【ECサイト制作パーフェクト図鑑】独自ドメインカスタマイズ!ECサイトをゼロイチで立ち上げる際の工程を分類
こんにちは。FLEXY編集部です。
本記事では、ECサイトの作り方を、構築・制作フェーズと運用フェーズに分けて工程順にまとめました。
特に、独自ドメインでECサイトをカスタマイズして作る方にお勧めの記事です。自社で内製化して制作する際に留意したい工程について、詳しく順を追って説明します。
※独自ドメインとは「https://===.co.jp/」といった独自のURLのことを指します。 独自ドメインでのECサイトの利点は、自社で必要なカスタマイズが全てできること、またブランディングの強化が可能という点です。
自社のECサイトを制作したけれどもなかなか売上が伸びないという場合も、リリース後のプロモーションの仕方やECサイトのためのWebマーケティングの概念について本記事でまとめていますので、是非ご覧ください。
構築フェーズ
調査分析/企画
ECサイトのコーディングといった制作フェーズに入る前に、まずはどういうサイトを作るべきかを熟考します。
調査分析/企画フェーズから始め、市場/競合分析をして、競合優位性を探りましょう。
そして、具体的なKGI/KPI策定、顧客層のターゲット分析、自社ドメインでECパッケージを使用した方がいいのかの調査、それぞれのページの内容含めてコンテンツ企画、またリリースした後の広告プロモーション企画についても、制作に入る前の構築フェーズで決めていきます。
以下に、それぞれの項目について順を追ってご説明します。
市場/競合分析
まずは、市場の細分化のためのセグメンテーションを行います。
・高リピート層 ・定期来場層 ・低頻度層 ・休眠層(潜在層) ・未経験層(潜在層)
またブランドイメージや購買層を分類し、他の企業がどのようなECサイトを展開しているのか競合サイトの状況の分析も必要です。
マーケティングのフレームワークを使うことも出来ます。3C分析とSWOT分析を以下にご紹介します。
・3C分析
3C分析とは、戦略的立案における市場環境分析のためのフレームワークです。 市場・顧客(Customer)、競合(Competior)、自社(Company)の3つの視点から複合的に分析します。 Customer:自社の商品において、どのような顧客がいるか? Competior:市場・顧客分析を踏まえ、競合の顧客ニーズを把握 Company:自社分析として、競合のニーズを見ながら、今後の課題や差別化を考える
・SWOT分析
強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)から成り立ちます。
SWOT分析は戦略策定を目的にしていることを意識することが重要です。SWOT分析を通して、具体化したあとはTOWSマトリクスを作成します。TOWS分析では、外部環境をまず把握し、企業が利用できる内部環境をそこに掛け合わせることで方向性を把握することができます。
KGI/KPI策定
成果を測るKGI/KPIのイメージを具体化させるために、目標値となる数値の想定をプロットします。
ここで重要なのは、これらのデータはいつでも可視化される状態だけに設定する必要があります。
・例えば、 KGI:売り上げ金額を来年度10%アップ KPI:見込み客含め5万PV/月間、3%の1500件が成約を目指す。
顧客のウェブ行動やウェブスコアだけの可視化ではなく、それが購買に繋がっているのか、どんな属性の顧客なのかなどデータと情報を組み合わせた可視化が必要になります。
UUやPVといったVisitor数、受注件数、顧客単価など顧客のUXをイメージしながら数値を作りましょう。
ECサイトのKPIは、以下のように因数分解をして計測することが出来ます。
この指標では、まず最初のセッション数を増加、直帰率を下げ、商品詳細ページにより多く辿り着かせ、カートへの投入頻度を増加させ、離脱しないようにカートでの決済を完了させる、という意味があります。
次にKGIの指標を見てみます。リードの獲得数の改善に以下のKGIの数値は役立ちます。
KPI/KGIを決める際の要件は、以下の3つが揃うことが、外部環境に左右されず計測できるので重要です。 ①計測可能な数値 ②目的に合っていること ③自社で影響を及ぼせること
後々のリライトやリブランディングの際も、これらの数値は役に立ちますので、常に可視化できるようにしておきましょう。
ターゲット分析
それぞれのセグメンテーションによって顧客層ごとの違いを把握できたら、狙うべき顧客を決めるターゲティングを考察していきます。
顧客イメージを具体化するために、ペルソナ分析を詳しく言語化するのです。
ペルソナ分析は、ターゲットユーザーの抽出、コンセプト需要調査、ペルソナ仮説の設定、またその仮説が正しいのか仮説のブラッシュアップを適宜行います。
ペルソナは、Webデザインやパッケージデザイン、プロモーション企画を始めとするマーケティングにおいて重要な判断基準となり、自社のECサイトの方向性を決める大事なブランディング戦略にもつながります。
ECパッケージ調査
フルスクラッチでECサイトを作るのか?もしくはECパッケージを使用するのか?を決定します。
ゼロイチで作るのか、ECパッケージを使うのかは予算感やECサイトのボリューム、方向性、また開発人数、リリース後のサイト運用人数など様々な要素により多角的に考慮する必要があります。
リリースした後のデザイン変更の頻度、リリースするまでの開発の期間など、プロと話合うのをお勧めします。
コンテンツ企画
ECサイトの中の商品の説明ページ、キャンペーンページなどコンテンツを企画します。
デザイン面も考慮しながら、コンテンツは離脱されにくいように、購買者にわかりやすく設計する必要があります。
・TOPページ以外からもランディングさせるのか? ・インパクトのあるビジュアルになっているか? ・グローバルナビ、各カテゴリーは理解しやすく適正か? ・どのくらいの頻度でセールを行うのか? ・説明はシンプルで見やすく、購買意欲を上げることができる内容なのか? ・新商品やランキング、お勧め商品はわかりやすいか? ・商品画像は複数の角度で登録されているか? ・商品の発送、返品の規程のルールの記載はされているか?
