Unityエンジニアとは?年収1,000万円稼げる?仕事内容や将来性も解説
ゲーム開発をはじめ、幅広い分野での活用が見込まれているUnity。このUnityを活用したゲーム開発やXRコンテンツ開発に携わる、Unityエンジニアの仕事内容に興味がある方も多いのではないでしょうか。この記事では、Unityエンジニアの業務内容や年収、将来性、Unityエンジニアになるための方法などを解説します。
目次
Unityエンジニアとは?
Unityエンジニアとは、Unityを使用して開発を行うエンジニアです。Unityは無料で使用できるゲーム開発エンジンまたは開発プラットフォームでUnity Technologies社が開発しました。パソコンやスマートフォン、家庭用ゲーム機など、さまざまな環境で動くゲームの開発のほか、建築や医療といったゲーム以外で使用するアプリの開発にも使われます。
ゲーム開発エンジンとして、Unityは世界シェア1位を誇ります。世界で作られているゲームの約50%がUnityを使用しており、さらにVRやARコンテンツでは、世界シェアの約60%をUnityが占めています。
Unityは、実際の開発現場でも使われている人気の開発エンジンでありながら、プログラミングの知識がない初心者でも開発ができる操作性の高さが特長です。ただし、機能の拡張や調整を行う上では、UnityのベースとなっているC#(シーシャープ)のスキルが必要になります。
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Unityエンジニアの仕事内容
Unityエンジニアの業務内容は大きく以下の5つに分類されます。
- ゲーム開発
- AI開発
- XR(VR/AR/MR)コンテンツ開発
- フロントエンド開発
- サーバサイド開発
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. ゲーム開発
Unityエンジニアの仕事のうち、最も代表的なものはゲーム開発です。ゲームのシナリオ・ストーリーを進めるための描画処理やサウンド設定、キャラクターの配置などを行います。
さまざまなプラットフォームに対応しているUnityのなかでも、スマホゲーム開発でのシェアが多くを占めています。ゲーム開発の仕事では、Unityエンジンの操作や機能に関する知識はもちろん、ベースとなるC言語のプログラミングスキルも求められます。ゲーム内の細かい動作などを調整する際には、プログラミングの知識が必須です。
2. AI開発(行動ロジックの調整)
NPC(ノンプレイヤーキャラクター)の行動ロジックの開発業務も、Unityエンジニアに任される仕事のひとつです。NPCとは、ユーザーが操作できないAIキャラクターのことで、オープンワールドやRPGに登場するケースが多々あります。
AI技術が進歩している現在では、今後もAIを組み込んだゲームが増加していくと予想されています。AIキャラクターの開発業務が増加すると、UnityエンジニアがAI開発に携わる機会が増加し、業務の重要度も上がります。
3. XR(VR/ AR/ MR)コンテンツ開発
Unityでは、3DCG(3D空間のコンピューターグラフィックス)を用いたVRやARなどの制作も可能です。
VR、AR、MRなどの技術は、まとめて「XR(クロスリアリティ)」と呼ばれます。VRは、Virtual Reality(仮想現実)の略で、ユーザーが仮想現実の世界をリアルに体験できる技術です。VR用のヘッドマウントディスプレイなどを装着して現実世界の視界を遮断し、仮想現実の世界だけを映し出します。
ARは、Augmented Reality(拡張現実)の略です。スマートフォンやタブレット、サングラスなどのカメラ機能を通して現実世界を見ると、画面に映っている映像に3Dの物体を追加で投影できます。
MRは、Mixed Reality(複合現実)の略で、ARを発展させた技術です。ヘッドマウントディスプレイやゴーグルなどを通して見る現実空間に、3Dやホログラムなどで情報を映し出し、ユーザーが触れて操作を行えます。
これらの技術を支える3Dモデリングは、ゲーム業界だけでなく、XRやメタバースなどの普及とともに、さまざまな業界でニーズが拡大すると考えられます。
4. フロントエンド開発
フロントエンド開発とは、ユーザーが目にする部分の開発のことです。ゲームやアプリの画面デザインなどに当たる「UI(ユーザーインターフェース)」部分の開発を行います。
