実例で紐解く、AI・自然言語処理のスペシャリストによる「企業を正しく導く」技術支援のノウハウ――MDIU・江口天さん

AI、RPA、IoT、ブロックチェーン、量子コンピュータなど先端テクノロジーに特化した技術指導・技術コンサルティングを行っている株式会社MDIU。同社の代表取締役CEOである江口天(たかし)さん、活動の幅を広げるため、現在flexyの稼働者としてもご活躍いただき、様々な企業でAIのスペシャリストとしてコンサルティングを行なっています。
江口さんが実際の事例でどのような実績を残されているかを中心に、働き方への考え方、エンジニアリングへの思い、flexyに参画された背景、注目している先端技術の正しい活用の観点などについて詳しくインタビューでお伺いしました。

【目次】

●国力の増強を大目標に、地に足ついた技術提供を目指す
—ご経歴
—先端技術分野で技術顧問・技術コンサルタントとして手がけている案件
●時間も場所も問わない働き方で、数十件以上のプロジェクトを同時進行
—新しい働き方
—時間と場所を問わない働き方のメリット
—flexyに参画された理由
●英語力、技術力、ビジネス感覚を駆使して案件にコミット
—案件の詳細、支援内容と金額
●経営者やエンジニアとして得た知見をフル活用した幅広い支援が可能
—今後の展開
—先端技術分野の利点
●画期的ブレイクスルーの可能性を秘めたAIの今後
—得意とするAI、自然言語処理の分野について今後注目しているポイント

国力の増強を大目標に、地に足ついた技術提供を目指す

江口さんは2社の取締役として積極的に技術顧問として活動されていますが、簡単なご経歴を教えていただけますか?

江口:現在は株式会社MDIUと株式会社SPJの代表取締役を兼任しています。MDIUにおいては、技術顧問として数社と関わっている状態です。
もともとはNTTに数年務めた後、ドイツでマイクロソフトに参入。6年間ほど自然言語処理エンジニアとして働いていました。独立後はR&D最高技術責任者、CTO、技術コンサルティングなどさまざまな立場・業務を経験してきましたが、その中で強く抱いた思いが「先端技術を正しく活用し、ROIを最大化する事が重要」という点です。それが現在地道に技術を研鑽している研究者が脚光を浴びるきっかけとなり、企業はもちろん、ひいては国力の増強にもつながると考えました。それが今MDIUで行っている技術コンサルティングの出発点であり、目指すべき目標となっています。

MDIUはAI、IoT、RPA等など幅広い分野を手がけているそうですが、現在はどのような案件が多いのでしょうか?

江口:先端領域だけでなく一般的なITサポートからRPA自動化支援まで、手広く行っていて、現在はRPA案件が多いですね。具体的に言うと、もともとメールが扱えないといったレベルの企業に対して、ゼロから指導する案件も少なくありません。クラウドに慣れて日報など紙ベースのやりとりをなくし、自動化に向けた基盤を整えるところまでサポートします。このあたりは多少レガシーな業務でしょうか。
ただ、RPAでもクラス2以上はデータ分析やAI連携による意思決定・意図理解などが絡んでくるので、その点では単純な情シスによる業務改善とはレベルが異なる部分と言えます。

江口天さん

時間も場所も問わない働き方で、数十件以上のプロジェクトを同時進行

技術顧問をこなす中で、どのような働き方を実践しているのでしょうか?