決める項目は多数ありますが、最初に方向性を細かくルールを決めることは非常に重要です。
プロモーション企画
トリプルメディアの活用
インフルエンサーやSNSや口コミのアーンドメディアを活用する手法もあります。
【トリプルメディア】
Webマーケティングでは、3つのメディアの相乗効果を狙うトリプルメディア戦略があります。
・ペイドメディア
・アーンドメディア
・オウンドメディア
ペイドメディア、アーンドメディア、オウンドメディアの3つを使い分け、ターゲットに情報が届くように設計します。
ペイドメディア(インターネット広告)
インターネット広告のはオンライン広告、デジタル広告ともよばれ、種類は、以下が一般的です。
・リスティング広告(検索連動型広告) インターネットの検索結果ページで、上部もしくは下部に表示される広告のことです。 リスティング広告は掲載したい検索キーワードを指定して、広告が1回クリックされるごとに料金が発生する仕組みです。この1クリックあたりの料金は指定する際に設定する入札方式で、金額により掲載順位が決定します。
・純広告、記事広告 Yahooのトップページの両サイドや、右に表示されるバナーの広告を純広告と呼びます。
・ネイティブ広告(インフィード広告) 広告を馴染ませる手法で、広告を掲載するWebサイトやメディア、アプリ等の広告枠です。「PR」や「広告」と書いてあることが一般的で、デザインや内容、動作やクリエイティブのトーンやマナーが合致していて、ユーザーが違和感なくそのサイトの一部と認識するように掲載されています。
FacebookやTwitterのタイムラインに流す「プロモートツイート」がその「インフェード型」の典型で、サイトやアプリのコンテンツに広告が違和感なく流れてくる手法です。
【その他】 ・アフィリエイト広告 ・アドネットワーク(DSP) ・SNS広告 ・動画広告
カスタマージャーニーとプロモーションの関係
プロモーションの本質は、価値を伝達し購入してもらうことで、プロモーションは、行動をストーリーで考える必要があります。
知ってもらう、買ってもらう、最終的にはファンになってもらうというプロセスをプランニングするのが、プロモーションの役割です。
購買行動を、店頭(インストア)を起点に、以下の3つに分けます。
・プリストア ・インストア ・アフターストア
プリストアは、広告で知る、ニュースで見る、Facebookやインスタグラムでシェアしているのを見る、テレビで見るといった商品情報で、拡散する視点です。インストアは、ECサイトの購買、店頭での購買、店頭では実際に手に取るといったこともでき、サイトイメージや店頭のブランディングを作ります。アフターストアはリピートする、SNSや友人にお勧めするという視点で、この3つを循環させ、サイクルを上手く設計する必要があります。
要件定義/設計
調査分析/企画フェーズが終わったら、次は、要件定義/設計のフェーズに移行します。
ECサイト設計、SEO設計、運用フロー、レギュレーション策定を決めます。
ECサイト設計
ターゲットに沿ったイメージ戦略、製品から探す、価格から探す、テーマから探すなどのボタンの配置などデザイン面も含めて、UI/UXを設計しましょう。
・シナリオ設計 ・コンテンツ作成 (TOPデザイン、サブページのデザイン、スマホデザインなど全体に表示が必要なコンテンツの策定) ・商品説明ページのUI、説明で表示する項目の確定 ・ウェブフォーム設定 ・支払いはどうするのか?決済システム導入 ・DNS設計
UX(ユーザーエクスペリエンス)とはその名の通り、製品やサービスの価値をそれ単体で捉えるのではなく、消費者が体験するストーリー全体を捉えるということです。
カスタマージャーニーとして、そのようなサービスをどのような気持ちで利用するのかを把握する必要があります。
ECパッケージ選定
フルスクラッチでECサイトを立ち上げることももちろん可能ですが、商品数によってはECパッケージを活用することもお勧めします。
様々なECパッケージがありますので、その中からリリース後の運用面も含め、適切なパッケージを選定します。
・機能として、やりたい事が実現できるか? ・初期費用だけでなく、長期的なランニングコストはどのくらいかかるのか?
