インフラエンジニアのキャリアパス例|女性のキャリア形成やおすすめ資格も解説
インフラエンジニアには大きく4つのキャリアパスがあり、自分にとってどのキャリアパスが最も理想的なのか理解しておくことで、キャリアアップに必要なスキルや資格、経験しておくべき業務などが明確化されます。本記事では、インフラエンジニアの仕事内容や将来性、それぞれのキャリアパスの特徴について詳しく解説します。また、キャリアアップや転職におすすめな職種、女性の方でインフラエンジニアとして活躍を目指す場合のポイントについても紹介します。
これからインフラエンジニアになりたい方やすでにインフラエンジニアとして活躍されている方で長期的なキャリアパスの設計を考えている方はぜひご覧ください。
目次
インフラエンジニアの仕事内容と将来性は?
インフラエンジニアは、システムやネットワークなどのITインフラの設計/構築/運用/保守などの業務を専門的に担当します。インフラエンジニアの中でも経験年数やスキルによって携わる業務も変わります。具体的な仕事内容と難易度をまとめると以下のようになります。
ヘルプデスクにおけるサポート業務
ヘルプデスクのサポートはインフラエンジニアの入門業務として一般的です。クライアントからのITインフラに関する障害報告や、要望に関する問い合わせにチャットツールや電話対応する仕事で、クライアントとコミュニケーションを取りながら問題解決へ導きます。
ヘルプデスク業務の経験を積むことで技術的なスキルも身についていくので、効果的な問題解決策の提案と顧客満足度の向上を目指し、迅速かつ丁寧なサポートを心がけましょう。
ネットワークやサーバーなどの運用/保守業務
インフラエンジニアになったばかりの頃は、まだ高度なインフラ設計スキルがないことが多く、すでに実装されているインフラシステムの運用や保守業務から経験を積むことも多いです。
運用面ではITインフラのパフォーマンスを最適化するための調整や改善策を検討します。ネットワークの帯域幅最適化、サーバーのチューニング、データベースのインデックス作成、キャッシュの最適化などを行い、効率的な運用を実現します。
保守業務では、モニタリングツールやログ解析ツールを活用し、ネットワークやサーバー、セキュリティの状態や問題を可視化し、適切な対策やトラブルシューティングを行います。また、監視結果のレポート作成や障害対応のドキュメンテーションも重要な業務です。
ITインフラの設計/構築
ITインフラの設計や構築はインフラエンジニアの業務の中でも上流工程になるため、高度なスキルや経験が必要となります。
この工程では、クライアントから実装要件をヒアリングし、それをもとにインフラシステムの企画設計、ハードウェア/ソフトウェアの選定、ネットワーク構築、テスト検証などを行います。
これらの業務を牽引できるまでのスキルを身につければインフラエンジニアとして十分活躍していけるでしょう。
インフラエンジニアは今後も需要はあるが、新たなスキル開発が必要
ITインフラはWebサービスやモバイルアプリケーションの基盤となるため、インフラエンジニアはこれまでもさまざまな企業の主要システムを裏で支えており、それらのメンテナンスや新たなインフラ構築の需要が絶えませんでした。
さらに、近年のデジタル化の進展やテクノロジーの進歩によって、将来的にも高い需要があると予想されています。ただし、これまで主要だったオンプレミス環境のインフラ関連スキルにとどまらず、プログラミングスキルやクラウド環境のインフラ構築スキルがより一層必要とされます。そのため、今後インフラエンジニアを目指す方やすでにインフラエンジニアとして活躍されている方もしっかりとキャリア設計することで充実したキャリア形成ができるでしょう。
インフラエンジニアにおすすめの4つのキャリアパス
前章で紹介したようにインフラエンジニアとして経験を積み上げていくと、そこからのキャリアパスにはいくつかの選択肢が考えられます。
今回はインフラエンジニアのおすすめのキャリアパス例を紹介します。
1.独立してフリーランスのインフラエンジニアとして活躍する
社内インフラエンジニアとして経験を積み、プロジェクトを牽引できるくらいスキルを身につけた後のキャリアパスには、フリーランスとしての独立が挙げられます。フリーランスになることで年収の大幅UPが見込めたり、働く場所や時間の自由度も高まります。
またフリーランスのインフラエンジニアの案件は非常にさまざまな業界や条件のものがありますので1社勤めでは難しい、幅広いスキル開発や知識のキャッチアップもしやすくなります。
こうした働き方に興味があれば、フリーランスインフラエンジニアが高単価案件を獲得するポイントもあわせて確認しておくと良いでしょう。