江口:誤解を恐れずに言えば、一番大切にしているのは「時間的拘束と空間的拘束をぶっこわす!」ということ。枠に囚われず、自然な発想で働きたいと思っています。
例えば多くのエンジニアやプログラマーを見てきて実感しているのは、特に若い方は朝起きられない人が多いという点です。そんな人を9時に起こして働かせても、眠すぎてパフォーマンスが下がってしまう。13時から17時の間が一番パフォーマンスを発揮できる人材であるなら、その時間に働いてもらった方がいいに決まっています。 それに、労働時間を1日8時間で固定するのも無意味です。それよりもタスク単位で依頼をして、30分で成果を生むことができるのならその方がメリットは大きい。これは、マイクロソフト時代のドイツでの働き方をヒントにしながら、私自身が経営者になったことで得た意識です。経営者は1日8時間働いても、成果がなければ利益はゼロですから。
MDIUでも大半の人は実際に顔を合わせる事も無く、バーチャルで場所も時間も問わず働いております。定例すらなく、すべてslack上のチャットでやりとりします。このスタイルの大きなメリットは、場所にも拘束されずに済むということです。散歩中でもスマホがあれば、アイデアを思いついた瞬間にslackに投げればいいだけですから。私の場合はトレーニングジムや森のベンチで仕事をするのが好きですね。世界中どこでもオフィスという感覚です。

そのほかに、時間と場所を問わない働き方のメリットはありますか?

江口:週5日労働で1日8時間オフィスに拘束されるというのは、相当に長い時間です。その一方で、その間にも世間は動いていますよね。22歳から65歳まで、それを見ずに過ごすのは非常にもったいない。時間と場所に拘束されなければ、世の中の動きをしっかりと見ることができます。そして、何より自分の時間を犠牲にする必要がなく、型にとらわれない自由な発想ができるので、それが仕事にいい影響を与えます。
業務改善やスマートワークを目指すならば、まずは時間と場所の制約を無くす事が一番良いかなと考えています。
また、複数の仕事を同時に進められることも利点です。私が関わりのあるプロジェクトは20、30といった数ですが、それらをすべてslack上で進行できるように仕組み化しています。もちろん仕組み化さえできれば、slack以外のどんなツールでも構いません。それができるようになると、ものすごく効率がいいですよ。

確固たる仕事上のこだわりや考えを持つ江口さんが、flexyに参画された理由はなんだったのでしょう?

江口:そもそも自分自身が技術顧問やコンサルティングをするのがすごく好きで、そういった活動を自社以外の場でも広げていきたい、もっと企業のみなさんに思いを伝えていきたいという気持ちが強かったんです。有り体に言えば、その発信の場として、flexyさんは非常に使える、マッチしていると思ったのが正直なところです。掲げているテーマやキーワードも、働き方改善や外部CTO派遣、スマートワークなど、自分の思想と合致していると感じました。
スポットコンサルなので、業務的な負荷が軽いという点でもやってみたいという気持ちが高まりましたね。先端技術に興味があるけれどどういうものかわからないというお客様を、自分の力で良い方向に導くことができればと思っています。

英語力、技術力、ビジネス感覚を駆使して案件にコミット

関西電力のAI分野でコンサルティングに入られたそうですが、どのような案件だったのでしょうか?

江口:flexyさん経由ではありませんでしたが、やはり顧問派遣の企業を通してご紹介いただいた案件です。「iino」という次世代型低速自動走行モビリティサービスプロジェクトにおける、自動運転のAI部分のコンサルですね。主な役目は技術調整。ドイツの企業がベンダーになっていて、その国際調整を担いました。現在もドイツでプロトタイプを製作してもらっています。

国際調整という部分で、江口さんがコミットする必然性はどんな部分にあったのでしょうか?

江口:アメリカやヨーロッパのベンダーと細かなやりとりをするとなると、国際レベルの英語力が必要です。もちろん関西電力さんにも高い英語力を持つメンバーは揃っているのですが、高度な最先端技術の仕様に踏み込む話となると、英語力だけではなく、その分野の技術的なバックグラウンドも重要になります。ネイティブであっても、AIの専門性がないとディープラーニングについて深い部分はわかりませんし、テクノロジーに関する論文も理解が難しい。国際レベルの英語力とビジネス感覚を持つ技術者が必要な案件だったのです。私自身はマイクロソフトにいた頃から技術者として当時の開発グループで指示の出し合いをずっとこなしてきたという点がマッチしました。

プロジェクト自体は、江口さんがコミットしてからどれくらい進捗したのでしょうか?

