PMP資格とは?取得のメリットや合格率・難易度を徹底解説
PMP資格は、プロジェクトマネジメントにおいて国際的に認められている資格です。PMP資格の取得を目指す方に向けて、取得のメリット、受験資格、合格率、難易度を解説します。また、初めて受験する方にもわかりやすいようにPMP資格試験の申請から試験、更新までの手続きをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
目次
PMP資格とは
PMP資格は「Project Management Professional(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)」の略で、プロジェクトマネジメントの分野で国際的に認知された資格です。米国の非営利団体PMI(Project Management Institute、プロジェクトマネジメント協会)が認定しており、プロジェクトマネジメントのスキルと知識を証明するものとして高く評価されています。
PMIはPMBOKガイド(Project Management Body of Knowledge、プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)を発行していることでも有名です。このガイドは、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスと共通のフレームワークを提供し、PMP資格試験の基盤となります。PMBOKガイドの知識を活用して、さまざまなプロジェクト管理の課題に対処し、効果的な解決策を提供するスキルがPMP資格で証明できます。
PMP資格を取得するメリット
PMP資格を取得することで以下の3つのメリットが享受できます。
- スキルアップにつながる
- 人脈が広がる
- キャリアアップにつながる
スキルアップにつながる
PMP資格取得の過程でプロジェクトマネジメントのスキルが身に付きます。PMP資格試験の勉強を通じて、PMBOKガイドに基づいた体系的な知識を学ぶことで、プロジェクトの立ち上げから終結までの全プロセスを包括的に理解することが可能です。また、問題解決能力や意思決定能力が向上し、より効率的かつ効果的に業務を遂行できるようになります。
人脈が広がる
PMP資格取得のためには公式研修が必要で、同じ志を持った仲間とつながれます。また、PMP資格を取得することで、PMIが主催するPMP保有者同士のセミナーやカンファレンスに参加できます。同じ分野で働くプロフェッショナルと意見交換して新しい知識を得たり、業界の最新情報を共有したりすることが可能です。
キャリアアップにつながる
PMP資格は国際的に認知されており、プロジェクトマネジメントの専門知識とスキルを証明できます。これにより、就職や昇進の機会が増え、高い評価を得られます。
PMP取得が役立つ職種は以下の通りです。
- プロジェクトマネージャー
- ITコンサルタント
- ビジネスアナリスト
- 経営コンサルタント
- プログラムマネージャー
これらの職種に従事している方々は、ぜひPMP資格にチャレンジしてみてください。
PMP資格の受験資格(条件)
PMP資格の受験資格は、保持する学歴によって異なります。それぞれの受験資格は以下の通りです。
学歴 | 要件 |
---|---|
4年制大学の卒業、またはそれに相当する資格保有者 | ・プロジェクトマネジメントを指揮監督する立場で、直近8年間で36カ月以上の実務経験 ・35時間のプロジェクトマネジメントの公式研修を受講、またはCAPMの資格所有者 |
高等学校の卒業、またはそれに相当する資格保有者 | ・プロジェクトマネジメントを指揮監督する立場で、直近8年間で60カ月以上の実務経験 ・35時間のプロジェクトマネジメントの公式研修を受講、またはCAPMの資格所有者 |
出典:Project Management Professional (PMP)Certification|PMI
PMP資格の合格率・難易度
PMP資格の合格率や難易度を紹介します。
PMP資格の合格率は
PMIはかつて2005年にPMP資格の合格率を61%と発表しましたが、それ以降は公式な合格率を発表していません。インターネットでは、PMP資格の合格率が60%前後とされていますが、試験形式が何度も変更されているため、目安と認識しておきましょう。
PMP資格の難易度は
PMP資格試験は、プロジェクトマネジメントの分野では高難度の試験として知られています。その理由が、PMP資格試験の試験範囲の広さです。PMBOKを中心に、幅広いプロジェクトマネジメントの知識が問われます。試験は230分間に180問(そのうち5問は予備問題)が出題され、人に関する問題が42%、プロセスに関する問題が50%、ビジネス環境に関する問題が8%を占めます。さらに試験問題の50%が予測型プロジェクトマネジメント・アプローチに関するもので、残りの50%がアジャイル・アプローチ、またはハイブリッド・アプローチに関する問題です。単なる知識の暗記だけでなく、実践的な応用力が求められるでしょう。
出典:PMP Examination Content Outline – June 2019|プロジェクトマネジメント協会 (p6)
PMIは、PMP資格試験の合格点を公表していません。ただし、PMP資格を取得するためには、資格要件を満たすための実務経験と試験範囲の理解をカバーするための十分な勉強が必要です。
PMP資格を取得する流れ
PMP資格を取得するまでの一連の流れは以下の通りです。
- PMIアカウントを登録する
- 受験申請と受講料の納付を行う
- 試験を予約する
- 試験を受ける
1. PMIアカウントを登録する
PMP資格試験を受けるためには、PMIのアカウントが必要です。PMIの公式ウェブサイト(www.pmi.org)にアクセスし、サイトの右上にある「Register」ボタンをクリックします。氏名、国名、メールアドレス、パスワードを入力してアカウントを作成してください。PMIのアカウント作成は無料ですが、PMI会員になる場合は年会費が必要なので注意しましょう。
2. 受験申請と受講料の納付を行う
上段で作成したPMIのアカウントでログインした後、PMP資格のページに進み、PMP資格試験を申し込みます。受験申請では、学歴の入力、35時間の公式研修の受講証明、プロジェクトマネジメント経験の証明が必要です。
