現職のCTOを月40時間VPoEとして受け入れる。スタートアップ企業がサービス成長をする方法とは? ――Dearliy株式会社

※本記事は2021年2月にインタビューを実施し、公開された内容です。

2019年に起業し、現在BtoCアプリを開発中のDearliy株式会社。ミッションである「人生(過去・現在・未来)を詰め込むスタンダードプラットフォームの創造」を目標として事業をスタートしました。
創業者の進藤さんをテクノロジーの側面からサポートするべく、今回FLEXY経由でVPoEとして参加しているのが、京都在住の現職でCTOをしている小林さん(仮名)です。
スタートアップ企業が外部からVPoEを迎え入れるメリットや具体的な業務内容とは、どのようなものなのでしょうか。

本取材はDearliy株式会社の進藤さん、VPoEとしてFLEXY経由でフルリモート支援をしている小林さんに加え、FLEXYの利用を進藤さんに勧めてくださった株式会社ZucksのCTOである河村さんにもご紹介者として参加していただき、プロジェクトのスタートから現在に至るまでの経緯について詳しくお伺いしました。

【エンジニア組織のフェーズ/募集背景】
2019年に創業し、2020年から本格的に活動を開始。ITの知見があり開発に参加して頂ける方を探しているフェーズでした。
またエンジニア組織組成とプロダクトのローンチに向けて、開発組織の要件を客観的に判断してくれるVPoEとしての役割を担う人材を求めていました。

進藤 貴史
Dearliy株式会社 代表取締役/CEO/Founder 進藤 貴史 氏
河村 綾祐
【 Dearliy株式会社の進藤さんに、FLEXYを勧めてくださった方 】株式会社Zucks CTO(VOYAGE GROUP )河村 綾祐 氏
【 FLEXYからご紹介した方 】京都からフルリモートで参画しているCTO 小林 氏(仮名)

「夢中」を追い求めて起業

ー本日は、よろしくお願いいたします!御社は2019年に創業されたそうですが、起業の経緯について教えてください。

Dearliy株式会社 代表取締役/CEO/Founder 進藤 貴史 氏(以下、進藤):
自分自身が夢中に生きて、身の周りの人をワクワクさせ、世の中にポジティブな連鎖を生み出したいという思いで起業しました。私はサラリーマンとして企業に10年勤めてきて、自分の意志を曲げてやりたくない仕事をしたこともありますし、逆にその中で面白い上司に出会ったこともあります。結局自分のやり方や考え方次第で物事や自分の周囲の環境が大きく変わることを実感してきました。

一方で、どんどん可能性を自ら閉じてしまうような場面も身の回りで沢山見てきました。だったら、まずは自分が面白い活動をして、周囲を巻き込みたいという気持ちをずっと持っていたんです。
そんな中、前職の東洋経済新報社で新規事業の立ち上げを担当することになりました。これがDearliyの具体的な出発点です。今はまだ内容は公表できませんが、自分の想いを込めたビジネスが現実のものとなりそうになったときに、周囲からの後押しを受けて起業に至りました。

ー現在はティザーサイトを公開されていますね。内容が楽しみです。

進藤:
ミッションとして掲げている「人生(過去・現在・未来)を詰め込むスタンダードプラットフォームの創造」を体現するような、BtoCのアプリを絶賛開発中です。ローンチは2021年6月を予定しています。
人がお金や時間を費やすのは、自分の好きなヒトやモノ、コトに対してですよね。クーポンやポイントのためではありません。例えば東日本大震災のとき、ポケモンGOは観光復興のために宮城にレアポケモンを出現させるキャンペーンを行いました。ほかにも、人は朝早く寒い中でもライブ会場に行きますし、ご飯代は節約してもちょっと高いタピオカを買います。当社はこういった「夢中」に対する行動を価値としたビジネスを目指しています。

Dearliy株式会社 代表取締役/CEO/Founder 進藤 貴史 氏
2010年、楽天株式会社に新卒入社。広告部署でのオペレーション、BPO、BPR等からキャリアをスタートさせる。
2014年にはADNW、DSPのプロダクト担当として商品企画、販売業務に従事。その流れで、中小企業向けの広告プロダクトチームを統括。
2017年に東洋経済新報社に入社し、オンラインメディアのSSP領域から 法人広告営業、商流開拓、商品開発と、幅広い業務領域を手がける。
新商品開発の流れで、自身の想いを託した新サービス開発に想いを寄せ、2019年8月に「Dearliy」を立ち上げる。
2019年には、ドイツ上場企業のMGIグループの傘下であるAppliftの日本法人の立て直しを担当する。
新しい組織作りに貢献し、その後コンサルティングとして携わっている。

技術的知見が欲しい。客観的に開発領域をジャッジする人材の受け入れ

ー今回、FLEXYからはVPoEとして小林さん(仮名)がジョインしました。小林さんを迎え入れるまでのストーリーをお伺いできればと思います。企業としてはどのようなフェーズでしたか?

