正社員雇用の難しい機械学習エンジニアのエキスパートを迎え入れる〜AIスタートアップにおける採用や働き方の今――ストックマーク・坂本泰彦さん
【企業名】ストックマーク株式会社
【インタビュー】Anews Engineering Manager 坂本 泰彦さん
【エンジニア組織のフェーズ】エンジニアを積極的に採用し、さらなるサービスの強化を図っていきたいフェーズでした。
【募集背景】 機械学習領域のエンジニア拡充のため、機械学習モデルの設計やその基盤となるエンジニアリングを担える人材を求めていました。2016年に創業されたストックマーク株式会社。AIスタートアップであり、自然言語処理技術をベースとしたプロダクトを開発しています。組織のコラボレーションを促進し、チームを活性化させるプラットフォーム「Anews」、大量のビジネスニュースから市場や競合の動き、変化の兆しをAIが可視化、迅速かつ柔軟な打ち手創出をサポートする「Astrategy」を提供しています。
今回インタビューに応じていただいたのは、Anewsのエンジニアリングマネージャーである坂本さん。
エンジニアの絶対数が少なく採用が厳しいとされる機械学習の領域で、どのようにFLEXYを利用いただいたのかをはじめ、高度な技術を扱う企業で働く魅力についてもお伺いしました。
目次
企業ごとのニーズに最適化したニュースを配信するプロダクト
――今回は、FLEXYから機械学習エンジニアが働いているAnewsのEngineering Managerの坂本さんにお話をお伺いします。 まず最初にAnewsについてお伺いしたいと思いますが、どのようなシステムなのでしょうか?
ストックマーク株式会社 Anews Engineering Manager 坂本 泰彦さん(以下、坂本):ニュースをクロールしてデータベース化し、その中からユーザーの興味関心や業務的なニーズに最適化した情報を厳選して配信するシステムです。現在はニュース配信を中心としながらも、イノベーションの創出につなげられるようなコミュニケーションの強化を図っている最中です。
画像引用元:https://stockmark.co.jp/product/anews/
――今回FLEXYから稼働しているKさんが担当したのは、どのような部分ですか?
坂本:「集めたニュースをデータベースに蓄積した後、ユーザー別に最適化して配信する」というシステムが独立して存在しているので、Kさんには基本的にそのシステムの一部を開発いただいています。
週5日の稼働頻度でスキルの高い優秀な機械学習エンジニアを採用
――今回FLEXYを活用いただいた背景についてお聞かせください。
坂本:当社は優秀なエンジニアを多数正社員採用できてはいるのですが、まだまだ人的リソースは十分ではありません。特に短期的な成果が必要とされるようなシーンでは、必要に応じて業務委託の方にジョインいただいています。
FLEXYさんを知ったのは、以前CTOの知人から担当の野谷さん(※)を紹介されたのがきっかけです。他社と比べて提案の質が非常に高いため、よくご相談しています。直近でもモバイルエンジニアの方に3ヶ月ほど稼働してもらいました。今回は機械学習領域の募集で1名採用した形です。
――機械学習領域の支援ということですが、どのようなスキル要件を求めていたのでしょうか?
坂本:基本的には機械学習モデルの設計と、それらを支えるエンジニアリング部分の開発が可能な機械学習エンジニアという要件でお願いしました。
機械学習エンジニアは専門性が高い分、正社員登用が難しいですし、業務委託であってもなかなか週5日でジョインできる方は少ないのが現状です。稼働頻度は週3日など少なくても構わないので、本当にスキルが高い人を紹介してもらいたいと伝えていました。
今回採用させていただいたKさんは、たまたまた週5日の稼働が可能ということでした。本当にありがたいです。
職種 | 機械学習エンジニア |
---|---|
案件概略 | 機械学習支援 |
スキル要件 | 機械学習モデルの設計 |
期間 | 3ヶ月半 |
稼働頻度 | 月140~180時間 |
働き方 | リモート |
――担当のFLEXYコンサルタントの野谷の対応はいかがでしたか?
