【CTOインタビュー】マッチングアプリDineのCTOインタビュー、IOTやデータ連携で新たな仕組みを生み出す――Mrk&Co・森岡崇さん

CTO

2015年の創業以来、デーティングアプリ「Dine(ダイン)」を開発運営している株式会社Mrk&Co。

同サービスは「デートにコミットする」というコンセプトで、メッセージを交わし合うことよりも一度デートをすることを重視しています。今回は同社のCTO森岡さんに、独自のUIやアプリと連動している店舗の仕組みなどについて伺いました。

従来のマッチングアプリが持っていた課題を解決したかった

株式会社Mrk&Co CTO 森岡 崇 株式会社Mrk&Co CTO 森岡 崇 さん 東京大学大学院 新領域創設学科卒業後、2009年に株式会社DeNAに入社。2013年同社を退職し独立、2015年7月株式会社Mrk&Coを共同創業。

御社が提供しているデーティングアプリ「Dine」について、サービス概要を教えてください。

森岡:Dineは第3世代のマッチングアプリで、レストランでのファースト・デートにコミットすることをコンセプトとしたサービスです。きちんと人と人とが対面で話し、お互いに理解できる場面を提供するという部分にフォーカスしている点が、従来のサービスとは大きく違います。

従来のマッチングアプリを変えるという思いから生まれたサービスなのでしょうか?

森岡:開発のきっかけは、創業者であるCEOの上條がカナダのゲームスタジオで仕事をしていた頃、なかなか知り合いができにくい環境を体験したことです。彼はそれを機に北米のマッチングサービス事情に精通しました。 もともとアメリカにはOKCupidをはじめとする老舗のオンラインマッチングサイトが存在していました。これを最初の世代だとすると、次に登場したのがTinderです。これが世界的に大流行しました。 ただ、こういったアプリの課題は、マッチングしてもメッセージをやりとりする大変さがあり、実際に出会える割合はあまり高くなかったことです。上條はサービス開発の上でその点を重視し、きちんと出会うところにまで到達できるアプリを作ろうとしたのです。

アプリ内でデートするレストランの予約まで行う斬新な仕組みが武器

具体的にどのようにデートにコミットするのでしょうか?

森岡:通常のマッチングアプリは、登録者同士が「いいね」をしたらマッチングとなり、そこからチャットが始まり「あとは上手くやってください」という形が多かったのですが、これは難易度が高いですよね。上手くできる人とできない人がいます。 ですからDineの場合は、アプリのUIとしてまず登録者に日程リストと行きたいお店を提示してもらいます。それを見た相手から「この日にこのお店でデートをしませんか」という連絡を受け取り、承認してスケジュールと行き先が決まったら実際アプリ側で予約まで行う。ユーザーは当日お店に行くだけという状態まで、丁寧にサポートします。 また、店舗と連携した10対10のマッチングイベントや、映画とコラボして映画デートの提案ができる限定イベントなど、さまざまキャンペーンも定期開催しています。

ユーザーの年齢や職種にはどんな傾向がありますか?

森岡:ボリュームゾーンは20代後半から30代前半ですが、さらに上の年齢層の方も多く利用されています。職種はさまざまですね。マッチング率から導いた人気職業の上位は男性ならパイロットや弁護士、女性はモデルやCAなどです。

アプリとリアル店舗が連携するからこそ開発領域は幅広い

リアル店舗と連携する点がサービスのポイントだと思いますが、課題はありましたか?

森岡:課題だったのはノーショー(No show)、つまり予約をした人がドタキャンしたり、連絡もなく来ないことがあったということですね。現在世の中的にも話題になっています。

ドタキャン対策機能「Dineプロテクト」提供開始から1年弱のレポートより

マッチングアプリだけを運営しているとこういった機能開発の発想には至らないと思うのですが、リアル店舗と連携するサービスである分、さまざまな課題に柔軟に取り組んでいる点は当社の特徴ですね。

そのほか、IoTもサービスに利用しているそうですね。

森岡:「Snack Dine」という、2019年の4月から自社で運営をスタートしている店舗で展開しています。このお店はアプリと連動した完全会員制です。一定基準をクリアしたDineの会員だけに「Snack Dine」の会員権が与えられ、会員とその友人のみが利用できます。

店舗の鍵はスマートキーになっていて、アプリのQRコードによって認証された会員だけが入店できるようになっています。アプリと店舗は連動しているので、入店するとアプリで店舗にいる人のプロフィールを一覧で見ることができる点もIoTですね。気になる人がいたら話しかけてみる、というコミュニケーションがしやすいお店なんです。金土日は特に賑わっていて、ほとんど満席の状態です。

※QRコードで入店したら、お店に来ている人のインフォメーションが出ます。

マッチング精度を上げるため、機械学習の改善もしているとお伺いしています。

森岡:当社はCGPを利用しているのですが、その中にCloud AutoMLというカスタム機械学習モデルを構築するための製品があります。現在はこれを利用して、マッチングのテストを行なっている段階です。この取り組みはPyCON JPでも事例として紹介させていただいています。

少数精鋭のチームがフラットな議論を交わしながら機能開発を推進

Dineの開発チームの特徴や魅力について教えてください。

森岡:開発デバイスは基本的にAndroidとiOSで、それぞれの開発を3人のメンバーが分担しています。基本的に小規模なチームで、メンバー同士が課題やアイディアについてフラットに議論しながら能動的に機能開発をしていく方針です。先程ご説明したようなIoTを利用したリアル店舗との連携や機械学習など、事業領域が幅広く横断的なのが面白いポイントだと思います。

森岡さんは以前フリーランスとしても活躍されていたそうですが、どのような経緯でCTOに就任したのでしょうか。

森岡:私はもともとDeNAといういわゆるメガベンチャーで開発をしていたのですが、自由度の高い働き方を求めてフリーランスになりました。ただ、個人で作れるプロダクトのサイズは限られていますし、フリーランスとしてプロジェクトに参加するとあまり責任のある仕事はできません。もう少し世の中のために力を出せる形の方が面白いかもしれないと考えていたときに、代表からDine開発の話を受けたのです。 それを機に2015年の創業当時から共同創業者兼CTOとして歩んできたので、これまでずっとDineの開発全般に関わっています。今もコードをがりがり書いていますよ。

恋愛や結婚の先にある、家族の小さな歴史に貢献したい

今後業界がどのように展開していくのか、森岡さんの考えをお聞かせください。

森岡:私自身はマッチングアプリを使うタイプではありませんでしたが、どちらかというと恋愛は苦手でしたし、エンジニアという職業柄、異性と出会う機会が少ないということにもともと問題意識は持っていました。 そんな中でマッチングアプリを使ってみると、1対1で恋愛志向のある人と話せるというのは楽しいし、自分の価値観や他人との相性への理解も深まるんですよね。それ自体も非常に有益です。そういった視点でも、マッチングアプリという恋愛の選択肢はもっと世の中に浸透すべきです。実際、今後どんどん広がっていく業態だと感じていますよ。また、CTOとして事業を進めていても、恋愛や結婚の先にある家族の小さな歴史に貢献できるのは純粋にうれしいです。

最後に読者へのメッセージがあればお願いします。

今後、Dineは次のリアル店舗をオープンしたり、機械学習をはじめとするさまざまな技術を自由に取り入れながらサービスを盛り上げていきたいと思っています。興味があればユーザーとして使っていただきたいですし、一緒に事業を作っていきたいという方がいれば、ぜひジョインしてほしいですね。

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