LINE Financialとして金融業界に参画。スピーディなサービス開発を実現するLINEエンジニアのマインド―LINE Financial・池田さん・劉さん・曺さん

現在、主要4カ国(日本、台湾、タイ、インドネシア)での月間アクテイブユーザー数1億6,500万人を誇るLINE。言わずと知れた、代表的なコミュニケーションツールとして世界中のユーザーに愛されているサービスです。2018年1月に設立されたLINE Financial株式会社は、Fintechのインフラとなるモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」事業の展開に続き、「LINEほけん」「LINEスマート投資」「LINE家計簿」などのサービスで金融事業領域を強化しています。同社における開発組織の現状や指針、さらに現在リリースに向けて開発が進んでいる「LINE証券」について、マネジメントを手がける池田さんと、フロントサイドの劉さん、サーバーサイドの曺さんにお話を伺いました。

【インタビューに答えてくれた方】

LINE株式会社 フィナンシャル開発室 室長/LINE Financial株式会社 開発室  池田英和 氏

LINE株式会社 フィナンシャル開発室 UIT室/LINE Financial株式会社 開発室  劉碩 氏

LINE株式会社 フィナンシャル開発室 開発1チーム/LINE Financial株式会社 開発室  曺承振 氏

金融と真っ直ぐに向き合う、LINE株式会社と同規模の会社を新設

LINE Financial設立の背景と、どのような形の組織体制になっているかをお教えいただけますか?

池田英和 氏(以下、池田):LINEにおける金融事業の展開は、企画も開発もさまざまな思案がされ進行していました。そんな中で、今後は金融という商品に1つの会社として向き合おうという風向きになったのが、新会社設立のきっかけですね。そこで、LINEと同じような組織形態、規模感を目指して設立されたのがLINE Financial株式会社です。
組織自体はLINE家計簿やLINEほけんなど、事業部ごとに分かれています。現在開発中のLINE証券を開発するエンジニアメンバーについては、新宿に17名、京都に2名、福岡に1名配置されています。その他には企画が4名、事業側が14、5名。さらにLINE Financialとのジョイントベンチャーの協業先である野村ホールディングスのメンバーが十数名ほどです。トータルで50~70名規模の体制です。人数は異なりますが、同じような体制で他の事業部も構成されています。

みなさんはどのような形でLINEにジョインされたのでしょうか?

池田:僕はジョインして2年弱です。SIer企業やWebサービスの受託開発を行う企業などを経て、その後にジョインしたSNS企業では、インフラチームでプロジェクトマネジメントを行っていました。LINEでは開発室室長というポジションからスタートし、LINE NEWSやLINEマンガ、LINE LIVEなどをマネジメントしていました。証券事業に携わることになったきっかけは今年の4月。社内の大規模なイベント内で開かれる会議に参加した際、「証券をやってほしい」と依頼され、最初は一人で始めました。その後、社内公募を行う他、曺をはじめとしたもともと僕のチームにいたメンバーも募り組織を編成。6ヶ月の間で20人規模のエンジニアチームを作り上げました。ただ、金融商品を扱うには20人では全く人手不足なので、今後3桁規模までエンジニアを増やしていく予定です。現在、新規メンバー絶賛大募集中です!(笑)

劉碩 氏(以下、劉):私は中国出身で、LINEに入社したのは2014年の年末です。インターンで働いていた頃からずっとSNS系のサービスに興味があり、日本に来てからも同じようにSNS系の開発に従事したいと思っていました。LINEはとにかくユーザー規模が大きいですよね。そこに自分の手で開発したサービスを届けられるというのは非常にテンションが上がることですし、大きな価値も感じたのでジョインしました。現在はフロントエンドを手がけています。主な開発技術はJavaScriptで、好きなフレームワークはReactです。

曺承振 氏(以下、曺):私は韓国出身です。2018年の2月に入社しました。私は、開発者として一番嬉しいのはやはり自分の作ったサービスが大勢のユーザーに使ってもらうことだと考えています。LINEはその点で言うと、例えば電車に乗ったときも、ちらっと誰かの画面を見るとLINEが使われています。それに、日本だけではなくグローバル規模で影響を与えられるサービスということもあり入社を決めました。サーバーサイドを担当しており、以前はLINE NEWSなどのサービスを手がけていたのですが、池田さんに誘われて金融サイドにジョインした形です。

LINEフィナンシャル (左から曺さん、池田さん、劉さん)

エンジニアが自分の好きな仕事をする、主体性の高さがスピード感の理由

金融商品特有の手法やエンジニアに必要な技術はあるのでしょうか?

