アフターコロナにおけるデザイン組織課題 / FLEXY creators meetupイベントレポート 

2020年7月7日、FLEXY初のcreators meetupが開催されました。技術やクリエイティブの発展・推進を目的とした本コミュニティ。

第一回目は「アフターコロナにおけるデザイン組織課題」というテーマで、デザイン責任者として活躍する3名にディスカッションしていただきました。

【ご登壇者】

<パネラー> ●合同会社EXNOA PFデザインマネージャー 赤坂 幸雄 氏 ●株式会社ポップインサイト CX/UXストラテジスト 岡 昌樹 氏

<モデレータ> ●フリーランス/デザイン顧問 井上 大器 氏

2018年5月に経産省によって宣言された「デザイン経営宣言」から2年が経過し、その中で起きた新型コロナと言う社会の機能不全を我々は経験しています。

これから来るアフターコロナに向けて各領域のエキスパートをお呼びし、デザイン組織課題をテーマに、フルリモート環境下においてデザイン組織が教育面に抱えることになった問題や、デザインの継承活動の変化、そして今後の展望など登壇者に語っていただきました。

オンライン上での質疑応答では組織におけるデザイナーの価値についても熱い議論が交わされました。

本記事の対象: ・デザイン責任者として活躍している方 ・今後デザインシンキングで経営課題を解決しようとしている方 ・自社のデザイン組織に課題を感じている方 ・CXO/CDO等の役職につかれている方 ・3年以内にデザイン責任者を目指している方

デザイン組織における教育について

※本イベントは、Youtube Liveで配信されました。 <写真> 左上: 合同会社EXNOA PFデザインマネージャー 赤坂 幸雄さん 右上: フリーランス/デザイン顧問 井上 大器さん 左下: 株式会社ポップインサイト CX/UXストラテジスト 岡 昌樹さん

リモートワークは自らミッションを持つ人にとってメリットが大きい

フリーランス/デザイン顧問 井上 大器 氏(以下、井上): 最初にリモートワークについてお伺いしたいのですが、現在は少なからず強制的にリモートで働く流れになっています。中には不本意な形でリモートワークを始めた人もいますし、不慣れな状態では上手くいかないことも多いでしょう。

岡さんの会社に関してはもともとリモートワークを導入していたので別かと思いますが、赤坂さんの会社はコロナを機にリモートワークをスタートされたはずです。そのときに出てきた問題点、あるいはメリットがあればお聞かせください。

合同会社EXNOA PFデザインマネージャー 赤坂 幸雄 氏(以下、赤坂):自分でミッションを持って目の前の案件に対応している人にとっては、非常に良い環境ですよね。通勤もしなくていいですし、自宅で自分のペースで仕事を進められます。逆にミッションが無い、誰に相談すればいいのかもわからない人にとっては辛い状況だと思います。ここはマネージャーやチームリーダーなどが先んじて動いてケアをしなければいけませんね。

また、リモートワークによってIT化が促進され、紙ベースだった書類をパソコンなりスマホなりで処理できるようになったのは基本的に便利ですし、結果として自分の行動を制限されることもかなり減りました。全体として見たときのメリットは大きいと思います。

井上:岡さんはもともとリモートワークを実施している会社を選んで転職されたそうですが、理由を教えていただけますか?

株式会社ポップインサイト CX/UXストラテジスト 岡 昌樹 氏(以下、岡):フルリモートの会社を探していたのは2020年3月頃です。KDDIとの3年の雇用期間が終了する時期で、この先どうしようかと悩んでいました。どこかの企業の執行役員をやらせてもらうことも可能だろうとは思ったのですが、何となく日本国内のことしか知らない自分が嫌になり、一度海外に出てみようと決めました。とはいえ英語が喋れないので、日本語で仕事をできる環境を求めてフルリモートの会社に転職したんです。

行き先はカナダに決めて5月にフライトの予定も入れたのですが、そのタイミングでコロナが来てしまって(笑)。当然海外には行けなくなってしまい、今は山形にいながらリモートで仕事をしている状態です。

井上:岡さんの会社もそうですが、地方の優秀な人材を採用しようとなるとどうしてもフルリモートになりますし、家庭環境によっても就職先の選択肢になりますよね。

仕事の楽しさや醍醐味を伝えられないのがリモート環境の弊害

井上:新卒教育はリモートワークの大きな課題だと思っています。4月の新入社員がいたとしたら、コロナでオンボーディングの体験設計のようなものが崩壊してしまったのではないでしょうか。

