Rubyの資格の代表例「Ruby技術者認定試験」を解説!勉強方法や難易度も紹介

Webサービスの開発分野で強い人気を誇るプログラミング言語といえば、Rubyを思い浮かべる人が多いでしょう。Webサービスを活用する企業が増加する中、技術力の客観的な証明を求められる場面も増加しています。
本記事では、Rubyの技術力を証明する代表例「Ruby技術者認定試験」について解説します。体系的な学習とスキル認定を求めているRubyエンジニアは、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
Rubyの資格の代表例「Ruby技術者認定試験」の概要
「Ruby技術者認定試験」は、非営利団体「Ruby Association」が実施する公式資格で、Rubyの基礎から高度な技術力を評価します。Silver(基礎)とGold(応用)の2段階制となっておりRuby3.1.xに対応した最新バージョンが採用されています。
試験の概要は以下のとおりです。
項目 | Silver | Gold |
---|---|---|
試験時間 | 90分 | 90分 |
試験方法 | コンピュータ試験 (CBT:Computer Based Testing) |
コンピュータ試験 (CBT:Computer Based Testing) |
問題数(方式) | 50 問(選択式) | 50 問(選択式) |
合格ライン | 75 % | 75 % |
出題範囲 | ・文法 ・組み込みライブラリ ・オブジェクト指向 |
・実行環境 ・文法 ・オブジェクト指向 ・メタプログラミング ・組み込みライブラリ ・標準添付ライブラリ |
料金 | 一般:16,500円(税込) 学割:8,250円(税込) |
一般:16,500円(税込) 学割:8,250円(税込) |
Rubyの資格「Ruby技術者認定試験」の試験範囲と難易度
ここからは、各「Ruby技術者認定試験」の試験範囲と難易度について解説します。
なお、本試験の合格率は双方ともに公表されていません。特定非営利活動法人スキル標準ユーザー協会の「ITSSキャリアフレームワークと認定試験・資格の関係(ISV Map Ver11r2)」によると、いずれもエントリレベルに指定されているため、チャレンジしやすい資格であるといえます。
Silver
「Ruby技術者認定試験 Silver」の試験範囲は、主に以下の3つの主要な領域に分類されます。
文法
- コメント
- リテラル(数値、真偽値、文字列、文字、配列、ハッシュ等)
- 変数/定数とスコープ
- 演算子
- 条件分岐
- ループ
- 例外処理
- メソッド呼び出し
- ブロック
- メソッド定義
- クラス定義
- モジュール定義
- キーワード引数
組み込みライブラリ
- よく使用されるクラス、モジュール
- (Object、数値クラス、String、Array、Hash、Kernel、Enumerable、Comparable等)
オブジェクト指向
- ポリモルフィズム
- 継承
- mix-in
Silver試験の難易度は「基礎から中級レベル」と位置づけられており、基本的な概念と主要な機能を理解し、簡単なプログラムを作成できるレベルが想定されます。
Gold
一方で、「Ruby技術者認定試験 Gold」の試験範囲は、主に以下の6つの主要な領域に分類されます。
実行環境 組み込み変数/定数
文法 リテラル 変数と定数 演算子 ブロック 例外処理 大域脱出 キーワード引数 ナンバードパラメータ ラムダ式(->) パターンマッチ ヒアドキュメント
オブジェクト指向 メソッドの詳細 メソッドの可視性 クラスの詳細 クラスの継承 モジュールの詳細 Module#prepend Refinements
メタプログラミング eval、define_method、instance_variable_get等
組み込みライブラリ よく使用されるクラス、モジュール (Object、Module、Kernel、Enumerable、Comparable等) 数値 正規表現 Proc Enumerator
標準添付ライブラリ time、date、singleton、forwardable等
Gold試験の難易度は「中級から上級レベル」とされ、Silverよりも範囲が広く内容も複雑となっており応用力が強く問われます。
Ruby技術者認定試験を取得するために必要な勉強時間の目安
Ruby技術者認定試験に合格するために必要な勉強時間は、個々のRuby経験やプログラミングスキル、学習スタイルによって大きく異なります。一般的には、Silverで50時間〜100時間、Goldで10時間〜100時間の勉強時間が必要です。
GoldはSilverの内容を深く問われるため、Silver合格後はあまり期間を空けずに勉強を始めるといいでしょう。
Rubyの資格取得に向けての勉強方法
Rubyの資格取得に向けての主な勉強方法は以下の5つです。あなたに合う勉強方法を見つける参考になさってください。
市販の参考書・教材を使う オンライン学習で過去問・模擬問題を解く Rubyの公式ドキュメントを利用する 実際にRuby環境を構築してみる Rubyの案件に参画する(既に一定のスキルレベルがある場合)
市販の参考書・教材を使う
最も手軽に勉強を始めるのであれば、市販の参考書・教材の活用が効果的です。Ruby技術者認定試験の公式サイトでは以下の3冊が紹介されています。
最短突破Ruby技術者認定試験(Silver/Gold対応)公式テキスト(https://gihyo.jp/book/2024/978-4-297-14216-2) メタプログラミングRuby第2版(https://gihyo.jp/book/2024/978-4-297-14216-2) Rubyのしくみ(https://tatsu-zine.com/books/ruby-under-a-microscope-ja)
