マーケティングプロモーションとは?PRとの違いや具体的な方法を紹介

現代は市場の成熟化に伴って競合他社との差別化が困難になりつつあり、いかにして製品の認知度やサービスの付加価値を高めるかが問われています。そこで重要な役割を担うのがマーケティングプロモーションです。マーケティングプロモーションの組み立て方や代表的な手法について解説するので、ぜひご参考にしてください。
目次
マーケティングプロモーションとは?
マーケティングプロモーションとは、自社が提供するプロダクトの認知度を最大化し、売上の向上やブランドイメージの確立につなげる活動の総称です。マーケティングはプロダクトを販売する仕組みの包括的概念であり、その一環として実行される広告や販売促進をプロモーションと呼びます。
つまりマーケティングプロモーションは、マーケティングという枠組みにおいてプロダクトの認知拡大や購買意欲を喚起する活動全般を指す概念です。
PRとの違い
PR(Public Relations)とは、組織が市場やメディア、消費者、顧客などと良好な関係を構築・維持するための活動を意味します。プロモーションは消費者に向けて購買意欲の醸成や認知度の拡大を図る取り組みであり、その一環として社会的認知に影響を与えるPRが含まれます。マーケティングという広範な概念にプロモーションが含まれ、さらにその一部にPRが内包されるという構造です。
マーケティングとプロモーションの違い
マーケティングとプロモーションは同義の概念と捉えられがちですが、その定義は明確に異なります。
マーケティングの意味
マーケティングとは、消費者のインサイトや顧客の潜在需要を分析し、自社のプロダクトを効率的に提供する仕組みを構築する活動を指します。端的にいえば「製品やサービスが自然に売れる仕組みをつくる活動」であり、プロダクトを売り込むことなく販売できる仕組みの構築がマーケティングの役割です。
マネジメントの発明者として知られるP・F・ドラッカーは、著書のなかで「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」と述べています。
出典:マネジメント【エッセンシャル版】基本と原則(p.17)|P・F・ドラッカー(著)/上田惇生(訳)
プロモーションの意味
プロモーションとは、消費者の購買意欲を喚起する活動全般を指す概念です。広告や販売促進のような直接的な活動のほか、消費者や顧客との信頼関係を構築するPRや広報などの取り組みもプロモーションに含まれます。
マーケティングの理想は直接的な販売を不要にすることですが、プロダクトが認知されなければ購入には至りません。また、既存顧客のロイヤルカスタマー化を促進しなければ事業の持続的な発展は困難です。こうした潜在顧客への認知拡大や既存顧客のファン化を目的とする活動全般をプロモーションと呼びます。
マーケティングプロモーションの目的
マーケティングプロモーションを実施する主な目的は、以下の3点です。
販売促進
マーケティングプロモーションの主要な目的として、販売促進による売上の最大化が挙げられます。
具体的には、広告による潜在顧客の見込み客化や既存顧客への直接的な人的販売、消費者の購買意欲を刺激するキャンペーン展開、プロダクトを実際に体験できるイベントの開催などの手法を駆使して販売促進を図り、売上の最大化につなげます。
集客
あらゆるビジネスモデルにおいて集客は極めて重要な課題であり、マーケティング活動ではプロモーションがその役割を担います。マス広告やWeb広告、ダイレクトマーケティング、期間限定セールの開催、店頭でのデモンストレーションなどの手法を用いれば、プロダクトの認知度は高められます。
これらを通じてより多くの見込み客を集めることが、マーケティングプロモーションの重要な役割です。
ブランディング
現代市場はプロダクトのコモディティ化が加速していく傾向にあるため、優れた製品やサービスを開発するだけでなく、いかにしてプロダクトのブランド価値を高めるかも重要です。そのためにはプロダクトの本質的な価値を抽出し、ブランドの魅力やコアメッセージを市場に伝えなくてはなりません。
プロダクトに対する共感性や顧客ロイヤリティを最大化し、競合他社との差別化を図ることがマーケティングプロモーションの目的です。
マーケティングプロモーション戦略の組み立て方
マーケティングプロモーションの戦略を組み立てる基本的なプロセスは以下のとおりです。
目標設定・分析
マーケティングプロモーションの戦略を組み立てる第一歩は目標設定と現状分析です。
「売上の増加」「新規顧客の獲得」「既存顧客のロイヤルカスタマー化」「市場占有率の拡大」といった目標の明確化は、ターゲットの詳細や施策の方向性を定める一助になります。
そして「PEST分析」「5フォース分析」「3C分析」などの分析手法を活用し、ビジネスモデルの強み・弱み、参入市場の成長性、競合他社の動向、見込み客のニーズ、法規制の動向などを調査します。
ターゲットの設定
マーケティングプロモーションを効率的に展開するためには、その市場におけるターゲットを絞り込むプロセスが必要です。たとえばコスメの販売促進を仕掛ける場合、ラグジュアリー志向の商品とコストパフォーマンスを重視する商品では見込み客の属性が異なります。
見込み客が普段どのようなメディアを利用し、何に悩み、いかなるメッセージに共感するかなどを調査・分析し、ターゲット像を明確化することで訴求方法や実践すべき施策を具体化できます。
予算の設定