フロントエンド開発は、ユーザビリティやUX(ユーザーエクスペリエンス)を向上させることで、ユーザーの快適な利用を実現する重要な業務です。メインとなる仕事としては、グラフィック処理に関するプログラム設計や実装などが挙げられます。また、ユーザーの操作で生じたリクエストをサーバサイド側に伝える通信処理の業務を行うケースもあります。
5. サーバサイド開発
サーバサイドは、フロントエンドからリクエストされた処理を行い、リクエストの内容に応じた情報を返す働きをします。画面が遷移したり、サウンドが鳴ったりなど、リクエストされた情報を適切に返すことで、ゲームは正常に動作します。
Unityエンジニアのサーバサイド開発の仕事は、Webにおけるサーバサイドエンジニアと基本的な仕事内容は同じです。ただし、3Dゲームの開発などにおいては、ゲーム開発独特の考え方に基づいた実装をしなければならず、専門用語の知識も身につける必要があります。
Unityエンジニアとして少しずつ経験を積みたいとお考えであれば、まずはunityの副業案件に挑戦してみてはいかがでしょうか。本業で一定の収入を担保できるため、収入が不安定にならずおすすめです。
Unityエンジニアの年収事情
Unityエンジニアの仕事を検討しているならば、年収がどれくらいなのかについては非常に気になるところでしょう。ここでは、正社員とフリーランスそれぞれの平均年収を紹介します。また、Unityエンジニアが年収を上げるためのポイントについても解説しますので参考にしてみてください。
年収は400万円~600万円・フリーランスなら月100万の案件も
Unityエンジニアの平均年収は、実務経験5年未満の場合でも400万~600万円程度とされています。未経験の場合、入社時は年収300万円ほどですが、実務経験が長くなり、さまざまなスキルが身についてくると大幅な年収アップも可能です。
実務経験が5年以上になると、携わる案件によっては年収が1,000万円を超えるケースも出てきます。Unityエンジニアは会社員として働くエンジニアのなかでは、高収入が期待できる職業です。
フリーランスの場合は、平均月額報酬の範囲が20万~100万円と幅広く、実務経験やスキルによって報酬が大きく変わる傾向があります。ただし、フリーランスのエンジニア職としては、高額な単価が設定されています。
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年収を上げるためのポイント
Unityエンジニアが年収を上げるために具体的にどのようなことをすればいいのでしょうか。ここでは年収を上げるための3つのポイントを紹介します。
3Dモデリングの開発スキルを高める
Unityエンジニアの仕事内容でも説明した通り、Unityエンジニアには大きく5つの業務カテゴリがありますが、中でも3Dモデリング技術は医療業界や自動車業界をはじめとしたさまざまな業界で活用され始めています。こうした業界に関連した案件は求められるスキル要件も高いですが、その分案件報酬も高額になる傾向にあります。まだまだUnityエンジニアは売り手市場なため、スキルを磨けば多くの高単価案件を獲得できるでしょう。
発注企業に入社する
ゲームやアプリ開発の発注元企業は、プロジェクトに多額の予算を投下することが多いです。こうした企業は採用基準も高いので、後述する各種スキルを一定レベル身につけておくことが前提となりますが、しっかりとスキルを身につけて採用されれば正社員として安定して高給取りになることができるでしょう。
マネジメント能力やコミュニケーション能力も磨く
Unityエンジニアに限った話ではありませんが、どの職種においても業務管理や他者とのコミュニケーションが円滑に行える人材は歓迎されやすいです。さらに、プロジェクトチーム全体の進捗管理やチーム内外の複数のステークホルダーとのコミュニケーションもスムーズに行えるほどになれば、市場価値の高い人材として重宝されます。こうしたスキルはフリーランスとして独立すると磨きづらいスキルでもあるので、正社員のうちから意識して磨いておくことをおすすめします。
Unityエンジニアに必要なスキル
Unityエンジニアには、プログラミング言語やUI/UXの知識、3Dモデリング・イラストなどのスキルが求められます。ほかのエンジニア職では一般的に必要とされないスキル・知識もあるため、気をつけましょう。
C#の知識
Unityは、基本的なゲーム開発であればプログラミングの知識が不要です。ただし、ゲームの機能を拡張する際には、C#でプログラミングを行う必要があります。なお、Unityの旧バージョンではJavaScriptもサポートされていましたが、現在では外れています。
