AWS認定試験とは?資格の種類や難易度について解説
AWS認定資格を取得するには、認定試験を受ける必要があります。本記事では、スキルアップにも役立つAWS認定試験の特徴やメリットに加え、資格の種類やそれぞれの難易度についてお伝えします。AWS認定の資格取得を目指している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- AWS認定試験とは?
- AWS認定試験の一覧
- 【難易度別】AWS認定試験|全12種類の詳細
- 【基礎】AWS認定 Cloud Practitioner
- 【基礎】AWS認定 AI Practitioner
- 【中級】AWS認定 Data Engineer
- 【中級】AWS認定 Developer
- 【中級】AWS認定 Solutions Architect
- 【中級】AWS認定 SysOps Administrator
- 【中級】AWS認定Machine Learning Engineer
- 【上級】AWS認定 DevOps Engineer
- 【上級】AWS認定 Solutions Architect
- 【専門】AWS認定 Advanced Networking
- 【専門】AWS認定 Machine Learning
- 【専門】AWS認定 Security
- AWS認定試験の受験方法
- AWS認定試験の準備に役立つWebサイト
- まとめ
AWS認定試験とは?
AWSとは「Amazon Web Services」の略であり、世界最大のECサイトであるAmazonが提供しているクラウドサービスのことです。AWS活用における専門知識やスキルを有することが認定される公式の資格が「AWS認定」で、これを取得するための試験が「AWS認定試験」です。
今やクラウドサービスは企業のみならず、個人においても欠かせないツールであるだけに、AWS認定試験はソフトウェア関連の職におけるスキルアップに役立ちます。
AWS認定の特徴とメリット
AWS認定は、入門から専門レベルまで幅広いレベルの試験があり、自身のスキルに合うレベルの認定試験を選べます。
また、有効期限が3年であることもAWS認定の特徴です。継続するためには、有効期限が切れる前に再認定されなければなりません。
AWS認定を取得するメリットは、AWSに関する最新の専門スキルを持っていることを雇用先に証明できる点です。AWSの幅広いサービスを体系的に把握し、それらを適切に組み合わせて最適なソリューションを構築する能力を示せるため、自身の市場価値を高められます。
AWS関連の求人・案件は多くあるため、認定によってスキルが証明できれば、応募した案件の合格率が上がるでしょう。 海外での需要も高く、国際的なプロジェクトに携わりたい方にも有益です。
AWS認定の難易度
AWS認定は、難易度によって大きく以下の4レベルに分かれており、それぞれに認定資格があります。
- 基礎:FOUNDATIONAL
- 中級:ASSOCIATE
- 上級:PROFESSIONAL
- 専門:SPECIALTY
AWS認定の中で最も難易度が低く、クラウドサービス初心者に適した認定試験です。AWSやクラウドに関する基礎知識がしっかりと身につきます。
1年程度のAWS実務経験が求められるレベルです。「FOUNDATIONAL」よりも難易度が高い認定資格で、実務においてAWSクラウドに対応できるスキルの証明となります。
2年以上のAWS実務経験が求められるレベルです。高度な技術と幅広い知識が必要となり、受験にあたっては十分な準備が必要です。
2年以上の実務経験、専門分野で5年以上の実務経験が求められるレベルです。専門性に特化していて、難易度は「PROFESSIONAL」と同等かそれ以上です。
AWS認定試験の一覧
- 基礎:FOUNDATIONAL(全2種類)
- Cloud Practitioner
- AI Practitioner(BETA試験:2024年8月13日開始)
- 中級:ASSOCIATE(全5種類)
- Data Engineer
- Developer
- Solutions Architect
- SysOps Administrator
- Machine Learning Engineer(BETA試験:2024年8月13日開始
- 上級:PROFESSIONAL(全2種類)
- DevOps Engineer
- Solutions Architect
- 専門:SPECIALTY(全3種類)
- Advanced Networking
- Machine Learning
- Security
