C言語とは?特徴を活かしてできることや学習方法をわかりやすく紹介
C言語は、50年以上の歴史を持つプログラミング言語です。OSや基幹システム、IoTデバイスの開発など、汎用性が高いため、幅広く活用されています。
さらに、柔軟性と処理速度の速さが多くのエンジニアに選ばれる理由です。ただし、習得には独自の工夫が求められます。
本記事では、C言語の特徴やメリット、学習方法をわかりやすく解説します。
目次
C言語とはシステム開発に使用するプログラミング言語
C言語は、1972年にアメリカのAT&T社ベル研究所で誕生した汎用プログラミング言語です。開発を主導したのはデニス・リッチー氏とブライアン・カーニハン氏で、とくにUNIXオペレーティングシステムの開発を効率化するために設計されました。
C言語の特徴は、柔軟性と汎用性の高さです。人間が理解しやすい構文を持つ「高水準言語」でありながら、ハードウェアに近い操作が可能な「低水準言語」の要素も持ちあわせています。そのため、C言語が活用される分野は多種多様です。
プログラミング言語には、C言語のほかにもPythonやJava、JavaScript、Rubyなど数多くの種類が存在します。それぞれに特徴や得意分野がありますが、C言語は最も汎用性の高い言語と認識されています。フリーランスエンジニアとして活動する場合、どの言語を学ぶかは重要な問題です。フリーランスエンジニア向けおすすめプログラミング言語を網羅的に解説した記事もありますので、あわせてご覧ください。
フリーランスエンジニア向けおすすめプログラミング言語10選を詳しく見る
「C++」「C#」との違い
プログラミング言語の「C++」や「C#」は、いずれもC言語をベースに発展した言語ですが、目的や特性にはそれぞれ明確な違いがあります。
C++は、C言語をベースにオブジェクト指向プログラミングの要素を加えた言語で、1983年にビャーネ・ストロヴストルップによって開発されました。C言語の特徴をそのまま活かしているプログラミング言語で、C言語と高い互換性を持っているため、C言語と併用しながら開発ができます。Webアプリケーション開発やスマートフォン向けアプリケーションの開発などに使われます。
C#は、C++とJavaをベースにして、Microsoftによって開発されたプログラミング言語です。「C」が付くことから混同されがちですが、C言語と直接的な関係はありません。基本的にはJavaに似ており、C#をマスターすればJavaにも応用できます。
C#はさまざまな分野で使用されますが、とくに注目すべきはゲーム開発です。ゲームエンジン・Unityと組みあわせたさまざまなゲームが開発されています。C#エンジニアの年収や求人例、キャリアパスを網羅的に解説した記事もあわせてご覧ください。
C言語の特徴を活かしてできること
C言語は1970年代に誕生して以来、今なお幅広い分野で活用されているプログラミング言語です。システム開発で使われているイメージが強いですが、IoT分野やAI分野でも大きな需要があります。
1. OS開発
C言語は、OS(オペレーティングシステム)の開発で広く使われてきたプログラミング言語です。OSは、ハードウェアとソフトウェアの橋渡しを行うシステムの基盤です。開発には、ハードウェアを直接制御しつつ、効率的なプログラムを作成できる言語が求められます。高水準言語と低水準言語の特徴を持ちあわせたC言語は、OS開発に最適です。
代表的なOSは、UNIXやLinuxです。例えばLinuxカーネル(OSの中核となる部分)は、C言語で開発されています。UNIX・Linux以外であれば、組み込み系OSにもC言語が使われます。
2. 基幹システム開発
C言語は1970年代から使用されており、長年にわたって基幹システム開発の現場で利用されてきました。基幹システムは安定稼働が重要なため、歴史が長く実績のあるC言語が用いられます。基幹システムは、膨大なデータをリアルタイムで処理する必要があります。C言語は処理速度が速いため、その点でも基幹システム開発に最適です。