江口:私が支援に入る前は、そもそもまだどのベンダーを選ぶかが一切決まっていない状態でした。ですからまずは海外の企業20社以上にヒアリングをして、先方が提示する技術の妥当性を判断するところからスタートしています。ベンダーが決定し、技術調整を重ねながらプロトタイプの開発が進み、コンセプトを決め、現在はリーンスタートアップの段階まできました。iinoが掲げる「時速5kmで街を移動するモビリティ」という思想の実現を100%とするのなら、段階的にはまだまだ25%程度の状況だとは思いますが、当初から考えるとかなりの進捗ではないかと思います。

技術顧問としての代表的な支援内容と価格

支援内容 ・AIなど先端テクノロジーに特化した技術指導/技術コンサルティング
・RPA等による業務改善支援コンサルティング
・スマートワークの導入支援コンサルティング(技術面)
・スマートワークの導入支援コンサルティング(仕組み面)
時間 各1時間〜
金額 各10万円〜
※英語対応が必要な場合は、別途費用がかかります。

江口天さん

経営者やエンジニアとして得た知見をフル活用した幅広い支援が可能

江口さんご自身の技術支援可能な範囲について、強みや今後さらに深めていきたい分野があればお教えください。

江口:10年以上前からマイクロソフトの検索エンジニアだったので、スキルとして自然言語処理が中核になっていることは間違いありません。ただ、現在は技術者というよりも経営に興味関心が深まっていて、自社の財務も自分でこなしています。技術者が経営感覚を持つ、たとえばBSを見られるといったことは非常に重要だとも考えています。それが結果としてどうお金を生み出していくべきかという感覚を養うことにつながるはずです。

最先端分野のエンジニア育成・採用支援・人材紹介にもお強いと伺っていますが、その利点は何でしょうか。

江口:端的に言えば、採用したい技術者のスキルセットを見極めることができます。その方法論や、見るべき観点もはっきりしています。
まずはインタビューをするわけですが、アルゴリズムやデータに強いかどうか、基礎的な問題を出して確かめます。次に、パソコンを立ち上げて実際にコードを書いてもらう。Pythonでも何でも構いません。テストまでしてもらい、完成したコードの悪い点を述べてもらいます。その中で、このエンジニアはメモリの管理を意識したコードがかけるか?計算量を意識したコードをかけるか?データ構造に関して正しい知見があるか等、プログラマーとしての基礎的な力を見るのと同時に、各先端分野の専門性に関しても見ていきます。
AI分野での例としては、その人が本当に機械学習を使えるのかどうかを判断するのも、きっちり要求に合致した成果物を効率よく仕上げられるかどうかを確認するのが一番手っ取り早い方法です。要するに、ただ聞いて終わりにしないことがポイントになります。英語を使えるというのなら、すべて英語で話しましょうとその瞬間から切り替える、といったことですね。履歴書に書いてあるスキルセットは試さないといけません。本当は一定期間インターン的に実際に働いてもらうのが一番わかりやすいと思っています。

活用事例調査、研究動向調査も行うそうですが、これはどのようなものでしょうか?

江口:いわゆる技術調査のことで、テクノロジーに関して企業が知らないことをお教えするというものです。論文レベルで踏み込む必要がある技術的な情報を調査する、ということですね。あとはチーフアーキテクトとして技術選定なども行います。こういった部分で、包括的なサポートができる事が、私が代表をしているMDIUの強みとなっております。

画期的ブレイクスルーの可能性を秘めたAIの今後

江口さんが得意とするAI、自然言語処理の分野について今後注目しているポイントはありますか?

