【フリーランスエンジニアの働き方】エンジニアの新しい働き方、リモートワークが生み出すメリットと運用方法――シェアフル・松尾健司さん
1日単位で働ける流動性の高い開発組織のあり方を体現しているシェアフル株式会社。
以前、シェアフル社取締役の横井さんとCIO松尾さんの両名に、働き方についてインタビューをさせていただいています。
フリーランスの業務委託や副業など多様な働き方が欠かせない同社では、FLEXYからも2名が稼働中。 それぞれの稼働者に求めたスキルやタスクの割り当て方について、今回、CIOの松尾さんに詳しく伺いました。
目次
FLEXYからご紹介した方
業務内容 | サーバーサイド |
---|---|
言語 | GO、サーバーサイドKotlin |
ご稼働時間 | 週16時間~週24時間 |
働き方 | 平日夜や土日のリモート |
人数 | 現在は、2名がご稼働中です。 |
幅広い領域をキャッチアップしてくれるGoエンジニアをFLEXYから採用
前回は、取締役とCIOインタビューでエンジニア組織についての取材、有難うございました。 今回は、FLEXYがご紹介させていただいたエンジニアの方について、どのような働き方をされているかなど詳しくお伺いできればと思います!まずは、FLEXYにお声がけいただいた背景を教えてもらえますか?
松尾 健司さん(以下、松尾):フルタイムで働いていただいていたGoエンジニアの方が8月で辞めてしまったので、新しく人材のご紹介を依頼しました。 リモートでも構わないので、基本的に自走できるような方をというオーダーでした。 状況としては今年の2月にシステムをリリースしたばかりで柔軟性高く機能開発を進めなければなりませんでした。
ですから、こちらのざっくりとした依頼でも、ある程度自分でキャッチアップして社内の方とやり取りながら進めていける人材に来てほしかったです。 FLEXYの野谷さんに3名ほどご紹介いただき、現在2名が開発にジョインしています。
現在は実際にFLEXYから2名の方が開発に入っていただいていますが、採用のポイントはどこだったのでしょうか。
松尾:まずお1人目の方は現在CTOとして活躍されている方で、過去の経歴を見ても幅広い分野で活躍されている方です。
弊社の開発組織はバックエンドのGoチーム・Kotlinチーム・Nuxt & React Nativeチーム(フロントとアプリ)に分かれています。 流動性が高いということもあり、Goチームに入っていても別のチームの領域も把握してもらっていると助かるケースが頻繁にあります。そういった別領域もキャッチアップしてくれるのではという期待から採用しました。
FLEXYから来ていただいているもう1名の方はアド系で働かれていたり、様々なベンチャー企業での活躍された経験がありGopher道場の卒業生でした。面談では、サービスの課題感を解決して頂けるだけの技術力があり、サービスを継続してくためにはどのようなコードが必要になるのか、運用まで含めた部分を提案してくれそうだなと感じました。
FLEXYのコンサルタントの野谷さんにご要望を出したとおり、抽象度の高いご依頼をしてもコミュニケーションを重ねながら自走できるような方で、非常に満足しました。
粒度の細かいタスクからスタートし、1プロジェクトまで任せたい
以前の取材から、少し時間が経過しているので、現時点でのメンバー編成について教えてもらえますか?
松尾:エンジニア全体としては現在35名ほどです。 その中で正規雇用のメンバーは私を含めて5名です。基本的に業務委託の方が多い組織となっておりますが、業務委託の契約もフルタイムの方は少数となっております。各チームにリーダーの方と技術的な相談にのっていただける技術顧問に近い方がいます。 今回サポートしていただきたかったのはGoチームでした。
Goはどのような場面で使用していますか?
松尾:APIは一部の処理を除いてはGoで書いています。一部の処理というのが労務代行や請求計算などの金銭が関係する処理で、そこはKotlinという棲み分けにしています。 というのも当社はJavaの経験者が多かった為、金銭が関係のシステム開発においては比較的慣れている言語で進めていこうという選定をしました。
組織運用については前回のインタビューでもお伺いしましたが、以前から変わっている点などはありますか?
松尾:副業やリモートの方に比較的細かい粒度のタスクをお願いしている部分は変わっていません。 最初の1ヶ月ほどはわかりやすい小さなタスクを依頼しながら徐々にサービス理解を深めてもらい、どこまで任せられそうかを判断している感じです。 ただ、最近は月曜日にリモートの方から1週間のスケジュールを共有してもらうようになりました。 必ずその通りに働いてほしいというわけではないのですが、こちら側でいつ稼働できるのか把握していた方がタスクの依頼や相談をしやすいという観点で取り入れた仕組みです。
実際にFLEXYからご紹介した2名の方にはどのようなタスクを依頼したのでしょうか?
