Django(ジャンゴ)徹底解説|特徴をもとにメリットや使うとできることを紹介

フリーランスエンジニアに注目されるPython製WebフレームワークがDjango(ジャンゴ)です。大規模なWebサービスでも採用され、高い将来性をもつ高機能な技術スタックとして注目されています。
Djangoの特徴やメリット、開発手法を解説し、基礎から実践的な活用法まで、幅広く紹介します。
目次
Django(ジャンゴ)とはPythonで実装されたオープンソースのフレームワーク
Django(ジャンゴ)は、Pythonで開発された高性能なWebフレームワークです。InstagramやYouTubeなど、世界的な大規模サービスで採用されている実績が、その信頼性を証明しています。
このフレームワークはオープンソースで提供されているため、個人利用から企業の商用利用まで、完全無料で利用できます。「Don’t Repeat Yourself(DRY)」の設計思想をコンセプトに、開発者の生産性を最大限に高められるよう設計されています。
MVTアーキテクチャを採用し、データベース操作やユーザー認証など、Webアプリケーションに必要な機能が揃っているため、すぐに開発を始められます。また、豊富なサードパーティライブラリが利用可能で、柔軟な拡張性も特徴の一つです。
ただし、Djangoを扱うには専門的な知識が必要であるため、Python未経験者にはややハードルが高い点が課題です。
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Django(ジャンゴ)を使用する5つのメリット
Djangoは、効率的な開発とサービスの安定運用を実現するさまざまな機能を備えています。特に大規模なWebアプリケーション開発において、以下のような優れた特長があります。
- フルスタックWebフレームワーク
- 動作が軽量・高速
- 高セキュリティ
- MTVモデルでのアプリ開発
- 学習コストの抑制
フルスタックWebフレームワーク
Djangoの最大の特長は、Webアプリケーション開発に必要な機能があらかじめ実装されている点です。データベース操作、ユーザー認証、管理画面など、基本的な機能が組み込まれているため、開発者はビジネスロジックの実装に注力できます。特に、ORM(Object-Relational Mapping)の実装により、SQLを直接記述せずにデータベース操作が可能です。
また、Djangoの管理画面には、データベースの内容を簡単に確認・編集できるインターフェースが用意されています。この機能は、開発者によるデータ管理だけでなく、システム管理者向けの運用ツールとしても活用できます。
動作が軽量・高速
Djangoは分散型キャッシュシステムであるMemcached(メムキャッシュディー)を利用することで、高速な動作を実現しています。この特長により、大規模なWebサービスにおいても快適なレスポンスを維持することが可能です。
高セキュリティ
Djangoは、クロスサイトスクリプティング(XSS)、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)、SQLインジェクションなど、Webアプリケーションにおける一般的な脆弱性に対応する強力なセキュリティ機能を備えています。具体的には、入力値の自動エスケープ、セッション管理の厳格化、CSRFトークンの自動生成など、多層的なセキュリティ対策が施されています。
これらの機能により、安全性の高いWebアプリケーションを構築することが可能です。また、InstagramやYouTubeといった大規模なサービスでも採用されていることが、この信頼性を裏付けています。
MTVモデルでのアプリ開発
DjangoではMTVモデルを採用しており、アプリケーションの機能をModel(データ管理)、Template(画面表示)、View(ビジネスロジック)の3つに分離します。それぞれの役割は以下のとおりです。
- Model:データベースとの連携やデータの操作を担当し、ビジネスロジックに関連するデータの保存・更新・削除を実行
- View:ユーザーからのリクエストを受け取り、適切な処理を実行してTemplateに必要なデータを渡す
- Template::Viewから受け取ったデータを用いてHTMLを生成し、ユーザーに表示する画面を作成
この役割分担により、それぞれの機能に集中して開発できるため、コードの可読性が向上し、保守性も高まります。例えば、画面デザインの変更はTemplateのみ、データベース構造の変更はModelのみを修正すれば済むため、他のコードに影響を与えることなく柔軟な対応が可能です。
学習コストの抑制
Djangoは、多種多様なオンライン学習リソースやコミュニティの存在により、学習コストを大幅に抑えられます。動画チュートリアルやサンプルコードを参考にしながら、初心者でも比較的短期間でDjangoの基礎を習得可能です。また、体系的な学習ロードマップに沿って学習を進めることで、効率のよいスキルアップが見込めます。さらに、無料のオンライン講座やコミュニティが充実し、自分に合った学習スタイルでDjangoを学べるのも魅力です。
Django(ジャンゴ)の将来性
Django関連の案件数は年々増加傾向です。特にAIや機械学習分野との親和性の高さから、今後さらに需要が拡大するでしょう。PythonがAIや機械学習の主要言語として定着しているため、DjangoはAIサービスのバックエンド開発において重要な役割を果たしています。
市場の動向を見ても、PythonとDjangoの需要は確実に伸びており、「AIチャットボットのバックエンド開発」や「機械学習モデルを活用した予測システムの開発」といった案件が豊富に存在しています。これらのプロジェクトは高単価が見込まれ、フリーランスエンジニアの案件においても、Djangoエンジニアが高い需要を誇っているのが現状です。
このように、Djangoは現在の技術トレンドにおいて欠かせない存在であり、その将来性は非常に明るい予測されます。
Django(ジャンゴ)でできること
Djangoは、非常に高い柔軟性と効率性を活かし、幅広い用途で活用されています。以下では、具体的にDjangoでできることについて紹介します。
- Webアプリ開発
- WebAPIの開発
Webアプリ開発