「公式テキスト」は、SilverとGoldの両レベルに対応した知識習得に役立ちます。練習問題や模擬試験も用意されているため、知識の週読度合いの確認にも有効です。
「メタプログラミングRuby」は、Gold試験の重要分野であるメタプログラミングに関する参考書です。具体的なコード例が豊富なので、実践的に学習を深められます。
「Rubyのしくみ」は、言語仕様の背景や挙動の理由を深く理解する際に役立つ一冊です。
オンライン学習で過去問・模擬問題を解く
オンライン学習を活用すれば、過去問・模擬問題に挑戦できます。おすすめのサイトは以下の3つです。
Ruby技術者認定試験Silver模擬問題(https://github.com/ruby-association/prep-test/blob/version3/silver_ja.md) Ruby技術者認定試験Gold模擬問題(https://github.com/ruby-association/prep-test/blob/version3/gold_ja.md) RubyExamination(REx)(https://rex.libertyfish.co.jp/)
「Ruby技術者認定試験模擬問題」は、Ruby Associationが公式に提供しているオンラインの模擬問題集です。実際の試験に近い形式と、Silver・Goldのレベルに応じた問題が多数用意されています。
「RubyExamination(REx)」は、リバティフィッシュ株式会社によって提供されている模擬問題集です。Silver・Goldの模擬問題が合わせて300問用意されています。Githubアカウントを所有していれば無料で利用可能です。
Rubyの公式ドキュメントを利用する
Rubyの公式ドキュメント(https://www.ruby-lang.org/ja/documentation/)も試験対策に有効です。Ruby初心者であれば、基本を20分ほどでカバーできる「20分ではじめるRuby」(https://www.ruby-lang.org/ja/documentation/quickstart/)から始めるといいでしょう。他言語の経験がある方であれば「他言語からのRuby入門」(https://www.ruby-lang.org/ja/documentation/ruby-from-other-languages/)もおすすめです。
「Rubyリファレンスマニュアル」(https://docs.ruby-lang.org/ja/3.4/doc/index.html)には、Rubyの言語仕様、組み込みライブラリ、標準添付ライブラリの全てのクラスやメソッドについて、詳細な説明と使用例が記載されています。特定のメソッドの挙動や引数、返り値などを正確に確認する際に便利です。ライブラリの詳細な仕様が問われるGoldレベルの学習に不可欠です。
実際にRuby環境を構築してみる
知識習得と並行して、Ruby環境を構築して手を動かすのも重要です。実際にコードを実行して動きを確認すれば、より理解が深まります。
まずは、試験対象バージョンのRuby(現在は3.1.x)をインストールし、簡単なプログラムを実行できる環境を整えます。環境が構築できれば、参考書の内容を参考に試験で問われやすい組み込みライブラリのメソッドを試してみましょう。
Rubyの操作に慣れてきたら、学習した知識を使って何か小さなツールの作成もおすすめです。試験対策だけでなく、実際の業務で使えるスキルにもつながります。
Rubyの案件に参画する(既に一定のスキルレベルがある場合)
一定レベルのRubyスキルをお持ちであれば、実際の案件への参画をおすすめします。座学だけでは得られない、実践的な問題解決能力や知識が身につくからです。
特に、実際のWebアプリケーション開発でも必要とされるメタプログラミングや標準添付ライブラリの応用的な知識は、Goldの試験で問われる内容です。実務に携わりながら、知識を深められる効果的な試験対策となります。
なお、実際にRubyの案件を獲得する際には、FLEXY(フレキシー)(https://flxy.jp/lp/lp001)をご活用ください。専任のコーディネーターが、あなたのレベルや希望に沿った案件をご紹介いたします。クライアントとの交渉も代行可能なので、試験勉強に集中したい方におすすめです。
Rubyの資格を取得するメリット|案件獲得・転職にも有利にはたらく
Rubyの資格取得は下記のようなメリットをもたらします。
スキルを客観的に証明できる 案件選定時に優先される 自信とモチベーションの向上
Ruby資格を取得することで、自己申告や職務経歴書では伝わりづらいスキルレベルを、資格取得によって客観的に証明できます。採用担当者やクライアントに対して、あなたのRubyスキルが一定水準を上回っている点をスムーズに提示可能です。
また、フリーランス向けプラットフォームや転職サイトでは、特定の資格保有者を検索条件に指定可能です。資格によってあなたのプロフィールが注目されやすくなるため、初期の選考時にクライアントの目に留まりやすくなります。
さらに、難易度の高い試験(特にGold)に合格すると、自身の技術力に対する自信が深まります。また、試験に合格するという成功体験は、今後の学習やキャリアに対するモチベーション向上にもつながるのです。
Rubyの資格取得後にハイレベルかつ高単価の案件を獲得するならFLEXY(フレキシー)
Ruby技術者認定試験や、後述するRails技術者認定試験を取得した後は、資格を最大限に活かして、より条件の良いハイレベルな案件を獲得したいと考えるのは自然です。効率的に高単価案件を獲得したいのであれば、ぜひFLEXY(フレキシー)(https://flxy.jp/lp/lp001)にご登録ください。