例えばクレジットカード決済や証券取引システムでは、膨大な量の取引データが発生するため、それらを高速に処理できるかどうかが重要です。C言語の高速処理能力によって、システムダウンのリスクを最小限にでき、結果的に顧客満足度などにつながります。
3. IoT・AI開発
C言語は、IoTやAIといった最新の技術分野でも重要な役割を果たしています。
IoTデバイスは、家電や産業機器、自動車、センサーなどさまざまな環境で使用される組み込みシステムが中心です。つまりメモリや処理能力など、ハード面でのリソースに制限があり、そのなかで安定的に稼働できるのがC言語の強みです。
AI分野では、データ分析や機械学習モデルの作成に適したPythonが主に使用されます。しかし組み込みシステムの一環であるエッジAIを活用する際は、IoTデバイスと同様にハード面での制約があるため、C言語を使用するケースがあります。
C言語のメリット
ここからは、C言語が長年利用され続けている理由となるメリットを具体的に紹介します。
- 汎用性が高い
- 制限を受けにくい
- フレームワーク・ライブラリが充実している
- 処理速度が速い
汎用性が高い
C言語は、プログラミングでできることをほぼすべてカバーするほどの汎用性のある言語です。その応用範囲は広く、OSの開発から、家電や産業機器を制御する組み込みシステムのプログラミングまで多種多様です。ANSI(米国国家規格協会)によって統一された仕様を持っており、異なるプラットフォームでも標準規格に準拠したコードであればほぼそのまま動作します。また、異なるOSやハードであっても、移植が比較的簡単です。
制限を受けにくい
幅広いOSやCPUに対応し動作が軽いため、さまざまな環境や用途において制約を受けにくいのもC言語のメリットです。WindowsやmacOS、Linux、UNIX系など、幅広いOSで使用できます。
C言語で書かれたプログラムは、実行速度が速いという特徴があります。さらに、リソースを細かく制御しやすいため、「低性能のCPU」「少ないメモリ容量」などの環境でも問題なく利用可能です。組み込む際にも制約を受けにくいため、C言語が選ばれています。
フレームワーク・ライブラリが充実している
C言語の50年以上にわたる歴史のなかで、多くの開発者や組織がフレームワークやライブラリを構築してきました。プログラミングの「骨組み」となるフレームワークが充実しているため、効率的に開発を進められます。
ライブラリとは、特定の機能や処理を簡単に実装できるように、あらかじめ用意された関数やクラスの集まりのことです。C言語には、「標準Cライブラリ」と呼ばれる標準ライブラリがあり、開発時間の短縮やコードの保守性を向上といったメリットを提供します。
また、C言語のフレームワークやライブラリは、多くの開発者によって長年にわたり使用・テストされてきた実績もあり、信頼性が高いです。
処理速度が速い
処理速度が速いのも、C言語のメリットです。C言語はコンパイラ言語であり、プログラムが事前にコンパイルされるため、実行時に余分な翻訳作業が発生しません。さらに、C言語のコンパイラは改良が重ねられ最適化されています。
インタプリタ言語より速いのはもちろん、コンパイラ言語のなかでも、C言語は最速クラスです。OSや組み込みシステムなど、速度が重要視される分野で広く使われてきた実績があるのも、この処理速度の速さが関係しています。
C言語のデメリット:習得難易度が高い
C言語のデメリットは、「習得が難しい」という点に尽きます。初心者がつまずきやすい理由はさまざまありますが、よく挙げられるのがC言語特有の概念である「ポインタ」「配列」「構造体」の存在です。
例えば「ポインタ」は、メモリのアドレスを直接操作するための仕組みです。変数がメモリ上でどのように格納されているか、「*」「&」などを使ってどのように表現するかなど、複数の概念を同時に覚えなければなりません。また、PythonやJavaなどでは自動で行われるメモリ管理は、C言語では開発者自身で行わなければなりません。メモリやCPUなどの知識が求められ、覚えきれずに挫折してしまう人もいます。
C言語の学習方法
C言語は、歴史が長い言語ということもあり、書籍や学習のための情報が充実しています。以下に詳しい学習方法を解説します。