池田:金融として、という視点ではあまり無いと思います。ただ、証券においては協業先である野村ホールディングスとの開発環境の違いがポイントです。LINEそのものがJavaで構成されているということもあり、LINE NEWSやLINE LIVEといったLINEに付随するサービスでもJavaを使用することが多く、証券もその流れを引き継いで開発を進めています。その一方で、野村ホールディングスさんの既存システムは活用言語が異なるため、うまく疎結合していち早くお客様にサービスを提供する、という部分を意識しています。

劉:フロントエンドの開発内容は金融かどうかによって変わらないが、金融という商品においてはより高品質なUI/UXのサービスを出さなければならなく、セキュリティにももっと注意を払わなければならないという意識が強いです。

開発において、LINEならではの進め方や特徴などはありますか?

池田:例えばUXのデザインはデザイナーが行いますが、「どこをどう動かしてほしいのか」という話は、エンジニア同士で密にコミュニケーションを取った上で、デザイン側にもフィードバックします。デザインから企画側にフィードバックすることもありますね。大抵の事業会社の場合、「デザインできたので、あとはよろしく」といった社内受託になりがちかと思いますが、LINEの場合はサーバーサイドを含め、エンジニア側からどんどん意見を発信していきます。エンジニアや各担当者がディスカッションに積極的に関わって、「お客さんにとってより良いUXを提供しよう」という意識で開発を進めているのは、LINEならではだと思います。

曺:本来開発に時間がかかりがちな金融サービスをスピーディに開発している点は面白いと思います。それから、 LINEのサービスと金融サービスを連携させるには豊かな想像力が必要なのですが、そこをLINEのサービスが好きなエンジニアと一緒に進めていくのは純粋に楽しい。だからこそ、エンジニアとしての成長速度も速いと感じています。ロケットに乗って勢いよく開発をしているようなイメージです。 開発においては、やるタスクを与えられるのではなく、やりたい仕事に対して手を挙げて、自分でやる仕事を決めていきます。もちろんやるべきタスクは一応定義されていますが、自立性を持って進めていく点がLINEの特徴です。

池田:少し補足すると、証券事業において初期段階にジョインしてもらったメンバーは、フロントエンド、サーバーサイド、インフラのコアとなる人材でした。そういった選抜もあり、マネジメント側でざっくり「この領域で動いてくれ」とお願いすると、あとはエンジニア側が自発的にタスクを拾って動いてくれる、という傾向が特に強かったんです。
今年の5月から野村ホールディングスとの業務提携がスタートし、開発はそろそろテスト段階に入っていくフェーズですが、きっちりスケジュールを引いて「これをやってくれ」と厳密にタスクを決めていったわけではありません。にもかかわらずこのスピード感で動けたのは、確かにエンジニアがどんどん自分で仕事を進めていく自主性と、抜けがないかどうかをチェックするプロジェクトマネージャーの動きがあってこそではありますね。

劉:フロントエンド側もサーバーサイドと同じような動き方です。最初に大きめのタスクの話をして、各々が好きな部分を進めます。日々の開発はSlack上でコミュニケーションを取っていますが、フロントエンドの開発においてメインはgitを用いて、issueベースで進めています。必要な時にissueを作り、週に1回振り返りを行って来週のタスクを決める、というサイクルです。
また、主体的に進める一方で、お互いにコードレビューもします。さまざまな開発経験を持つメンバーが集まっているのでスキルレベルが高く、根拠や理由までしっかりと話し合うので質の高いアウトプットが出ます。

多国籍で異文化が入り交じる開発チーム。お互いを尊重する指針が重要

LINEのエンジニアに行動指針のようなものは定められているのでしょうか?

池田:LINE全体のエンジニアのスタイルとして定義されているものが3つあります。

LINE全体のエンジニアのスタイル

BE OPEN
TAKE OWNERSHIP
TRUST AND RESPECT

“TAKE OWNERSHIP”は、さきほどの開発の進め方にもあったように、エンジニアが主体的にタスクを拾っていく、という在り方に通じますし、とても重要です。そこがあるからこそこれだけ大きなサービスが大量にあっても、案件の進行スピードを保つことができるのではと思っています。 また、“BE OPEN”については、LINEに所属するエンジニアが得た知識や技術はみんなと共有しよう、という傾向に反映されています。LINE Financial内で製作したコードは全エンジニアが閲覧することができますし、それはLINE株式会社も同様です。 さらに、僕の見ている証券チームは特にグローバルな環境にあります。韓国、中国、メキシコ、台湾、イギリス、ロシアなど国籍が異なるメンバーがたくさんいます。その中では特に“TRUST AND RESPECT”が重要です。多様な文化を持ち、多様な働き方がある中では、自分の意見を述べながらも、相手の立場を尊重する必要があるからです。

池田さんは採用も担当されていらっしゃるそうですが、そういったLINEの行動指針や社風にマッチする人材はどう見極めているのでしょうか?