また、フリーランスエージェントに登録すれば、専任のコンサルタントが条件にぴったりの案件をマッチングしてくれます。
FLEXY(フレキシ―)はインフラエンジニアをはじめとしたエンジニア職種やデザイナー・マーケター・技術顧問・デザイン顧問などを対象にハイスキルなフリーランス案件情報が多くあります。
ワンランク上のキャリアを目指す方、週2日程度で無理のない働き方をしたい方など、一人ひとりのご希望やキャリアに沿った最適な案件をご紹介しますので興味があれば確認してみてください。
2.上級職へキャリアアップする
インフラエンジニアとして培った経験を活かして、関連する上位職種にキャリアアップすることもおすすめです。
上位職種へのキャリアアップは、年収が上がる可能性が高い上にインフラエンジニアとしての業務と共通する部分があるため、業務のイメージがしやすいというメリットがあります。一方で、よりマネジメントや企画立案、分析能力等が求められるようになりますので、上位職を目指す場合はこうしたスキルを日頃から磨いておきましょう。
以下の職種がインフラエンジニアが目指しやすい上位職になります。
PM(プロジェクトマネージャー)
インフラエンジニアの経験を活かし、PM(プロジェクトマネージャー)のキャリアを目指すことが可能です。PMはプロジェクトの最上流で全体進行管理や体制管理を行うなどの監督的役割を果たしますが、インフラエンジニアとして積み上げたインフラ技術に関する知識や経験は、プロジェクトの技術的な側面を理解し課題解決に役立つため、PMへキャリアアップすることは目指しやすいでしょう。
フリーランスのPMの業務内容や案件事例を紹介した以下の記事では、企業勤務とフリーランスでの年収の違いなども紹介していますので、興味があればあわせてご覧ください。
ITコンサルタント
ITコンサルタントはIT技術に関する専門知識を持ち、IT戦略/CRMやRPAのコンサルティング/IT人事/情報セキュリティなどITの側面からさまざまなアドバイスや支援を提供して、クライアント企業が抱える問題を解決する役割を担います。
インフラエンジニアで培ったシステムやネットワーク、データセンターなどのITインフラに関する知識や技術をITコンサルタントとして問題解決や戦略策定で活かしていきたいとお考えであればぜひITコンサルタントへのキャリアアップを目指してみましょう。
また、正社員のITコンサルタントでも平均年収が約650万、フリーランスのITコンサルタントなら年収2,000万以上も目指せたりと、ITエンジニア職種の中でも特に高水準な年収になっていますので、年収UPを狙っている方も是非検討してみてください。
DevOpsエンジニア
DevOpsエンジニアは、開発と運用の連携を強化し、稼働中のシステムを継続的に最適な状態に維持する役割を果たします。システムの運用や保守といった面ではインフラエンジニアの業務と共通していますが、その上で運用の自動化や高速化も視野に入れて全体最適を考えることまで求められるのがDevOpsエンジニアです。ITシステムに関してフルスタック型で活躍できる人材を目指すのであれば、DevOpsエンジニアへのキャリアアップがおすすめです。
3.他のインフラエンジニア職種へ転職する
上位職種へのキャリアアップではなく、他領域や専門領域で活躍するエンジニア職種へ転職することも選択肢の1つです。他職種へ転職するのは、新たに身につけるべきスキルや知識が多く、転職直後は大変なことも多い場合もありますが、しっかりと身につけることができれば幅広いスキルを備えた価値の高い人材になれるため活躍の幅が広がります。
また、将来性を見据えて、これから需要が高まると考えられる職種に転職することで難易度の高い上位職種へキャリアアップせずとも、年収アップや希少価値の高い人材として活躍できる可能性が高まるでしょう。
ここでは、インフラエンジニアの中でも転職するのにおすすめな職種をいくつか紹介します。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報セキュリティの管理やインシデント対応を専門に扱うエンジニアです。年々企業が取得・管理するデータの重要性が増す中で、それらのデータ情報のセキュリティ対策も企業が対策すべき重要な業務となっています。
インフラエンジニアでもセキュリティに関する業務はありますが、セキュリティエンジニアはセキュリティ分野の専門家としてより高度で複雑な知識やスキルを身につけ、クライアントのセキュリティ対策状況の評価、対策立案、実装などを行います。