戦略の範囲や施策の内容によって必要な投資額が異なるため、まず詳細な売上予測や参入市場のトレンド、競合他社の動向や見込み客の属性などを分析し、戦略と施策の方向性を定めるプロセスが必要です。
次に全体のマーケティング予算のなかからプロモーションに割り当てる予算の上限を設定します。この予算が、SNS広告やリスティング広告を展開するのか、あるいはダイレクトマーケティングを中心に取り組むのかなど、具体的な手法を定める際の指標になります。
訴求する価値の決定
マーケティングプロモーションの役割は購買意欲の喚起であり、いかにして消費者や顧客にプロダクトの魅力を伝えるかが重要です。そのためには、自社の製品やサービスについて深く掘り下げるとともに、競合他社のプロダクトや見込み客の潜在需要などを分析する必要があります。
そして競合製品と比べたときの独自性や優位性を言語化・数値化し、その付加価値をどのようにしてターゲットに伝えるかを検討・決定します。
マーケティング手法の選定
次はターゲットの属性や予算、プロダクトの特性などに基づいて、具体的な手法を選定します。
たとえば幅広い消費者層の認知度を高めたい場合、テレビ広告やスポンサーシップなどが有効ですが、これらでは巨額の予算が必要であり、細かなターゲティングには不向きです。
他方、ダイレクトマーケティングは低予算で開始できるものの、顧客リストに含まれない潜在顧客へのアプローチはできません。こうしたメリット・デメリットを比較しつつ、自社の戦略に適した手法を選定することが大切です。
スケジュール設定
マーケティング全体の予算や選定した手法に基づいてプロモーションのスケジュールを設定します。プロジェクト規模が大きくなるほど関わる人数が増大し、スケジュールの変更や調整が困難になるため、ロードマップを用いて全体の方向性を示すプロセスが必要です。
その後、プロジェクトの中間地点となるマイルストーンを定義し、各方面との調整を図りつつ細かなスケジュール設定を進めていきます。
効果の測定
マーケティングプロモーションは一度の実践で終わりではなく、「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「Check(評価)」→「Action(改善)」のPDCAサイクルを回し続ける継続的な改善が必要です。
市場調査や顧客分析を介してプロモーションの戦略と方向性を定め、実行した施策の成果を評価・分析し、その知見に基づく仮説を立てて検証を繰り返すことで、市場の変遷や需要の動向に関連するより深い洞察を得られます。
マーケティングプロモーションの主な手法
マーケティングプロモーションの代表的な手法として挙げられるのが、「広告」「販売促進」「スポンサーシップ」「ソーシャルメディアマーケティング」です。
広告
広告は、テレビや雑誌、新聞、Webサイト、SNS、検索エンジンなどの広告枠を利用してプロダクトの認知拡大を図る手法です。マーケティングプロモーションにおける代表的な手法であり、製品・サービスの存在とブランド価値を多くの見込み客にアピールできます。
たとえばテレビ広告は不特定多数の潜在顧客に幅広くアプローチでき、検索連動型のリスティング広告は詳細なターゲティングに基づく訴求が可能です。
販売促進
販売促進は、消費者や顧客の購買意欲を醸成する直接的な活動を指します。販売促進の具体的な手法として挙げられるのが、期間限定のキャンペーンや季節需要に基づくイベントの開催、割引クーポンの配布、サンプルの無料提供、パンフレットの配布などです。
広告よりも直接的なアプローチが販売促進の特徴であり、製品やサービスに関心を抱く見込み客に対して購入の決断を後押しする手法といえます。
スポンサーシップ
スポンサーシップは、特定のイベントや組織に対して金銭的・物質的な支援を提供し、その対価として広告枠を確保するプロモーションの手法です。
たとえばプロスポーツや文化事業、音楽フェスティバル、チャリティー活動などにスポンサー出資企業として社名やロゴが掲載されます。それにより、不特定多数の潜在顧客と見込み客にアプローチできるとともに、組織としての信頼性とブランド価値の向上が期待できます。
ソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアマーケティングは、X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、YouTubeなどのSNSを活用するマーケティング手法です。たとえばInstagramの利用者層は比較的若年層が多く、フィード広告やストーリーズ広告を活用することで10代や20代のユーザーへ効率的にアプローチできます。また、世間に与える影響力が大きな人物にプロモーションを依頼するインフルエンサーマーケティングを組み合わせる手法もあります。
まとめ
マーケティングプロモーションとは、製品・サービスの認知拡大や売上の最大化、ブランドイメージの確立などを目的とする活動の総称です。消費者や顧客の購買意欲を喚起する活動全般を指す概念であり、広告・販売促進・スポンサーシップ・ソーシャルメディアマーケティングなどが代表的な手法に挙げられます。
また、組織が市場やメディアと良好な関係を構築・維持するためのPR活動も、マーケティングプロモーションの一環です。競合他社との差別化を図るとともに、自社独自の顧客体験価値を創出するためには、マーケティングプロモーションへの戦略的な取り組みが不可欠といえるでしょう。