【CTOインタビュー】より主体的に、自由に。アイデアが飛び交う「横」の組織とは?――STORES.jp・矢部剛嗣さん

「最短2分で驚くほど簡単にオンラインストアがつくれる」をコンセプトにしたサービス「STORES.jp」。必要最低限の情報さえあれば洗練されたデザインと機能を有したECサイトが完成することから、ジャンルを問わず支持を受け、すでに70万件以上の利用規模を誇っています。サービスを提供するSTORES.jpのエンジニアチームはどのような思考・働き方をしているのか。そしてこれから目指すべき組織のあり方を、CTO矢部さんに伺いました。

プロフィール
矢部 剛嗣氏
矢部 剛嗣氏
STORES.jp Inc. CTO
独立系ソフトウェアベンダ、パッケージベンダを経て2015年に株式会社ブラケット(現ストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社)へ入社。STORES.jpの開発全般を担当し、2017年4月からCTOに就任。現在は、社内の各開発プロジェクトのとりまとめのほか、エンジニアの採用を含めた組織構築に奮闘中。

個人が常に思考し、発信する。広い裁量を持って開発に取り組める環境

現在STORES.jpのエンジニアチームはどのような体制で運用しているのでしょうか?

矢部 剛嗣氏(以下、矢部): エンジニアは現在11名で、平均年齢は20代後半~30代前半くらいです。現状では私以外のメンバーに役割は特に設けておらず横一列です。その中でフロントエンドが強い人、インフラが強い人、となんとなく分かれています。これは私がCTOに就任する以前から変わらない体制で、各エンジニアが裁量を持って仕事に取り組んでいます。
弊社はそんな「自由度」が特徴なので、エンジニアチームだけでなく、デザイナーチームやカスタマーサポートチームなど、あらゆる職種の社員が「自分たちの提供しているサービスはどうあるべきか?」「どんな機能を実装したらお客様が喜んでくれるのか?」を常に考え続けていて、多方向から様々なアイディアが集まります。それらをエンジニアチームが技術の専門家として受け止めて、実現していく形ですね。
社内では情報や数字をかなりオープンに公開していて、リリースしたものに対するお客様のリアクションがどうだったのかということも、カスタマーサポートチームから全社員に共有されます。コミュニケーションツールとしてSlackを採用しているので、改善要望はもちろん感謝のメッセージなんかもSlackに流れてきます。リアルな声をもとにしながら開発ができる環境です。

人員の拡大をしているとお伺いしていますが、採用方針はどのようなものですか?

矢部:フロントやサーバーサイド、インフラなど幅広い職種で募集をしていて、1年後には現状の2倍の人員を目標にしています。ただし、これから組織が大きくなっていくとしても縦割りにはせず、社員一人ひとりが主体性を持ってサービスに関わるという現在の姿勢は保ち続けたいと思っています。もちろん専門性を持った人材は必要ですが、例えば「インフラしか触れない、インフラを触れない人が居る」という状態にはなるべくしたくありません。

StoresCTO矢部さん

CTOは案件をスムーズに進めるための潤滑油としての役割を担う

矢部さんは2017年にCTOに就任されていますが、2015年の入社当時と比較して、組織としてCTOという役職を持つメリットは何だと感じますか?

矢部:私が入社した当時は、STORES.jp(旧会社名:株式会社ブラケット)はZOZOTOWNなどを運営するスタートトゥデイグループの傘下でした。2016年にMBOで独立し、チーム体制やエンジニアのメンバーも大きな変動があったんです。そういうタイミングで、CTOという役職を改めて作った形です。
MBO以前から、自由に自分たちのサービスを開発するスタンスは変わっていないのですが、CTOを据えることによって社内外でのやり取りがより円滑になったと思います。技術面の責任者として決定権を持つ人間がフロントに立っていることで情報のやりとりや整理がスムーズになりますし、他のメンバーも案件を進めやすい部分はあると思いますね。

CTOという役職ができてから、エンジニア評価制度で変わった部分はありますか?

矢部:まだまだ模索段階で現在制度を整えている最中ですが、私がCTOになってからは1on1のミーティングを行うようにしています。何か問題や困っていることがないか、次のタイミングまでにどんなことを目標にしていきたいかかなどのヒアリングが中心です。また、評価期間を半期に1回のタイミングで設けているので、その時までにどんな成果を出せたのかをお互いにすり合わせるようにもしていますね。

技術の進歩が極めて早い業界の中で、CTOとして情報や知識のアップデートなどはどのように行っていますか?