【難易度別】AWS認定試験|全12種類の詳細
受験料や受験方式、合格ラインの点数など、AWS認定試験の種類別の詳細を解説します。自身のレベルと照らし合わせて、受験時の参考にしてください。
【基礎】AWS認定 Cloud Practitioner
▼ポイント
- 資格名:Cloud Practitioner(クラウドプラクティショナー)
- 資格の特徴:AWS認定の中では基礎的な位置付け。非エンジニアなどでもAWSにおける基礎知識を有していることが証明できる。技術的な内容は少なく、営業職やCS職向け。
- 資格取得にかかる目安時間:1カ月程度
▼資格概要
- 受験料:15,000円(2024年4月時点)
- 受験方式:複数選択方式・複数応答方式
- 問題数:65問
- 合格:700点以上
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
【基礎】AWS認定 AI Practitioner
▼ポイント
- 資格名:AI Practitioner(AIプラクティショナー)
- 資格の特徴:2024年8月13日より始まるBETA(ベータ)試験。実際の試験に採用される前に、最新の試験を最初に受験でき、合格すれば新認定の試験の最初の取得者となる。同レベルの標準試験よりも総数とスコアが多く、受講料は標準試験よりも安価である。
▼資格概要
- 受験料:75USD(2024年6月現在)
- 受験方式・合格:詳細は追って公開予定
- 問題数:85問
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
出典:AWS Certified AI Practitioner
【中級】AWS認定 Data Engineer
▼ポイント
- 資格名:Data Engineer(データエンジニア)
- 資格の特徴:対象者は、データエンジニアもしくはアーキテクチャの経験が2~3年、AWSサービスの実務経験が1~2年以上の人材。アナリストなどデータ関連の職に関するスキルアップに効果的。
- 資格取得にかかる目安時間:20~50時間の学習
▼資格概要
- 受験料:20,000円(2024年4月時点)
- 受験方式:複数選択方式・複数応答方式
- 問題数:65問
- 合格:720点以上
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
出典:AWS Certified Data Engineer – Associate
【中級】AWS認定 Developer
▼ポイント
- 資格名:Developer(デベロッパー)
- 資格の特徴:対象者は、AWSベースのアプリケーション開発・保守経験が1年以上である人材。クラウドならではの内容が出題されるため、経験の有無によって難易度に差が出る。
- 資格取得にかかる目安時間:50~100時間の学習時間
▼資格概要
- 受験料:20,000円(2024年4月時点)
- 受験方式:複数選択方式・複数応答方式
- 問題数:65問
- 合格:720点以上
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
【中級】AWS認定 Solutions Architect
▼ポイント
- 資格名:Solutions Architect(ソリューションズアーキテクト)
- 資格の特徴:対象者は、AWSでの実務経験(設計・提案など)が1年以上である人材。基礎知識からサーバ操作やデータベースに関する問題など、エンジニアとしての知識が問われる。
- 資格取得にかかる目安時間:50~100時間の学習時間
▼資格概要
- 受験料:20,000円(2024年4月時点)
- 受験方式:複数選択方式・複数応答方式
- 問題数:65問
- 合格:720点以上
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
出典:AWS Certified Solutions Architect – Associate
【中級】AWS認定 SysOps Administrator
▼ポイント
- 資格名:SysOps Administrator(シスオプスアドミニストレーター)
- 資格の特徴:対象者は、AWSでの実務経験(開発・運用・管理など)が1年以上である人材。取得により、AWS上に構築されたアプリケーション管理に関するスキルが認定される。
- 資格取得にかかる目安時間:50~100時間の学習時間
▼資格概要
- 受験料:20,000円(2024年4月時点)
- 受験方式:複数選択方式・複数応答方式
