Azure Kubernetes Serviceとは?特徴やできること、使用するメリットを紹介

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アプリケーションの開発などを効率化する「Kubernetes」を簡単に活用できるツールが、「Azure Kubernetes Service(AKS)」です。従量課金制で導入のハードルも低いため、世界中で普及しています。Azure Kubernetes Serviceの概要と特徴、メリットなどを見ていきましょう。

Azure Kubernetes Service(AKS)とは?

「Azure Kubernetes Service(AKS)」は、アプリケーションの開発などを大幅に効率化できることから、世界的に普及が進んでいるサービスです。はじめに、その特徴について解説します。

Azure Kubernetes Serviceの特徴

「Azure Kubernetes Service」とは、Microsoft社が提供するマネージドKubernetesサービスです。頭文字を取って「AKS」と略されることもあります。これを導入することで、同じくMicrosoft社が提供するクラウドインフラ「Microsoft Azure(以下Azure)」上で、複雑な操作もなくKubernetesを活用できます。

Azure Kubernetes Serviceは、他のAzureサービスとシームレスに結合できることも特徴です。例えば、Azureのコンテナレジストリ「Azure Container Registry(ACR)」にコンテナを登録すれば、コンテナイメージとそれに関連する成果物を、Azureクラウド上でセキュアに保存・管理できます。

また、「Azure Pipelines」と連携することにより、Azure Kubernetes Serviceの制御下で、ビルド、テスト、デプロイなどの各プロセスを自動化できるのも大きな利点です。アプリケーションなどの開発速度と品質管理に関するパフォーマンスが大幅に向上するでしょう。

そもそもKubernetesとは

そもそもKubernetes(クーバネティス、クバネティス、クバネテス)は、コンテナ化されたアプリケーションの管理、デプロイ、スケーリングなどを自動化できるツールです。オンプレミス、クラウド、ハイブリッドを問わず自由に活用でき、必要に応じてワークロードを移動させることも可能です。アプリケーションの可搬性を向上させたい場合にも適しています。

名前の由来は、操舵手・パイロットを意味するギリシャ語です。Kとsの間に8つの文字があるので、K8sとも略されています。このKubernetesは2014年にGoogle社によって設計され、それから7年後にオープンソース化されました。現在は「Cloud Native Computing Foundation (CNCF)」がホストし、デファクトスタンダード(事実上の標準)のコンテナオーケストレーションツールとなっています。

Azure Kubernetes Service(AKS)を使用するメリット

Azure Kubernetes Serviceを開発に使用することで、下記のようなメリットが期待できます。

開発の高速化

Azure Kubernetes Serviceはマイクロサービスアーキテクチャを採用しており、個々のマイクロサービス単位で機能追加・修正を行えます。それによってアプリケーションなどの提供スピードとスケーラビリティ、柔軟性を向上させられるので、DevOpsやアジャイル開発を実践する上でも有用です。

運用の効率化

Azure Kubernetes Serviceではメンテナンスも自動で行われるため、インフラを考慮に入れる必要がありません。その分、エンジニアはアプリケーションの開発に集中しやすくなります。コンテナのデプロイ、コンテナイメージの管理、スケーリング、クラスタの作成、クラスタのパフォーマンスの監視なども自動で行えるため、運用・管理の効率化に直結します。

セキュリティの強化

Azure Kubernetes ServiceはAzureのセキュリティに準拠していることから、適切な設定を行うことで、多層的にセキュリティが保護された環境下で開発を行えます。

例えば、「Microsoft EntraID(旧Azure Active Directory)」などのAzureの別サービスと連携させれば、アクセス制御、クラスタの認証、データの暗号化などが可能です。クラスタのアクティビティなどもリアルタイムで監視できるため、セキュリティ上の事故や脅威が発生した場合も速やかに対応できるでしょう。

さらに、「Azure Policy」と連携すればクラスタなどに対するポリシーも定義可能です。Gatekeeperとの連携もポリシーで強制できるので、セキュリティとコンプライアンスの強化につながります。

Azure Kubernetes Service(AKS)でできること

Azure Kubernetes Serviceを利用すると、不具合の早期発見や効率的な管理など、さまざまなメリットがあります。

CI/CDパイプラインの構築

DevOpsを実現するためのAzureのツール群「Azure DevOps」には、ビルド、テスト、デプロイ、リリースが自動的に行われるCI/CDパイプラインツール「Azure Pipelines」が含まれています。このAzure PipelinesとAzure Kubernetes Serviceを結合すれば、コードを共有するたびに自動でテストが行われるので、不具合の早期発見とコード品質の維持が可能です。また、異なる環境へのデプロイも、より容易になります。

機械学習モデルの構築

Azure Kubernetes Serviceと「Azure Machine Learning」を連携させることで、機械学習モデルをコンテナ化することも可能です。これにより、機械学習モデルのトレーニングジョブ・推論ワークロードを含めた、全体的なライフサイクルをより効率よく管理できます。コンテナイメージを作成することで再現性も確保されるほか、ローカル環境でも同様に動かせるので、本番環境へのデプロイもスムーズに行えます。

既存アプリケーションのクラウド移行

同じくAzureのサービス「Azure Migrate」と連携することで、既存のアプリケーションをクラウドに移行できます。Azure Migrateでは、オンプレミスのアプリケーションをコンテナ化するサポートも行っているので、まずはこのサービスを用いて、既存の非コンテナ構成のアプリケーションについて調査しましょう。

その後「Azure Container Registry」にDockerイメージを登録したら、Azure Kubernetes ServiceでAzure Container Registryからのイメージを取得し、アプリケーションを展開できます。また、Azureのハイブリッドクラウド「Azure Stack HCI」を使えば、オンプレミスでもAzure Kubernetes Serviceを利用できます。

Azure Kubernetes Service(AKS)の利用料金

Azure Kubernetes Serviceは従量課金制で、毎月の無料サービス量を超えた分のコンピューティングリソース(仮想マシン、関連するストレージ、ネットワークストレージ)のみ料金が発生します。サービスのスケーリングと停止はいつでも可能で、解約手数料もかかりません。また、1年分または3年分を前払いにすると、従量課金制の価格と比べて最大72%の節約になります。

まとめ

Microsoft社が提供する「Azure Kubernetes Service(AKS)」は、Azure環境でセキュアに利用できるマネージドKubernetesサービスです。他のAzureサービスと統合しながら、デプロイ、スケーリング、モニタリングなどを自動化できるので、効率的にアプリケーション開発などを進められます。

AKSも含めたAzureサービスはシェアを拡大し続けているため、今後もAzureの知識を有したエンジニアは重宝されると予測されます。案件も多く、ハイスキルなプロ人材サービス「FLEXY(フレキシー)」でも、Azureサービスを用いたAPI基盤の運用保守などの案件が豊富です。無料登録できるので、希望の案件が見つかるように今のうちから登録だけでも済ませておきましょう。

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