坂本:とにかくスピードが速いですね。いつ問い合わせをしても一瞬で返事が返ってくるイメージです。ほかのエージェントはメールを送ってもしばらく待たないと返信が来ないため、コミュニケーションに時間がかかるのですが、野谷さんとのやりとりは非常にスムーズで助かります。
正社員・業務委託を問わずペアプロで効率良くオンボーディング
――エンジニア組織の体制について教えてください。
坂本:Anews事業の場合は正社員が10名ほどで、業務委託はKさん1名です。社内にはほかのプロダクトの事業部と機械学習技術専門の研究部隊があり、それぞれ数名ずつ配置されています。
――Kさんのカウンターパートは坂本さんですか?
坂本:はい、開発業務を統括しているのが私なので、何か相談があれば私が受けています。ただし、基本的にはまず現場のエンジニア同士で相談してもらい、その中で解決できないことがあれば私が引き取るというスタンスです。そのほうがスピードを出せますからね。
――オンボーディングにはどのように取り組んでいますか?
坂本:正社員向けのフローがあるので、業務委託の方の場合はその中から必要な部分をピックアップしてオンボーディングしています。
また正社員や業務委託を問わず、オンボーディングの際はペアプログラミングを行い、アジャイル的な手法を使っています。やはり実際に一緒に仕事をするのが、オンボーディングにおいては非常に効率が良いと感じます。
――現在はコロナのためフルリモートだと伺っていますが、コミュニケーションの取り方など工夫していることがあれば教えてください。
坂本:オンラインでもオフィスのように気楽にコミュニケーションが取れるようにしています。当社の場合ミーティングはZoomを使っていますが、それ以外はDiscordを使いラフに話せるようにしています。
機械学習はテクノロジーそのもので価値を生み出せるのが魅力
――優秀な機械学習エンジニアの採用はかなり難しいということですが、背景にはどのような事情があるのでしょうか?
坂本:機械学習という技術が広く使われだしたのはここ数年のことです。ディープラーニングが開発されたことが大きなブレイクスルーとなりました。そのため、それ以前の技術経験者を含めても業務経験を持った人材は限られており、ニーズに対して供給が全く間に合っていない状態なんです。
――今から優秀な機械学習エンジニアを目指すなら、どのような手段が考えられますか?
坂本:やはり現場で開発をすることが重要です。すでにアプリやソフトウェア開発の素養があるなら、その知識をベースに機械学習の勉強をして、積極的に機械学習の案件に関わるのがいいでしょう。Kさんももともとはソフトウェアエンジニアに近い方だったそうです。
趣味の範囲で勉強して、実用的なスキルを身に付ける方もゼロではありません。その中で能力を伸ばすなら、コンペに応募するといった方法もあります。
――機械学習領域の魅力についても教えてください。
坂本:やはり技術的に非常に高度なことに携わるやりがいはありますね。特に機械学習は、テクノロジーの力によってダイレクトに価値を生み出せる分野です。例えばAnewsが扱っているのはレコメンデーションのアルゴリズムですが、この技術そのものがプロダクトの大きな価値になっています。もちろん「何が価値になるのか」というビジネス的な感覚は求められますが、そこも含めて面白い領域だと思います。
他社には無いサービスで自然言語処理技術の国内トップを目指す
――ストックマークが目指す組織文化について教えてください。
坂本:個々人の文脈ややりたいことを尊重し、現場のメンバーが自主性を持って開発を主導しています。必要に応じてメンバー同士が話し合い、ルールを作り上げていくスタンスです。メンバーが主役になって働く組織というイメージですね。
――最後に、読者に向けた採用アピールをお願いします!
坂本:当社はかなり自由な環境で働ける企業だと思います。朝会や大きな定例会などはありますが、基本的には開発に必要なミーティングだけを行い、エンジニアが無駄な会議で拘束されないようにしています。
機械学習を扱っているという点では技術的にも先進的ですし、特に自然言語処理技術に関しては国内トップクラスを目指しています。機械学習の領域におけるトップ人材と一緒に働くことができるのも、大きなアピールポイントだと自負しています。
企画/編集:FLEXY編集部