【アスクル社エンジニア組織に迫る】2名のKotlin技術顧問が行った具体的な支援とは?
※本記事は2021年9月にインタビューを実施し、公開された内容です。
BtoB(事業所)向け通販事業「ASKUL」を展開しているアスクル株式会社。仕入れから配送までを一気通貫で行う同社は6年前からエンジニア組織の内製化を徐々にスタートしており、今回はASKULサイトの大規模リニューアルを行うことになりました。
その際、FLEXY経由でKotlinの技術顧問としてジョインしたのが、Kotlinの書籍でも著名な長澤太郎さんと竹端尚人さんです。
お二人がどのようにアスクル社を支援しているのかについて、エンジニアリングマネージャーの小谷侑哉さんにアスクル社エンジニア組織の概要も含めてお伺いしました。
目次
ソフトウェアの品質向上を目指して著名なKotlinの技術顧問を2名採用
アスクル株式会社 エンジニアリングマネージャー 小谷 侑哉 氏
-今回、Kotlinの技術顧問として長澤さんと竹端さんがジョインされていますが、どのような背景があったのでしょうか?
アスクル株式会社 エンジニアリングマネージャー 小谷 侑哉氏 (以下、小谷):
現在当社は、BtoB事業である「ASKUL」の大規模なサイトリニューアルプロジェクトを進行中です。
サーバーサイドはKotlinにリプレイスすることになったのですが、Kotlinを使いこなせるエンジニアが非常に少なくて。開発されたものを社内の有識者たちがチェックしたところ、サービスとしてはきちんと動くけれど、ソフトウェアの品質のアップデートが必要な状態だとわかりました。
このままサービスをリリースしても、改修やメンテナンスがしづらい複雑なコードになってしまうということで、コードの品質向上を指導してくれるような技術顧問を求めていました。
-FLEXYを知ったのはどんなきっかけですか?
小谷:
Zホールディングスグループ内のCTOに相談したところ、FLEXYを紹介していただきました。FLEXYのコンサルタントである野谷さんに課題をお伝えしたら本当に素早く動いてくれて、わずか2~3週間程度で技術顧問を2名も迎え入れることができました。
野谷さんに初めてお会いしたその日には長澤さんを紹介され、2日後には面談が組まれていたほどのスピード感です。本当に助かりました。
Kotlin界では知らない人はいないほどの著名な方をピックアップいただきましたので、そのまま即決でしたね。
-最初から技術顧問で2名迎え入れようと決めていたのでしょうか?
小谷:
いえ、特には決めていませんでした。ただ、品質向上を達成するために技術顧問の方にお手伝いいただく時間を少しでも多く確保したかったため、2名体制で動いてもらうことにしました。
FLEXYからご紹介したポジション | 技術顧問 |
---|---|
紹介当時のエンジニア組織フェーズ | BtoB事業におけるエンジニア組織の内製化が進み、自社でECサイトの大規模リニューアルも手掛ける中、さらに開発の品質を高めていく段階 |
募集背景 | Kotlinに習熟しているエンジニアが少なかったため、コード品質向上についてアドバイスをしてくれるエキスパートを求めていた |
豊富な知識に基づいたコードレビューでメンバーの士気も向上
-技術顧問のお二人との業務の進め方を教えてください。
小谷:
技術顧問のお二人には、社内の開発メンバーが作ったプログラムをコードレビューしてもらっています。
見てもらいたいコードレビューリストを蓄積しておいて、お二人のご都合の良い時間にそれをご確認いただく形です。Slackやプルリクエストのコメントなどが基本的なコミュニケーションツールになっています。
-技術顧問がジョインするのは初めてということですが、実際に支援が始まってみていかがですか?
