会社様に許可をいただいた上で、C向けのサイトに掲載させていただいたのがOHEYAGOです。
OHEYAGOのメリットはいくつかあるのですが、一つはサイト上の情報が常にリアルタイムだということです。直接、管理会社の物件情報が掲載されているため、従来サービスにありがちだった、サイトに情報が掲載されているのに部屋が空いていない通称おとり物件と呼ばれる状態を回避できます。
もう一つはセルフ内見により人的コストが削減できることですね。一般的な仲介手数料は賃料の1か月分相当であるケースが多いですが、当社の仲介手数料はその50%オフになっています。

高校を中退し、20代から独学でプログラミングを学び始める。その後、地元の企業で見習いエンジニアとして働きキャリアを積む。上京してソーシャルゲームの制作会社での勤務経験を経て、イタンジに入社。初期メンバーとして会社の規模拡大に貢献する。現在は執行役員としてエンジニア組織をまとめる立場を務める。
企画から営業、CSまでをエンジニアがこなしてきた文化風土が強み
――では、会社概要について、簡単に教えてください。
福崎: 2018年の10月にGA technologiesのグループ会社となったため、グループ全体で言えば約350名規模の企業です。
イタンジ自体の社員は約60名ほどで、平均年齢は30歳前後です。代表の野口も30歳ですから、かなり若い会社ですね。34歳の私がかなり年配というくらいです。
エンジニアは15名前後。フロントエンドやサーバーサイドといった職能による区別はなく、フルスタック的に仕事をこなしています。最近はSREチームができたので、インフラや基盤部分を一部機能を移しています。
――平均年齢がかなり若いんですね!フルスタックの方が多いとのことですが、使用技術について教えてください。
福崎:インフラはAWSです。言語は基本的にはRubyですが、Node.jsやTypeScript、React、Vue.jsなどプロダクトごとに利用技術は異なります。
――なるほど。エンジニア組織としては、どんな特徴がありますか?
福崎:当社は創業時からエンジニアがプロダクトを企画から全て作り上げ、営業やCSもこなしながらサービスを成長させてきたという歴史があります。その影響が今も色濃く残っていて、エンジニアが企画やビジネスにかなり深く関わっていますね。
結果としてエンジニア自身が「お客様に価値あるものを提供するにはどうすればいいのか」を意識する文化がありますし、それが当社の強みでもあります。
――ビジネスサイドにも関わりたいエンジニアには魅力的ですね。
福崎:チャンスは多いのではないでしょうか。マネタイズまでエンジニア自身が考えることもありますよ。
もちろんエンジニアとして働く上では技術が好きなことも重要ですから、採用時は重視しています。
好きこそ上手なれですね。技術が好きな人と一緒に事業を成長させていきたいと思っています。
――働き方やエンジニアのための社内制度の特徴はありますか?
福崎:働き方や制度としての特徴としては、3つあります。
・コアタイム無しのフルフレックス制度
・年3万円までの書籍購入補助
・カンファレンス参加支援
カンファレンスに関しては参加中も業務時間として給与が発生しますし、遠方なら交通費も支給します。
また、週に1回はエンジニア同士でナレッジの共有をしています。当社はプロダクトごとにエンジニアやCS、営業が集まってチームになっていますから、横の繋がり弱くなりがちです。そこを補うためにエンジニアだけが集まって、プロジェクトでの失敗や対策方法などを共有し合うようにしています。
もちろん他にも各種手当や補助制度があります。
組織が混乱期を迎え、ベテランエンジニアのリソースを補う必要があった
――今回FLEXYを利用いただくにあたって御社が抱えていた課題は何だったのでしょうか?
福崎:ちょうどGA technologiesのグループ会社となり、新規事業も立ち上げも行なっていたタイミングだったので、組織としては混乱期でした。
新卒社員の教育も進めなければならない中でベテランエンジニアのリソースが不足していました。
そこをFLEXYさんに補ってもらいたいと思い、担当の野谷さんにご相談したんです。
以前にも取引があって、そのときから非常に優秀な人材を紹介してくれる会社だという認識でしたからね。
役割的にはソースコードレビューをして技術的な品質を担保してくれる方をお願いしました。
――何人かのエンジニアと面談をして、今回採用された方に決定した理由は何ですか?
福崎:FLEXYさんから紹介いただく方はかなりレベルが高いのですが、その中でも飛び抜けて優秀だったからです。面談では経歴を伺った上でこちらの期待することをお伝えして、それに対して自分ができることを答えてもらいました。受け答えも一番信頼できそうだったんです。
あとは、自分のできること・できないことをテキストで一覧にして送ってきてくれたのも印象的でしたね。
なかなかできないことまで明示する人はいないと思うのですが、そこがわかっていると会社としては非常にやりやすいです。
ミーティング無しのフルリモートにも関わらず社内的なメリットが非常に大きい
――具体的な支援の状況について教えてください。
福崎:稼働時間は週24時間より少ないくらいですね。
現在はノマドクラウドというサービスを見てもらっています。私を含めた3名が書いているので、それぞれコードレビューをしてもらっている形です。
なかなかビジネス面や仕様面までにコミットするのは難しいので、あくまで技術的な品質担保という観点でレビューしてもらっています。
――フルリモートでの稼働ですが、どのようにやりとりしていますか?
福崎:プルリクエストを作ったらFLEXYから紹介していただいた方に依頼して、ある程度リアルタイムに返事をもらうといった感じです。
稼働当初こそ何日か会社に来てもらってプロダクトについて教えましたが、現在は完全にフルリモートで問題なく進行しています。ミーティングなどもほとんどしていません。
Dockerのリポジトリを落とせば手元に環境を作れるようになっているので、作業も完全に個人のPCだけで行なってもらっています。
――なるほど。フルリモートで必要な部分を補っていただいている形ですね。
コードレビューという役割で稼働してもらったことで、どんなメリットがありましたか?
福崎:ベテランエンジニアのリソースをほかの部分に割けるようになったことですね。
FLEXYさんは一部のリソースを補填したいときには非常に使いやすいと思います。
また、ご紹介いただいた方はエンジニアとしてのレベルが高いので、ベテランでもなかなか気づかなかったようなコードミスを指摘してくれますし、技術的なノウハウやベストプラクティスも学ばせてもらっています。
一人ひとりのエンジニアが互いに一目置くような関係性が理想
――今後のエンジニア組織の成長戦略について教えてください。
福崎:会社全体としてもエンジニア組織としても拡大を図っていきたいですね。社員は現在の倍の100名規模への成長を目指しています。
エンジニア組織としては、現在はGA technologiesの文化と従来のイタンジの文化が融合し、新卒が入ってきてさらに新しい文化を作り上げていくというフェーズです。その中で今後大切にしていきたいのが、お互いがお互いの役割に対して一目置いて、信頼し合うということです。
ただ仲良くするのではなく、全く個性の違う者同士が尊重し合いながら同じ目標に向かっていくからこそ一体感が生まれるはずですし、何かを成し遂げたときの感動も大きくなると思います。そういった関係性を持ったチームにしていきたいですね。
企画/編集:FLEXY編集部
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