FLEXYからご紹介させていただいた小林さん(仮名)の業務について

業務内容 エンジニアリング支援
現職 事業会社のCTO
居住地 京都府
支援方法 フルリモート
稼働時間 月40時間

進藤:
当社は私が中心となって立ち上げ、もう数名と一緒に活動をしていたのですが、全員ビジネスサイドの人間なんです。ですので、創業メンバーのような形でテクノロジーに強い方を迎え入れたいというお話をしました。

今回アプリ開発が必要ということで人脈を通じて複数のエンジニアにコンタクトを取ることはできたのですが、そもそも我々はアプリ開発の領域については全く無知ですし、エンジニアリングスキルのジャッジもできません。開発領域において客観性を持たせたいということで、VPoEを求めていました。
最初は開発面で悩んでいるときに、河村さんに相談をしたところ、残念ながら都合上、難しかったので断念したんです。その代わりに「一度FLEXYに相談してみてはどうか」と提案を受け、野谷さんを紹介していただきました。

Dearliy株式会社の進藤さんに、FLEXYを勧めてくださった株式会社Zucks CTO(VOYAGE GROUP )河村 綾祐 氏

ー河村さんがFLEXY野谷を紹介してくださったんですね!ありがとうございます。

株式会社Zucks CTO 河村 綾祐 氏(以下、河村):
僕は前職でエンジニアの採用・業務委託で悩んでいる時に野谷さんにお世話になったことがあります。もう5年ほどの付き合いですね。

今回の場合は絶対にDearliyの事業に共感してくれる人にジョインしてもらったほうがいいと感じていたので、ぜひFLEXYを使ってみてはと提案しました。というのも、通常のエンジニア紹介サービスは技術やスキルをベースとして登録者を検索すると思うのですが、FLEXYの野谷さんならきちんと個人の思いにもフォーカスしてニーズを考えてくれると思ったからです。
野谷さん自身はエンジニアではないですが、必要なスキルセットや技術に関してもエンジニアと対等に会話ができる方なので、そこもなかなか珍しいと感じていました。

進藤:
その流れもあるので、私はFLEXYというサービスを深く理解する前に野谷さんを知った形ですね(笑)。共通の知り合いもいたので最初から安心感がありました。FLEXYを知ったというより、野谷さんファーストでFLEXYを知ったという方が正しいかもしれないです(笑)。

それまで私は、FLEXYのようなプロ人材を紹介してくれるサービスという選択肢があるとは知りませんでした。起業したばかりで当然資金面に厳しい部分がありますし、正社員を採用するのはハードルが高い。そんなときに今回のような手段を知ることができたのは、会社として大きなターニングポイントだったと思います。

FLEXYコンサルタント
野谷 勤
株式会社サーキュレーション FLEXYコンサルタント/野谷 勤
大手人材紹介会社出身、自称、日本で1番CTOに会っているコンサルタント。新卒からIT人材サービスに携わり、現在はFLEXYにて数多くの企業とご登録いただくIT分野の専門家を繋いでいます。 CTO、技術顧問、エンジニアのご紹介は、FLEXYまでご相談ください。

募集から約1ヶ月で外部からVPoEがアサインされた

ーそれでは、ここからはFLEXY経由で支援に入っている小林さん(仮名)にもお伺いします。京都でCTOとしても活躍している小林さんは、もともとどのようなきっかけでFLEXYに登録したのでしょうか?

小林:
FLEXYを知ったきっかけはオンラインイベントのCTO meetupです。内容はインフラの会だったかと思います。
僕が勤めているのは京都の老舗の事業会社なのですが、実はDXを推進するという形でIT企業レベルまで改革を進めました。

現在は事業としてITコンサルまで行っています。僕はCTO的な立ち位置としてITを担っているので、その知見を他社でも活かせればと思い登録させていただきました。

ーDearliyさんからの案件相談内容を見てどう思われましたか?

小林:
ほかにも野谷さんからいくつかご依頼はいただいていたのですが、その中でも特に面白そうな案件だと思いました。もともと僕が探していたのはベンチャー企業でしたし、DearliyさんはこれからITサービスを成長させていくということだったので、応募を決めました。また京都から参加できるというフルリモートで働ける点も魅力でした。

ー今回、小林さんとの面談で進藤さんが重視した点を教えてください

進藤:
ひとつは、こちらが求めるスキル要件があるかどうかです。ざっくりとですがフロントエンドとバックエンドスキルを持つ方を希望していました。

河村:
スキル要件については、人材選定のための要件定義の段階で僕からも野谷さんにオーダーさせていただきました。これからのサービス開発に大きく関わるのでプロダクトにも共感していただける方というのもオーダーの中で大きな割合を占めていました。

進藤:
そうですね。最も重視したポイントは、やはり当社が掲げる企業理念について共感いただいているかですね。想いを込めて創っているサービスなので、「スキルを活かしたい」というモチベーションだけではマッチしません。本当に会社のこと、プロダクトのことを好きになってくれそうかどうかをしっかり見させていただきました。

ー実際に稼働が始まるまで、ジョインまでのスピード感はいかがでしたか?

