CTOmeetupVol.1 前編 / CTOに求められるのはホスピタリティ。何でも屋になる覚悟があるか?

2016年3月17日(木)、目黒にある株式会社Viibarのオフィスにて、flexy関連イベントとして、CTOやその先にある生き方としてのEx-CTOをテーマとした「Ex-CTO meetup」が開催されました。
今回は第1回ということで、CTO/Ex-CTOとは何なのか?どう関わればいいのか? にフォーカスを当て、4名のCTO経験者にご登壇頂き、エピソードを交えながら赤裸々に語って頂きました。
CTOとは、企業としてトータルソリューションを提供するための組織内ブリッジ
田邊 賢司氏(以下、田邊): さて、早速ですが、CTOになるためにはどうすればいいんでしょうか?
橋本 善久氏(以下、橋本): ちなみに今CTOとか、それに近い仕事をしている方、どれくらいいらっしゃるか挙手頂いてよろしいでしょうか?
(参加者の半数以上が手を挙げる) おお、、かなりいますね!
CTOになるため、、みなさんもそうだと思うんですけど、目指してなった人はあまりいないんじゃないかなと思うんですけど。こういう人には託したいなっていう意味でいうと、技術をちゃんとわかっているのは当然だとしても、たぶん会社全体の視点をちゃんと持っていて、特にスタートアップに置いては、ビジネスそのものを成長させれられるかどうかというのが重要だと思っていて。 僕も今Life is TechのCTOやっていますけど、PLも見てますし、資本施策に対しても意見をいうし、申込フォームの話もするし、契約書の内容もチェックします。プロダクトのオーナーとしてサービス設計やUI/UX設計もします。ちなみにさっきキャラクターが出てきたと思うんですけど、あれ実は僕がキャラクターデザインのディレクションをしたりとか、一部は自分で描いたりしてるんです。何屋さんかよくわからない状態です、正直(笑) 。 ただ「T」の部分は維持しつつ、あと足りない部分は積極的に竹内さん(Life is Techの留学CTO)とかエキスパートに協力していただくことを含めて、とにかくトータルのソリューションをどう提供するかっていうか、何でも屋になる覚悟がある人がいいなぁというのが、資質としてはやっぱりそういう人に託したいなぁという風に思いますね。
田邊:他の方はどうですか? プラスして、こういうのがあったらいいんじゃないかというものとか。ベースの技術やスキルはどこまであればいいのか等、あればお願いします。
是澤 太志氏(以下、是澤):僕は最近、なにか圧倒的な強みがあればいいのかなという風に思っています。それはどういう分野でもいいんですけど、強みが圧倒的であるというところで、誰から見てもすげぇみたいなことを言われているっていう人。やっぱりすごいやつじゃないと一緒にやりたくないと思っている現場の人たちはいると思うので。だからCTOってその会社の一番凄いっていわれてるエンジニアがやればいいんじゃないかなと思い始めたりしてます。
あと経営者と対等に話ができる人で、それが苦にならない人。経営者のいうことを聞くだけじゃなくて、「いやそうじゃないですよ…」と、経営者に対して論理的に説明できる能力。CTOが感情的になってしまったら、組織は崩壊してしまうし、エンジニアの成長にもならないですし、そこをちゃんとブリッジしてあげることは重要だと思います。 僕の場合はそういう重要性に気づいたとき、ロジカルシンキングとか、クリティカルシンキングのセミナーに参加したりしてました。あとは学習によるインプットを重要視して、ドラッカーも読みましたし、ファイナンスについてもある程度勉強しましたし、経営者の知っている知識を自分のなかに引き入れるってところをやったりもしました。そしてアウトプットとしては実績を出すことも当然ですが、事業や開発を通じて戦友をつくることができる、そういった理解してくれる人たちを増やしていける人がCTOに向いているのかなぁと思っています。
堀内 康弘氏(以下、堀内):経営者と対等に話せて、仲良くできて、同じ方向性を向けるっていうそういう人じゃないと厳しいかもしれませんね。
是澤:はい、それで合わなかったら去るみたいな感じの方がいいのかなって(笑)。
堀内:僕はそんなに技術力なかったんですけど、国光さんと普通に話ができたので、それがうまくいったというのがあると思います。プログラムがすごい書けるっていうと、なんですかねセルフィッシュじゃないですけど、 プログラム書けるだけじゃなくて、当たり障りのない言葉で言うとコミュニケーション能力が大事だと思いますね。
是澤:たしかにですね。僕は経営者に対してホスピタリティーと傾聴力が大事っていうのを最近言ってます。相手の状況や立場を理解し、意見や話してることは最後まで黙って聴くことが出来る人じゃないとなかなかしんどいなぁと思いますね。パートナーとしての対等感がないと。
