プロジェクトマネージャー(PM)におすすめの資格一覧! 勉強方法も解説

PM 資格

プロジェクトマネージャー(PM)に取得をおすすめできる資格としては、必要な知識やスキルを習得できる資格や、保有することでプロジェクトマネジメントの能力が評価される資格など、さまざまなものがあります。この記事では、プロジェクトマネージャーの仕事や転職に役立つ資格のほか、資格取得に向けた勉強方法を解説します。

プロジェクトマネージャー(PM)におすすめの資格一覧

プロジェクトマネージャー(PM)とは、プロジェクトを成功させるための進行・管理などを行う仕事です。プロジェクトマネージャーには、プロジェクトマネジメントをスムーズに行うためのさまざまな知識やスキルが求められます。

仕事に就くための資格として必須とされるものは特にありません。ただし、業務を行う上では幅広い知識・スキルが必要です。プロジェクトマネジメントが未経験の場合には、実務経験を補うためにも、体系的な知識やスキルを問う資格の取得を目指すのがおすすめです。役立つ資格を保有していると、プロジェクトマネジメントに必要な知識を有しているとアピールでき、年収アップにつながることも期待できます。

以下では、プロジェクトマネージャーを志すにあたって有用な資格を紹介します。

プロジェクトマネージャー試験

プロジェクトマネージャー試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験です。「Project Manager Examination(PM)」とも呼ばれます。情報処理技術者試験の一区分であり、プロジェクトマネジメント関連の資格試験のなかでも高い知名度がある試験です。

試験には、プロジェクトを成功させるために必要な知識やスキルに関する、幅広い範囲の問題が出題されます。具体的には、プロジェクトの目標設定・プロジェクト計画の設計・ステークホルダーのニーズの確認・協働関係の構築維持・チームメンバーの選定・コストの見積もり・スケジュール作成などです。プロジェクトマネジメント全般にわたるさまざまな問題が出題されるため、学習した内容が実際の業務に直結します。

本試験の開催は、毎年10月の年1回です。難易度は、情報処理技術者試験のなかでも最高難易度とされるレベル4で、非常に難しい資格とされます。そのため、取得後はプロジェクトマネジメント業務に関する高度な知識・スキルを有することが認められます。

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応用情報技術者試験

応用情報技術者試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する試験です。難易度が高い国家試験のひとつで、高度なIT人材に必要とされる、システム作成のための応用知識やスキルに関する問題が出題されます。

試験内容は、ITの基礎理論・アルゴリズム・データベースなどの問題が出題される「テクノロジ系」、プロジェクトマネジメント・システム監査などの「マネジメント系」、システム戦略・経営戦略・法務などの「ストラテジ系」の3分野にわかれています。出題範囲が幅広いため、十分な勉強が必要です。プロジェクトを体系的に学べることもあり、プロジェクト管理を行うプロジェクトマネージャーに取得をおすすめできる試験です。

試験の開催は毎年4月と10月の2回、難易度は情報処理技術者試験のレベル3と、2番目に難しいレベルに該当します。難易度が高い試験のため、目指す過程で技術者から管理者、経営者までの幅広い知識とスキルを習得可能です。資格の取得後には、システム開発やIT基盤の構築などの場面で能力を発揮できます。

ITコーディネータ試験

特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会が実施する、プロジェクトマネージャーにおすすめの試験が、ITコーディネータ試験です。これは、IT技術と経営の両方の知識をもち、企業のIT導入を推進する専門的な能力があることを認定する試験です。

IT経営やIT戦略の知識、IT経営の推進方法や変革、プロジェクトマネジメント方法など、IT技術と経営に関する内容が試験に出題されます。

ITコーディネータ試験の資格を取得するには、研修の受講と試験での合格の両方が必要です。研修と試験はそれぞれ1月と7月の年2回行われており、研修を受講して試験に合格すると資格が得られます。試験の問題数が多いため、制限時間内でスムーズに回答できる程度まで学習することが重要です。

PMOスペシャリスト認定資格

PMOスペシャリスト認定資格は、一般社団法人日本PMO協会(NPMO)が実施している資格試験です。資格には、基礎的な知識があることを示す「PMOスペシャリスト(★)」と、★よりも難易度が高く、知識や技術が問われる「PMOスペシャリスト(★★)」の2種類があります。

プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)は、主にプロジェクトマネージャーの下でプロジェクトの進行管理などのサポートを行う仕事で、資格取得者にはPMOの専門家としての知識やスキル、組織的なプロジェクトマネジメント能力が認められます。

