Typescriptとは？JavaScriptとの違いや将来性
Web開発の分野で、JavaScriptに代わる言語として影響力を増しているのがTypeScriptです。本記事ではTypeScriptの基礎知識をはじめ、JavaScriptとの違い、特有のメリット・デメリット、そしてTypeScriptエンジニアの収入や副業案件の参考例などを紹介します。
目次
Typescriptとは？
TypeScriptは、Microsoft社がオープンソースで開発したプログラミング言語です。ベースにJavaScriptを使いつつ、その後継的な言語として開発されました。
JavaScriptはWeb開発において最もよく利用される言語のひとつですが、バグが生じやすいという課題も有しています。TypeScriptはこうした問題を解消するように設計されており、Googleのフレームワークにも採用されるなど高い信頼性を誇っています。
Typescriptの特長・何ができるか
TypeScriptの大きな特長は「静的型付け」を採用していることです。これによりJavaScriptに比べて格段に動作の安定性が増しており、大規模なシステム開発にも安心して利用可能です。
さらに、TypeScriptは多種多様な用途で活用されています。もっとも得意とするのはブラウザで動くフロントエンドですが、バックエンドの開発にも対応できます。
このような特長によって、TypeScriptは柔軟かつ高度なWebアプリケーションの開発が可能です。
TypescriptとJavaScriptとの違い
TypeScriptは、簡潔に言えばJavaScriptの上位互換に当たります。では、TypeScriptのどこがどのようにJavaScriptと違い優れているのでしょうか。
データの型付け
JavaScriptが採用しているのは動的型付けです。これは、変数の型が実行時まで確定しないことを意味しており、コードの実行時までエラーの有無がわからないという特性に繋がっています。この型付け方式が原因で、JavaScriptにバグが多発していました。
これに対して、TypeScriptでは静的型付けを採用することで、コードを実行する前、コンパイルの段階でエラーの検出ができるように改良されました。これによって、プログラムの動作がより安定します。
プログラムの互換性
TypeScriptの使いやすさに大きく関わる部分として、JavaScriptの基本的な構文や機能をサポートしている点が挙げられます。この互換性によって、両者は同様の構文が使用できます。そのためJavaScriptに触れた経験がある人にとって、非常に学びやすい言語です。
このようにTypeScriptは、基本部分ではJavaScriptとの共通性を保持しつつ、その堅牢性が非常に高まっているのが大きな違いです。
TypescriptとReactとの関係
近年、フロントエンド開発においては、ReactとTypeScriptを組み合わせて使うことが増えています。ReactとはUIの構築に秀でたJavaScriptライブラリであり、Meta社によって開発されました。シングルページアプリケーション（SPA）をはじめ、フロントエンドを容易に構築できるので、求人募集などでもReactを扱えるエンジニアの需要は高まっています。
元々はJavaScript向けに開発されたReactですが、TypeScriptにも対応可能です。先述の通り、静的型付けを採用するTypeScriptはバグを早期検出するのが得意なので、Reactの記述にTypeScriptを使うと効率的かつ品質を保って開発を進めやすくなります。
Reactをこれから学ぶ方は、React入門と題してReactをどのように学ぶべきかや躓きやすいポイントをフロントエンドのプロが解説している記事もご覧ください。
Typescriptの将来性
エンジニアとしてキャリアを積んでいくなら、学習する言語は将来的にも需要の高い種類を厳選したいところです。その点、TypeScriptは将来性が高い言語です。
まず、現代はスマートフォンやインターネットの普及が著しく、これに伴いWebアプリケーションやモバイルアプリケーション開発の需要が高まっています。こうした市場全体の流れの中、既存の人気言語であるJavaScriptの後継として現れたTypeScriptには多くの期待が集まっています。
ビッグテックのひとつであるGoogle社が、TypeScriptを社内の開発標準言語として採用したのは、まさにその証左です。これまではJavaScriptを使っていた企業も、最近ではその互換性の高さもあってTypeScriptへ移行するケースが増えています。こうした点を総合的に考えると、今後もその存在感を増していくことが予想されます。
Typescriptのメリット・デメリット
TypescriptにはメリットとしてJavaScriptとの互換性がある一方で、新しい言語のため情報が少ないというデメリットもあります。ここでは、Typescriptのメリット・デメリットについて詳しく紹介します。