田邊:実際に代表の方とか経営メンバーの方とコミュニケーションを円滑にするために工夫していたこと等あればお願いします。
是澤:僕は、飲みに行きますね。誘われたら断らない(笑)。過去に所属していた会社のお酒の好きな経営者からは 辞めてから誘われたりもしてますし、未だに関係が続いているのはありがたいと思います。 Speeeでは社長と早朝のカフェで定例MTGをしていたり、直属の役員ともコミュニケーションの機会が多いですし、普段からラフに接する場があるというのはいいことだと思っています。たまに飲みにも誘ってサシ飲みとかも(笑)。
橋本:CTOは経営メンバーの一人であるべきだと思いますが、場合によっては代表や他の経営メンバーが最初右だと思っていなくても、右だ右だとしつこくいろいろな表現で伝えていくことで、経営メンバーもやっぱり右がいいな・・・とか最初から右が良いと考えていたように思い始める事もあります。強引に進めるのではなくて、腑に落ちて心から理解してもらっている状態にいかに持ち込むかは重要だと思います。
田邊:巻き込み力を発揮して、周りを含めて同じ方向にみんなを向かせることが大事っていうことですよね。
橋本:そうですね、はい。
約50人の参加者のうち、半数以上はCTO経験者。中には、登壇者橋本さんのLife is Techへ留学CTOとして関わっている竹内さんの姿も
“1割”の時間で十分。技術顧問として他社に関わる/関わってもらうことで劇的な効果が。
田邊:次にCTOのその先というところで、技術顧問になるためにはみたいなところで言ったら、どうしたらいいと思われますか?
是澤:僕の場合は一例としてTimeTicketを買ってくれた人から話しているうちに、技術顧問になってほしいと依頼されたことがあります。そういったサービスでいろんな人と会ってみると、 技術や開発組織に困って助けて欲しい人は思ったより多いという印象。 なので、さっきのホスピタリティーの話じゃないですけども、親身になって話を聞き、人と接して課題解決していくと自然とそういう話が舞い込んでくるって感じですかね。
橋本:個人的に言えば技術顧問やアドバイザーを受ける時って、それ自体がいい経験にもなるし、もちろんお相手の役に立つことが第一だとしても、何かが学びになるなとか、将来いろいろシナジーとかコラボのきっかけになるかとかそういうことも考えてやってます。 逆に竹内さんに手伝ってもらってる時、竹内さんに対して、対価はもちろんですが、それに加えて経験とか面白さとか含めてお返しできないかなとかすごい意識していますね。
堀内:僕の場合はアマゾン辞めた後に、転職ヘッドハンターの人から、CTOを探していると。もともとCTOをやっていた経験があったので行くんですけど、そんな働きたくないんですよ、という話をしていると、フルコミットじゃない技術顧問っていう形になったパターンと、あとは例えば、投資に興味があってVCの人に会いに行って、話してみたら、そのあとVC人から投資しているこの会社でエンジニアが足りなくてちょっとエンジニアの相談に乗って欲しいという流れから技術顧問になったというパターンもありました。技術顧問になる方法としてはVCの人は投資先でエンジニアが足りてない会社をいっぱい知っていると思うので、そこを手伝ってくれという依頼は結構くるんじゃないかなと思います。
橋本:僕がそういう意味で一個強く提案したいのが留学CTOや留学エンジニアですね。 現役エンジニアを対象とするので、所属会社の度量は必要なんですけど、その会社さんにもメリットは絶対あるはずなんですよね。サービスの初期構築時は良いのですが、運用フェイズに入るとなかなか新しい経験が出来にくくなる。他のスタートアップでサービスの新規立ち上げがある場合、特にちょっとジャンルが異なる場合なんかはとても良い経験になる。その経験はきっと所属する会社に還元できる。そして留学に来てもらう側の会社は当然助かる。Win-Winの関係が築ける可能性は高いです。まぁ会社間の信頼関係はすごい重要ですけど、留学CTOや留学エンジニアが、もっと日本中で流行るといいなと思います。
しかも1割ってすごい重要で、たったの1割の時間を活用するだけでめちゃくちゃ劇的な効果が出る、逆に言うと技術顧問ってそういう役割ですよね、5%とか月に数時間でも劇的な効果が出るという存在なので、それを現役の人たちもどんどんやると結構いろんなスタートアップに限らず、活性化していくと思うので、そういうのみんなやればいいのにと思います。
>>中編に続きます。
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