業務委託のみのチームでリプレイスを推進!エンタメ業界の最前線を目指すCTOの決断――GENDA

株式会社GENDA CTO 重村裕紀 氏

【エンジニア組織のフェーズ】 エンジニア組織をチーム単位で構築し、内製化を進めていきたいフェーズでした。 【募集背景】 新規開発プロジェクトのチーム体制を構築するため、リーダーを含め開発に必要な全ポジションのエンジニアを求めていました。 【FLEXYからご紹介したポジション】 Android、iOS、サーバーエンジニア(5名)

 

2018年に創業したGENDAは、スタートアップ企業ながら22億円の資金調達やセガエンタテイメント社のグループ会社化を実施するなど、エンタメ業界を牽引する存在として頭角を現しています。

アミューズメント事業ではゲームセンター×ビジネスの観点で、オンラインクレーンゲームをはじめとした新しい娯楽体験を提供中。一方で、CTOの重村さんがジョインするまではエンジニア組織がなく、ゼロから開発の内製化を進めてきた経緯がありました。

そんな中、今回FLEXYから5名稼働したのが会員アプリ「SEGAプラトン」の開発プロジェクトです。業務委託のみで構成されたチームの採用・開発がどのように進められたのか、ぜひご注目ください。また、5GやXRの台頭でゲームチェンジが予想されるエンタメ業界の今後についてもお伺いしています。

完全アウトソースで開発されていたプロダクトを一転、内製化へ

―― 今回、FLEXYを活用いただいた背景について教えてください。

株式会社GENDA CTO 重村裕紀 氏(以下、重村):GENDA自体にはもともと自社エンジニアがおらず、私が2020年10月にジョインしてから各プロダクトに対して一つずつ開発チームを作ってきたような経緯がありました。その中で今回推進しようとしていたのが、スマートフォン会員アプリ「SEGAプラトン」の開発プロジェクトです。

これはGENDA SEGA EntertainmentがGENDAグループ傘下になる以前からGENDA SEGA Entertainmentで運用されていたアプリなのですが、それまでは完全にアウトソースで開発が行われていました。課題点だったのは、ユーザー数が頭打ちになっており、開発スピードやコストも高かったことです。UI/UXも改善の余地がありました。私自身はずっとアプリビジネスをやってきた経験があったので、プラトンに関しても自分のチームを作ることに決めました。

ところが、もともと活用していたフリーランス系のエージェントでは、なかなか良い人材と巡り合うことができませんでした。そんなときに知ったのがFLEXYです。普段から大変お世話になっているCTOの方から紹介してもらいました。

株式会社GENDA CTO 重村裕紀 氏

全ポジションを募集し業務委託のみでチームを新規立ち上げ

―― 開発にあたって必要とするポジションの人材を複数募集したと伺っています。

重村:はい、FLEXYのコンサルタントである野谷さん(※)には、iOS、Android、サーバーサイドエンジニアを紹介してほしいとお願いしました。

業務委託の場合、人材自体はすぐに集まる一方で、能力を見極めるのが難しい点があります。実際、GENDAが手掛けているオンラインクレーン事業でも業務委託でエンジニアを採用したのですが、ミスマッチを発生させてしまいました。スキルというよりも、カルチャーフィットのミスマッチでしたね。

プラトンのプロジェクトはもともと別の会社が運用していたシステムを使う必要がありましたし、チームもゼロからのスタートということで難易度が高く、マッチした人材が見つかるか不安でした。でも、野谷さんが「この人はお勧めですよ」と紹介してくれた方は本当に良い人材ばかりで。採用者が全員定着してくれたことで上手くチーム立ち上げにまで至り、感謝しています。現在はメンバー全員がFLEXYさんからの稼働者という形になっています。

―― 書類審査や面談はどのように進めたのでしょうか?

重村:野谷さんにご相談をしてから実際に候補者の情報をいただいて面談をするまでは、かなり速いスピードで進められました。紹介いただいた方も、一人ひとりのクオリティが高かった印象です。

採用軸の一つに重視したのは、フルリモートの環境でも「自立して開発を進めていただけるかどうか」ということです。私自身が少数精鋭のチームでツーカーなやり取りをするのが好きですし、働き方にも制約を与えたくない気持ちがあったので、必要であれば自発的にコミュニケーションを取って、自由に開発を進めてもらいたいと思っていました。

 

※FLEXYコンサルタント
野谷 勤
株式会社サーキュレーション FLEXYコンサルタント 野谷 勤
大手人材紹介会社出身、自称、日本で1番CTOに会っているコンサルタント。新卒からIT人材サービスに携わり、現在はFLEXYにて数多くの企業とご登録いただくIT分野の専門家を繋いでいます。 CTO、技術顧問、エンジニアのご紹介は、FLEXYまでご相談ください。

週2日の稼働が中心ながら、活性化されたチームでスムーズに開発中

―― 稼働者5名のそれぞれのポジションを教えてください。

重村:ポジションはAndroidが1名、iOSが2名、サーバーサイドが2名です。Androidエンジニアの方は実質的なリーダーのようなポジションで、チームを引っ張ってくれています。

 

FLEXYからご紹介したポジション Android、iOS、サーバーエンジニア(5名)
案件概略 プロダクトのリプレイスおよびUI/UXの改善
期間 3ヶ月
稼働頻度 週2日以上
働き方 リモート

 

―― 現在はフルリモートだそうですが、働き方や仕事の進め方はどう進めいていますか?