PMOスペシャリスト認定資格は、受験条件が定められている試験です。PMOスペシャリスト(★)の受験条件は、NPMOもしくは他団体のプロジェクトマネジメントに関連する資格を取得していて、さらに指定の教材を使用した学習を修了していることです。プロジェクトマネジメントの基本知識を理解していないと合格が難しいため、ほかの試験に合格してから受験に臨むのが適しています。

プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)資格試験

米国のプロジェクトマネジメント協会(PMI)が実施するプロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)試験は、プロジェクトマネジメントの専門知識に関する国際的な認定試験です。資格取得後には、さまざまな業界・業種のプロジェクトマネジメントに関する経験・知識・スキルをもつ専門家として、プロジェクトの品質低下の防止や適切なスケジュール管理が行える人物だと認められます。

試験の受験条件は、一定のプロジェクトマネジメントの実務経験と、公式なプロジェクトマネジメント研修の修了です。資格保有者になってからも、職務能力の維持・育成などを目的とする能力育成プログラム「Continuing Certification Requirements Program(CCR)」や、3年ごとの資格更新などが必要です。

P2M資格試験

P2M資格試験とは、プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が実施している、プログラムマネジメントおよびプロジェクトマネジメントの知識やスキルを認定する資格です。資格取得者は、基本姿勢・思考能力・体系的知識・マネジメント行動スキルで構成されるプロジェクトマネージャーとしての実践力が認められます。

P2M資格試験には、レベルの異なる「PMC」「PMS」「PMR」「PMA」の4種類の試験があるため、難易度の低いレベルの試験から順に受験していきます。

プロジェクトマネジメント・コーディネーター(PMC)資格試験

プロジェクトマネジメント・コーディネーター(PMC)資格試験は、プロジェクトマネジメントの基礎的な知識とスキルを有することが証明される試験です。難易度がレベル1から5まであるP2M試験のなかで、難易度が低いものであるため、ほかの試験を受ける前の受験が推奨されます。

出題内容としては、プロジェクトマネジメント、組織マネジメント、情報インフラストラクチャー、人材能力基盤などの基礎的な知識です。受験資格を得るには、24時間以上のPMC講習会やe-learningを修了して、基礎的な知識を習得する必要があります。

試験は年に6回開催され、試験形式は50問の四肢択一です。プロジェクトマネジメントの基本的な知識に関する問題が出題されるため、資格保有者は、プロジェクトリーダー、小規模なプロジェクトのマネジメントができる能力があるという証明になるでしょう。

プロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PMS)資格試験

プロジェクトマネジメント・スペシャリスト(PMS)資格試験は、プログラムマネジメントを含むプロジェクトマネジメントに関する専門的な知識、スキルを認定する試験です。資格取得によって、プロジェクトマネージャー業務の実務能力があると証明されます。上で紹介したPMC資格試験の次に難易度が高い試験で、受験可能となるのは「PMC資格試験」資格登録者で、さらに指定の資格を保有している場合です。

試験には、プロジェクトマネジメントや事業経営基盤、知識基盤、人材能力基盤などの幅広い範囲が出題されます。年に3回受験が可能で、試験形式は四肢択一方式、試験問題は100問です。資格取得後には、3年ごとの更新が必要です。資格の取得によりプロジェクトマネジメントの専門的な知識が認められるため、キャリアアップや転職時に有利になるとの期待ができます。

プログラムマネジャー・レジスタード(PMR)資格試験

プログラムマネジャー・レジスタード(PMR)資格試験は、PMAJが実施する試験のなかでも難易度の高い試験です。合格すると、あらゆる分野と業種においてプロジェクトマネージャーの業務を実践できる専門知識と能力があると認められます。

プログラムマネジャー・レジスタード資格試験は、前述のPMS資格試験よりも難易度が高く、受験可能な条件も定められています。受験にはPMS資格登録者であり、かつプログラム・プロジェクトの3年以上の実務経験が必要です。

試験には1次試験と2次試験があり、1次試験を合格しないと2次試験が受験できません。1次試験の内容は書面審査や課題論述試験・個人面談審査です。2次試験では、ワークショップや論文・面談審査などを行う実践力判定カリキュラム形式の試験が行われます。