池田:大事にしているのは、とにかく誠実な人であるということですね。誠実ではない人がチームにいると、先程説明したようなスピーディに案件を進めるための雰囲気が崩れてしまうからです。それに、誰かが誰かを貶めようとする政治的な動きが始まってしまうと、良いサービスづくりはできません。ですから、どんなに技術力があって経験豊富な人材でも誠実さを感じられなければ採らないようにしています。
僕自身が別の企業で営業をしていた頃は、「クライアントが本当のことを言っているかどうか」は目を見て判断していました。採用において誠実な人かどうかを見極めるときも、目や顔の表情をじっと見ているとわかる部分は多いです。
そんなふうに採用を繰り返す中で、主体性がありスキルレベルがグローバル水準で高いポジティブなエンジニア組織を組成できています。全員が「どんなサービスがお客さんのためになるのか」ということを一生懸命考えて開発に注力できているのではないかと思います。 LINEフィナンシャル

「LINEを通して金融業界を変革する」という熱い情熱で今後の事業を展開

開発は主にJavaScriptを使用しているとのことでしたが、そのほかに習得しておいた方が良い技術やスキルはありますか?

劉:うちのチームはみんなReactが好きなので、React+Typescriptを中心に技術スタックを構築しています。メンバーは全員jsとcss両方書きます、そのためcss-modules + postcssを使っています。あとフロントエンドのサーバーもnode.jsで作られていて、SSR(server side rendering)やstyled-componentなど最新の技術も積極的に入れています。

曺:サーバーサイドに関してはやはりSpring と Javaを中心としていて、Microserviceの理解と生産性を持ちながら効率よいアプリケーションをつくるスキルが必要です。技術以外の面で言えば、開発におけるスキルとしては、コミュニケーション能力が最も求められる部分だと思います。また、自分が担当している部分に対して責任を持って結果を出せる人かどうかも重要です。その意味では、大きなサービスを内製していた経験がある方はLINEに入社する上でアドバンテージがあると思います。

では、エンジニアにとってLINEに入社する魅力はどんなところでしょうか?

池田:証券事業で言えば、日本のトップクラスの大企業などとビジネスができるという部分は魅力のひとつですね。そういった方々、例えば僕たちは野村ホールディングスと議論し、協働するなかで、金融領域の知識がものすごく身についていきます。実は、僕たちも最初は金融や証券のことは全く知らない状態でスタートしたので、その分ユーザー視点を持っていると思います。その上で、どんなふうに証券のお金が動くのかを理解しながら「我々がそこに対してなにをしていくのか」ということを業界の専門家と一緒に考えられるのは、一番の醍醐味であり、楽しい部分です。
また、普通のエンジニアはずっと開発をしている、という側面も多いかもしれませんが、僕たちは事業サイドに近く、それは金融系特有の部分ですね。どんな戦略でサービスローンチしていくのか、という部分までエンジニアが携われます。

曺:実際、金融業界の方たちと会話するだけでも、非常に勉強になるんです。すごい貴重な経験だな、と思いながら開発を進めています。

LINE Financialのエンジニアが目指す今後の事業展開を教えてください。

池田:仰々しいことを言うつもりはないのですが、証券事業のメンバー一同に関しては、ジョイントベンチャーの企業と目線を合わせながら「本気で金融業界を変えていく」という気持ちを強く持っています。一番いいのは、ユーザーに「便利で楽しい」と感じてもらうこと。その次に提供する側である僕たちが「このサービスを作って良かった」と思えること。その次の段階として、サービスに関わった企業に利益が出て納税できる、国に貢献できる、ということを実現したい。それくらいの視座で動いています。 どうしても投資というとハードルが高いと感じる方もいらっしゃいますが、その部分のハードルを下げて、利用者を増やしていきたい。まずは投資を経験してもらい、便利さや価値を感じてもらうために僕たちが何をしなければならないのだろう、というところを常に考えて、今後も事業展開していくつもりです。

LINE社内

LINEでは金融事業における採用を積極的に行っています。2月5日には、Fintech/Blockchainに興味があるエンジニアやプロダクトマネージャなどを対象とした説明会「LINEエンジニア・プロジェクトマネージャ採用説明会 -Fintech/Blockchain-」を開催します。LINEのFintechサービスの開発責任者やプロジェクトマネージャ、Blockchainの開発エンジニアに直接質問ができる機会ですので、興味のある方はぜひお気軽にご参加ください。

「LINEエンジニア・プロジェクトマネージャ採用説明会 -Fintech/Blockchain-」
日時:2019年2月5(火)19:30〜21:30
会場:LINE株式会社(東京都新宿区新宿四丁目1番6号 JRミライナタワー 受付:5F)
エントリーはこちらから:https://connpass.com/event/115665/


この記事を書いた人
flexy編集部
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