中途入社のオンボーディングはある程度マニュアルがしっかりしてさえいれば、あとは環境設定を終えてタスクを渡せば何とかなる部分があるのですが、新卒の場合は違いますよね。実際に新卒の方をどう教育していったのか、赤坂さんいかがでしょうか。

赤坂:うちは実は新卒のデザイナー採用はしていないんです。ですがグループ全体としては大量に新卒採用していて、基本的にオンラインの授業形式でオンボーディングしていました。

ただ、新卒入社で社会人になった人たちに「これからこの会社で頑張っていこう」という覚悟をどれだけ持たせることができたのかは全くわかりません。彼らは同期とランチや飲み会に行って情報共有したり絆を深めるたりすることもできませんから、今後各々が役割を持ってミッションに向かうとき、横串で協力し合う関係値をどう作っていくのかというのも難しい問題です。

現在各社ではさまざまな取り組みを行っていると思いますが、それが正解か不正解かわかるのは1年後なのだろうなと思います。

井上:新入社員たちに自分たちの背中を見せられなかったのは僕の中でも大きいです。オンラインではなかなか仕事の楽しさを教える機会も無いんですよね。

リモートでも、成果物を上げてフィードバックをする単純なコミュニケーションは当然成立します。ですが一緒に画面を見ながらデザインを直すにしても、オフラインなら例えばショートカットキーの使い方やマウスの動きなども含めて新人の糧になるはずでした。完成した成果物をステークホルダーに見せて同意形成をしていくプロセスもオンラインでは見せられません。自分の仕事が褒められる、承認されるという仕事の醍醐味をきちんと提供してあげられないと、あまり良い未来にはならなそうだというのが僕の印象です。

もちろんこれはデザイン組織だけの話ではありませんが、リモート環境下における教育という問題は今回突き付けられた気がします。

赤坂:新卒の子はどうしても先輩との一対一のコミュニケーションになりがちなので、会社側が意識して社員対会社のコミュニケーションを取る必要があるなと思いますね。そうでないとどうしても目の前の案件の自分が担当している部分しか見えず、自分以外にも営業や経理、総務、技術者たちが一緒に働いているということを意識できなくなります。

そのまま社歴を積むと恐らく「変なヤツ」になってしまいますから、会社全体として売上を上げ、一つの目標に向かっていると肌で感じられる施策を打たなければいけません。

今後は「自己開示」と「横串の連携」が働き方の重要なポイントとなる

井上:特にデザイナーはオンボーディングがしにくい職種の一つです。デザインのトンマナを教えたりコーディングルールを覚えてもらうなどいろいろな要素がありますが、岡さんのところはフルリモートの働き方の中でのオンボーディングについてどのように考えていますか?

岡:リモートワークの大前提として、そもそも日本のカルチャーに根付いている「空気を読む」ということができません。日本人は幼稚園や学生の頃から当然のように周囲の雰囲気を読んで発言する、あるいは空気を読んでもらえると思って過ごしてきていますが、リモートワークでは相手や自分がどんな状態で何をしているのかが明らかではないので、察することができないのです。

これが理解できていない人は、リモートワークの状況下で自己開示を行いません。「自分のことを発信しないのであれば察してもらうことを求めてはいけない」のに、自己開示をしないまま「察してくれない」という不満を感じて、コミュニケーションバグが生まれるというわけです。

特にデザイナーやエンジニアには自己開示が苦手な人が多いのですが、表現をしない限りコミュニケーションが成り立たないという前提に立つのが、リモートを中心とした働き方の在り方なのだと思います。

井上:実際のところ、組織設計においても自己開示が一番重要なところなのかもしれませんね。極論を言えば自己開示とそれに対して共感できる仲間が集まれば、恐らく問題は起きないでしょう。ですが実際は当然多様性や価値観の差が出るので綻びが生まれ、「うちの組織はまとまりがない」という違和感につながります。

特に年次が浅い場合自己開示をするのはデザイナーでなくとも難しいですし、できない人のほうが圧倒的多数です。そこを我々がどう導いていくかということですよね。

また、デザイン組織が数百名規模になると、デザイナーの役割がフロントエンドエンジニア、グラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、コミュニケーションデザイナーなどいろいろな職種に分かれます。そこで必要になる横の連携もデザイン組織を分断している要素の一つです。 みなさんの会社はそれなりに大きな組織になってきていると思いますが、リモート環境下における横連携で気をつけていることはありますか?