長期的な視点で決定することをお勧めします。
SEO設計
SEOとは(Search Engine Optimization)検索エンジン最適化のことです。
どんな言葉で検索したときにヒットするサイトにするのか? どんなワードでサイトに呼び込むのか? そもそもサイト名でTOPに表示されるのか?
サーチエンジン、YahooやGoogleなどで検索された時にヒットするサイトへの流入ワードを設計します。
昔のサイトは、全てTOPのサイトに動線を持ってくるという設計でしたが、最近では商品ページにもSEOをかけてサイトから流入させるという方法もあります。
SEO、検索で上記に上げるのはコツが必要です。インターネット上の競合に打ち勝って、ページを上位に表示する必要があります。
運用フロー、レギュレーション策定
構築フェーズ、運用フェーズ、それぞれ担当者やレギュレーションの必要があります。
それぞれのフェーズで、どういう工程を踏むのか?具体的に決めておきましょう。
次の項目から、ECサイト構築とリリースしてからの運営のフローをご紹介します。
構築
次は、いよいよWebサイトを構築するフェーズに入ります。
フロントエンドエンジニア、サーバーサイド、SEOやアクセス解析といったWebマーケティングの視点でも構築に入ります。
サイト制作
サイトの制作には様々な職種が携わります。大型のECサイトになると、いろいろなポジションの人が関わります。
一概に全ての役職が必要ということはありませんが、それぞれの役割としては以下の業務領域をカバーしています。
専門性に特化している人もいますが、兼任している企業が多いでしょう。
プロデューサーやWebディレクターが進捗を管理するのが一般的です。カウンターパートとして、購買者のUX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)を細かく定義するためのUXデザイナーがいると、効率的です。
またブランディングや購買につなげるためのイメージデザイン、ボタンの配置や遷移での離脱を防ぐためのUI(User Interface/ユーザーインタフェース)も非常に重要です。
サイトマップやワイヤーフレームといった情報を整理し、PhotoshopやIllustratorでデザインの決定、そしてコーディングが始まります。
アプリ開発
スマートフォンのアプリでも、ECを作ることができます。
ユーザーに向けて運営者からプッシュ通知を送ることができる、ダウンロードしてアプリを保有することで、ユーザーがファン化して囲い込みやすいというメリットもあります。
スマートフォンアプリのECサイトはよっぽど広告で魅力を訴求することが成功したか、もしくは元々のそのブランドのファンでないでダウンロードまで至りません。
まだ2020年現在では、スマートフォンアプリのECサイトで成功している事例はあまり多くないですが、今後増えていく可能性は高いと見受けられます。
ECシステム構築
例えば、以下は大型のWebサイト構築をした際の全体の役割を明確化したものです。
リリース後のシステムの運用まで考慮して、開発を進めます。

撮影、ライティング
商品の撮影、商品説明のライティングの用意をします。
ECサイトで重要なのは、画像や説明で魅力を伝えることです。ユーザーは、商品を手に取ることは出来ないのでサイト上のビジュアルと情報が購買に繋がります。
またサイトの商品ページのトンマナも決めておきましょう。以下が一例になります。
上記をドキュメント化もしくはシステム化しておくことで、運用する人が変更されても、統一されたデザインのサイトを継続することが可能です。
アクセス解析設定
アクセス解析の定番は、やはりGoogleアナリティクスです。PV数やUU数、CV数などの推移も確認できます。
Googleアナリティクスの登録をして、トラッキングコードを設置します。
Google提供のSEOに特化した無料アクセス解析ツール、Googleサーチコンソールもマストで入れておくと良いでしょう。
無料もしくは有料で様々なツールが出ていますので、どのデータを解析するか?の目的に合わせて是非導入してください。
運用フェーズ
独自ドメインに構築したECサイトを配置出来たら、次は、どうやって購買層へ届けるかです。
制作したECサイトをどうターゲットへリーチするのかを見ていきましょう。
ローンチと運用
ここからはローンチした後とECサイトの運用のフェーズです。
SEO改善
ECサイトのリリースをしたら適切なワーディングで検索上位に来ているかトラッキングしてみましょう。
もしも狙っっているキーワードで、上位に来ていない場合はSEOの改善が必要です。
