エンジニアの働く環境に柔軟に対応する開発組織。業務委託ではどう働ける?――シタテル・和泉信生さん

※本記事は2021年2月に公開された内容です。

【企業名】
シタテル株式会社

【エンジニア組織のフェーズ】
サービスは、すでに衣服・ライフスタイル生産のクラウドサービスのプラットフォームとして機能している状態。今後はサービスの機能改善などに取り組んでいくフェーズでした。

【募集背景】
サービス内の一部機能をネイティブアプリとして切り出すため、アプリエンジニアを求めていました。

衣服・ライフスタイル業界において、クラウドサービス「sitateru CLOUD」を中心に衣服およびライフスタイル製品生産のプラットフォーム事業を提供するシタテル株式会社。テクノロジーを用いながら、ブランド・企業の商品企画をはじめ、生産・納品までをワンストップでサポートしています。

同社がFLEXYを利用するに至った背景やエンジニアが働きやすい環境にするための工夫などについて、CTOの和泉さんにお伺いしました。

和泉 信生

シタテル株式会社 CTO 和泉 信生さん

1980年7月29日生、出身は山口県下関市。
2009年に九州工業大学大学院情報工学研究院にて博士(情報工)を取得。同2009年より9年間、熊本の崇城大学情報学部にて助教として教育、研究活動に従事。「市民共働のための雨水グリッドの開発」や「市街地のユニバーサルデザイン支援ツールの研究」などの学術研究を行う。
2018年4月にシタテル株式会社にCTOとして参加。技術戦略立案、システム開発、エンジニアマネジメントなどを主な業務とする一方、新規事業開発、資金調達、国際化対応にも幅広く関わっている。

衣服・ライフスタイル製品の生産における課題をテクノロジーで解決する事業

本日は、よろしくお願いいたします。まず最初に、御社の会社概要について簡単に教えてください。

当社は2014年設立の企業で、クラウドサービス「sitateru CLOUD」を中心とした衣服・ライフスタイル製品の生産のプラットフォーム事業を運営しています。創業時は熊本の拠点からスタートしました。やがて東京にも拠点を構えることになり、現在の開発メンバーの割合は熊本が5名、東京が15名です。

ビジョンは「IMAGINATION」。【想像力を解放し人類の豊かな未来を創るという観点で、衣服・ライフスタイル産業の構造をテクノロジーで変えることを目指している】組織です。

社内は大きくフルサポート事業とクラウド事業の2つに分かれています。フルサポート事業では俗に言うアパレル生産を、クラウド事業ではSaaS型のサービスの提供をおこなっています。サービス自体は生産工場を探したり資材を購入したりといったリソースの調達を行う側面もあり、プラットフォームやマーケットプレイス的な役割も担っています。

「衣服・ライフスタイル産業の構造をテクノロジーで変える」とは具体的にどのようなことをするのでしょうか?

これまでの衣服やライフスタイル製品の生産においては、介入する中間業者が多く、誰に何を連絡していいのかが煩雑でわかりづらいという問題がありました。そこで当社の提供するクラウドサービス「sitateru CLOUD」を導入・活用いただくことで、衣服やライフスタイル製品の生産における業務のDXを支援・業務の効率化を図ったり、衣服を作りたい方と衣服を作れる方をマッチングし、非アパレル事業者でも自由な発想で衣服づくりをおこなうことができるよう、サポートしています。

現在は、個人・企業を問わず2万以上の事業者に登録いただいており、また、サプライヤーサイドは国内外で1,200社以上の登録があり、独自のネットワークを作り上げています。

機能を切り出しネイティブアプリとして開発するためにFLEXYを活用

開発体制について、もう少し詳しく教えていただけますか?

プログラマーが15名、デザイナーが5名の体制です。フロントエンドとバックエンドは明確に分かれていません。大まかにフロントエンドをメインとするメンバーが3~4名、バックエンドをメインとするメンバーも同じく3~4名ほどです。あとはフルスタックエンジニアとサーバーや環境開発を行うDevOps担当のメンバーが1名ずつ在籍しています。

今回FLEXYを利用した背景について教えてください。

クラウド事業で扱うサービスの中にチャット機能があるのですが、今回はこの部分をメッセンジャーアプリとして切り出そうとしていました。しかし社内にはネイティブアプリを開発できる人がいなかったので、FLEXYの野谷さんにご相談することにしたんです。

※FLEXYコンサルタント
野谷 勤

株式会社サーキュレーション FLEXYコンサルタント/野谷 勤
大手人材紹介会社出身、自称、日本で1番CTOに会っているコンサルタント。新卒からIT人材サービスに携わり、現在はFLEXYにて数多くの企業とご登録いただくIT分野の専門家を繋いでいます。

FLEXYの野谷とはどのように知り合ったのでしょうか?