- 問題数:65問
- 合格:720点以上
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
出典:AWS Certified SysOps Administrator
【中級】AWS認定Machine Learning Engineer
▼ポイント
- 資格名:Machine Learning Engineer (マシンラーニングエンジニア)
- 資格の特徴:2024年8月13日より始まるBETA(ベータ)試験。実際の試験に採用される前に、最新の試験を最初に受験でき、合格すれば新認定の試験の最初の取得者となる。同レベルの標準試験よりも総数とスコアが多く、受講料は標準試験よりも安価である。
- 資格取得にかかる目安時間:50~100時間の学習時間
▼資格概要
- 受験料:75USD(2024年6月現在)
- 受験方式・合格:詳細は追って公開予定
- 問題数:85問
- 会場: オンライン(監督付き)/テストセンター
出典:AWS Certified Machine Learning Engineer – Associate
【上級】AWS認定 DevOps Engineer
▼ポイント
- 資格名:DevOps Engineer(デプオプスエンジニア)
- 資格の特徴:「ASSOCIATE」の「Developer」「SysOps Administrator」の上位にあたる資格。対象者は、AWSクラウドシステムの開発・運用の両経験が2~3年程度ある中級者。開発・運用に関する高度なスキルを有する証明となる。
- 資格取得にかかる目安時間:50~80時間の学習時間(2~3年の実務経験有の場合)
▼資格概要
- 受験料:40,000円(2024年4月時点)
- 受験方式:複数選択方式・複数応答方式
- 問題数:75問
- 合格:750点以上
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
出典:AWS Certified DevOps Engineer – Professional
【上級】AWS認定 Solutions Architect
▼ポイント
- 資格名:Solutions Architect(ソリューションズアーキテクト)
- 資格の特徴:「ASSOCIATE」の「Solutions Architect」の上位にあたる資格。対象者は、クラウドシステムの設計・実装経験が2年以上である人材。実務レベル相当の知識が出題され、合格により専門的な知識や高度なスキルの証明となり、さらなるスキルアップを目指せる。
- 資格取得にかかる目安時間:50~100時間の学習時間(2~3年の実務経験有)
▼資格概要
- 受験料:40,000円(2024年4月時点)
- 受験方式:複数選択方式・複数応答方式
- 問題数:75問
- 合格:750点以上
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
出典:AWS Certified Solutions Architect – Professional
【専門】AWS認定 Advanced Networking
▼ポイント
- 資格名:Advanced Networking(アドバンスドネットワーキング)
- 資格の特徴:対象者は、AWSクラウドシステムのネットワーク構築・運用業務に携わる人材。一般知識よりAWSネットワークに特化した問題が出題される。資格取得により、AWSデータサービスにおける高い専門性が証明される。
- 資格取得にかかる目安時間:入念な事前対策が必要
▼資格概要
- 受験料:40,000円(2024年4月時点)
- 受験方式:複数選択方式・複数応答方式
- 問題数:65問
- 合格:750点以上
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
出典:AWS Certified Advanced Networking – Specialty
【専門】AWS認定 Machine Learning
▼ポイント
- 資格名:Machine Learning(マシンラーニング)
- 資格の特徴:対象者は、データサイエンスやAI開発などの業務に2年以上携わっている人材。実務上起こり得る問題が出題され、特にモデリングにおいては技術的な内容が多く含まれる。取得により、AWSにおけるデータ分析サービスに関する深い専門知識を有する証明となる。
- 資格取得にかかる目安時間:入念な事前対策が必要
▼資格概要
- 受験料:40,000円(2024年4月時点)
