ITフリーランスで案件を安定的に獲得するために!始める前に基本をおさえよう

昨今は在宅案件が増え、ITフリーランスとしての働き方に追い風が吹いています。
ITフリーランスの案件にはエンジニアだけでなくCTOや技術顧問などさまざまな内容があり、自分に合った自由な働き方ができるのが魅力です。
しかし、実際はどうすれば安定して仕事ができるのかなど、不安も大きいものではないでしょうか?
ITフリーランスとしての基本的な知識や案件の傾向を知って、自分にとってよい働き方を探ってみましょう。
目次
ITフリーランスの職種
フリーランスの定義
内閣官房公正取引委員会の出した「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」には以下の定義が記載されています。
>「フリーランス」とは法令上の用語ではなく、定義は様々であるが、本ガイドラインにおける「フリーランス」とは、実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指すこととする。
引用元:フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(内閣官房 公正取引委員会 中小企業庁 厚生労働省)
ITフリーランスとは?
それでは、テクノロジーに関わる「ITフリーランス」にはどんな職種があるのか見ていきましょう。
CTO
CTO(Chief Technology Officer/Chief Technical Officer)は最高技術責任者のことです。CTOは社内技術の方針や研究開発の進め方など、組織の技術に関する責任を負う立場にあります。日本では技術部長などの呼び方もあります。
VPoE
VPoE(Vice President of Engineering)は、エンジニアやその他技術職のマネジメント責任者です。エンジニア組織の構築が主な業務であり、人材採用から社内制度の整備、エンジニアへの評価などを行います。VPoEは適材適所の人材配置とともに、効率よくプロジェクトを推進させ事業の成長につなげる役割を持ちます。
技術顧問
技術顧問は、技術面に関するアドバイスやデータ分析を行う指導者です。エンジニアの採用や教育・研修、ときにはエンジニアの評価方式の策定なども行います。
エンジニア
要件定義からシステム設計~開発、テスト、運用を行うのがエンジニアで、分野や業界によっていろいろな呼び方があります。たとえばWeb系なら、ユーザーが操作する部分を担当するフロントエンドエンジニア、サーバー側の処理を担当するバックエンドエンジニアといった具合です。
スマートフォンやタブレット用アプリのエンジニアは、専門とするOSによってiOSエンジニアやAndroidエンジニアと呼ばれます。
他に、情報セキュリティ全般を担当するセキュリティエンジニア、データベースの開発・運用を担当するデータベースエンジニアなどがあります。
クリエイター
クリエイターの職種としては、アプリやWebページのデザインを担当するUIデザイナー、ユーザーが満足できるサービスを設計するUXデザイナー、Webサイトのデザインからコーディングまでを行うWebデザイナーなどがあります。
クリエイターはWebやアプリ開発を行う上でエンジニアと密接な関係にあり、フリーランスの案件も多く公開されています。
在宅案件はどれくらいある?ITフリーランス案件の傾向
IT技術者は「不足している」と言われて久しく、ITフリーランスとしては売り手市場と言えます。
時間や内容
エンジニアなら月140~180時間、技術顧問なら週2~3日の参画と言ったように、日数や時間数が定められているケースが多々見受けられます。業務内容も、案件に必須スキルや推奨スキルが記載されているため、自分の経験技術に合った案件を探すことが可能です。
働く場所
昨今は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、在宅勤務が増加しています。フルリモート、1週間のうち数日が在宅勤務で残りは出社……というように、働き方が多様化し続けているのです。
特にWeb系や中小企業、スタートアップ企業などは、働く場所と時間が柔軟な傾向にあります。ただ在宅勤務にも人によって合う・合わないがあるのは否めません。したがってフルリモートでも自分の業務を滞りなく進められる人材は、高いニーズがあると言ってよいでしょう。
ITフリーランスに転向するメリット
自分に合った仕事を選べる
現在のところITフリーランスの案件は豊富にあります。自分のスキルや報酬、働き方など希望の条件に合致した案件を数多くの選択肢から選べるのは、大きなメリットです。
時間や場所を問わず働ける
IT業界はフレックスタイム制度を導入している企業が多く存在します。案件に総労働時間の目安が提示されているケースは多いものの、雇用関係でなければ、比較的自由な時間に働けます。案件によっては出社が必要なケースもありますが、前述のように在宅勤務もできます。
また地方に住むエンジニアにとっては、首都圏の案件を獲得する機会も増加しています。地元だけでなく、首都圏の様々な分野のプロジェクトを経験できるのは隠れたメリットです。
スキル次第で収入アップ可能
クライアント企業と長いお付き合いを続け、評価が上がれば報酬アップが見込めます。また経験してきたスキルを組み合わせて高額案件を新規開拓することもできますし、複数のプロジェクトを掛け持ちすることも可能です。
ITフリーランスに定年はありませんが、裏を返せば一生涯働けるということでもあります。収入をアップできるかどうかは、自分のスキルと意志次第なのです。
ITフリーランスの案件獲得方法