Typescriptのメリット
この言語の将来性の高さは、以下のようなメリットをもっていることと深く関係しています。
JavaScriptと互換性がある
第一に挙げられるのが、JavaScriptとの互換性です。ベースはJavaScriptなので、JavaScript用の開発環境をそのまま利用可能です。すでに完成しているJavaScriptのファイルも、TypeScript内で呼び出しや利用ができます。この互換性の高さは、既存のシステムとの連携や移行時に非常に役立ちます。
コードが短く可読性が高い
コードの可読性の高さも魅力です。JavaScriptと比較すると、同じ処理を実現する場合でも、よりコンパクトで読み手に優しいコードにできるため、バグの発見や修正の容易さにつながります。
エラーやバグを防止しやすい
TypeScriptが採用している静的型付けは、コンパイル時にエラーを発見するメカニズムとして働きます。これにより、可読性の高さも相まって、アプリケーションのリリース前に多くのエラーやバグを事前に発見・修正できます。こうした特性が、保守性の向上という長期的な利点にもつながることもメリットです。
JavaScriptの知識があれば覚えやすい
新しい言語を使いこなせるようになるまでには、往々にして多くの時間と労力を要します。しかし、JavaScriptの基本知識を持っている開発者にとって、習得にかかる労苦は比較的小さなものです。多忙なエンジニアにとって、この学習コストの低さは大きなメリットのひとつです。
Typescriptのデメリット
上記のようなメリットがある一方で、以下の点にも注意することが重要です。
現時点では情報がまだ少ない
TypeScriptはまだ新しい言語であるため、情報の量は他の伝統的な言語と比べて少ないのが実情です。特に日本語の情報やドキュメントが不足しているため、何らかのエラーに遭遇した際、その解決策を探るのが難しくなる恐れがあります。
JavaScriptの知識が必要である
JavaScriptの知識があると学ぶのは比較的容易ですが、一方でJavaScriptの知識を全く持たない初心者が始める場合、2つの言語の特性や違いを学ぶ必要があるため、学習のハードルが高いと感じるかもしれません。
Typescriptエンジニアの収入や案件単価
TypeScriptエンジニアとしてのキャリアを考えている方にとって、その収入や案件単価がどれくらいなのかは無視できない要素です。では、具体的にどのくらいの収入を期待できるのでしょうか。FLEXYで取り扱っているTypescriptの知見を活かせる案件とともに紹介します。
Typescriptエンジニアの年収・月収
ITエンジニア向けのプラットフォーム「paiza」が2022年に公表したデータによると、TypeScriptエンジニアとして転職した場合の平均年収は、約667万円という結果でした。これを単純に12カ月で割った場合、月収は約56万円です。
JavaScriptエンジニアの年収は600万程度とされているため、年収の面でもTypeScriptがJavaScriptの水準を上回っています。
また、この調査でTypeScriptよりも高い年収が得られる言語はScalaだけであり、TypeScriptエンジニアの希少性と需要の高さを示しています。詳しくは後述しますが、フリーランスで働く場合はより高い収入も期待できます。
出典：「プログラミング言語に関する調査（2022年版）」の結果を発表。平均年収が高い言語、転職で企業ニーズが高い言語など | paiza株式会社
フリーランスの方は、FLEXYにご登録いただくと、案件を紹介することが可能です。週3日稼働や100万円/月などの希望に沿った案件を専任のコンサルタントが紹介しますので、ぜひFLEXYに登録してご相談ください。
Typescriptエンジニアの案件単価
企業規模や実務経験年数によって変わりますが、TypeScriptエンジニアの案件単価は、40～85万円が一般的です。
出典：フリーランスのTypeScript案件って稼げるの？ | エミリーエンジニア,
フリーランスのTypeScriptエンジニアの平均単価や相場感・TypeScript案件の現状と将来性・探し方 ｜ 案件評判
「フリーランススタート」のデータによると、フリーランスで働くTypeScriptエンジニアの案件単価（月額）は平均値・中央値の両方で約70万円です。
出典：TypeScriptのフリーランス求人・案件 月額単価相場｜フリーランススタート
TypeScriptの案件数は増加傾向にあるので、たとえ実務年数が短くても経験次第では単価が高くなる可能性があります。順調に経験を積みながら案件を継続受注できれば、平均的な正社員のTypeScriptエンジニア（約667万円）よりも高い年収が期待できます。
JavaScriptフリーランスエンジニアの案件単価の平均は67万円のため、TypeScriptエンジニアの案件単価は比較的高い傾向です。さらにTypeScriptエンジニアは、JavaScriptの知識も自ずと身に付けることになるので、状況に応じてJavaScriptの案件を獲得しやすいことも安定収入を確保する上での安心材料です。
