EDRとは?必要な領域や活用するために求められるスキルを解説

EDR

近年、サイバー攻撃の巧妙化とリモートワークの拡大により、エンドポイントのセキュリティ対策が企業にとって不可欠になっています。

その中で注目されるのが、侵入後の異常検知や対応を担うEDR(Endpoint Detection and Response)です。

本記事では、フリーランスエンジニアとして知っておくべきEDRの基本や、求められるスキル、導入領域について詳しく解説します。EDRに精通することで、高単価の案件獲得にもつながるでしょう。FLEXY(フレキシー)では、これらのスキルを活かせる週4~5稼働の案件をご紹介しています。

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EDRとは?フリーランスエンジニアが理解すべきセキュリティの基礎

EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイント上で発生する不審な動作を監視・分析し、攻撃の兆候をリアルタイムに検出して即座に対応するセキュリティ製品です。

単なるウイルス対策にとどまらず、ログ収集・フォレンジック・自動隔離など、被害の最小化を実現します。ゼロトラストやクラウド活用が進む中、フリーランスであってもセキュリティ知識がある人材が求められています。

従来のアンチウイルスとの違いは「検知力」と「対応力」

従来のアンチウイルスソフト(EPP)は、ウイルス定義ファイルに基づき既知のマルウェアをブロックするのが主な役割でした。

しかし、日々進化する攻撃手法に対し、それだけでは不十分です。EDRは、振る舞いベースの検知を実装しており、ファイルレス攻撃やゼロデイ攻撃など、未知の脅威にも反応できます。

例えば、感染が疑われるプロセスを自動で停止し、関係システムから隔離する処理が可能です。また、EDRは検知後のログを保存し、事後分析にも活用できます。このように、単に「感染を防ぐ」のではなく、「感染しても被害を拡大させない」ことがEDRの価値です。

クライアントがフリーランスにもセキュリティ知識を求める理由

クラウド化やリモートワークの一般化により、企業のIT環境は社内ネットワークの枠を超えて拡張しています。

そのため、フリーランスのエンジニアにもセキュリティ対策に関する理解と対応力が必要不可欠です。EDRのような製品を活用し、自ら脅威を特定・対応できるスキルは、組織全体の防御力を支える一要素です。

フリーランスが業務委託で参加する場合でも、攻撃の起点になるリスクは社内メンバーと変わりません。セキュリティガイドラインを遵守し、ログの取り扱いやアクセス制御に関する知識がある人材は、信頼されやすく、継続的な契約にもつながります。

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EDRが必要とされる領域

EDRは、以下の領域で必要とされています。

  • インフラ・SRE・セキュリティPMOなどの専門領域
  • 開発案件
  • ゼロトラストやクラウド移行の領域

ここでは、それぞれの領域別に詳細を解説します。

インフラ・SRE・セキュリティPMOなどの専門領域

インフラやSRE、セキュリティPMOといった職種では、EDRの運用知識が実務に直結するスキルとみなされつつあります。

とくにSRE(Site Reliability Engineering)は、可用性と安全性を同時に維持することが求められるため、エンドポイントの異常を迅速に検知し、適切に対処できる仕組みが必要です。

EDRはログの常時収集、行動履歴の追跡、リアルタイムのインシデント対応機能を備えており、運用現場の負荷軽減にもつながります。

セキュリティPMOでは、複数のプロジェクトを横断的に管理する立場から、EDRを含むエンドポイントセキュリティの導入計画や運用ポリシーの策定に関与することも増えています。

攻撃対象がエンドポイントに集中する現在の脅威環境において、EDRは単なるツールではなく、インフラ・運用戦略そのものに直結する要素として重要です。

開発案件

開発業務においても、EDRへの理解は不可欠です。理由は、アプリケーションやサービスが実行されるクライアント環境自体が攻撃対象になりやすいためです。

エンドポイントが安全でなければ、いくらコードが堅牢でも意味を成しません。最近では、開発工程の段階からセキュリティ対策を組み込む「セキュリティ・バイ・デザイン」の発想が求められており、EDRを前提とした設計・実装が推奨されるケースが増えています。

具体的には、ログ取得を意識したアプリケーション構造の設計や、EDRが正しくふるまいを検知できるようなプロセス管理、不要な権限の排除など、開発エンジニアに求められる役割は従来より高度化しているのです。