- 受験方式:複数選択方式・複数応答方式
- 問題数:65問
- 合格:750点以上
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
出典:AWS Certified Machine Learning – Specialty
【専門】AWS認定 Security
▼ポイント
- 資格名:Security(セキュリティ)
- 資格の特徴:対象者は、セキュリティソリューションの設計・実装のセキュリティ業務経験が5年、ワークロード保護に関する実務経験が2年以上の人材。システム全体のセキュリティに関する幅広い問題が出題されるため、豊富な経験がアドバンテージとなる。
- 資格取得にかかる目安時間:入念な事前対策が必要
▼資格概要
- 受験料:40,000円(2024年4月時点)
- 受験方式:複数選択方式・複数応答方式
- 問題数:65問
- 合格:750点以上
- 会場:オンライン(監督付き)/テストセンター
出典:AWS Certified Security – Specialty
AWS認定試験の受験方法
AWS認定試験の受験は以下の流れで行います。
1. 無料アカウントを作成する
AWS認定試験は、AWSアカウントがないと受験できません。まずはAmazonの公式サイトから無料アカウントを取得しましょう。
2. 申し込みをする
取得したアカウントでログインし、希望の認定資格試験に申し込みます。予約の際に希望日時・試験会場、支払い方法を選択できます。試験会場は、テストセンターでの受験とオンラインの2つから選択可能です。
3. 取得後は3年ごとの更新が必須
AWS認定資格には3年間の有効期限が設けられています。維持し続けるには期限内に更新が必要ですが、その際は再認定を受けなければいけません。再認定の方法は、資格の種類によって異なるオプションがあるので、確認が必要です。
再認定の際にも受験料は必要ですが、AWS認定アカウントに50%オフ特典が受けられます。(2024年6月現在)
再認定の方法は、受験のほかにもトレーニングを受けたり、上位資格を取得したりする方法があります。
出典:aws「AWS 再認定」
AWS認定試験の準備に役立つWebサイト
AWS認定試験の受験には、それなりの準備が必要です。最後に、認定試験の受験に向けて役立つサイトをピックアップしました。
公式のオンライントレーニング
AWSのエキスパートが作成したオンライントレーニングを受けることが可能です。動画コンテンツなので手軽に視聴でき、アップデートが早いため最新情報を確認できます。アカウントがあれば無料のトレーニングと、サブスクリプション登録料が必要なものがあります。
出典:aws「AWS クラウドをキャリアに活用してください。」
公式のサンプル問題
AWS認定試験のサンプル問題が提供されています。600以上の無料プランと、月単位・年単位のサブスクリプションプランがありますが、その種類は多岐にわたり、認定試験に必要な項目を網羅しています。クラスルームトレーニングやデジタルトレーニングのほか、AWS認定資格に関するオンラインイベントや、頼れるトレーニングパートナーを紹介してくれるシステムもあるため、準備期間が充実します。
AWSのホワイトペーパー
AWSとAWSコミュニティーが作成した、AWSに関する技術ガイド、参考資料、アーキテクチャ図、テクニカルホワイトペーパーが利用できるサービスです。膨大な数のホワイトペーパーの中から、受験する認定試験にフィットするカテゴリや業種で絞り込み、効率的に学ぶことが可能です。
AWSクラウドサービス活用資料集
AWSが提供するクラウドサービスに関する資料をまとめたものです。公式イベントのアーカイブ視聴やブログ記事・ホワイトペーパーの閲覧、オンデマンドコンテンツの利用などがあり、これらによって効果的にAWSサービスを活用するための知識を得られます。もちろん、AWS認定試験に役立つ情報も含まれているので、受験対策としても役立ちます。
まとめ
AWS認定にはさまざまなレベルの試験があり、取得すれば相応の専門スキルを持つことを証明できます。AWSクラウドシステムを導入する企業が増えているため、AWS認定資格を持つ人材の需要も上昇中です。
AWSメインの案件をお探しであれば、クラウドエンジニアの案件が豊富なFLEXY(フレキシー)の利用がおすすめです。社内向けAWS基盤の運用・保守業務など、AWSをメインとする案件を多数取り扱っています。
AWS認定試験に向けての学習と並行して案件を探すケースでも、FLEXYではレベル感に合ったフリーランス向けの案件を紹介可能です。この機会に無料登録だけでも済ませておきましょう。