重村:メンバーはほとんどが東京在住ですが、大阪の方に1名参画いただいています。どの地域からでも、すごくパフォーマンスを発揮してくれていますよ。基本的に週2日以上の稼働で、1日は平日に動いてもらうようにしています。

業務はJIRAで開発チケットを切って、アサインをしながら進めてもらっています。他に使っているツールはSlackやNotion、Githubなどです。週に1回全員参加のミーティングを行っているほか、日報で進捗を確認します。

ほかのプロジェクトではこういった進め方に加えて1on1も実施しているのですが、FLEXY経由で参画いただいた方々については、1on1は不要ではないかと思うくらいスムーズに開発していただいています。

―― 稼働者の働きぶりについてはどのように感じていますか?

重村:自分からいろいろな発信をしてくれますね。日報でも「ここに技術的負債があるので直しました」と報告をしてくれたり、UIにモーションを加えたことをアニメーション付きで教えてくれることもあります。ほかのエンジニアが困っていたら積極的にサポートを行うなど、チームが活性化されていて非常に助かります。

レガシーなシステムをアーキテクチャレベルでGo言語にリプレイス

―― 今回のプロジェクトを推進するにあたって、工夫した点があれば教えてください。

重村:古いシステムをリプレイスしていることですね。やはり技術的負債を残したまま開発を進めるのはストレスになりますし、人材も集まりにくいということで、思い切ってモダンな構成に変更することにしました。

PHPのレガシーなコードをGo言語に変更して、アーキテクチャレベルからリファクタリングしています。具体的な方向性や進め方などについては業務委託のメンバーに任せているような状態です。

―― Goを選んだのは開発スピード重視ですか?

重村:そうですね、シンプルに書けるので開発スピードが速くなります。あとは単純に、今はPHPよりもGoをやりたい人のほうが多いからです。ボリュームとしてはPythonのほうが有利かもしれませんが、Goの知見を持っている方には優秀なエンジニアが多いのも利点です。Go経験者でゲーム好きな方であればうちの事業はかなりマッチすると思うので、ぜひ来ていただきたいですね。

大容量データを低遅延・同時接続できるようになればエンタメが変わる

―― 重村さんはエンジニア第一号兼CTOとしてジョインされましたが、どのような部分にCTOという役職の面白さを感じますか?

重村:守備範囲がすごく広いところですね。「IT」と名の付く業務は全部CTOに降ってきます。GENDAに入社した当初はオンラインクレーンやプラトンの中期戦略計画を作るところから始まり、エンジニア組織の立ち上げに加え、人事や経理、財務など社内のインフラなどいわゆる情シスの領域に関しても、GENDA SEGA Entertainmentの担当者とゼロから構築しているところです。

―― CTOとしてはどのようなミッションをお持ちなのでしょうか。

重村:GENDA全体のミッションとしては「世界中の人々の人生をより楽しく」を掲げており、世の中の「楽しさの総量」を増やそうとしています。同時に世界一のエンタメ企業を目指すことを標榜しており、テクノロジー部門としてはそのために「エンタメ産業のデジタル化」を推進していきたいと考えています。

ゲームセンターの娯楽施設は機械のメンテナンスやサービス対応、販促施策などが重要になりますが、直感に頼っている部分が多いです。故に、アプリやソーシャルゲームのようにデータドリブンマーケティングの概念を取り込むことで、更に効果的な集客・顧客体験を提供できると考えています。また、そもそも娯楽体験自体がバーチャル化していくと考えています。現にオンラインクレーン事業などは前年同期比で2倍程度の成長を遂げています。

―― エンタメのバーチャル化、時代背景もあり、今後どんどん進んでいきそうですね。

重村:5GやXRの台頭が、一気にゲームチェンジを迎えるポイントかなと思っています。野球観戦や対戦ゲームしかり、エンタメにとってリアルタイム性は非常に重要ですが、4Gだとラグが生まれてしまいます。これが5Gで大容量データを低遅延かつ多数同時接続できるようになれば、エンタメの中でできることもかなり増えるのではないでしょうか。

アナログだったゲームセンターの課題をDXで解決していきたい

――エンタメ業界の変化も踏まえ、今後GENDAが事業としてどのような動きを見せるのか、展望を教えてください。

重村:FLEXYさんのおかげでエンジニアリング組織が強くなってきたので、今後は中長期戦略としてDXをさらに加速できるのではと思っています。現在は経営陣全員とテクノロジーを使って何ができるのかを話し合っているところです。

直近としては、ゲームセンター事業のDXが短期的な成果が出そうです。具体的な計画は現在策定中ですが、ゲームセンターの運営はアナログなオペレーションに頼っている側面があるので、どうしてもお客様に対して常に高いサービスを提供できずに、お客様が離反するケースが発生していると思っています。そのあたりを、テクノロジーの力で検知したり、制御できないかなど考えています。ゲームセンターはリアルに浸透している分、ネットの世界よりもテクノロジーで解決できる課題は多いなと感じます。

企画/編集:FLEXY編集部

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