1年ほど前にFacebookで野谷さんから声をかけていただいたのが最初です。その後直接お話をするタイミングがあったので、今回の案件について相談させていただきました。Facebookを見ていると野谷さんはとてもエネルギッシュな方で子育ても積極的にされているので、常々見習いたいと思っています(笑)。

自走しながら開発にコミットしてくれる人材なら働き方は問わない

今回は山田さん(仮名)という方をご紹介させていただきましたが、面談時に重視された点があれば教えてください。

主にスキル面ですね。面談を行ったのは私と開発部長だったのですが、お互いコードを書く人間だったのでスキルレベルはスムーズに判断できましたし、山田さんなら心配は無いなと感じました。

山田さんはご自宅が和歌山なのでフルリモートになるということでしたが、当社はもともと熊本と東京の2拠点で開発をおこなっていたので、特に気になりませんでした。実際ジョインいただいてからも、十分に成果を出していただいていると思います。

職種 ネイティブアプリの開発エンジニア
案件概略 -アプリ開発支援 -技術アドバイス
期間 3ヶ月
稼働頻度 月96時間
働き方 フルリモート

山田さんは月96時間の稼働ということですが、週数日の稼働かつフルリモートの方を迎え入れたことはこれまでもあったのでしょうか?

フルリモートという形は山田さんが初めてでしたが、業務委託の方で週数日のみの稼働というケースはこれまでにもありました。基本的に事業や開発にしっかりコミットしていただける方であれば、働き方はエンジニアサイドの都合に合わせたいと思っていますし、そのやり方で業務が滞ったことも特にありません。今回も山田さんがたまたまフルリモートかつ週数日稼働の条件だったので、そのままお願いしたという形です。

オンボーディングなどはどのように行いましたか?

特別なことはしていません。もともと野谷さんには「指示通りに動く人よりも自走できる人がいい」と要望を伝えていましたし、面談をした時に山田さんは十分その能力がある方だと感じていました。実際、開発の実務やミーティングをおこなう中で必要な内容を自らしっかりキャッチアップして、業務への理解を深めていただけたと感じています。

ミーティングは任意参加。SlackやGitHubでやりとりができればOK

では実務の進め方についてお伺いしたいと思います。カウンターパートになったのはどなたですか?

カウンターパートは、アプリやWebサイトなど顧客に近い部分のシステムを手掛けるフロントチームです。エンジニア3名とデザイナー1名の体制で、ここに山田さんに加わっていただきました。

普段はどのようにコミュニケーションを取っていますか?

当社はプロダクトごとにスクラムチームを組んでおり、チームで毎日10~15分程度の朝会を行っています。業務委託の方の場合は強制ではなく、参加できるときに参加していただくスタイルです。2週間ごとのスプリントの振り返りも同様です。基本的にはSlackやGitHubを使いながらコミュニケーションを取るので、ミーティングに出なくても仕事を進められる状況です。

今回のアプリ支援における使用技術についても教えてください。

フロント側の言語はJavaScriptが中心で、フレームワークはReact Nativeです。サーバーサイドはRuby on Railsを使っています。
以前はCordovaでプロトタイプを作っていたのですが、今回山田さんにReact Nativeを導入していただきました。スクラッチから書き直して、現在は社内メンバーもReact Nativeで書いています。

モダンな環境を構築してエンジニアが開発環境の集中できるよう配慮

御社のエンジニア文化について教えてください。

開発環境についてはモダンなものを使っています。バージョン管理やコンテナ、デプロイ周りなどは基本的にDevOpsチームが自動化しており、開発に集中できる環境づくりを心がけていますね。
また正社員と業務委託の方が同じ視座で働けるようにすることも意識しているので、例えば事業の方向性やプロダクトの立ち位置などについて、全員に同じ情報をお渡ししています。社内でイベントのようなものは特に行っていないのですが、社員からの発案があれば自由に開催してもらっています。ランチ会などのほか、お菓子が好きなデザイナーさんがお菓子会なんかを開いたこともありますよ。

最後に、今後エンジニア組織が進む方向性について、何かお考えがあれば教えてください。

人件費を固定費にしないよう、業務委託の方を積極的に入れていくと思います。プロジェクト全体の管理には正社員が入り、実際の開発は業務委託のエンジニアが行うという形も十分考えられますね。

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