ゼロトラストやクラウド移行の領域

ゼロトラストモデルやクラウド環境への移行が加速する中、EDRの導入は単なる選択肢ではなく、前提条件になりつつあります。

ゼロトラストとは「信頼しないことを前提とした設計思想」であり、ユーザーやデバイスの状態を常に検証し続けることが基本原則です。ゼロトラストを支える仕組みとして、EDRは欠かせません。各エンドポイントの挙動をリアルタイムで把握し、異常が発生すれば即座に遮断・隔離が可能なためです。

また、クラウド環境ではアクセス元やネットワーク構成が多様化し、従来の境界型防御では対応しきれなくなっています。EDRはマルチクラウドやハイブリッド環境でも柔軟に動作し、オンプレ・クラウドを問わず一元的にエンドポイントを保護できることから、多くの企業で導入されているのが現状です。

EDRは、ゼロトラストやクラウドセキュリティ戦略を実行に移す上で中核的な役割を果たしています。導入済み企業だけでなく、今後導入を検討する企業にとっても、技術選定や運用設計の観点からEDRの知見を持つ人材は不可欠です。

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なぜ今、フリーランスにもセキュリティ対応力が必要か

以下の理由から、フリーランスにもセキュリティ対応力が必要です。

  • サイバー攻撃が高度化しているため
  • フリーランスにも「組織を守る意識」が求められているため
  • セキュリティに強い人材は長期的に選ばれやすくなるため

それぞれ詳しく解説します。

サイバー攻撃が高度化しているため

サイバー攻撃は近年、AIや自動化技術の進展により、これまでにないスピードと規模で巧妙化しています。

Fortinetの「2025年版グローバル脅威ランドスケープレポート」によれば、攻撃者は脆弱な標的を早期に特定するために、世界中で毎秒3万6千回にもおよぶ自動スキャンを展開しており、これにより従来型のセキュリティ対策では即時対応が困難な局面が増加中です。

国内でも深刻な影響が広がっています。警察庁が2025年に発表した「令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」では、ランサムウェアによる被害報告件数が222件に達し、依然として高水準で推移していることがわかります。

特に注目すべきは、その63%(約140件)が中小企業を標的とした攻撃であり、前年より37%増加しているという点です。この傾向からも、中小規模の事業者においても高度な脅威への備えが急務であることが明らかです。

このような状況下では、エンドポイントでの即応と調査が可能なEDRが対策の要となります。未知の攻撃に対するリアルタイム検知と即時隔離、詳細なログ解析による被害の抑止が期待されます。

フリーランスにも「組織を守る意識」が求められているため

リモートワークや業務の外部委託が一般化した現在、フリーランスも企業ネットワークの一部として機能する時代となりました。こうした状況において、攻撃者はセキュリティの手薄な外部パートナーをあえて「侵入の足がかり」とするケースが増えています。

IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威(2025年)(https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2025.html)」でも、サプライチェーンや委託先を狙った攻撃が上位です。これは、フリーランスや外注先が「攻撃の突破口」となるリスクが現実的であることを示しています。

そのため、フリーランスにおいてもゼロトラストを意識したアクセス制御やEDRなどのエンドポイント防御、2要素認証の導入など、組織水準の対策が求められるようになっています。

セキュリティに強い人材は長期的に選ばれやすくなるため

近年、クライアントがフリーランスや外部パートナーに求めるのは、単なる成果物の納品だけでなく、継続的にセキュリティリスクを管理できる能力です。

サイバー攻撃が日常化する現代では、セキュリティに強い人材が長期契約や再委託の対象となる傾向が強まっているのです。

実際、Verizonの2025年版「Data Breach Investigations Report」では、「第三者(外部パートナー)」が関係する侵害が前年度の2倍に増加していることを報告しています。

こうした環境下で、フリーランスも基本的なセキュリティ習慣を確実に備えていることが、信頼構築と長期的な関係の維持につながります。

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EDRを活用するために必要なスキル

EDRを活用するためには、下記のスキルが求められます。

  • EDR製品の導入・運用経験
  • ログ分析・脅威ハンティングの実践力
  • クラウド・OS・ネットワークの基盤知識
  • セキュリティフレームワークへの理解