- 学習用Webサイト・書籍を活用する
- マイコン(専用キット)で学習する
- プログラミングスクールに通う
学習用Webサイト・書籍を活用する
まずは、学習用Webサイト・書籍を活用する方法です。C言語は、長年にわたって蓄積された知識や実践例が多く、初心者から上級者まで対応する教材が豊富にあります。
学習用Webサイトは、インターネットに接続すればすぐに学習を開始できます。新しいC言語のバージョンやプログラミングのトレンドに対応した最新情報が入手できるのも、Webサイトならではの利点です。
また、学習用Webサイトは、オンライン上で実際にコードを記述するといった練習も可能です。コードを直接入力して実行結果を確認できるため、即座にフィードバックを得つつ、学習を進められます。
書籍は、執筆者が順序立てて解説しているため、網羅性に優れているのが大きなメリットです。初心者向け書籍は、基礎から応用まで効率的に学べるよう構成されています。手元に保管し、必要なときにすぐに参照できるのも、書籍を活用する利点です。
マイコン(専用キット)で学習する
C言語を効果的に学ぶ方法として、マイコン(マイクロコントローラ)を活用するのもおすすめです。マイコンは、名前の通り小型のコンピュータで、センサーやLEDなどを制御するための組み込みシステムに使用されます。
基本的な学習の流れは、「マイコンの購入」「C言語を使ってプログラムの書き込み」「ハードウェアを動かす」の3ステップです。ハードウェア制御に触れられるため、実践的なスキルを習得できます。マイコンを使った学習は、Webサイトや書籍での基礎学習と併用するとより効果的です。一部の書籍では、学習用マイコンがセットになっている場合もあります。慣れてきたら、簡単なシステムなどを開発して、応用力を試すのもよいでしょう。
プログラミングスクールに通う
C言語習得のために、プログラミングスクールに通う方法もあります。通学形式やオンライン形式など多様な選択肢があり、学習スタイルにあわせて選べる点が魅力です。
プロが設計した学習プログラムに従うため、必要な知識を順序立てて効率よく学べます。独学で迷うことが少なく、C言語の基礎から応用まで段階的に習得できるのが、プログラミングスクールに通う大きなメリットです。
また、必要な環境が整っているのも重要なポイントです。実際にC言語を動かすための開発環境(コンパイラやIDEなど)が設定された状態で学べるため、環境構築に時間を取られません。
プロジェクトベースのカリキュラムであれば、実際の開発に近い形でC言語を使いながら学べます。現場で求められるスキルが身に付くため、転職や副業・フリーランス向け案件を探す際にも役立ちます。
C言語案件を探すなら「FLEXY」
副業やフリーランスのC言語案件をお探しの方は、ぜひFLEXY(フレキシー)へご登録ください。FLEXYは、エンジニア、デザイナー、マーケター、ディレクターなどのハイスキルなプロ人材を対象としたプロ人材サービスです。大企業からスタートアップまで、多様な企業の案件が掲載しております。
働く場所や稼働日数は柔軟で、ライフスタイルにあわせた働き方が可能です。また、定期的にIT/Webトレンドに関する勉強会や、他のフリーランスとの交流イベントを開催しています。
週1日からの案件やフルリモートの案件も多数取り扱っており、現在会社勤務の方でも登録可能です。C言語の案件も多く取り扱っていますので、ぜひご利用ください。
C言語の知識・スキルをためて案件に参画しましょう
C言語は、OS開発や基幹システム、IoTなど幅広い分野で活躍する汎用プログラミング言語です。その高い汎用性と処理速度により、現在でも多くの開発現場で必要とされています。
効率よくC言語を学ぶためには、書籍やWebサイトで基礎を固めつつ、マイコンを活用した実践的な学習をするとよいでしょう。身に付けたスキルは、組み込み系やシステム開発などの需要の高い分野で大いに役立ちます。
C言語の案件を探すなら、FLEXYのようなプロ人材向けエージェントサービスを活用するのがおすすめです。スキルを高めながら、新たなキャリアに挑戦してみてください。