江口:AIはパターンを学んで最適な解を示すものですが、逆に言うとそれしかできません。特化型にならざるを得ないものです。勿論、汎用型AIの研究は盛んに行われていますし、ディープラーニングの表現獲得の能力はある意味、人間を凌駕しているとも言えます。ただし、まだまだ限定的だというのが実情でしょう。だからこそ今後、特定の分野に関しては人間をどんどん超えていく可能性があるでしょう。とはいえ自然言語は同じ質問であっても人や状況によって解釈が変わってしまうので、真の意味でAIが意図理解することはないと考えています。それに、あえて人間を真似る必要もありません。実際のところ、AIはアーティフィシャルインテリジェンスではなく、マシンインテリジェンスと言ったほうが正しいんです。
そういう意味で私が注目しているのは、量子コンピューティングです。計算量がもっと高まっていけば、ブレイクスルーを期待できる部分が多く存在すると思っています。

チャットボットの開発や導入支援も積極的に行っているそうですが、その観点ではいかがでしょうか。

江口:チャットボットは定形の質問にはよく答えることができるので役立つことがある一方で、ヘルプが不要な人にとってはサイトに訪れたらすぐ消してしまう存在でもあります。ただチャットボットのメリットとして最近着目しているのは、「チャットボットが答えられなかった質問はなんなのか」という点です。ログ分析によってチャットボットが回答できなかった質問の中から明確な意図を持つものを自動的に判別し、さらに質問の重要度を順位づけていきます。ここからFAQを生成する下地ができあがる。マーケティングの基盤になるわけです。現在はこちらの方が需要も高いですね。回答の精度そのものよりも、裏に溜まっているビッグデータをいかに可視化してナレッジの向上につなげるかの方が大事だという観点に最近気づきました。

ご支援について詳しくお話をお伺いしたい場合は、お問い合わせください お問い合わせ
メールでのご希望はflexy@circu.co.jpにご連絡をお願いします。

この記事を書いた人
flexy編集部
flexy編集部
ハイスキルIT人材への案件紹介サービス
サーキュレーションが運営するフリーランスのエンジニアを中心としたIT人材の案件紹介サービスflexy。エンジニアに役立つコンテンツも提供しています。【flexyのサービス詳細】★求人を募集している法人様向けお仕事をしたいご登録希望の個人様向け

今のエンジニア組織に満足されていますか?

法人のみなさまへ。flexyでは技術組織の採用支援、組織作り(人事評価、パフォーマンスマネジメント)やアーキテクチャー設計アドバイスなどエンジニアのマネジメントや上流工程にお悩みの企業様とハイスキルなCTOの皆様やTechLeadの皆様の出会いを支援しております。

flexyでご案内できる業務委託案件

React

テーマ クラウド入居者管理システムのフロントエンド開発(リモート可)
勤務日数 2-3日/週
報酬 4万円/日
必要スキル React
勤務地 東京
リモート

外部CTO、技術顧問

テーマ 技術アドバイザリーとして知見と経験を生かす
勤務日数 1日/週
報酬 10万円/日
必要スキル エンジニア組織立ち上げや統括のご経験、コードレビュー経験、技術的なアドバイスが出来る方
勤務地 東京
リモート 相談可

Go

テーマ 家族型ロボットのサーバサイド開発
勤務日数 3-4日/週
報酬 5万円/日
必要スキル Go GCP
勤務地 東京
リモート 相談可

AI

テーマ AIを活用した新規事業立ち上げの技術顧問
勤務日数 週1日〜
報酬 5万/日
必要スキル Python、AIの知見、新規事業立ち上げの経験
勤務地 東京
リモート リモートと常駐のMIX

PMポジション

テーマ 複数のプロダクトごとにPMを必要としているため急募
勤務日数 2-3日/週
報酬 5万円/日
必要スキル PMとしての経験、PHP、JavaScript
勤務地 東京
リモート リモートと常駐のMIX
お仕事をお探しの方へ

お仕事をお探しの方(無料登録)
法人の方(IT課題の相談)