セキュリティ分野に特化したキャリア形成に興味がある方におすすめです。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、クラウドコンピューティング環境におけるシステムやアプリケーションの設計、構築、展開に関わる専門職です。AWS、Azure、Google Cloudといったクラウドプラットフォーム上でのシステムやアプリケーション設計、インフラ構築などクラウドを効果的に活用するための戦略的な役割を果たします。
業務内容としてはインフラエンジニアもクラウドエンジニアも似通っている部分が多いですが、インフラエンジニアがハードウェア・クラウド関係なくインフラ構築に携わるのに対し、クラウドエンジニアはクラウド環境に特化したインフラ設計を行います。今後クラウドサービスはどんどん増えていくと予想されるためクラウドに特化したスキル開発に興味があればクラウドエンジニアを目指してみましょう。
データベースエンジニア
データベースエンジニアは、データベースの設計、開発、管理に関わる専門職です。ビッグデータやさまざまな顧客情報など、膨大なデータを整理し、いつでも使いたいデータを簡単かつスピーディーに引き出せるかは、昨今の企業経営では重要な課題となっています。
インフラエンジニアが構築したサーバーやネットワーク上でのデータベース開発/設計/運用/管理を行うのがデータベースエンジニアとなるので、インフラ構築した後のデータ処理の分野を開拓したい場合はデータベースエンジニアがおすすめです。
4.社内インフラエンジニアとして活躍する
企業勤めのインフラエンジニアとしてずっと活躍し続けたいのであれば社内インフラエンジニアとしてのキャリアを突き詰めていくことも良いでしょう。
その場合はスペシャリストとゼネラリストの2種類のキャリアがあります。
スペシャリスト
インフラエンジニアとしての知識と技術をとことん追求して、一般のインフラエンジニアにはできないような高度な仕組み構築や障害対応なども対応できるようになるのがスペシャリストの道です。あわせて常に最新の情報をキャッチし、新たな技術の習得も行うことで、常に一線の現場で活躍する人材となれます。
ゼネラリスト
スペシャリストとは反対に、インフラエンジニアとして現場経験を積んだ後、自身のチームやプロジェクトをマネジメントする立場で活躍する道がゼネラリストです。コミュニケーション能力やマネジメント能力を磨くことでゼネラリストとしての活躍の場が広がります。ゼネラリストの延長線上にPMがあるので、PMを目指す方も一度ゼネラリストとして経験を積むと良いでしょう。
女性インフラエンジニアを取り巻く労働環境について
エンジニア業界では年々女性エンジニアの進出が進んでいます。
JISA基本統計調査2021によると女性ITエンジニアの割合はおよそ20%となっています。
インフラエンジニアでも女性の活躍が増えており、その背景としてはハードウェア機器が関係しないクラウド環境のプロジェクトが増えつつあることで、体力的な有利不利の状況が少なくなってきたことにあります。
また女性活躍に理解のある企業が増えていることも女性エンジニア増加の後押ししていると考えられます。大学で工学系を専攻する女性も増加傾向にあるのでインフラエンジニアに限らずエンジニア職種においても今後ますます女性の割合は増えていくでしょう。
出産後や子育てしながらでもずっと働いていけるか?
女性の場合、結婚、出産、育児といったライフイベントと仕事をうまく調整していく必要性があります。現状としてはエンジニアが慢性的に不足している状況のため、本人に働く意志があれば、出産で一時的に産休などに入っても復職したり、時短勤務で働けるように配慮してくれる企業は増えています。
ただし、そうした福利厚生が整っていない企業も多くあるので、ライフイベントと調整が必要な場合はしっかりと事前に育児休暇や時短制度、リモート勤務が可能かなどを確認しておきましょう。
また、女性がインフラエンジニアとして一生涯働けるかについては現状では非常に難しいと言えるでしょう。クラウド環境の案件が増えているとはいえ、体力的に厳しいオンプレミスの現場もまだまだ多いですし、時には残業をせざるを得ないタイミングなども生じることでしょう。家族やパートナー、託児所などから手厚くフォローしてもらえるような体制が構築できない限りはエンジニアとして働き続けることは難しいでしょう。
しかし、積み上げた経験やキャリアは無駄にはなりません。その時々のワークライフバランスにあわせて、たとえインフラエンジニアとしての働き方が難しくてもしっかりとそれまで実績を積めば他のキャリアの道も拓けていく可能性が高いため、前向きに考えましょう。
未経験からインフラエンジニアを始める場合のキャリアパスは?