プロジェクトマネジメント・アーキテクト(PMA)資格試験

プロジェクトマネジメント・アーキテクト(PMA)資格試験は、PMAJの公式サイトに掲載されている試験です。P2M資格の高難易度資格試験として紹介されています。PMR資格登録者であることが受験条件とされているため難易度はかなり高めです。また、ほかのP2M資格が未取得の場合には順番に取得しなければならないことから、資格取得にも相当の時間がかかると予想されます。ただし、現時点ではPMA資格試験は未実施で、出題形式、出題範囲も未発表の状態です。

ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験の一区分です。ITストラテジストとは、経営戦略にIT技術を活用する事業計画やIT戦略を策定し、推進まで行う「戦略家」のことです。試験合格者は、企業の経営戦略の立案から、クライアントのIT戦略の検討、開発業務の受注、自社サービス・製品の販売につなげるまでの能力があると評価されます。

情報処理技術者試験の難関試験として知られる、ユーザー側の「上級アドミニストレータ試験」とシステム開発側の「システムアナリスト試験」の両方を統合して作られた試験のため、難易度が高く、合格するには幅広い知識が必要です。

プロジェクトマネージャーの資格取得に必要な能力・知識

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを成功につなげるために、プロジェクトの目的設定から計画策定、全体の管理まで行わなければなりません。プロジェクトマネージャーの資格試験は、そのような仕事で求められる知識やスキルを習得するための試験です。

したがって、試験の合格には、プロジェクト管理を行う上で欠かせない、業界における豊富な知識、さまざまな情報を収集して整理する力、情報を活用して適切に問題を解決する力、決断力などが必要です。

プロジェクトマネージャーの試験では、プロジェクト計画、スケジュール管理、コスト管理、ステークホルダーとの関係管理など、プロジェクトマネジメント全体を押さえた幅広い知識が問われます。

また、問題解決能力や決断力は、主にプロジェクトで問題が発生した際、その原因を把握して適切な解決策を講じるためのスキルです。資格取得を目指すには、知識だけでなくプロジェクトを遂行するためのスキル習得も求められます。

プロジェクトマネージャーの資格取得のための勉強方法

プロジェクトマネージャーの資格試験は試験範囲が広く難易度が高いものが多いため、十分に勉強しなければなりません。資格試験に備えて効率的に学習し、確実に知識を身につけることが大切です。

1.参考書や問題集を準備する

プロジェクトマネージャーの資格試験に合格するには、相応の勉強量が求められます。試験勉強を始める際には、まず試験用の参考書と問題集を準備しましょう。
働きながら資格を取得する場合などは、1日30分や1時間などの少ない時間でも勉強を続けることが大切です。土日にまとめて勉強時間を取ってもよいでしょう。

試験勉強は、ペンで色付けをしてポイントを押さえながら参考書を一通り読み、そのあとは問題集で実際に問題を解いていきます。参考書・問題集は、問題の解説や事例などが詳しく記載されている「情報処理教科書 プロジェクトマネージャー」や「プロジェクトマネージャー合格論文の書き方事例集」(いずれもアイテックIT人材教育研究部出版)がおすすめです。受験する年の最新版を用意しましょう。

2.過去問を繰り返し解く

参考書と問題集を使用した勉強である程度の知識が身についたら、次は過去問を使用した勉強を始めます。情報処理技術者試験は、IPAの公式サイトから過去問のダウンロードが可能です。過去問を解いて間違えたところを復習する勉強方法で、徐々に苦手な分野をなくし、試験内容を頭に入れていきます。

3.模擬試験を活用する

過去問を繰り返し解いて問題に慣れてきたら、模擬試験を活用して試験対策を行いましょう。模擬試験は実際の試験同様の状況で問題を解けるため、試験勉強の仕上げに最適です。模擬試験を通じて、試験の形式や出題される問題の傾向を理解できると、自分の弱点の把握にもつながります。そうした弱点を克服することで、資格試験合格を目指せます。

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まとめ

プロジェクトマネージャーには、プロジェクトマネジメント業務に求められる幅広い知識・スキルを身につけられる資格の取得がおすすめです。プロジェクトマネジメントを体系的に学べる「プロジェクトマネージャー試験」、IT技術から経営戦略まで学べる「応用情報技術者試験」など難易度の高い試験が多いため、試験に向けた十分な学習が欠かせません。

資格試験に合格し、プロジェクトマネジメント能力が認められる資格を保有していると、スムーズな業務の遂行に役立つのみならず、転職時のアピールにもなります。

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