JavaScriptエンジニアの単価相場や年収についても詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
Typescriptの副業求人例
TypeScriptエンジニアの求人の中には、副業として受けられる案件も少なくありません。以下ではその参考例として、FLEXYに掲載されている副業案件を紹介します。
【TypeScript/React】サービスのフロントエンド開発支援
最初に紹介する案件は、製造業界でサービスを提供する企業のフロントエンド開発支援です。具体的にはWebフロントエンドの設計・実装や、UI改善策の策定・実装などが主な業務内容とされています。
■案件概要
- 職種：フロントエンジニア
- 稼働日数：週3〜5日
- 報酬：〜70万円／月
- リモート：可
■業務内容
- オペレーションチームや、顧客、サプライパートナーの利用するシステムのWebフロントエンドの設計、実装
- ビジネス側とのすり合わせを元にしたUI/UXの改善案の策定、実装
■必須要件
- TypeScriptによる開発経験
- React、Next.js などのフロントエンドフレームワークを利用した開発経験
- 顧客やユーザーに最適化されたUI/UXをヒアリング・仮説検証する能力
- Git/GitHubを利用したチーム開発スキル
【TypeScript】医療関連サービスを提供する企業でプロダクトの開発支援
次に紹介するのは、医療関連サービスを提供する企業のプロダクト開発支援です。TypeScriptでの開発経験を必須としており、業務内容も要件定義から開発までと幅広いものの、フルリモートやビジネスタイム外での勤務が可能で、柔軟な働き方が実現できます。
■案件概要
- 職種：フロントエンジニア
- 稼働日数：週3〜5日
- 報酬：〜80万円／月
- リモート：可
■業務内容
- プランナー（PdM）と連携して要件定義〜開発業務支援
■必須要件
- TypeScriptでの開発経験
FLEXYにご登録いただくと、本記事で紹介した案件以外にも専任のコンサルタントがご希望や状況に合った案件をお探しすることが可能です。ぜひFLEXYに登録してご確認ください。
Typescriptの学習方法
Typescriptの学習方法は多岐にわたります。初心者から上級者まで、それぞれのレベルやニーズに応じて、以下のような選択肢の中から最適な学習方法を選択できます。
- 公式チュートリアルを活用：
TypeScriptの公式ドキュメントやチュートリアルは、基本的な知識を理解するのに適しており、学習を始めるにあたって最も手軽で確実な方法 - 本を読む：
さまざまなTypeScriptの参考書がすでに出版されています。初心者向けから上級者向けまで、自分のレベルにあわせて選ぶことが可能 - オンラインスクールに通う：
オンラインでのプログラミングスクールやコースに通うことも一案です。独学で学ぶのに不安がある場合、講師の助言やサポートを得られる
Typescript案件の見つけ方
TypeScriptエンジニアとして独立したり、副業をしたりする場合、どのように案件を獲得すればいいのでしょうか。以下ではその方法を解説します。
知人・友人に紹介してもらう
エンジニアとしての経験や人脈があるなら、まずは知人や友人に仕事を紹介してもらえないか尋ねてみましょう。場合によっては、求人サイトには掲載されていない好条件の案件を紹介してもらえることもあります。
クラウドソーシングサービスを使う
最近では、クラウドソーシングサービスを通じて、さまざまなプロジェクトや案件を見つけることが可能です。手数料が発生することもありますが、クラウドソーシングではさまざまな企業が人材を求めているので、たとえ実務経験が少なくても条件に合致した案件を獲得できる可能性があります。
人材サービスや副業エージェントに登録する
専門的なスキルをもつエンジニアの需要は高いので、人材サービスや副業エージェントなどを利用して案件を獲得する方法も非常に有効です。これらのサービス業者の仲介を受けることで、自分のスキルや経験、条件に適した案件を得やすくなります。
エージェントに登録する場合は、FLEXYサービスがおすすめです。FLEXYでは、Typescriptの知見が活かせる案件を多数取り扱っており、専任のコンサルタントが希望に沿って案件を紹介します。エージェントに登録するか悩んでいる方は、ぜひFLEXYのサービスをご確認ください。
まとめ
JavaScriptの後継的な位置づけであるTypeScriptは、将来的にも高い需要の見込める開発言語です。特に、JavaScriptの経験がある方にとっては学習のハードルが低く、高単価の案件も期待できます。たとえ未経験の方でも、使い勝手や将来性の高さを考えれば学ぶ価値があります。本記事を参考に、ぜひTypeScriptエンジニアとしてキャリアを築いていくことを考えてみてはいかがでしょうか。