インフラエンジニア未経験で、これからインフラエンジニアとしてのキャリアパスを描こうとお考えであれば、まずはITインフラの監視や運用・保守、またはヘルプデスクとしての各種問い合わせ対応などから入門するのがおすすめです。これらの業務はインフラエンジニアにとって初歩的な業務でありますが、基本的なインフラ設備への理解やどのようなトラブルが起きやすいのか、またその対処法などの知識が自ずと身につき、将来的なインフラ設計・構築に役立ちます。
また、専門的な知識やスキルをそこまで必要とするポジションではないため、未経験者でも積極的に採用している企業も多いです。ある程度経験を積んできたら、後述するスキルや資格を取得していくことで、キャリアアップや転職の成功確率がより高まりますので、ぜひチャレンジしてみてください。
インフラエンジニアのキャリア形成でおすすめのスキル
インフラエンジニアがキャリアを形成していく上で理想のキャリアパスを実現するためにはただ仕事をこなすだけでなく、経験年数に応じてスキル開発していくことが重要です。
インフラエンジニアが習得すると良いおすすめのスキルは以下のようなものがあります。
- システム/サーバーの知識とスキル
- プログラミングスキル
- クラウドに関する知識とスキル
- コミュニケーションスキル
- 英語力
インフラエンジニアである以上、システムやサーバーに関する知識とスキルは必須と言えます。その上で、最近ではITインフラの仮想化が一般化してきており、それにあわせたプログラミングスキルが必要とされてきています。
また、前述したようにクラウド環境の開発が増えているため、クラウドに関する知識やスキルも積極的に開発、アップデートしていきましょう。
その上で、コミュニケーション能力や英語力を磨いていくことで幅広い案件に対応しやすくなったり、キャリアアップにつながりやすくなります。
インフラエンジニアがキャリア形成で押さえておくべき資格
スキルとあわせて資格を取得することも大切です。資格は客観的な実力の証明になるため、案件契約時もスムーズに話を進めることができます。資格で押さえておくべきものとして以下のようなものが挙げられます。
- LPIC(エルピック)
- ORACLE MASTER(オラクルマスター)
- データベーススペシャリスト試験
- CCIE(シーシーアイイー)
- ネットワークスペシャリスト試験
- プロジェクトマネージャ試験
資格に関しては、自身のキャリアパスに合わせて必要な資格を効率的に取得していきましょう。例えばサーバー系のスキルを証明したければLPIC(エルピック)が代表的ですし、データベースのスキルならORACLE MASTER(オラクルマスター)やデータベーススペシャリスト試験、ネットワークのスキルならCCIE(シーシーアイイー)、ネットワークスペシャリスト試験になります。
ゼネラリストやPMを目指していくならプロジェクトマネージャ試験がおすすめです。
独立するキャリアパスをお考えならFLEXYの利用がおすすめ
インフラエンジニアはこれまでも需要があり人気の職種でありましたが、今後も引き続き需要は高い職種であると考えられます。ただし、求められる業務内容やスキルについては大きく変わってきており、今までと同じような技術力では必要とされなくなる可能性があります。ですので、常に新たな情報や技術を身につけていくことが重要です。さらにその上で理想のキャリアパスを叶えるためには、しっかりと長期的なキャリアプランを設計し、どんな経験や資格などが必要かを洗い出して1つ1つクリアしていくことが大切です。
1年後や3年後などで中間目標をおくと行動が明確化されやすいので、まずはそこから始めてみてください。
フリーランスとして独立を目指す場合は、まずはフリーランスエージェントに相談してみると良いでしょう。FLEXY(フレキシ―) ではインフラエンジニアを含めた豊富なエンジニア案件を揃えています。専門のエージェントがそれぞれの条件にあった案件の紹介から稼働後も継続してフォローする体制が整っていますので、まずはお気軽にご相談ください。