SEO改善のツールは、無料、有料様々出ていますが、Googleサーチコンソールの検索アナリティクスを使用することをお勧めします。
有料ですと、ミエルカというツールも登録したワードのランキングがわかるのでお勧めです。
KGI/KPI測定・評価
KGI/KPIのそれぞれの言葉の定義をおさらいします。
前述したように、Webマーケティングの観点では、まずは、売上額=セッション数×(1-直帰率)×商品詳細ページ到達率×カート投入率×カート完遂率×注文単価の指標で計測していきましょう。
アクセス解析・改善案・実行
Webマーケティングの視点では、ECサイトの売り上げは以下で概算できるので、サイト改善ではセッション数とコンバージョン率をあげれば良いということになります。
サイト全体を見たときに、セッション数が10000、CV率が1.5%だった際は、
①自然検索 ②リスティング広告 ③ダイレクトトラフィック ④参照トラフィック
上記の4つのセッション数値とCV率を見て、セグメント別に分析し、改善のための仮説を立てることが必要です。
上記の4つのようにユーザーがどこからアクセスしたか、と合わせて新規ユーザーとリピーター、ランディングページ、地域、曜日と時間などのセグメントも見れば、いつどのトラフィックが売り上げにすぐ効果が出るのかを知ることができます。
ここででデジタルマーケティングの基礎キーワードを以下にご紹介します。
【PV】(ページビュー数) Webページの表示回数、Webページが閲覧者のブラウザに表示されてた回数です。ブラウザからの1回のリクエストでサーバーからWebページが画面に表示された回数です。
【UU】(ユーザー数) 訪問者数であるユニークユーザー数で、上記のPVよりも数が少なくなることが通常です。理由としては、Webサイトを訪問した人は、複数のページを閲覧することが多いからです。主にCookie(クッキー)を使った調査方法が利用されます。
【インプレッション】 広告料金の基準にもなる、ある広告が示された合計数です。インターネット広告がサイト閲覧者のブラウザ画面に表示されること、また表示された回数の合計をインプレッション数と示します。広告を掲載しているメディアサイトなどの媒体が広告料金を決める指標でもあります。同じWebサイトに異なる広告をローテーションで表示させることもあるので、PVとは必ずしも一致しません。
【クリック率】 バナー広告などのインプレッション数の中で、実際にクリックされた回数の割合で、ネット広告の効果測定にも使用されます。
【CV】(コンバージョン) 商用目的のWebサイトで獲得する最終成果です。ECサイトであれば商品購入の成約を指しますので、CVした!ということは購入されたと同義語です。
【デモグラフィック】 最近は、ECサイトでも消費者の購買行動を把握、分析できるようになりました。消費者の属性データ、性別や年齢、職業や学歴などから個人の消費行動が違うという点から、消費者を複数のグループに分けて有効なターゲットを決め、適切なマーケティング戦略を構築するためにデモグラフィックは使用します。
ABテスト立案・実行
A/Bテストを通じて、ランディングページの最適化をしていきます。
LOP(ランディングページ最適化)を実施する際は、
の2種類が用いられます。
簡易的な手法と言えるのがA/Bテストで、A/Bテストの流れをご紹介します。
Googleアナリティクスには、「ウェブテスト」というA/Bテストを支援する機能が実装されているので、使用してみてください。
プロモーション
広告効果検証・改善案・実行
ECサイトの目的は、一般的には以下です。CPO(Cost Per Order)を把握するのも重要です。 広告の費用がどのくらいかかったのか?は、随時PDCA(OODAループ)を回す必要があります。
広告プロモーションでも触れた内容の広告効果検証・改善案・実行を行います。
CRM施策
CRMは、Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネージメント)の略語で、「顧客関係管理」や「顧客管理」という意味です。
CRMは、ターゲットとなる顧客情報を一元管理し、長期的なリレーションシップを構築するための重要な施策です。
まとめ
ECサイトの成功のためには上記のような要素が必要となります。
社内に経験者がいない場合は、プロがサポートすることもあり多数の会社があります。
知見の内製化という意味では、運用のための担当者の育成も含めてプロシェアリングのFLEXYへお声がけください。 ※FLEXYは株式会社サーキュレーションが運営しています。