Djangoを使用すると、InstagramやYouTubeのようなSNS、ECサイト、ニュースサイトなど、さまざまな種類のWebアプリケーションを開発できます。Djangoは管理画面やユーザー認証機能といった基本的な機能を標準搭載しているため、開発者はコア機能の設計や実装に専念でき、効率的な開発が可能です。
WebAPIの開発
Djangoでは、API(Application Programming Interface)の開発も可能です。APIとは、Webサービス間の連携を支える重要なインターフェースです。Djangoの「Django REST framework」は、RESTful APIを簡単かつ効率的に構築するためのライブラリを提供します。
Django REST frameworkでは、認証、パーミッション、スロットリング(リクエスト制限)、フィルタリング、ページネーションなど、API開発に必要な基本機能が備わっています。また、Browsable APIと呼ばれる、Webブラウザ上でAPIをテストできるインターフェースが用意されているため、開発効率やデバッグ作業を大幅に向上させることが可能です。
Django(ジャンゴ)を使用した開発の進め方
Djangoは、基本的な環境構築を整えるだけで、すぐにWebアプリケーション開発を開始できる便利なフレームワークです。以下では、環境構築のための5つのステップを、順を追って紹介します。
- Python開発環境を用意する
- pipをインストールする
- 仮想環境を作成する
- Djangoをインストールする
- 動作確認を行う
1.Python開発環境を用意する
Python公式サイトから最新のPythonをダウンロードし、インストールします。Django開発にはPython 3.x系が推奨されており、最新の安定版を使用するのが理想的です。インストール時には、環境変数にパスを設定すること(「Add Python3.x to PATH」にチェックを入れる)も忘れずに行いましょう。
2.pipをインストールする
Pythonにはパッケージ管理ツールである「pip」が付属しています。Pythonをインストールした後、pipを最新版にアップデートしましょう。pipを使用することで、Djangoをはじめとする必要なライブラリを簡単にインストール・管理できます。また、依存関係の解決も自動で行われるため、効率的な開発環境の構築が可能です。
3.仮想環境を作成する
次に、Pythonの標準ライブラリである「venv」を使用して、プロジェクト専用の仮想環境をコマンドプロンプトで作成します。仮想環境の使用により、プロジェクトごとに異なるライブラリやそのバージョンを管理でき、依存関係の競合を防げます。
4.Djangoをインストールする
仮想環境を有効化した状態で、pipを使ってDjangoをインストールします。最新の安定版を利用することで、セキュリティ対策やバグ修正が適用され、より安全で快適な開発環境を整えることが可能です。また、プロジェクトで使用するパッケージやバージョンをrequirements.txtファイルに記録しておくと、環境の再現やチーム間の共有がスムーズに行えます。
5.動作確認を行う
コマンドプロンプトでDjangoのバージョン確認コマンドを実行して、正しくインストールされているか確認します。その後、開発用サーバを起動して、ブラウザで動作をチェックしましょう。また、Django管理画面にアクセスできるよう設定を行い、データベースの初期設定も忘れずに実施してください。
Django(ジャンゴ)の学習方法
Djangoの学習方法には、さまざまな方法があります。自身の経験レベルや学習スタイル、目標に合致した最適な方法を選択しましょう。
- 書籍・学習サイトなどを使用する
- プログラミングスクールで学ぶ
- 実際の案件に参画する
書籍・学習サイトなどを使用する
Djangoの公式ドキュメントは、学習において最も信頼性の高い情報源です。基本的な概念、データベース設計、セキュリティ対策といった幅広い知識を得られるだけでなく、公式チュートリアルを通じて実際のプロジェクト開発の流れを学べます。初学者にもわかりやすく構成されており、基礎固めに最適です。
また、UdemyやProgateなどのオンライン学習プラットフォームでは、ハンズオン形式の講座が用意されています。これらの講座では、動画での解説に加えて実際のコーディング演習も行えるため、効率的に学習できます。
プログラミングスクールで学ぶ
プログラミングスクールは、Djangoを体系的に学ぶための効果的な方法の一つです。経験豊富な講師による指導のもと、基礎から実践的な開発スキルまでを短期間で効率的に習得できます。特に初心者の方にとっては、独学では乗り越えにくい壁をサポート付きで克服できる点が大きなメリットです。また、他の受講生との交流を通じて学習のモチベーションを維持できる点も魅力です。
ただし、オンライン学習や書籍と比較して費用がかかるため、その点を考慮しながら選択する必要があります。コストを許容できる場合、プログラミングスクールは非常に高い費用対効果を発揮します。
実際の案件に参画する
すでにDjangoに関する知識やスキルがある場合、実務での案件に参画することは非常に効果的な学習方法です。実際の開発現場で経験を積むことで、コード品質管理やチーム開発の手法、本番環境での運用ノウハウなど、実務ならではのスキルを習得できます。さらに、プロジェクトマネジメントやコミュニケーションスキルといった、技術以外の能力向上も期待できます。
案件を探す際は、マッチングサービスや人材サービスを活用すると効率的です。フリーランスエンジニア向けのハイスキルなプロ人材サービス「FLEXY(フレキシー)」では、大企業からスタートアップまで多様な案件を掲載しており、さまざまな規模や要件に応じた案件が見つかります。Djangoのフリーランス案件情報をお求めの方は、ぜひご活用ください。
Django(ジャンゴ)を使いこなして多くの案件に参加しよう
Djangoは、その高い信頼性から多くの開発現場で採用されているフレームワークです。大規模なWebサービス開発に対応できるだけでなく、今後のAIや機械学習分野での需要拡大に伴い、さらなる市場価値の向上が期待されています。
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