小谷:
今回のリニューアルプロジェクトのために15名ほどの品質向上部隊を作ったのですが、長澤さんと竹端さんがみんなをオンライン上でリードしてくれています。
お二人は知識が豊富なので、そういう人たちから直接コードに対してコメントをもらえることで、最初に課題としていた品質も向上してきましたし、メンバーもやりがいを感じています。
保守性が高く無駄のない美しいコードを書けるのがKotlinの魅力
-今回のサイトリニューアルでKotlinを選んだ理由を教えてください。
小谷:
まず名前の響きが可愛いですね(笑)。Kotlinを導入したのは本プロジェクトが初めてというわけではなく、もともと3年前に弊社のBtoC事業である個人向けインターネット通販事業「LOHACO」で使った経験がありました。
その当時、Kotlinが話題になっていましたので、エンジニアたちの間で「面白そうだから使ってみよう」ということになったんです。実際に開発をしてみると保守性が良かったり綺麗なコードが書けたりといろいろなメリットがあったので、今ではアスクルで新しいプロダクトを作るときは基本的にサーバサイドKotlinを選ぶ方針になっています。
Kotlinは言語として非常に優秀です。もともとはJavaから派生して生まれた言語ですが、JavaのエンジニアがKotlinを使うと、よく「Javaに戻れなくなる」と言うくらい、綺麗に書けて見やすく、かゆいところに手が届く言語です。
また、『Kotlinイン・アクション』や俗に言う赤べこ本(Kotlinスタートブック)・黒べこ本(Kotlin Webアプリケーション)といった既存の参考書がよくまとまっていますので、書籍を読めばKotlinの理解はかなり進みます。Kotlinは世に出て日の浅い言語ということもあり、キャッチアップは楽だと思いますよ。
完全外注から1年半かけて自走できるエンジニア組織づくりに成功
-アスクルのエンジニア組織自体は、これまで外注だったところから内製化しているとお伺いしていますが、どのような経緯があったのでしょうか?
小谷:
アスクルがエンジニア組織の内製化を決めたのは6年前です。開発や社内のコミュニケーションのスピードをもっと速めたいという意図で、LOHACOの開発の内製化をスタートしました。
BtoCの内製組織が上手く立ち上がったことを受けて、今度はBtoBの領域も内製化にシフトしようとしているところです。ASKUL自体は1年半前までは全て外注で開発していました。
-エンジニア組織にはどんなメンバーが集まっていますか?
小谷:
ビジネスサイドから言われたことをやるのではなく、自分たちで考えて作っていかなければいけないので、能動的に動いて自走できる人が多いです。コミュニケーションをしっかり取れるメンバーたちですよ。
-BtoBとBtoCのサービスでは、開発する際に何か違いはあるのでしょうか?
小谷:
BtoCのECサイトでは、お客様になるべくいろんな商品を選んでもらい、たくさん購入していただきたいという思いがあります。
一方でBtoBのECサイトを利用するお客様は仕事で買い物をしているので、長時間サイトに滞在させるわけにはいきません。お客様が必要としているものをなるべく早く見つけてもらい、購入にまで持っていくことがコンセプトになります。そこが一番大きな違いです。
BtoBでは、890万点を超える商品の中からお客様に合った商品をご提案するために、One to Oneのパーソナライズに力を入れています。
すでに完成度の高いサイトをさらに強化。最強のECサイトを目指す
-BtoBのエンジニア組織内製化というフェーズにおいて、今後どんな組織づくりをしたいとお考えですか?
小谷:
まず、今リニューアルしているBtoBのサイト開発においては、「最強のECサイトを作ろう」というスローガンを掲げています。
ASKULはBtoBのECサイトの中でも多くのお客様にご利用いただいていますし、顧客満足度も高くご支持いただいているサービスです。
これを内製エンジニア主体でより強化していきたいという思いがあるのです。お客様のために最強のサイトを作りたいと思う人は一緒に働いたら楽しいと思いますし、私自身もそういう人たちがいる組織を作っていきたいです。
-最後に、アスクルで働くやりがいについても教えてください。
小谷:
アスクルはECサイトで物を売るだけではなく、お客様に買っていただいた商品を配送するところまでを全て自社で行っています。売って終わりではなく、お客様に届けるラストワンマイルまでが仕事なので、そこが一番のやりがいですね。
FLEXYのご紹介
FLEXYは、エンジニア、技術顧問、CTO、デザイナーの方向けに案件をご紹介するサービスです。
リモートワークや週1-5日、高単価案件など、ご希望に合った案件をご紹介いたしますので、是非お気軽にご相談ください。
Kotlin関連の案件のご紹介
ここからはFLEXYでお取り扱いしているKotlin関連の求人案件の一部をご紹介いたします。こちらでご紹介している案件以外にも多数取り揃えていますので、お気軽にご連絡ください。
【Kotlin】電動アシスト自転車のシェアサービスを提供する企業でAndroidネイティブアプリ開発支援(フルリモート可)