赤坂:何を横連携するのか、ある程度限定はしていますね。今までは放っておいても喫煙所で話したりランチに行ったりして情報のキャッチアップを行うことができていましたが、今はそういった形の連携ができません。コミュニケーション促進のためにリモート時における雑談の場を作ることはできますが、根本的な目的は「雑談」ではありませんよね。大切なのは、どんな情報が必要なのかある程度会社側が判断した上で会話ができる場を用意することや、組織を横断して動くメンバーに明確なミッションを与えることだと思います。

横連携のためにどんな情報をキャッチアップしなければいけないのか、その情報をどう使いたいのかといったことをきちんと伝えた上で現在の状況や困りごとを聞かないと、伝える側も何を言えばいいのかわかりませんし、聞く側にとってもノイズが多くなります。

ですから、ある程度横断は横断、縦軸としてのプロダクトはプロダクトの中で情報共有をするという形で切り分けています。

デザインの引き出しが多いことはデザイナーの本質的な力に直結しない

井上:エンジニアもそうですが、「すごく仕事ができるデザイナー」がどういうものかというと「すごいアウトプットができる」という感覚になりがちなんですよね。ですが僕個人としては、「制作プロセスの中でいかに周りを巻き込めているか」が本来評価されるべきポイントだと思っています。その感覚と実際の違いが現在のデザイン組織に温度差となって表れている気がしますね。

僕自身もよく後輩から「デザインを教えてほしい」と言われますし、実際にテクニックを教えるととても喜ばれるのですが、デザインの引き出しが増えることはイコールでデザイナーの力が高まるということではありません。僕たちは課題解決のためのツールとしてデザインの力を使っているだけだからです。

これからはリモートワークにもコロナにも付き合っていかなければならないわけですが、組織全体に対してこれから何ができるのかを考えていくのなら、課題解決を生業とするデザイナーは最適な人材です。一方、現実としてはデザインの引き出しを増やしたいと思っているデザイナーが多い。その中でどのように「課題解決こそがデザイナーの仕事である」と伝えていくのかが、デザイン教育における壁のような気がします。

岡:でもデザイナーは意外と教育熱心というイメージもあります。ドキュメンテーションが綺麗だったりしますし、物事を伝えることへのモチベーションが高い生き物なんですよね。

今までのデザイナーの継承作業というのは、ある程度の部分は個人に対してテキストで伝え、わからない部分があれば実際に見せて教えるというやり方をしていました。それが今後は大きく変わり、1対1から1対100のコミュニケーションによる継承が可能になります。例えば動画としてオンラインに継承活動がストックされることを意識すると、思考発話をしながら作業するのが当たり前にもなっていくでしょう。

そういう意味でデザイン教育は進化の道を辿ると思いますし、そこまで危惧はしていませんね。

井上:より洗練されていくのではないか、ということですね。赤坂さんはいかがですか?

赤坂:岡さんに共感します。プログラマーなんかは昔から自分のコードをオープンに公開して、それを見た人がより良いものにできるよう改善していく文化がありますよね。これまでデザイナーにはそういう場が無かったのですが、最近はnoteなど自分の制作プロセスや思考プロセスを公開し、ほかのデザイナーの反応を見ることができます。若いデザイナーがより高い基準でキャリアをスタートできるようになるという実感はありますね。

質疑応答

説明責任を果たせるかどうかが企業におけるデザイナーの価値を決める

当日はオンライン視聴者から質問を募集、リアルタイムで答えていただきました。

質問者: デザイナーが組織の利益に還元できることとして、どんな例を提示できるのかお聞きしたいです。

赤坂:明確な内容は会社のKPIやKGIによって異なりますが、ポイントは明確な経済効果として証明できるかどうかですね。「僕がこのUIを作ったので、これだけ売上が上がりました」と言ったところで、第三者からは「コンテンツが良かったからだろう」とか「エンジニアがパフォーマンスの良いプロダクトを作ったからだろう」と言われてしまいます。

そのときに「自分は課題に対してデザインをこのように構成して、UIに落とし込んだのだ」と説明できることこそが自分の価値の証明であり、会社に対して利益を還元したと言える瞬間になるのだと思います。デザインには説明責任が伴うので、そこを考えて作れるようにならなければならない、ということでもありますね。誰かに説明してもらおうと思ってはいてはダメです。