小林:
早かったですね。応募して1~2週間のうちにオンライン面談を設定いただきました。契約関係の調整があるため実際のジョインは1~1ヶ月半ほど後でしたが、かなり速いスピードで話が進んだ印象です。

無駄なリソースは費やさず、開発組織を最適化

ー小林さんは月40時間ほどの稼働ですよね?

小林:
実際に稼働しているのは週1日程度ですね。僕の本職がバタバタしている時期だったこともあり、このような稼働頻度でお願いしました。

ー実際どのような業務を進めていますか?

小林:
開発のコンサルティングに近い内容が多いですね。そもそも開発をどのよう流れで進めるのか、どういう人材をどのようなチーム編成で進めていくのかといった部分の決定やその他、技術選定、要件定義のようなところもサポートさせていただいています。

進藤:
創業して間もないので、エンジニアチームは当初2、3名しかいませんでした。メンバー一人が担う比重が大きい中で、何でもお願いできる小林さんにジョインしていただけたのは、やはり心強い限りです。

ー具体的に開発はどのような体制で行っているのでしょうか。

進藤:
ネイティブアプリなので、フロントはSwiftを使っています。ローンチまでの予算も時間も限られているため、基本的に開発は正社員ではなく業務委託やフリーランスの方にお願いしています。そうなるときちんと小林さんのようにエンジニアを束ねた経験がある方の存在は欠かせませんね。

ー小林さんは、案件に入る時に気を付けているポイントなどはありますか?

小林:
「本質を見抜く」という点はかなり気にしていますね。特にスタートアップや中小企業は資金や人材、技術など全ておいて本質を無視して無駄なリソースを使ってしまうと、大きな影響が出てしまいます。
例えば僕自身がインフラを構築したり、フロントエンドやバックエンド開発に注力するのは立場的にもかなりもったいないコストのかけ方になってしまいます。ですから、あえて開発の実務は行わないようにしています。

柔軟な働き方を受け入れる体制づくりは企業にもメリットをもたらす

ー小林さんはFLEXYに登録して、実際にDearliyさんで働いてみていかがでしたか?

小林:
非常に良かったです。Dearliyさんのように、スタートアップで外部VPoEを活用する考えを持つ企業はまだまだ世の中には少ないというのが現状です。大体身内で仲間を見つけますし、そもそもITがメインでない場合、CTOやVPoEは不要だとする企業も多いです。
ですから今回の案件は、FLEXYさんだからこそ出会えたのかなと思います。野谷さんにもとても親切に対応していただけましたし、感謝しています。

ー実は河村さんもFLEXYに登録していて、プロ人材として案件を受けていただいたことがあると聞いています。どのような案件でしたか?

河村:
過去にリモートでプログラミング講師の案件に入ったことがあります。受講生は主に社会人の方だったので稼働時間は夜に固定されていましたが、稼働する曜日は他の講師たちと調整することもできました。教材の内容や各受講生に合わせた教え方、メンタリングなどかなり深いところまで携わらせていただきました。

ーFLEXY経由で支援に入って実際に働く側、またフリーランスを雇う企業側の両方を体験されている立場として、FLEXYを通じた働き方についてはどう思われますか?

河村:
業務委託は正社員で中途採用するよりもハードルが下がりますし、FLEXYを介することで業務委託から正社員登用するといった交渉がしやすくなるメリットがあります。以上の点を踏まえると、企業側の立場としては今後より柔軟な働き方に対応していきたいところですね。
逆にFLEXYを通して働く側からしてみると、働く時間を自由に選ぶことができるので、余力がある人であればいいと思います。知っているサービスや知名度の高いプロダクトといった面白い案件も多いです。

ーなるほど、嬉しいです。ありがとうございます!

目指すは国内3500万以上ユーザー 壮大なビジネス計画を展開

ーでは最後に、進藤さんにお伺いします。今後のDearliyさんの成長戦略についてお聞かせください!

進藤:
まだサービスがローンチしていない状態で成長戦略を語るのも恐縮ではありますが、国内だけでも3500万人以上のユーザーに使っていただくことをサービスの目標としています。ビジネスモデル自体はBtoCですが、実際にはBtoBとしても革新的なサービスになる予定です。

出発点こそアプリサービスですが、この事業は飲食や映画館などのビジネス、キャラクターコンテンツなどにも展開していく構想があります。いずれは世界に進出するサービスにするべく、今はいろいろと準備を仕込んでいる段階です。
エンジニアの方も多様な形で募集するかと思いますので、読者の方にはぜひ当社の名前だけでも覚えておいていただけたらうれしいです。

ーありがとうございます。ますますローンチが待ち遠しいですね。お三方とも、今回はいろいろとお話しいただきありがとうございました。


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企画/編集:FLEXYメディア

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