未経験から5ヶ月で、OSSへプルリクエスト。キッチハイクの文化が支える、若手エンジニア成長への想い。
キッチハイクは、食べることが好きな人をつなぐコミュニティサイトです。みんなでごはんを食べる「ごはん会(Pop-Up)」が毎月300近く開催され、ルーティンワークになりがちな食事を、新たな繋がりが生まれる場所に変えていっています。今回は、インターンとして未経験でRuby on Railsをはじめた泉氏に、GitHub上のOSSにプルリクエストを送りマージされた経験や、エンジニアとしての挑戦の一歩についてお伺いしました!
泉 キッチハイクには “SESSION” というカルチャーがあります。メンバーの個性を尊重することで、結果的にチームがグルーヴする。そこには心理的安全性がしっかりと保証されているんです。 キッチハイクに入って約7ヶ月、最近はプロジェクトマネジメントのような立場で動くことも増えてきました。とはいえ、私はインターン生。コミュニケーションをとる相手は目上の社員の方ばかりなので、「技術も経験も足りないのに、こんなこと言っていいのだろうか」と、常に不安がつきまといます。しかしそんな状況でも、社員の方々は私個人の意見を尊重し、的確なアドバイスを与えてくれる。こうした恵まれた環境があるから、心おきなく成長することができています。
藤崎 自分の中で、大切なものが見つかっているのが凄いと思います。自分が何をするべきかをわかる人は強いなと。会った時からそんな感じでしたね。
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キッチハイクとの出会いは?
泉 実は今、大学院を休学中なんです。もともとは、京都で学生生活をしていました。ただ、研究も就職活動も全然うまくいかない時期があって。そのまま落ち込んで何もしない自分にはなりたくなかったので、エネルギーの向け先を変えてみよう、と思ったんです。それから間もなくして上京したのですが、キッチハイクでインターンをしているエンジニアと知り合い、キッチハイクを紹介してもらいました。
もともと実家が飲食店をやっていて、私にとって食という分野は、幼い頃からずっと身近なものでした。そして、いざオフィスに話を聞きに行ったら、未来の食のあり方をこんなにも真剣に考えている組織があることに、驚きと感動で胸がいっぱいになっちゃって……!「私も、この人たちと社会を良くしたい!」と心から感じたのを覚えています。
大学院での研究に必要な技術はデータ解析が主だったので、Ruby on Railsの経験はほぼ無いに等しかったです。キッチハイクにジョイン後、本格的に習得をはじめました。
未経験からの技術習得とプロジェクトを率いるまでのステップを教えてください!
泉 インターンとしてキッチハイクにジョインしてから約1ヶ月半は、チュートリアルで基本的なコーディング技術を学びました。その後、小さなバグの修正やリファクタリングから実務に入っていったのですが、がむしゃらに頑張っているうちに、設計段階から任せていただくようなプロジェクトが増えました。その間に、OSSにプルリクエストを送る機会にも恵まれました。 最初は分からないことばかりだし、本格的なプロダクトの中身を見たことも触ったこともなかったので、苦しい時期ではありました。ただ、毎日の「まかない」を通してメンバーのみなさんと関わる時間が多かったので、一人でやっている感はあまりなかったですね。 ※ キッチハイクでは、毎日のお昼ご飯をスタッフが協力して作り、全員で一緒に食べる「まかない」を通して交流する社風があります。
藤崎 泉の技術習得は本当に早かったですね。
OSSにプルリクエストを出すきっかけと、挑戦して気づいた事は?
泉 私がプルリクエストを送ったOSSは、wheneverというRuby on RailsのシステムでCron管理のために使われているRubyGemsです。 ある新機能の実装時、このwheneverを利用して実現したいことがあったのですが、公式のREADMEには該当するドキュメントがなかったんです。最終的には関連issueを発見し、無事実装はできました。 ただ一方で、「自分が修正すれば、次にREADMEを読むエンジニアの助けになるのでは?」という考えもでてきて。そんなときに、藤崎が私の背中を押してくれました。それまでは、私にとってのOSSコミュニティはとても遠い存在でした。何か特別な技術がないと貢献なんて……とか。この挑戦がなかったら、きっと今もそう考えると思います。
プルリクエストの内容自体は技術的に高度なものではありません。それでもすぐにレスポンスを頂いて、その日のうちにプルリクエストがマージされました!その勢いで、この一連の出来事を会社のTech Blogにまとめたら、これまた予想以上の反響で。現在、はてなブックマーク数は142に到達しました。 「ああ、私と同じ気持ちの人っていっぱいいるんだ」というのが率直な感想でしたね。必ずしも個人の経験値に依らず、OSSコミュニティに対して一歩引いているエンジニアは少なからずいる。そして、そんな方達に私のアウトプットが刺激を与えている。この事実は大きな自信につながっています。
藤崎 「自分の意志次第で創る側にまわれるんだ」とか、「自分が刺激を与えれるんだ」という事をすごく大事にしたいですね。皆がステージに上がれる当事者である事が、大切な事だと思っています。 ただ使っているだけだと距離が遠いというか・・・消費しているだけだと、OSSコミュニティも距離を感じますが、レスポンスがあるとすごく近い感じがするので。例えば、初めてインターネットを使って掲示板にコメントしたら返ってきて、ビックリした!みたいな。英語でコミュニケーションを取り、インターネットの向こう側の、人の体温を想像出来る事はすごく大きいですね。 その経験の積み重ねを、今後もどんどんしていってほしいですね。このエンジニアの世界は誰かによって日々良くされてるんだと思い、次は自分が当事者になる。自分たちで良くしていくんだという意思がすごく大事だと思いますね。
若手エンジニアとして、これから挑戦していきたいことを教えてください。
泉 キッチハイクのプロダクトは、短いスパンでどんどんアップデートされます。このスピード感と質の高さを常に実現できているのは、メンバー全員が「変化に強いものをつくる」という姿勢を重視しているからだと思います。また「変化に強い」コードを書くことは、自分のためだけでなく、のちにそのコードを触るメンバーの開発の助けにもなります。そういった「親切」ができるエンジニアは、私の理想です。 この姿勢を1日でも早く自分のものにし、未来の開発者にフレンドリーなエンジニアを目指して、たくましく成長していきたいです。