C#でコーディングやテスト、バグ修正までできると、Unityエンジニアの案件に応募する際にも有利です。C#のプログラミング知識は、スマートフォンアプリやWebアプリなど、さまざまなプラットフォームにおける開発に役立つことから、ゲーム開発の仕事では重要視されています。
UI/UXの知識
フロントエンド開発で必要になるのがUI/UXの知識です。Unityエンジニアは、グラフィカルなゲーム画面などのデザインに携わる場合もあります。画面の視認性や操作性を向上させるためには、機能を実装する技術だけでなく、UI/UXの知識も必要です。
UI/UXの知識を身につけていると、ユーザーがストレスを感じることなく楽しく遊べるゲームの開発が可能です。画面に余白を入れてテキストを見やすくする、操作性向上のためボタンとボタンの間にスペースをとる、よく使うボタンをわかりやすい場所に配置するなどの工夫を取り入れることで、ユーザーの見やすさ、使いやすさの向上につながります。
3Dモデリング・イラスト
Unityは、VRやARの開発にも多く使用される開発エンジンです。そのため、3Dモデリングやイラストを作成できる技術も求められます。
3Dモデリングやイラストのスキルは、ゲーム開発時であれば、キャラクターデザインや背景デザインなどに用います。また、ゲーム以外の分野なら、医療業界にて人体骨格や臓器のモデルを作ったり、自動車業界で自動車のプロトタイプをモデリングしたりすることが考えられます。メタバース空間を作るなら、建物や街といった大きな規模でのモデリングスキルが必要です。
PhotoshopやIllustratorなど、Unity以外のアプリケーションでモデリングやイラストの制作ができると、採用時に評価されやすくなります。
Unityエンジニアになる方法
Unityエンジニアの実務経験がない場合は、以下のプロセスを経てUnityエンジニアへの転職を目指しましょう。
- プログラミング言語を学ぶ
エンジニアとして実践的なUnity開発を行うには、C#を使用したプログラミングスキルを必ず身につけなければなりません。また、主流ではないものの、会社によってはJavaScriptやC++、Rubyなどのプログラミング言語を使って開発を行っている場合もあるため、これらの言語もわかると転職に有利です。 - Unityを使用して自作作品を作る(ポートフォリオ作成)
Unity未経験の状態からUnityエンジニアの案件を探す場合、自分のスキルレベルを見てもらえるポートフォリオを作成しましょう。実際に作成したゲームを見てもらうことで、どのくらいUnityのスキルがあるのかをアピールできます。
フリーランスや副業で働きたい方に向けて
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Unityの将来性
Unityの将来性はかなり高く今後もUnityエンジニアの需要増加も見込まれています。
市場は幅広いプラットフォームに対応しているUnityは、さまざまなシーンでの活用が可能です。Unityが普及しているゲーム業界は、スマートフォン向けゲームをはじめ、今後も市場の堅調な伸びが予測されています。
さらに近年では、VRやAR、3DCGといった新しい技術によって他の業界での活用も進んでいます。医療業界や建築業界、自動車業界、メタバースなど、さまざまな分野がUnityに注目しており、今後さらなる利用範囲の広がりが見込まれています。
一方で、Unityの販売元であるUnity Technologiesは、2024年1月1日よりゲームのインストール数に応じた利用料「Unity Runtime Fee」の導入を発表。unity税とも揶揄され小・中規模開発者を中心に混乱と反発を招きました。
この状況を踏まえて修正案を追加公表し、「Unity Pro」と「Unity Enterprise」ユーザーで年間収益が100万ドルを超える場合に限定するなど、追加課金条件を大幅に緩和しています。
出典:DL回数に応じた”Unity税”導入に業界騒然―「Unity Runtime Fee」突如発表の大きな余波がゲーム業界を揺るがす?,
Unity、新料金の修正案 追加課金は「年100万ドル超え」のみ
今後も影響範囲の大きなアップデートや課金体系の変更などが発表される可能性があるので、情報のキャッチアップを怠らないように心がけることが大切です。
まとめ
Unityエンジニアの仕事は、ゲーム開発だけにとどまらず、AI開発やXRコンテンツ開発など、さまざまな業務があります。将来性が高く、今後も需要が見込まれるため、ほかのエンジニア職よりも高めの年収が期待できます。プログラミング技術だけでなく、UI/UXの知識、3Dモデリングのスキルなども持っていると、Unityエンジニアとしての業務の幅が広がります。