Pythonエンジニアの年収や案件の単価は? 基本知識と相場感を紹介

Pythonは1990年代に登場したプログラミング言語で、近年のAI・データ分析の広がりを背景に需要が急拡大しています。
フリーランス案件も豊富で高い収入が期待できることから、Pythonエンジニアとして経験を積みフリーランスを目指す人も増えています。本記事では、Python案件の特長や収入についてご紹介します。
目次
Pythonとはシンプルかつ汎用性の高いプログラミング言語
まずは、Pythonとはどのようなプログラミング言語なのかについて解説します。
Pythonの概要
Pythonは、1990年代から公開されている比較的新しいスクリプト言語(記述が容易で可読性が高いプログラミング言語)です。
ほかの言語と比較して簡潔に記述できるため、コードが理解しやすく、さまざまなライブラリを活用できるなど実用的な点が特長です。
汎用性も高く、AI開発のほかにWebアプリケーションや組み込みアプリケーションなどでも利用されています。
IPAが実施する基本情報処理試験でも、AIへのニーズなどを踏まえて2020年からPythonが採用されているなど、認知度・活用度ともに拡大している状況です。
なお、Pythonには「2系」「3系」という互換性がない2系統がありましたが、2020年に2系のサポートが終了したことで、現在は3系が主流です。
Pythonの需要と将来性について
2010年代に入り、AI開発需要の高まりを受け、Pythonの人気は急上昇しました。2020年代に入ってもこの傾向は続いており、Pythonエンジニアは売り手市場です。
プログラミング言語としての評価も高く、オランダのソフトウェア品質を評価するTIOBE Software社が公開しているTIOBE Indexでも、Pythonは2018年・2020年・2021年に1位を獲得しています。
参照元:TIOBE Index for November 2022
そのため、将来性という点でもPythonは有望で、今後も高度なAIやビッグデータ分析などをはじめ、幅広い開発分野で求められる存在になると予測されています。
Pythonの案件の特徴とは?
Pythonを用いた開発案件はさまざまありますが、主に以下のような分野で使用されています。また、ソーシャルゲーム開発などでも使用されています。
Webシステム開発における利用
Pythonで開発された代表的なWebサービスとしては、動画共有サービスのYouTubeや、オンラインストレージのDropbox、音楽配信サービスのSpotifyなどが挙げられます。
豊富なライブラリが用意されており開発しやすいことや、シンプルなコードでエラーが起こりにくいことから、Pythonが採用されています。
また、AIを組み込んだシステム開発を行う場合にも、AI開発と相性がよいPythonが好まれています。
人工知能(AI)関連
データの前処理に使われるPandas、機械学習用のscikit-learn、画像処理のOpenCVなど、さまざまな用途にあわせて用意されているライブラリは、今やAI開発現場で欠かせないものです。
そのため、AIとPythonとの相性は非常によく、AI開発といえばPythonという認識が広まっています。
ある調査では、機械学習の開発者およびデータサイエンティストの70%以上が「Pythonを使用している」と答えるなど、PythonはAI開発の標準言語となっています。
参照元:JavaScriptは1位 Pythonは2位、プログラミング言語ランキング
それだけでなく、社会的な課題解決手段として、また生き残りの手段として、あらゆる業種・規模の組織がDXを実現すべく、AIやビッグデータ分析などの取り組みを行っています。
そのため、Pythonエンジニアは引く手あまたで、激しい獲得競争が始まっています。
この傾向は世界的なもので、世界のAI人材需要に対して3割ほどしか供給がないという報告もあります。今後、AI活用がさらに増えると見られる中、Pythonエンジニアのニーズは一層高まると考えられます。
参照元:《2017全球人工智能人才白皮书》发布丨解读世界顶级AI牛人的秘密
先端テクノロジー関連
Pythonは、高度な数値計算を行う際に用いるNumPyや、SciPyなどのライブラリがあるため、ビッグデータ解析などの先端テクノロジー開発にもよく利用されます。
これらのライブラリを扱えるエンジニアは数が限られているため、スキルを持っている人材は歓迎されます。
Pythonエンジニアの年収
Pythonエンジニアとして仕事をしていく際に、どれくらいの収入が得られるのかは気になるところです。Pythonは市場ニーズが高く、全体的に年収も高い傾向にあります。
平均年収
社員として企業に勤務する場合、Pythonエンジニアの平均年収は600万円程度とされています。経験年数やスキルによって変動があるため一概にはいえませんが、低くても400万円台、高い場合では1,000万円近くの年収が見込めます。
20代では400万円台、30代では500万円台、40代では600万円台が相場です。AI開発ができるエンジニアやデータサイエンティストは、さらに給与相場が高くなります。
また、経験とスキルを身につけたあとにフリーランスエンジニアとして独立すると、より高い収入を期待できます。
案件の単価相場
Python案件の単価は、企業に常駐して開発する案件で40万~150万円程度です。比較的大規模な案件が多い傾向ですが、求められる経験やスキルによって単価に幅があります。2年以上の実務経験があれば、50万円以上が相場です。
フリーランスの場合は、もう少し単価が下がります。Pythonだけでなく、AI・データ分析の専門知識やマネジメント能力が求められる場合には、単価が上がります。
全体的に、JavaやCの開発者よりも供給が少ないため、単価が高くなる傾向にあります。
年収を上げるために必要なスキル
前述のとおり、Pythonエンジニアの年収は経験・スキルに影響されます。そのため、プログラミングスキルに加え、以下の2種類のスキルを身につけていると給与・単価アップが期待できます。
また、スキルを持っていることで企業に採用されやすくなり、結果的に年収アップにもつながります。
Pythonエンジニアが必要とされる関連スキル
AIエンジニアやデータサイエンティストとして仕事をするうえでは、線形代数や微分といった数学知識や、基本的な統計知識は身につけておく必要があります。データ分析の経験があれば、なお重宝されます。
また、CやJavaなど多言語でのソフトウェア開発経験や、上流工程に関わった経験も評価されます。
コミュニケーション力
Pythonエンジニアは、大規模な開発を行うチームの一員として働く機会も多くあります。そのため、メンバーとスムーズに情報をやりとりし、円滑に仕事を進めていくうえでコミュニケーション力が求められます。
さらにフリーランスとして独立するのであれば、クライアントとの折衝や各種交渉もすべて自分で行うことになります。したがって、上手にコミュニケーションできるスキルを身につけることが重要です。
まとめ
Pythonは、AI開発関連やデータサイエンス関連での需要が高く、将来性が期待できるプログラミング言語です。
エンジニア需要に対して供給が少ないことから、Pythonエンジニアは社員として働くにしても、フリーランスとして働くにしても、比較的高い収入が期待できます。
企業は優秀な人材を獲得するために高い給与を提示するため、経験やスキルを身につければ、年収1,000万円近くまで上げることも可能です。
Pythonエンジニアとして長く活躍するためには、テクノロジーのトレンドを常にキャッチアップすること、Python以外の周辺技術を身につけることなどに加え、コミュニケーション力を高めることも必要です。
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