岡:不思議なのは、デザインやUXリサーチ、ユーザビリティにROIを求められることですね。でもバックエンドのシステムを刷新する、そのときにGo言語を使いますといったエンジニアリング部分の決定に対してはROIは求められません。デザインに関してのみ、「なぜそこに投資をしなければいけないんだ」と言われてしまう。

それは結局、意思決定層が「やったことがないから」という理由になってしまうのですが、本来はリリース前に機能テストをするように、ユーザビリティテストも当たり前にやらなければいけないことです。リリース後に修正しようと思うと、リリース前の20倍近くのコストがかかるのだということを、もっと伝えて理解してもらう必要がありますね。ROI議論に持ち込ませないのも大切だと思います。

企業がデザイン組織を抱える意味とデザイナーに求めるべきこと

質問者: いろいろなビジネス組織がある中で、デザイン組織特有の課題のようなものはありますか?

赤坂:よく聞くのが、経営層がデザイナーの業務をきちんと理解しないまま内製化しているという問題ですね。そういう会社は、外注の制作会社と価格で比較してしまう場面が多いと思います。何のために社内にデザイナーが必要なのかわかっている経営層のほうが少ないのでしょう。

別の方から来ている「経営層にデザインの重要性を説く際、どんなお話をされますか」という質問にもつながる内容だと思うのですが、デザインはユーザーの行動や印象をコントロールする役割が大きいんです。

ブランド関係に詳しい知人から聞いたのですが、ユーザーに目隠しをしてペプシコーラとコカコーラの両方を飲ませてどちらが美味しいか聞いてみたらペプシコーラと答える人が多かったにもかかわらず、より売れているのはコカコーラだという有名な話があるそうです。

これはブランディングの効果であり、商品をユーザーにどう見せ、どういう印象を持ってもらうのかを試行錯誤し続けてきた結果なんですよね。同じように「ユーザーは何に価値を感じてくれるか」を判断してプロダクトをデザインするには、1案件いくらという形で外注するのではなく、きちんとノウハウを積みながら会社のこともプロダクトのことも理解してくれるデザイナーを社内で育てなければいけません。そうでないと、プロダクトの機能が競合他社と同レベルになったとき、差別化ができなくなってしまいます。

ですから、僕は経営層にデザイナーの重要性を説くとき、「その会社ならではのブランドの見せ方をきちんと考えられるのは、何年も自社のプロダクトに集中して携わってきたデザイナーだ」と説明します。

岡:素晴らしいですね。今はある領域への参入障壁や競争優位性のほとんどが「人」になり始めています。人や専門性に投資していない企業は経営的に難しい状態に陥りやすいですし、その上でデザイン組織に対してどう投資していくのか、ということですね。

別の問題としてデザイン組織がジレンマとして抱えているのが「デザイン原理主義になりがち」という点です。例えば売上に直結するようなユーザー体験を考えたときに適切なのはフラットデザインか、それともスキューモフィックデザインなのかを問いただしてみたとします。すると、スキューモフィックデザインのほうが良いという結果が出ているにもかかわらず、原理主義的に「フラットでなければいけない」と考えてしまう部分があるのです。

原理主義になりすぎない、二項対立を作りすぎない、「これが全てである」という考えになりすぎないことが大切だと感じていますね。

井上:デザイナー以外の人がデザインを崇高に捉えすぎている面もありますよね。デザインはセンスが無いとできないと思っている人が多いのですが、実際はほぼ計算によって作られていますし、練習すればすぐにできるようにもなります。得意先に持っていく企画書を丁寧に作るというところからデザインはスタートするのでIllustratorやPhotoshopを扱える必要すらなくて、別にPowerPointでもデザインは可能です。人に見てもらうことを前提として、きちんと伝わるように情報設計するのがデザインの大半なんです。

デザインに対する認識の違いによって、周囲から求められているデザイナー像とデザイナー自身が描いているデザイナー像、そして実態としてデザイナーに求められるべき内容にズレが生じます。その結果、新しくデザイン組織を立ち上げようと思うと一人目のデザイナーの採用難易度が非常に高くなる。何を言われるかわからないので入るのに勇気がいるからです。求められている能力も実力もマッチしているのに、なかなか飛び込んでいけないというジレンマがある気がします。

デザイナーの重要性を示すためには経営への参入が一番の近道

質問者: 日本でのデザイナーのプライオリティを高めていくためにはどういった武器が効果的だと思いますか?