公式研修の受講証明には、コースタイトル、プロバイダー名、コース日程、修了時間を記入してください。プロジェクトマネジメント経験の証明には、プロジェクトタイトル、会社名、プロジェクトの詳細な説明、プロジェクトの期間などを記入します。必要とされるプロジェクトマネジメント経験の期間は、学歴によって異なります。例えば、4年制大学卒業の場合、直近8年間で36カ月以上のプロジェクトマネジメント経験が必要です。最後に受験者情報を入力し、受験国を選択して、申請を完了します。
PMP資格試験の申請後、PMIから5日後にメールが届くので、そのメール内のリンクから受験料を納付します。料金はPMI会員の場合、405ドル、非会員の場合は575ドルです。
出典:Project Management Professional (PMP)®
3. 試験を予約する
受験料の支払いが完了したら、PMP資格試験の予約をします。PMP資格試験には、試験会場とオンラインとで、2通りの受験形式があります。どちらの形式でも、試験の実施と監督を行うテストセンターで予約を行います。
試験会場での受験では、ピアソンVUE社の公式ウェブサイトのPMIページを開き、試験を予約します。予約にはPMIのアカウントが必要です。人気の日時は早めに埋まることがあるので、できるだけ早く予約しましょう。
オンラインでの試験では、ATA社の公式ウェブサイトのPMIページを開き、試験を予約します。こちらもPMIのアカウントが必要です。
4. 試験を受ける
試験会場での受験では、政府発行の本人確認書類が必要です。運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどを持参してください。試験会場に到着してからセキュリティチェックを受けるため、時間通りに到着するように心がけてください。
オンラインでの受験では、自宅で試験を受けることも可能です。ただし、事前に機器のシステム要件を確認してください。ウェブカメラ付きのパソコンや、監視機器としてのカメラ付きスマートフォンやタブレット端末などが必要です。静かで安定したインターネット環境を準備し、模擬試験を受けるなど、事前にシステム要件を満たすか確認することをおすすめします。
試験は230分間に180問(そのうち5問は予備問題)の多肢選択問題に回答する形式で、途中で10分間の休憩が2回あり、試験結果は5日以内にメールで知らせてくれます。受験申請をしてから1年間で3回まで受験可能なので、諦めずに挑戦してください。
PMP資格におすすめの勉強方法
PMP資格取得はハードな道のりです。合格を確実にするための勉強方法は以下の3つが挙げられます。
- 公式ガイドと参考書を活用する
- 模擬試験を繰り返し受ける
- 公式研修を先に受講する
公式ガイドと参考書を活用する
PMP資格取得の勉強において、公式ガイドと参考書の活用は非常に重要です。特に、PMIが発行する「PMBOKガイド」は必須といえます。PMBOKガイドは、プロジェクトマネジメントの基礎知識を網羅しており、試験範囲の中核を成しています。PMBOKガイドをしっかりと理解することで、試験で求められる知識の多くをカバーできるでしょう。ただし、PMBOKガイドは文量が多く、難解な部分もあるため、それを補うために参考書も利用してください。
また、試験問題の半分はアジャイル・アプローチやハイブリッド・アプローチに関する問題です。これらの方法を理解するためには、PMIの会員になると手に入る「アジャイル実務ガイド」が役立ちます。伝統的なプロジェクト管理方法については、PMIが発行する「プロセス群:実務ガイド」を参考にするとよいでしょう。
これらの資料をバランス良く使い、効率的に学習を進めていくことが合格への鍵です。
模擬試験を繰り返し受ける
PMP資格試験は、過去の問題が非公開です。そのため、PMP資格試験対策で模擬試験の活用がポイントとなります。模擬試験を繰り返し受けることで、実際の試験形式に慣れるだけでなく、自分の弱点を把握して集中的に学習すべき分野を特定できます。
ATA社の模擬試験では、オンラインでの試験と同じ環境で模擬試験が受けられるのでおすすめです。その他、多くの模擬試験の問題集が市販されています。知識が定着するまで繰り返し問題を解くことで、試験当日にベストパフォーマンスを発揮しやすくなります。
公式研修を先に受講する
PMP資格取得のためには、公式研修の受講が必要です。この公式研修では試験に必要な知識やスキルを体系的に学べ、実務に役立つ具体的なテクニックや事例も紹介されています。公式研修で学んだことを復習することで、PMP資格試験の準備がより効果的に進められます。
未経験からPMP資格の取得に必要な勉強時間は?
PMP資格の取得に必要な勉強時間は、一般的に150〜200時間が目安です。ただし、個人の経験や学習能力によって大きく異なります。毎日2〜3時間の学習を3〜4か月続けることで、多くの方が試験に合格しています。計画的な学習スケジュールを立て、継続的に学習することが重要です。
PMP資格には更新が必要?
PMP資格の有効期限は3年間です。資格を維持するためには、3年ごとに更新手続きを行う必要があります。更新のためには、CCR(Continuing Certification Requirements)プログラムに基づいてPDU(Professional Development Units)を取得しなければなりません。CCRプログラムでは、プロジェクトマネジメントに関する教育、実践、ボランティア活動などがPDUとして認定されます。1PDUは1時間の学習や活動に相当し、3年間で60PDUの取得が必要です。
更新手続きは、PDUを取得した後にPMIの公式ウェブサイトで申請し、更新費用(PMI会員は60ドル、非会員は150ドル)を支払うことで完了します。これにより、常に最新のプロジェクトマネジメントの知識やスキルを維持し、PMP資格の価値を保つことが可能です。
まとめ
PMP資格は、プロジェクトマネジメントの専門知識を証明する国際的な資格です。取得すれば世界中の企業でキャリアアップできます。PMP資格試験はPMBOKガイドに基づいた幅広い知識が求められるため、PMBOKガイドや参考書を熟読し、十分な勉強時間を確保して合格に向けて準備を進めてください。
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