外部からプロ人材を迎え入れて情シスを強化!情シスに必要なスキルやマインドとは?――スパイダープラス
写真左側から: 管理本部 情報システム部 橋本明日香さん、管理本部 情報システム部 部長 中島啓太さん、社長室 HRセクション 武井洋勝さん
建設Techのパイオニアとして、建設業界向けの図面管理・情報共有アプリ「SPIDERPLUS(スパイダープラス)」を提供しているスパイダープラス株式会社。
ICT事業とエンジニアリング事業を軸に、建設業における業務効率化を始めとした現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションを提供中で、2021年3月には東証マザーズへの上場も果たしました。
FLEXYからは、同社の情報システム部へプロ人材を紹介しました。そこで今回は情報システム部部長の中島さん、橋本さんと、社長室HRセクションの武井さんの3名にお話を伺い、急成長中の企業でプロ人材がどのような働き方をしているのか、また情シスの面白さなどについてお教え頂きました。
ご紹介したプロ人材 | フルスタックエンジニア |
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案件概略 | 情報システムに係る、アーキテクチャ検討支援、システム開発、その他技術的アドバイス |
スキル要件 | ビジネス, セキュリティ, SaaS, サーバ(Linux), インフラ(IaaS, PaaS), ネットワーク |
期間 | 3ヶ月 |
稼働頻度 | 週3日 |
働き方 | リモート |
目次
エージェントへの相談から1週間程度で複数面談、プロ人材をスピーディに採用
―今回、情シスのメンバーを募集されていた背景について教えてください。
管理本部 情報システム部 部長 中島啓太さん(以下、中島):ポジションとしては2種類募集していました。業務効率化やセキュリティといった、企業成長に伴う様々な課題をITで解決していくため、ひとつは企画から導入、運用まで一気通貫で情シスに関するプロジェクトマネジメントができる方。もうひとつが、既に新規構築を決めていた内製システムの設計・構築ができる方です。今後の情報システムのアーキテクチャにおける基幹部分となるため、特に急いでいたのが後者のポジションで、ベンダーコントロールをするというよりも実際に自分で手を動かせるエンジニアを探していました。
管理本部 情報システム部 部長 中島啓太さん
―希望するスキルを持ったエンジニアを探すにあたって、FLEXYを利用されたのはなぜですか?
中島:実は、少し前に当社にジョインした方の前職がサーキュレーション(FLEXYの運営会社)だったのです。そのつながりでFLEXYさんをご紹介頂き、コンサルタントである野谷さん(※)とコンタクトを取りました。エンジニアの募集はFLEXYさん以外にも出していたのですが、野谷さんに相談をしたところ、即日で候補者を2名ご紹介頂けたのでとても驚きました。細かい日付で言うと、5月7日に相談して、11日にはもう面談をしていたくらいのスピード感です。最初の2名はどちらかというとベンダーコントロールをする側の人材だったのでマッチせず見送りましたが、13日には新たにTさんという方の書類を紹介頂いて、14日にはもう面談を実施しました。
―御社では社員以外の採用も積極的に行っているのでしょうか?
社長室 HRセクション 武井洋勝さん(以下、武井):SPIDERPLUSの開発部署では数多くご参画頂いていますね。上場後の事業戦略としてSPIDERPLUSの開発に注力しているため、随時実施している正社員採用の他、業務委託の方の参画にも積極的な状況です。また、開発以外でも、企業成長に伴う様々な課題をITの力で解決していくため、雇用形態を問わず、豊富な知見をお持ちの方に参画頂きたいと考えています。
社長室 HRセクション 武井洋勝さん
自社でやりたい内容に対して新たな提案をしてくれたのが採用の決め手
―今回は最終的にTさんを採用されましたが、採用を決めたポイントについて教えてください。
中島:今回はインフラをクラウドで構築しようと思っていたのでその知見があったことと、企画から実装まで幅広い業務をご対応頂けそうだったことです。
当初は私が概要を設計していたので、詳細設計以降の工程を実装まで持てる方を探していましたが、Tさんに関しては、ビジネス要求のインプットで、私の検討していた概要設計部分からより良い方向に見直すことができ、詳細設計から実装まで幅広く対応できるスキルをお持ちであると判断したため、採用に至りました。
―面談ではどのようなご質問をされましたか?
中島:通常の採用面接のような、細かい質問はあまりしませんでしたね。どちらかというと「こういうことをやりたいからこういう人材を探している」という状況だけを伝えて、そこから話が広がるかどうかを見ていました。Tさんは「それならもっとほかのやり方がありますよ」と新しい提案をしてくれて、内容にも納得度があったのが良かったポイントです。
最低限のコミュニケーションで納期重視のプロジェクトを問題なく推進
―Tさんは具体的にどのようなタスクを担っているのでしょうか?