IoTデバイス、ハードウェアを通じて現実世界と繋がるブロダクト開発の経験ができます。 業務委託も社員もフルフレックス、フルリモートで活動しており、開発組織としてもコミュニケーションの柔らかい方が多い印象です。交通インフラとして「21世紀のJR」にするというビジョンに共感し、サービス拡張を続けるプロダクトの一助となっていただける方、ぜひご応募お待ちしております。
■案件概要
- 職種:Androidエンジニア
- 稼働日数:週1〜5日、ビジネスタイム以外の空き時間
- 報酬:〜80万円/月
- 勤務地:秋葉原
- リモート:可
■募集背景
2023年7月から、国土交通省道路交通法の改定により、免許なしでのキックボード走行が可能になります。それに伴い、ユーザー数の拡大やユーザー層の変動が見込まれるため、施策やオペレーション改定含め、システム側もより大規模のサービスを捌ける必要があります。上記の理由から、開発体制の強化が必要です。
■業務内容
Androidネイティブアプリの設計・開発をメインに担っていただきます。ご稼働頻度に応じて下記業務のお任せも想定されます。
- 社内向けAndroidアプリ・ツールの開発
- サーバーサイド、IoTチームとの協業を通じたシステムの統合に必要な開発業務
- グロースのための分析業務
- CI/CD、テスト、コードレビュー、QAなど品質担保のための業務
- 企画および機能要件の調整やデザイナー、CS等周辺部署との連携
■必須要件
- 自社プロダクト開発会社におけるAndroidアプリ開発経験(目安3年以上)
- Kotlinが現場前線レベルで書けること
■歓迎要件
- 技術選定およびアーキテクチャ選定を主体的に行えるエンジニアリング的素養と思考力
- 基礎的なプロジェクトマネジメント能力
- iOSアプリ開発経験
- Tech Lead としての技術マネジメント経験
- IoTデバイス・ハードウェアレイヤーに対するgeneralな理解
- Firebase をフルでバックエンドに採用したプロダクト運用経験
案件のご紹介を希望される方は、FLEXYに登録(案件のご紹介)よりご応募ください。
【Kotlin/Java】スマートフォン向けアプリケーションを複数提供する企業でサービスのAndroidアプリ開発支援(フルリモート可)
各専門職(デザイナー・エンジニア・事業開発)のフラットな議論と相互作用により、高いレベルの全体最適を目指せるチームをつくるために、プロデューサーやディレクターといったバランサー的役割を置いていません。また、週1回アイディア研究会といった新規事業創出プロジェクトもあるような、挑戦する機会もたくさんある企業様です。プリダクトの企画〜システムまで自発的に提案をしながらプロダクトを作っていきたい方、ぜひご連絡ください。
■案件概要
- 職種:Androidエンジニア
- 稼働日数:週3〜5日
- 報酬:〜80万円/月
- 勤務地:恵比寿
- リモート:可
■募集背景
以前まではブルーオーシャンだった写真アルバムアプリの市場も、強豪がたくさん出てきています。そこでNo.1シェアをとっていくために、新たな取り組み(機能/サービス)を行う予定です。その中で、既存サービスの開発・運用を担っていただける方を募集します。
■業務内容
サービスのAndroidアプリの開発/保守/運用(Java・Kotlin)
特徴として、開発チームにPMやwebディレクターなどがいないため、チームに在籍するエンジニア/デザイナー/マーケターそれぞれが意見を出し合って協議してプロダクトを作っていき、週4日のdailyミーティングと非同期(Slack)でのコミュニケーションを通して開発を進めていきます。
また、コンテキストが難しいため、最初は週4日ほどご稼働いただき積極的にコミュニケーションをとっていただきたく存じます。
■必須要件
- サービスへの共感
- エンジニアとしての実務経験5年以上
- KotlinとJavaでのネイティブアプリの設計・開発・運用経験
- 自動テストを用いた開発・運用経験
■歓迎要件
- 写真サービスに関わった経験
案件のご紹介を希望される方は、FLEXYに登録(案件のご紹介)よりご応募ください。
【Kotlin】クリエイターのための事業を提供する企業でプロダクトの開発支援(フルリモート可)
クリエイターのための事業を提供する企業です。自社アプリ、特にAndroidアプリの開発に携わっていただけます。
■案件概要
- 職種:Androidエンジニア
- 稼働日数:週3〜5日
- 報酬:〜80万円/月
- 勤務地:北参道
- リモート:可
■業務内容
- 自社プロダクトの新規機能実装・改善
- 自社アプリの品質向上のためのテストやリファクタリング
- チーム外連携による開発・運用
■必須要件
- GitHub等のバージョン管理ツールの使用経験〈 Android 〉
- Kotlinを用いたAndroidアプリの業務開発経験
- Storyboard, Xib, AutoLayout, SizeClassを利用したUI実装の経験
案件のご紹介を希望される方は、FLEXYに登録(案件のご紹介)よりご応募ください。
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企画/編集:FLEXY編集部