岡:結果を出すことでしょうか(笑)。

赤坂:FLEXYさんがこういったデザイナー向けのイベントをどんどん開催して、デザイナーの重要性を日本に示していくしかないと思います(笑)。

とはいえ、各社ではCDO※ としてデザイナーを経営に参加させる動きも増えてきているんですよね。特にベンチャー企業の若い社長に多いです。すでにデザイナーのプライオリティを高めるために頑張っている方々が大勢いるので、今後日本におけるデザイナーの価値や重要性はより広まっていくと思いますよ。

※CDO = chief design officer(チーフ・デザイン・オフィサー)、最高デザイン責任者のことで、会社における経営幹部のポジションの一つ。

井上:ただCTOのいないベンチャー企業はほとんどありませんが、CDOがいるベンチャーはまだ珍しいですよね。経営参入しているデザイナーが少なすぎるので、岡さんがおっしゃった「結果を出す」というのは、まさにデザイナーが結果を出して経営をやるべきだということだと思います。

岡:「経営層がデザインを理解してくれない」と言っているだけでは恐らく一生理解してくれませんから、理解してくれる場所まで自分たちが移動したほうが早いですよね。デザイナーが経営のことを理解すれば対等に会話ができますし、相手も受け入れてくれると思います。

赤坂:デザイナーが経営に関わるにしても何をすればいいのか、思考や動き方に関する部分が次の良いお題ですね。

井上:次回のテーマが決まりましたね。

赤坂:経営といっても、単純に「社長と議論を交わせるレベルになりましょう」という話では全くありません。大切なのは、共通言語を使って営業など他部門の人たちとプロダクトの売上を伸ばすための会話ができるようになることです。

そこから経営の解像度を上げていけばデザイナー自身の視野が広がり、経営層とも会話ができる、あるいは経営層の考えに対する気付きが得られるという部分につながるはずです。

岡:「チーフ」という言葉がつくということは、結局「私はこの会社で一番この領域についてわかっているし行動している」と言えるということなんですよね。デザイナーが何をする人なのか、会社の中に定義を作ることになるのだと思います。

編集部記ーー 貴重なお話し、有り難うございました!

ご登壇者プロフィール

●合同会社EXNOA PFデザインマネージャー 赤坂 幸雄さん
2000年に合同会社DMM.comにてデザイン組織の立ち上げを行い様々なプロジェクトに参加。その後組織デザインや評価システムの策定、教育、採用、クリエイティブの品質管理を行い、デザイン統括からクリエイティブ担当の取締役を経て、現在はDMMグループの合同会社EXNOAのデザイン部門を担当。
●フリーランス/デザイン顧問 井上 大器さん
デザイナー歴約20年。DTPデザイン、webデザイン、 広告クリエイティブ、映像、IA/UX設計、UIデザインまで一通りのデザイン制作の他、ITメガベンチャー企業でのマネージメント経験、スタートアップ企業でのプロダクト開発統括/マーケティング統括を経験。 デザインやプロダクト開発を軸とした「共創型のプロダクト開発と体験デザイン」を得意とする。 現在は、「デザインを経営資産にする」を目標に、ベンチャーやスタートアップ企業への開発組織の組成/採用、デザイン組織設計のコンサルテーションや体験設計の組織浸透、プロダクトマネージャーとして開発推進など、一部上場企業やスタートアップなど6社のアドバイザリーを行っている。
●株式会社ポップインサイト CX/UXストラテジスト 岡 昌樹さん
1980年生まれ。モバイルコンテンツプロバイダーのエンジニアとして数々のモバイル向け公式サイトの立ち上げ後、2008年 Yahoo! JAPANに入社。Yahoo! JAPANトップページのアプリ責任者や全社のモバイル戦略などを担当し、スマホシフトを成功へと導いた。2016年 KDDI株式会社バリュー事業本部担当部長として入社、UX戦略を担当。全社のアプリの利用者数を、2年半で4倍に成長させた。2018年 medibaのCXO(Chief eXperience Officer)に就任し、さまざまなメディアやコンテンツのCX/UXを統括。2020年 ポップインサイトのCX/UXストラテジストに就任。

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