ITエンジニアの市場規模/求人動向はどうなるの?(国内編)

IT業界に転職しようと考える方や、事業としてITを取り入れようとしている企業にとって、今後のITエンジニアの市場動向は無視できない情報なのでは無いでしょうか。 この記事ではIT業界の市場規模や求人動向について、紹介していきたいと思います。

1.国内のIT市場(市場規模)

業界リサーチの発表によりますと、平成27-28年IT業界の市場規模は6兆4,178億円(伸び率+5.6%)となっています。

IT業界は一般的に、景気の動向に左右される側面があり、過去の推移を見てみる平成21年こそ減少しましたが、平成22年以降は、なだらかに成長を続けています。

また、近年の国内景気は、緩やかながら回復基調にあります。リーマンショックや東日本大震災、景気の低迷などで長らくIT投資を先送りしていた企業が、再び投資を再開する動きが見えてきていることも大きな要因と見受けられます。

2.IT人材の市場動向

経済産業省の発表では、IT人材の不足規模を2015年では約17万人、2030年には約59万人になるとなっています。

また少子高齢化により国内の人口減少に伴い、2019年をピークに産業人口が減少に向かうとの予測も発表されています。

故にIT業界は今後も成長を遂げる上で、人材の需要が高まる一方で、供給が間に合わなくなることによりIT人材不足は更に深刻化することが、自明になってしまっているのです。

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3.今後注目の技術とIT人材の動向

今後のIT業界は「人工知能(AI)」「IoT(/M2M)」「ビッグデータ」などの、あらたな技術に伴う発展と、成長を期待され、注目を集めています。

また、こうした技術を扱うことの出来る人材は更に不足されると予想されており、 2016年時点では不足人数が約1.5万人であったのに対して、2020年には約4.8万人になると予測されています。 また現時点での市場の年間平均成長率は5.0%とされているが、上記のような不足人数が従属された場合、市場の年間平均成長率は8.0%にまで登るという可能性も窺えます。

よってIT市場成長を促進するためには、成長の足かせとなり得る不足人材の充足が喫緊の課題となっています。

4.最新技術だけでなく、情報セキュリティ人材は今後も需要は増加傾向

IT投資が進むにつれ、情報セキュリティ対策を担う人材は、これまでと同様に、今後も産業界全体において非常に重要な役割を担うことが期待されています。

また、こうしたセキュリティ人材に関して、2016年時点では不足人数が約13.2万人であったのに対して、2020年には約19,3万人にまで拡大されるとの調査結果もでています。

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5.IT人材動向において現在の課題と今後の期待

人材の過不足において現状の改善が見込まれない大きな要因として、育成の環境が整っていないことが上げられています。

企業駐在人材として、攻め/守りどちらにおいてもIT人材のキャリアパスが明確に描けていない事や、見合った育成方法が整っていない事が調査の中で課題になっていることが浮き彫りになりました。

一方で、企業内のIT投資に関する課題についてヒアリングを行った調査において、人材の育成方法がわからないとの回答が20~30%前後を占める割合となりました。

こうした業界内での人材育成が遅れる中、社外向けの情報セキュリティ人材の量的な不足の原因を尋ねた結果を見ると、「募集をしても必要な経験やスキルを有する応募者が少ない」との回答が最多であり、企業側のニーズと人材市場との間でのミスマッチが生じていることが見て取れる結果となってしまいます。

現状を解決する上で必要になるのがITベンダーの上手な活用と、シニア人材、女性のIT人材の活用です。 企業として役割を分け、上手く外部のリソースを活用することでの体制構築と、社内人材の育成及び、新たな人材層の発掘を行っていかなければ人材不足の問題を解決することは、今後更に困難になっていくと考えます。

ITベンダーの活用、今後の新規人材の育成に関してはまた別の記事にて公開予定です。

参考資料 業界サーチ 経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査

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