Reactとは?特徴や使用するメリット、学習方法をわかりやすく解説

Reactの基本概念や特徴、使用するメリット、学習方法について詳しく解説します。Reactは、効率的なWebアプリケーション開発に有用なフレームワークであり、多くの開発者に支持されています。初心者から上級者まで、Reactの魅力と活用方法をわかりやすく紹介していますので、ぜひ最後までご一読ください。

React(リアクト)とは?

React(リアクト)とは、ユーザーインターフェース(UI)構築のためのJavaScriptライブラリで、Webサイト上のアニメーションや動的な処理の実装に特化しています。Meta社(旧Facebook)によって開発され、React.js(リアクトジェイエス)とも呼ばれます。

Reactの大きな特徴は、コンポーネント(部品)ベースのアーキテクチャをもつ点です。小さな部品を組み合わせて複雑なUIを作成でき、コードの再利用性やメンテナンス性が向上します。開発者が効率的に高品質なUIを構築できる環境を提供するものですが、この点について詳しくは後述します。

AngularJSやVue.jsといったフレームワークと比較されることがよくありますが、ReactはフレームワークではなくUI構築のライブラリです。他のツールやライブラリと組み合わせやすく、柔軟に使える点が強みです。

Reactが注目を集めた背景

Reactが注目を集めた背景には、SPA(Single Page Application)と呼ばれるアプリケーションの普及があります。SPAとは、コンテンツを更新する際にページの遷移を必要とせず、ひとつのWebページ上で処理が完結するアプリのことです。ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与し、よりスムーズな操作感を提供します。

SPAの普及に伴い、UIを合理的かつわかりやすく作る必要性が高まりました。しかし、従来の方法では複雑なUIを効率的に管理するのが難しく、新しいアプローチが求められました。そこで注目されたのが、Reactのもつコンポーネントベースのアーキテクチャです。

Reactはコンポーネントを組み合わせて、複雑なUIを構築できるため、コードの再利用性やメンテナンス性が向上します。また、仮想DOM(Virtual DOM)を採用することで、効率的なレンダリングを実現し、高いパフォーマンスを維持します。

これらの背景を踏まえ、事項からはReactの具体的な特徴や仕組みについて詳しく解説していきます。

Reactの特徴・仕組み

ここでは、Reactの特徴や仕組みについて解説します。

コンポーネントベースのアーキテクチャ

Reactの大きな特徴のひとつがコンポーネントベースのアーキテクチャであることです。Reactは、コンポーネントと呼ばれる再利用可能な部品を管理するためのライブラリであり、各コンポーネントは独立した単位として設計され、それぞれが特定の機能や表示を実現します。コンポーネントベースであることによって、複雑なユーザーインターフェース(UI)を効率的かつわかりやすく構築することが可能です。

例えば、ボタン、フォーム、ナビゲーションバーといった基本的なUI要素を個別のコンポーネントとして作成し、これらを組み合わせることで複雑なインターフェースを構築します。このアーキテクチャが、コードの再利用性を高め、メンテナンスを容易にしているのです。

さらに、機能の変更や追加がしやすいというメリットもあります。個々のコンポーネントが独立しているため、特定の機能を更新する際に他の部分に影響を与えにくく、効率的に開発を進められるでしょう。

宣言的プログラミング

Reactには、宣言的プログラミングを採用しているという特徴もあります。宣言的プログラミングとは、処理の結果「こういう表示にしたい」という目標を記述する方法であり、処理内容を順番に書く手続き的プログラミングとは異なります。Reactでは、UIの状態をそのまま記述することで、複雑な処理を簡潔かつ明確に表現することが可能です。

具体的には、「このコンポーネントはどう表示されるべきか」を宣言的に記述します。これによりソースコードが短くなり可読性が向上し、処理内容も理解しやすくなるうえ、保守も容易になるのが強みです。

また、Reactは仮想DOMと組み合わせて、効率的にUIの更新を行うため、ユーザーエクスペリエンスが向上し、パフォーマンスの高いアプリを構築できるようになります。

仮想DOMを採用した効率的なレンダリング

仮想DOM(Virtual DOM)を採用した効率的なレンダリングも、Reactの特徴のひとつです。仮想DOMとは、ブラウザのDOM(Document Object Model)をそのまま操作するのではなく、メモリ上に仮想的なDOMを生成し、そこで変更点を管理する仕組みです。

具体的には、ページの一部が更新される際に、Reactはまず仮想DOMを更新します。その後、古い仮想DOMと新しい仮想DOMの差分を計算し、その差分だけを実際のブラウザのDOMに反映します。このため、不要なDOM操作を減らし、パフォーマンスを向上させられるでしょう。

