【DevOps中編】苦難も乗り越え上場。組織規模も倍増したステージにおけるChatworkのDevOps

【パネラー】
■Chatwork株式会社/執行役員CTO兼プロダクト本部長 春日 重俊 氏
■株式会社エンペイ/取締役CTO 田野 晴彦 氏

【モデレータ】
アジャイルコーチ/テスト自動化コンサルティング 藤原 大 氏

2021年5月12日に開催されたCTO meetup「本当に心地良いOps(Dev)とは?」のイベントレポート中編です。

・【DevOps前編】今、原点に立ち返る。本当に心地よいOps(Dev)とは?
・【DevOps後編】アジャイルコーチが聞く!エンペイとChatworkのCTOが考えるDevOpsの本質とは?

Chatwork株式会社と株式会社エンペイ、それぞれ企業フェーズが異なる2社のDevOpsには、どのような違いがあるのか。そして、二人のCTOはDevOpsの本質をどのように捉えているのか?具体的事例とともに、ユーザーに迅速かつ柔軟な価値提供をしていくためのヒントをお伝えします。

Chatwork

100人の壁を前に、「2枚のピザルール」で組織を分割

アジャイルコーチ/テスト自動化コンサルティング 藤原 大 氏(以下、藤原):ではここからは春日さんにお話しいただきます。改めまして、Chatworkの会社としてのステージや開発組織について教えていただけますでしょうか。

Chatwork株式会社/執行役員CTO兼プロダクト本部長 春日 重俊 氏(以下、春日):Chatworkは2019年に東証マザーズに上場させていただいており、社員数は189名(2021年4月末日時点)のミドルベンチャーです。プロダクトメンバーは80名以上で、いわゆる100人の壁が見え始めている段階です。

Chatwork

春日:年始の中計では「中小企業のナンバーワンビジネスチャットプラットフォームになる」と発表しており、成長戦略的にはメガベンチャーへの挑戦中でもあります。IRではChatworkのスーパーアプリ化を目指すとしており、Chatworkを軸にしながらも中小企業のDXを加速させるためのさまざまなアプリを立ち上げていかなければいけないと考えています。

組織のケーパビリティが全く足りていない状況なので、今回話を聞いてちょっとでも興味を持ってくださった方がいれば、ぜひ一度カジュアルにお話しできればと思います。

藤原:ありがとうございます。開発組織の人数についても詳しく教えていただけますか?

春日:僕が各部署をマネジメントする上でポリシーにしているのが、「2枚のピザルール」です。1つのチームが数十人規模にならないような形で組織を分割しているということですね。ですから各部署は8名くらいで、10個に分かれているというような状況です。

モノリスなシステムを残しながらも最新技術を導入して改善を継続

藤原:現在実際に使われているツールや技術選定についても教えていただけますでしょうか?

春日:採用候補者さん向けにまとめたスライドを見ていただければなと思います。

春日:これでも全部載せきれていないほどで、構成図は非常に複雑です。ざっくり言うとフロントエンドがReactとReduxですが、それだけでもコードが10万行を超えます。アプリはネイティブでないとユーザー体験を損ねてしまうので、KotlinやSwiftを使っているのが特徴かなと思います。

サーバーサイドは創業当初にPHPで作っていたモノリスな部分があったりするのですが、新しい部分はScalaやakkaを用いて、分散で速度を出すといった取り組みをしています。

あとは分散システムにkafkaやHBASE、kubernetesなど、いわゆる最新技術のトレンドを使っているのですが、当社の場合はどちらかというとスケールの課題を解決するために選択せざるを得なかった感じです。

それからチャットは低レイテンシーで運用しなければいけないサービスなので、監視部分にはNew RelicとDATADOGを両刀で使っています。pagerdutyを採用しているのは、365日24時間何かしら問題があれば対応できるように投資しているという部分です。

藤原:モノリスな10年もののシステムがありながら、どんどん組織も技術も改良されている印象ですね。歴史を感じます。

もう一度開発をやり直せるなら、人事・採用面を早いタイミングで強化したい

藤原:今はどういった形で意思決定をされているのでしょうか?

春日:まず、今は組織開発だけを行うDevHRという部署があります。そこのメンバーと組織的な課題を探りながら、効果が高い部分について議論し、意思決定を行っています。

藤原:専用チームがあるんですね!なるほど。春日さんは10年という歴史をたどってきた有識者ということでぜひ伺いたいのですが、もしもう一度開発をやり直せるのであれば、どういった活動やコード、プラクティス、プロセス、ツールなどを導入したいですか?

春日:今言ったDevHRが抱える課題は、ほとんどが人にまつわることです。実は当社に選任の人事ができたのは2019年からで、上場の前年度までは各本部長が片手間に採用しているような状況でした。そうなるとやはり本業が忙しいために、組織づくりが後回しになりがちだったんですよね。

今でこそDevHRと人事が両輪で活動するというところにたどり着けているので結果的には良かったのですが、人事の部分はまだ弱さを感じますし、もっと早く対策しておくべきだったと感じます。

藤原:組織周りもDevOpsのような形になっているんですね。興味深いです。

   
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FLEXY編集部
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