松尾:最初の1~2ヶ月は社内で利用している管理画面の機能追加をお願いしました。 常駐のメンバーだけではなかなか手を付けられていなかったタスクで、優先順位としてはそれ程高くはないけれども、あるとCSだったり社内のメンバーが非常に助かる部分です。 今後は週に1日の頻度で来社してもらえるようになるので、重要度の高いタスクを依頼する予定です。
特にお1人の方に担ってもらいたいと思っているのが、サービスのログイン認証の部分です。 現在はAuth0を利用しているのですが、社内から変更したいという声があり、Firebase Authenticationに置き換えようとしています。置き換えるって言ってしまうと簡単な作業のようにも聞こえてしまいますが、運用を考慮して新しい基盤に安全に載せ替えるとなれば難易度はぐっと高くなりますし、サービスにアクセスする最初の部分なのでサービスの要であるとも言えます。 前任者が途中まで進めていたものの引き継ぐ人材がおらずストップしていたプロジェクトなので、ぜひ完遂してほしいと思っています。
エンジニアのニーズに寄り添ったリモートワークは応募ハードルが低い
リモートワークで働いてもらうメリットは何でしょうか?
松尾:エンジニアには比較的リモートで働きたい方が多いので、まず採用自体しやすいというのは大きな利点です。会社に来てもらうとなるとそれだけで就業のハードルが上がってしまいます。 副業であればなおさらです。本業の会社が終わった後にまた別の会社に行くとなると大変ですから。 弊社としてはリモートでも来社でもどちらでも個人の方のライフバランスに合わせてパフォーンスを発揮して頂きたいと思っている為、リモートOKにしているというスタンスです。
FLEXYからの稼働者も含め、流動的に人材を受け入れるために準備していることはありますか?
松尾:パソコンの貸し出し及びアカウントの払い出しくらいです。フルリモートの方や来社の少ない方には、ご自身のPCで作業頂く事がほとんどなのでその場合は設備的な準備はしていません。
業務に関する具体的な情報についてはKibelaにドキュメントを書いています。 チームごとにガイドラインやルールなどオンボーディングのページを用意しており、雇用契約の際に来社頂いたタイミングで見てもらっています。その後各チームのリーダーに簡単に開発の仕方など説明頂きながら、PCのセットアップや環境構築をして頂いています。
社内のエンジニアの人事制度の中で、業務委託の方への評価などは行っているのでしょうか?
松尾:ピープルマネジメントや評価はしませんがコミュニケーションは大事にしています。コミュニケーションの中で報酬アップする例もあったりします。 来社して頂いている方であれば、技術顧問の方と隔週で1on1を実施しております。隔週の1on1では普段の業務についての会話がほとんどなので、四半期に一度僕自身が1on1を実施しその中で各々にどんなエンジニアを目指していきたいかやどんな技術にチャレンジしたいかなどの会話をしています。
フリーランスであってもエンジニアとしてのキャリア像があるのであれば共有したいですし、そこに基づいたタスクもお願いできればシェアフルとしてもご本人としても一番いいと考えています。会社が成長することはもちろんですし、そこで働くメンバーにも成長の場をどんどん提供していきたいです。
リモート活用をなかなか自社でイメージできない企業に向けたアドバイスはありますか?
松尾:リモートワークを実施するのは、ある程度自走できるエンジニアを雇用することが絶対条件だと思っています。指示を待つのではなく、言われなくても自分で納期を決めて守れること、積極的にコミュニケーションを取れる方を採用することが重要です。あとはレスが早いことも条件になります。 即レスするべきとまでは思っていませんが、連絡しても放置するとなるとリモートワークには向かないかなと思います。
企業サイドが懸念するのは本当に生産性を確保できるのかという部分だと思いますが、やはり人材に寄ります。例えば、突然経験の少ない社員をフルリモートにすると、失敗する可能性は高くなるでしょう。リモートを開始する時点である程度の信頼関係が構築できているからこそ、お任せできる部分は大きいはずです。
また、リモートで業務を行う際も社内のメンバーとコミュニケーションを取りやすいような工夫をすることが必要です。 弊社では社員・業務委託関係なく参加できる社内イベントを行なっていますし、開発合宿も実施しています。また事業の情報についても契約形態関係なくアクセス出来るようにしており、少しでもシェアフル に興味を持って頂きたいと思っております。
リモートされる方はご自宅で作業される方も多い為、テレビ会議をやるとなるとタイミングを気にされる事が多い為、最近はslackとは別にDiscordを導入して、それにログインしているタイミングであればいつでもテレビ会議をして良いという仕組みを試しています。
担当コンサルタントには人材の要望を最大限伝えておくこと
担当のコンサルタントには最初にどのような伝え方をしていますか?
松尾:最初にFLEXYの野谷さんに来ていただいたときにカジュアルにお話しできたので、「こんな人材が欲しい」という要望は伝えやすかったですね。 多少無茶な条件も入っていたかとは思うのですが、最終的にどれくらいその条件に沿った人材を紹介いただけるかどうかというだけのことだと思います。 企業の現状を知っていただいた上で、素直に伝えることが大切だと考えています。
面談するときは、どのポイントを重要視していますか?
松尾:技術的な部分は過去の経験からある程度判断します。先程の話にも通じますが、どちらかといえば私自身が一緒に働きたいか、コミュニケーションを取りやすい方かをよく見ていますね。 ある程度自分の意見を持っていて、それを言語化できる人材であることがポイントです。もちろんご本人の「こうしたい」が先行しすぎて良くないのでバランスは見ています。