この効率的なレンダリングの仕組みにより、動作が軽く、反応速度の高いWebアプリを構築できます。特に、大量のデータを扱うアプリや、頻繁に更新が発生するインタラクティブなUIにおいて、その効果は顕著です。

Reactでできること

ここでは、Reactでできることについて解説します。

Webアプリの開発

Reactは、単一のWebページからなるWebアプリ(SPAアプリ)の開発に特に適しています。従来のマルチページアプリケーション(MPA)とは異なり、SPAはページの再読み込みを行わずに、必要な部分だけを動的に更新するため、ユーザーになめらかでシームレスな体験を提供できるでしょう。

ReactがSPA開発に向いている理由は、効率的なレンダリング能力にあります。仮想DOMを採用しているため、DOM操作を最小限に抑えられます。レンダリングが高速かつ効率的に行われるため、大規模なアプリでも高いパフォーマンスを発揮できるのが強みです。 Reactを使用することにより、具体的には以下のようなメリットが得られます。

  • ユーザー体験の向上:
    ページの再読み込みを行わず、必要な部分だけを更新するため、ユーザーに快適な操作感を提供できる
  • 開発効率の向上:
    コンポーネントベースのアーキテクチャにより、再利用可能なコードを書きやすくなり、保守性が向上する
  • 高速なレンダリング:
    仮想DOMによって効率的なレンダリングが可能で、大規模アプリでもパフォーマンスを発揮できる

スマホアプリの開発

Reactから派生したReact Nativeを使用することで、スマートフォン向けのモバイルアプリを効率的に開発できます。React Nativeは、Reactの基本コンセプトを引き継ぎつつ、iOSとAndroidとの両方に対応したアプリを開発できるフレームワークです。開発者はひとつのコードベースで異なるプラットフォーム向けのアプリを構築できます。

React Nativeの主な特徴と利点は以下の通りです。

  • 効率的な開発プロセス:
    ひとつのコードベースでiOSとAndroidの両方に対応するため、プラットフォームごとに別個に開発する必要がなく、開発時間とコストを大幅に削減できる
  • 高パフォーマンス:
    ネイティブコードに変換されるため、ユーザーになめらかな操作感と高速なパフォーマンスを提供できる
  • コンポーネントベースのアーキテクチャ:
    Reactと同様に、再利用可能なコンポーネントでアプリを構築できるため、開発効率と保守性が向上する
  • 豊富なプラグインとライブラリ:
    幅広いサードパーティ製プラグインやライブラリをサポートしており、開発者は簡単に機能を拡張できる

VRコンテンツの開発

Reactを活用することで、VRコンテンツの開発も可能です。特に「React 360」というフレームワークを使用すれば、Web上でVRを表現する技術を利用できます。React 360は、Reactの基本概念をVRコンテンツに応用するためのフレームワークであり、開発者はReactの知識を生かしてVRコンテンツを構築することが可能です。

React 360はMeta製のOculusに対応したコンテンツを作成できますが、互換性のあるツールを使用すれば、HTCなど別のプラットフォーム向けのVRコンテンツも作成可能です。異なるプラットフォームに対応したコンテンツをひとつのコードベースで開発できるため、時間とコストが大幅に削減されます。

Reactを利用するメリット

ここでは、Reactを利用するメリットについて解説します。

さまざまな分野で活用できる

Reactは、Webアプリ開発において特に効果を発揮します。また、Reactから派生したReact Nativeを使用すれば、スマートフォン向けモバイルアプリの開発もひとつのコードベースで可能です。さらに、React 360というフレームワークを使用することによって、VRコンテンツも作成できます。Reactは、多岐にわたる分野での開発を支援する、開発者にとって非常に強力なツールです。

最先端UIのアプリを簡単に作成できる

Reactを利用すれば、最先端のユーザーインターフェース(UI)をもつアプリを簡単に作成できます。コンポーネントベースのアーキテクチャを採用しているReactでは、再利用可能なUIパーツをコンポーネントとして作成・組み合わせることで、高度なUIをもつアプリを効率的に構築可能です。

例えば、ボタン、フォーム、ナビゲーションバーなどの基本的なコンポーネントから、カスタムグラフやインタラクティブな地図といった高度なコンポーネントまで、Reactエコシステムには豊富なライブラリやフレームワークがそろっています。開発者は自分で一からUIパーツを作成する必要がなく、既存のコンポーネントを利用して迅速にアプリを構築できます。