ITフリーランスは、おおむね以下のようにして案件を獲得することになります。
知人や過去の取引先など人脈をあたる
知人の紹介や、過去に所属していた組織、過去に取り引きしていた企業からの紹介が案件獲得方法のひとつです。信頼関係を構築できている人から紹介されれば、信頼あるクライアントに出会える可能性が高くなります。
クラウドソーシングで探す
クラウドソーシングは自分のスキルに合った案件を探せることもさることながら、未経験者歓迎案件もあるため、新しい技術にチャレンジしたい場合にも使える方法です。
SNSを活用する
小規模なプロジェクトや個人事業主同士で、若干名の募集がかかっていることがあります。SNSでの案件獲得は、人脈の開拓につながるのも魅力です。
エージェントに登録する
案件を紹介するエージェントに登録する方法もあります。転職したい人向けのエージェントもありますが、ITフリーランスとして働くなら、フリーランス・副業向けを謳っているエージェントがお勧めです。業務委託の案件が豊富で、登録者のスキルや働き方などの条件に沿って案件情報を継続的に提供してもらえます。
ITフリーランスになるなら登録しておきたいエージェント
フリーランス専用エージェントは、基本的に利用者登録無料です。一般的に、スキルシート(職務経歴書・レジュメとも)をエージェントに登録し、案件に参画することになれば仲介手数料(マージン)が発生する流れとなります。エージェントのコンサルタントは、利用者と企業とのマッチングに関して一連の業務を行います。
案件の特徴はエージェントによって異なります。たとえば「FLEXY」ならクライアントに特徴があり、自社プロダクト・自社サービスのあるIT・Web企業を主なクライアントとしています。開発業務だけでなく、技術顧問やディレクション案件など、幅広い領域をカバーしていることも特徴のひとつです。またサイト上では公開されておらず利用者だけにご案内する非公開案件もあります。
他にも経理アプリの提供やヘルスケアのサービスなど、独自のサポートを提供しているエージェントも多数あります。エージェントそれぞれに特徴があることを念頭に置いて、いくつか登録してみてはいかがでしょうか。
フリーランスエンジニアに強い具体的なエージェントについては、以下の記事にまとめていますのでぜひ参照してください。
『フリーランスのエンジニアにおすすめなエージェントを12社厳選! 選び方、サービス内容を解説』
ITフリーランスになるには?必要な3つのこと
ITフリーランスとして案件を獲得し続けるためには、自己研鑽が欠かせません。
継続的にスキルアップを図る
ITフリーランスは、新しいプログラミング言語や開発手法を習得する、システム設計やプロジェクトマネジメントなど上流工程の経験を積むといったように、常にスキルアップが必要です。業務の範囲が広がれば報酬アップにもつながります。
人脈を作り、信頼できるクライアントと仕事をする
ITフリーランスとして働くからには、信頼できるクライアントを見定めたいところです。信頼できる知人からの紹介なら安心度は高いですし、エージェントも自社の審査をクリアしたクライアントだけを紹介してくれます。
社会保険やもしものときのリスクヘッジ、経理について知る
ITフリーランスは、基本的に厚生年金や会社の健康保険を利用できません。国民年金や国民健康保険に自分で加入することになります。
(※条件によって退職後2年間は会社の健康保険が使える制度もあります。)
また雇用保険にも加入できず労災(労働災害)の対象者にならないため、仕事がなくなった場合や、怪我や病気で働けなくなったときの備えも必要です。
備えの例としては、フリーランス向けの保険や、就労不能保険といった生命保険の商品があります。保険の制度や商品は時代とともに変わるので、折に触れて見直しを行いたいところです。
売上や経費などの経理関係も、自分で管理することになります。経理知識にあまり自信がない場合は、簡単に管理ができる経理ソフトを利用するのがおすすめです。
ITフリーランスになる前に副業からスタートするのも可能
ここまでITフリーランスになるメリットや方法をご紹介してきましたが、実際はいきなりITフリーランス一本で働くよりも、今いる会社に所属しながら副業をしてITフリーランスとしてやっていけるかを見定めることもできます。
現在は政府が副業や兼業を推奨しており、さまざまな企業で副業解禁の動きがあります。もし所属している企業が副業解禁となっているのであれば、腕試しをしてみてはいかがでしょうか。
副業をする人材は、基本的に業務経験を積みビジネススキルも備えている者、すなわち即戦力と見なされます。したがって案件も相応の難易度となると心得ておきましょう。また副業はおおむね平日の夜や休日に業務を行うことになります。クライアント側が業務時間外に対応する可能性もあるため、自身のスケジューリングはしっかりと行うとともに、クライアントの負担にならないようなコミュニケーションが肝要です。
こちらの記事ではエンジニアの副業の始め方について詳しく解説しています。是非合わせてご覧ください。
ITエンジニアの副業の始め方は? 準備やエージェント活用など、報酬を受け取るまでのリアルな話
まとめ
ITフリーランスとなると、本来の業務以外にも経理や営業活動など、それまでと異なる仕事が加わります。まずは副業として働くか、小規模なプロジェクトに参画するなどして、経験を積んで様子を見るのがお勧めです。
案件の獲得や報酬の交渉が難しいと感じたら、フリーランス向けのエージェントを活用してみましょう。便利なサービスを利用して、ぜひ自分に合った働き方を見つけてください。
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