矢部:なるべく社外の人と接する機会を持つようにしています。私の場合、プログラミング言語のRubyが好きなのでRubyのコミュニティにはよく参加したりしています。
その中でつながりを持った人がどんなことに興味を持っているのか、どんな分野にアンテナを張っているのかということをキャッチアップすると非常に参考になります。チャンスがあればCTOなどの立場で活躍されている方ともお話ができるように心がけています。

storesCTO

試験期間を経て、週に1回のリモートワークを全社的に実現

現在、リモートワークも採用されているそうですが、導入の経緯を教えていただけますか?

矢部:「今後リモートワークという働き方が増えていくだろう」ということで、週1回好きな曜日を選んでリモートで働ける制度を試験的に始めました。約1年の実験期間を経て、現在は全社的に正式に導入しています。リモートワークを選択した側、そしてリモートワークの人がいる状況で働いた社内の人、両者の目線から意見やコメントを集めて、いいところ、悪いところを見極めていった形です。

試験的導入にあたって気をつけたことはありますか?

矢部:守ってほしいことや、リモートワークを選択する際の注意点などを事前に共有していました。
例えば、「今日は体調が悪いのでリモートワークにします」というのはNG。体調が悪い時はしっかり休みを取ってもらうことなどですね。リモートであるが故になあなあになってしまいそうな部分はあらかじめ潰しておいた形ですね。

実際にリモートワークをした側と、社内側ではどんな意見が出てきたのでしょうか?

矢部:主にコミュニケーションに関する部分への意見が多かったですね。リモートワークする側は会社内の会話は見えませんから、「突然要件が決まった」と感じることがあったようです。そのため、きちんと経緯が把握できるように詳細にSlackに書き込もうということになりました。社内側としては、リモート側が今どこで何をしているのかがわかりませんから、反応がなかなか返ってこないと心配になることがありました。長時間離席する場合は事前にSlackで共有してもらうなど、オンライン上でのコミュニケーションを密にすることが大切だとわかりましたね。

今後、働き方はどう変えていく予定ですか?

矢部:現状の課題は、週1のリモートを今後どれだけ増やせるかということです。ネックになっているのはミーティングのやり方なので、どうしたらリモートでも参加しやすくなるのかを実験しようと思っています。いずれはフルリモートという働き方も考えられるのかもしれませんが、現在実現の目処は立っていません。顔を合わせた会話やミーティングもやはり重要ですから。
また、現在、勤務時間は10時から19時で固定しているのですが、出勤時間を朝6時から12時までの間で選ぶ実験もしています。今後はフレックスタイム制になっていくと思いますね。

CTO矢部さん

こだわりを通じたコミュニティのある商圏にあったプラットフォームへ

今後のSTORESの展望についてお聞かせください。

矢部:サービススタート当初に掲げられた、「誰でも簡単にオンラインストアを作れる」という目的は達成できました。現在STORES.jpを利用しているストアオーナー様は、何らか、自分のこだわりやカルチャーなどを通じたコミュニティを形成している方々が多くいらっしゃるのが特徴です。そんなストアオーナー様の大切なコミュニティとの関係性が強くなり、楽しみながら活動が続けられる仕組みを作ることに注力していきたいです。

例えば、より顧客管理をしやすい機能。自分のコミュニティとより深くコミュニケーションをとれるよう、メルマガやクーポンなどのセグメントが今よりも細かくできるようにするものだったり。他には、オンラインのみならず、オフラインでもコミュニケーションが取れるようなポップアップショップ展開のサポートだったり。

ストアオーナーさんは、日々、商品撮影から、配送、カスタマーサポートまで幅広く活動しているので、忙しいんですよね。ですので、決まったルールに従ってできる作業の時間を短縮してあげられるような機能も考えています。余った時間で、よりストアオーナーさんが自分のコミュニティと深く繋がれる時間につかってほしいですね。

業界全体としては、これからどのように変化していくと思われますか?

矢部:よりオンラインとオフラインの境目がなくなっていく世界になるのかなと思っています。STORES.jpのグループ会社であるコイニー株式会社は決済サービスを提供していてオフラインに強いですから、オンライン主体のSTORESと連携・協力して、EC業界全体を盛り上げていければと思っています。


この記事を書いた人
flexy編集部
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