それぞれのスキルを解説します。

EDR製品の導入・運用経験

EDR製品の導入・運用経験は、実務力とセキュリティ意識の高さを示す重要なアピール材料です。

CrowdStrike、Cybereason、Microsoft Defender for Endpointなどの主要EDRツールは、単純なエージェントのインストールだけでなく、検知ルールの調整や除外ポリシー設計、アラート対応のオペレーション構築など、実践的な設計・運用の経験が問われます。

特に企業規模が大きくなるほど、導入時の設計力や展開計画の立案が欠かせません。加えて、脅威インテリジェンスとの連携や、EDRの検知結果をもとにしたSOCとの連携体制の構築経験があれば、現場の信頼を得やすくなります。

運用実績があるかは、セキュリティ案件の受注に直結する要素の一つです。

ログ分析・脅威ハンティングの実践力

EDRの価値は、膨大なログデータを「脅威の兆候」に変換できるかで決まります。ログ分析や脅威ハンティングは、ツールの導入だけでは完結せず、そこから発せられるアラートの正確な解釈や、異常を事前に見抜くスキルが求められます。

例えば、通常業務では見られないPowerShellの連続実行や、外部IPとの長時間通信といった不審な挙動は、感染の前兆である可能性が高いです。こうした動きを即座に察知し、影響を最小限に抑える行動が求められます。

さらに、SIEMやXDRと連携して相関分析を行うスキルがあれば、異なるログの中から一貫した攻撃を見出すことも可能です。分析の深さと対応の速さの両方が、ハイレベル人材としての評価につながります。

クラウド・OS・ネットワークの基盤知識

EDRの適切な活用には、基盤技術の理解が欠かせません。EDRは多層的に動作するため、WindowsやLinuxなどのOSレベルのプロセス挙動、ファイルシステム、権限構造への知識が前提です。

また、クラウド環境においては、AWSのIAM、VPC、セキュリティグループ、AzureのRBACなどを踏まえたEDRの設計が欠かせません。

例えば、EC2にエージェントを配置する場合でも、OSとクラウドの連携設定を理解していないと、適切なログが取れず、検知が不十分になるケースがあります。

さらに、ネットワーク知識としては、通信のフロー制御、内部と外部の通信トポロジー、DNSやプロキシなどの理解が、EDRログの意味を正しく解釈するために不可欠です。基礎力の高さがEDRの効果を引き出します。

セキュリティフレームワークへの理解

EDRの活用を体系的に理解する上で、セキュリティフレームワークの知識は不可欠です。

MITRE ATT&CKは、攻撃者の戦術・技術を可視化したフレームワークであり、EDRログがどのTTPに該当するかを分析する軸になります。

例えば、「初期アクセス」「権限昇格」「回避行動」などの各フェーズをEDRで可視化できれば、検知精度が向上し、迅速な対応が可能です。加えて、NISTのサイバーセキュリティフレームワーク(CSF)は、組織全体のセキュリティ方針やプロセスの設計に役立ちます。

これらの枠組みに基づいてEDRを導入・運用することは、単なる対処ではなく、持続可能なセキュリティ体制の実現につながります。技術と理論の両面に明るい人材は、設計段階から重用されるでしょう。

EDRのフリーランス・副業案件を見つけるならFLEXY(フレキシー)

EDRに関わるフリーランス案件を探すなら、FLEXYをご活用ください。FLEXYは、セキュリティ領域に強みを持つエンジニアやPMO人材向けに、週4~5日稼働の高単価案件を多数取り扱っています。

技術顧問やテックリードといった上流工程のポジションも多く、セキュリティ体制の構築やログ分析業務など、スキルを存分に発揮できる内容が揃っています。

また、FLEXYでは専任コーディネーターによるマッチング支援も受けられるため、自分のスキルや希望条件に合った案件に出会いやすい環境が整っているのも魅力です。キャリアアップと実務経験の両立を目指す方は、まず無料登録だけでも済ませておきましょう。

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EDRのスキルを活かしたキャリアパス

EDRのスキルを活かしたキャリアパスとしては、下記が挙げられます。

  • セキュリティエンジニア
  • クラウドセキュリティエンジニア
  • SREエンジニア
  • セキュリティコンサルタント

それぞれ解説します。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、企業の情報資産やシステム全体をあらゆる脅威から保護する専門職です。