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Ruby on Railsの資格「Rails技術者認定試験」も併せて取得するのがおすすめ
Rubyエンジニアとして活動する際には、Web開発フレームワーク「Ruby on Rails」の専門性を評価する資格「Rails技術者認定試験」(https://railsce.com/)も取得するのがおすすめです。以下に本試験の内容をまとめます。
Rails4 技術者認定ブロンズ試験 Rails4 技術者認定シルバー試験 Rails5 技術者認定ベーシック試験 対応バージョン Rails 4.0 Rails 5.0 受験料金 一般:10,000円(税抜) 学割:5,000円(税抜) 12,000円(税抜)
一般:10,000円(税抜) 学割:5,000円(税抜) 試験時間 1時間 合格ライン 7割正解 種別 基本知識を問う試験 実務で使えるコーディング力を問う試験 基本知識を問う試験
Rails技術者認定試験の種類別の出題範囲と難易度(合格率)
ここからは、以下の3つのRails技術者認定試験に関して、種類別の出題範囲と難易度を詳しく見ていきます。
Rails4 技術者認定ブロンズ試験 Rails4 技術者認定シルバー試験 Rails5 技術者認定ベーシック試験
各試験の直近の合格率は公表されておりませんが、2015年7月の情報によるとブロンズが53%、シルバーが19%となっていました。試験の目的は大きく変わっていないと思われるため、現在の合格率も同程度であると予想されます。
Rails4 技術者認定ブロンズ試験
「Rails4 技術者認定ブロンズ試験」(https://railsce.com/bronze)の試験範囲は以下のとおりです。
項目 出題割合 1. Ruby on Railsの基本 10% 2. Scaffolding機能によるRails開発の基礎 10% 3. ビュー開発とヘルパー 20% 4. モデル開発 20% 5. コントローラ開発とルーティング 20% 6. テスト(MiniTest) 10% 7.メールと国際化 10%
Railsアプリケーション開発の基礎知識を問う内容となっており、選択式で出題され7割正解で合格となります。難易度は「やや易しい」とされているため、公式テキストや模擬問題を活用して学習すれば、十分合格を狙えます。
Rails4 技術者認定シルバー試験
「Rails4 技術者認定シルバー試験」(https://railsce.com/silver)の試験範囲は以下のとおりです。
項目 出題割合 1. Rails概要 10% 2. ActiveRecord 40% 3. ルーティングとActionController 20% 4. ActionViewとヘルパー 15% 5. ActionMailer (メール) 5% 6. テスト 10%
実務で求められるコーディング力や設計力を問う内容となっています。難易度はブロンズより高く、実際の合格率は約19%と低めです。知識習得のみに偏らず、実際に手を動かしてコードを書き動作を確かめながらの学習をおすすめします。
Rails5 技術者認定ベーシック試験
最後に「Rails5 技術者認定ベーシック試験」(https://railsce.com/basic)の試験範囲を見てみましょう。
項目 出題割合 1. Ruby on Rails概要 10% 2. ActiveRecordとActiveModel 35% 3. ActionPack 20% 4. ActionView 15% 5. ActionMailer 5% 6. ActionCableとActiveJob 5% 7. テスト(Minitest) 10%
Rails5系の新機能や現場でよく使われる主要コンポーネントの知識を問う試験です。難易度はブロンズよりやや高く、Rails4シルバーと同等かやや易しいレベルとされています。
Rubyの資格取得に関してよくある質問
Ruby技術者認定試験やRails技術者認定試験に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめます。
Ruby技術者認定試験に有効期限はある?
Ruby技術者認定試験には、有効期限は設けられていません。 一度合格すれば、その資格は永続的に有効です。ただし、Ruby言語自体の継続的なバージョンアップに伴い、試験内容も改訂され、対象となるRubyのバージョンが更新されていきます。
取得した資格のバージョンが古いと、正当に評価されない可能性もあります。
Rubyの資格がないとRuby関連の仕事には就けない?
資格がなくてもRuby関連の仕事は可能です。 資格の有無よりも実務経験、ポートフォリオ、技術面接での受け答えなどを重視して採用判断を行うからです。
ただし、同じ仕事に就いたとしても会社によっては資格手当が発生する場合もあります。学習意欲が示されるため、高く評価される場合もあるでしょう。このように資格は、あなたの市場価値をさらに高め、キャリアの可能性を広げる強力なツールとなるのです。
Rubyの資格を取得して案件獲得や転職を有利に進めよう
本記事では、Ruby技術者認定試験を中心に、RubyおよびRuby on Rails関連の資格について、概要や試験範囲、難易度、学習方法などについて詳しく解説しました。
今後、Rubyエンジニアとして案件獲得や転職を検討されているのであれば、本記事の内容を参考に、試験合格に向けて学習を深めてください。各資格は、あなたのRuby/Railsスキルを客観的に証明し、市場価値を高めるための戦略的な武器となります。必ずあなたに大きなメリットをもたらすでしょう。
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