Reactを利用するデメリット

ここでは、Reactを利用するデメリットについて解説します。

開発するアプリによっては仮想DOMのメリットを生かせない

Reactの仮想DOMは、多くのアプリで効率的なレンダリングを実現するための強力な技術ですが、すべてのアプリに最適というわけではありません。開発するアプリによっては、仮想DOMのメリットを十分に生かせず、逆にメモリ消費が大きくなり、処理落ちしやすくなる場合があります。

特に、見た目の変化が少ないアプリの構築には、Reactは不向きといえます。例えばニュースアプリなどは、表示内容が頻繁に変わらないため、仮想DOMの効率的なレンダリングのメリットを享受できず、かえってオーバーヘッドが発生する可能性があるでしょう。

一方で、Googleマップのように、ユーザーの操作によって表示内容が大きく変わるアプリの開発には、Reactの仮想DOMが有効です。ユーザーが地図を移動したり、ズームイン・ズームアウトしたりするたびに、効率的なレンダリングが行われるため、なめらかな操作感を提供できます。

開発環境の構築が難しい

Reactは強力なフレームワークですが、開発環境の構築にはいくつかのハードルがあります。具体的には、Node.jsやbabelといったプログラムのインストールが挙げられます。これによりReactの開発環境が整い、Reactコンポーネントのトランスパイルやモジュールのバンドリングが行えるようになるため、欠かせない作業です。

さらに、開発環境を整えた後も適宜アップデートが必要です。Reactは頻繁にバージョンアップが行われるため、最新の機能やバグ修正を取り入れるには、定期的に開発環境の更新を行う必要があります。この点は、特に慣れていない開発者にとっては負担となることがあります。

Reactの学習方法

ここでは、Reactの学習方法について解説します。

React公式サイト

Reactを学ぶ信頼性の高い方法のひとつは、公式サイトの「Learn React」というチュートリアルを活用することです。初心者から上級者まで幅広いレベルの開発者に対応しており、Reactの基本から高度なテクニックまでを体系的に学べます。

Learn Reactチュートリアルの特徴は、以下の通りです。

  • ステップバイステップの学習:
    チュートリアルは段階的に進んでいく構成になっており、基礎から始めて徐々に応用的な内容へと進むため、初心者でも無理なく学習を進められる
  • 実践的な例題:
    理論だけでなく、実際にコードを書いて動かす実践的な例題が豊富に含まれており、実際の開発現場で役立つスキルを身につけられる
  • インタラクティブな学習体験:
    インタラクティブなコードエディタが組み込まれており、ブラウザ上で直接コードを書いて実行でき、学習した内容を即座に確認しながら進められる
  • 最新情報の提供:
    公式サイトでは、新しいバージョンのリリースや機能の追加に伴ってチュートリアルも更新されるため、最新のReactの機能やベストプラクティスを学べる

出典:React|Learn React

書籍

書籍を利用する方法もあります。「Learn React」だけでは理解しきれなかった部分を補うために、書籍は非常に有用です。書籍は、自分のペースで進められるため、忙しいスケジュールの中でも無理なく学習できます。また、何度も読み返せるため、理解を深められます。

ただし、書籍の情報はリリース時で固定されており、最新の技術やトレンドに対応できない点はデメリットです。Reactは頻繁にバージョンアップされ、新しい機能や変更が加わるため、書籍の内容が古くなってしまうことがあります。

オンラインコンテンツ

Web上のオンラインコンテンツの活用も、学習方法のひとつです。書籍は固定された情報を提供するのに対し、オンラインコンテンツは最新の技術やトレンドに即していることが多いため、Reactの学習では有用です。さらに、ビデオレッスンやインタラクティブな演習が提供されていたり、柔軟な学習スケジュールを組めたりする点もメリットとして挙げられます。

実案件に取り組む

Reactの学習において、実際の案件に取り組むことは非常に重要です。机上の空論だけではなく、実際のプロジェクトに関わって手を動かすことで、実践的な知見を身につけられます。

実案件を探す際には、フリーランスエージェントや求人サイトの活用が効果的です。例えばFLEXYでは、エンジニア向けの案件が多数掲載されており、自分に適したプロジェクトを見つけられます。

まとめ

Reactとは、コンポーネントベースのアーキテクチャや仮想DOMなどの特徴をもち、効率的なレンダリングを実現するフレームワークです。Webアプリ、スマートフォンアプリ、VRコンテンツの開発など、さまざまな分野で活用できます。

Reactのメリットとして、最先端のUIを簡単に作成できる点が挙げられます。一方、仮想DOMのメリットを生かせないケースや、開発環境の構築の難しさがあることはデメリットです。

Reactを学ぶ方法としては、公式サイトや書籍、オンラインコンテンツ、実案件に取り組むことが推奨されます。これらの方法を活用して効率よくReactを学び、実践的なスキルを身につけましょう。

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