EDRを活用したリアルタイム監視やログ分析、アラート対応に日常的に取り組むことが求められます。多くの企業では、SOC(Security Operation Center)やCSIRT(Computer Security Incident Response Team)との連携を通じて、迅速なインシデント対応体制を整備しています。

EDRは検知力だけでなく、攻撃範囲の特定や端末隔離のトリガーとしても活用されるため、製品ごとの機能差やログ形式への理解も不可欠です。また、検知精度を上げるためのルールチューニングや、社内へのセキュリティ教育も役割に含まれる場合があります。

こうした実務を重ねることで、より高度なセキュリティアーキテクトやコンサルティング領域へとキャリアの幅を広げやすくなります。

クラウドセキュリティエンジニア

クラウドセキュリティエンジニアは、AWSやAzureなどのクラウド環境において、セキュリティ設計から運用までを担う職種です。

ゼロトラストやSASE(Secure Access Service Edge)の考え方が普及する中、EDRを含む防御体制の再構築が進んでおり、その中核を支えるのがこのポジションです。

クラウド上の仮想マシンやコンテナ環境にEDRエージェントを展開し、検知・対応ルールを環境ごとに最適化する作業が求められます。IAM(認証と認可)、ネットワークACL、セキュリティグループなどと連携しながら、アクセス制御の設計にも深く関与します。

SREエンジニア

SRE(Site Reliability Engineer)は、開発と運用の境界を越えてシステムの信頼性を高める役割を担います。

SREの目的は、障害の発生を最小限に抑えつつ、可用性・拡張性・セキュリティを継続的に改善していくことです。EDRを活用するSREは、セキュリティを単なる「外部からの防御」に留めず、運用監視の一環として位置づけます。

例えば、システムの挙動監視と並行して、EDRによるプロセスや通信の異常検知を活用し、セキュリティインシデントの早期発見につなげます。また、インシデント発生時の影響範囲の特定や復旧の迅速化にも貢献するでしょう。

DevSecOpsの文脈では、インフラコードにセキュリティを組み込む知見も重要とされており、EDRを含めたセキュリティ対応はSREの業務範囲として年々拡大しています。

セキュリティコンサルタント

セキュリティコンサルタントは、企業の情報セキュリティ課題を診断し、EDRを含む最適なソリューションを提案・設計する役割です。

上流工程に属するこの職種では、脅威分析や現状評価(アセスメント)をもとに、どのEDR製品が業務環境に適しているかを選定し、運用体制まで設計します。また、導入フェーズでは現場メンバーへの技術トレーニングや初期設定支援、SIEMやXDRとの連携構築なども任されることがあるでしょう。

さらに、経営層への説明責任やコスト対効果の提示といったビジネス的視点も不可欠です。顧客との信頼関係を構築する力やプレゼンテーションスキル、加えて技術理解も兼ね備えた人材は、多様な業界から高く評価されています。

EDRを軸に、技術とマネジメントを橋渡しできる存在として活躍できます。

EDRを活用してセキュリティ案件を獲得しよう

EDRに関する知識やスキルを磨くことで、より高単価で安定したフリーランス案件の獲得につながります。

近年、企業のセキュリティ意識が一段と高まり、EDR導入や運用の経験を持つエンジニアへの需要が増加中です。特に、EDRを通じた攻撃の可視化や迅速な初動対応、ゼロトラストやクラウド基盤との連携といった実務スキルを備えた人材は、多くの現場で重宝されています。

また、単なるツールの操作にとどまらず、ログ分析や脅威ハンティング、MITRE ATT&CKへの理解といった応用力も案件選定において重要な判断材料です。こうしたスキルを証明するポートフォリオや実績があれば、企業側からの信頼も得やすく、長期的な契約にもつながりやすくなります。

FLEXY(フレキシー)では、EDRに関連するフリーランス案件を多数取り扱っています。技術的なマッチング精度も高く、実績に応じた最適な案件紹介が可能です。

EDRのスキルを武器に、より専門性の高いキャリアを構築したい方は、無料登録だけでも済ませておきましょう。

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