中島:当社が提供しているSPIDERPLUSというプロダクトの環境内にある、アクセス制御のシステムをリニューアルする対応部分をお願いしています。
現状のアクセス制御のシステムでは、ユーザー管理に一部手動のオペレーションが必要となり、管理工数が高いため、統合ID管理ツールと連携をし、管理上の負荷を下げつつ、統合ID管理ツールの機能を用いた、更なるアクセス制御の強化を進めたいというニーズが起点のタスクです。
―稼働頻度や働き方について教えてください。
中島:フルリモートで、大体週3日程度稼働頂いています。Slackでやり取りをしているのですが、マイクロマネジメントはしておらす、週1回の定例で情報交換をする他は、トピックが出たタイミングで都度連絡をする程度です。
今回お願いしているタスクは技術的な難易度よりも納期を重視しています。実際に対応をお願いしている内容としてはTさんのスキルだと、比較的容易な部類なのですが、その点はむしろ安心してお任せできるので良かったですね。
情シスの魅力に迫る
ITの力を使って経営課題を社内で解決できるのが情シスの魅力
写真左側から: 管理本部 情報システム部 部長 中島啓太さん、管理本部 情報システム部 橋本明日香さん
―情シスで働く面白さはどんなところにあるのでしょうか?
管理本部 情報システム部 橋本 明日香さん(以下、橋本):私はSIer出身なのですが、SIerだとお客様の要望の範囲内でしか業務の最適化ができず、会社全体を考える業務に携わりたいと思い、情シスに転職しました。自社プロダクト持っているスパイダープラスの成長を支える事もやりがいですが、今後は要望が出るより先にITサービスを提供できているような環境を作りたいですね。
自分たちで部署を作っていけることや、会社の環境を変えていける楽しさがあると感じています。
中島:企業のシステムに対する投資対効果を自分で感じながら仕事ができるのは、情シスという仕事を選ぶメリットです。外注側にいると、システムを作ったとしてもそれが上手く活用されているかは見えませんから。社内にいれば、システムがどう使われていて今後どこに改善点があるのかまで自分ごととして扱えるのが面白いところです。
また、情シスとプロダクト開発ではマインドセットが大きく異なります。プロダクト側の目的はトップラインを狙うことですが、情シス側はビジネスを円滑に回すのが目的です。バックヤードでITを扱う法務や総務、あるいは経営人材に近い立場だと感じています。そういう意味で言うと、「経営課題を解決する」というミッションを持って業務に臨めるのも情シスで働く楽しさの一つです。
今の世の中は業務改善の手段が最終的にITにつながることが多いわけですが、そこでITがわからないと結局どこかに外注する必要がありますし、初期の要件定義ができないこともあるでしょう。その点、情シスはバックヤードでITを活用できるメリットがあると思いますし、個人的には情シスが会計知識を持てばより強い存在になれると感じています。
情シスに求められる資質は幅広い業務の企画・調整に挑戦するマインド
―では、情シスに向いているのはどのような人材なのでしょうか?
橋本:自分が経験した事がない業務でも、挑戦し、楽しめるマインドをお持ちの方が向いていると思います。
中島:会社が成長ステージにあるとそうですよね。特に小規模な情シスだと、関わる業務の範囲や裁量がものすごく広いです。多様な経験ができるのは、成長途上にある会社の情シスの良いところだと思います。そういう意味でほかに求められる能力は、企画力でしょうか。
橋本:0-1で生み出す力も必要ですね。多部署と関わることが多いので、コミュニケーションや調整の仕方も個人的には大切にしています。
中島:汎用的なスキルが求められる分、エンジニアとして特化するのが難しい点は悩みどころでもありますけどね。
ITというスペシャリティを武器に最適な社内システムを判断する
―情シスは例えばIT推進室といった部署名が付くこともありなかなか本質を捉えづらい部分もありますが、最後に「情シスとは何か」という点について、中島さんのお考えをお聞かせください。
中島:一般的にはオフィスサービスの延長としてのITの提供や、基幹システムの保守を行っているあまり目立たないチームという印象が強いですよね。でも本来の情シスは、どちらかというと経営企画寄りの立場だと考えています。経営課題の解決手段がITというだけなので、経営企画傘下のITチームという言い方が近いでしょうか。会社のフェーズに応じて、どういった社内の情報流通が必要なのかを判断し、実際にどんな設計が良いのか、スペシャリティを持って検討し、プロジェクトを推進していくのが情シスのあるべき姿だと思っています。
最終的に社内システムが運用フェーズに入って日々のルーチンを回すだけになったら、サービスの継続的な改善はトピックとしてあるものの、サービス運用の世界なので視点が少し変わってくると思います、こちらは管理部門傘下のITチームという言い方が近いと思います。情シスの上流は経営企画、下流はファシリティ管理のような立ち位置という感じですね。もちろん会社によって考え方は違うと思います。
ルーチン部分は積極的に自社で持つ必要も無いと考えていますし、ほかにも単体の業務課題に対してはわざわざ自社でカスタマイズしたシステムを入れずとも、事業部門が独自にSaaSを導入すればいい世の中ですし。やはり、強みとして持っておくべき点は、会社全体として自社でやるべき部分、外注すべき部分を見極められる、上流のマインドだと考えています。
ただ、チーム全員が上流に特化したメンバーで構成されていると、技術的に高度なスキルが必要な課題に対応しきれなくなるため、チーム内で技術的な研鑽を重ねていくこともそうですが、FLEXYのようなサービスを適宜活用していくことが今後求められていくと感じています。
企画/編集:FLEXY編集部